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クモE4-600

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くもいーよんろっぴゃく

クモE4-600とは、映画『交渉人 真下正義』に登場する架空の地下鉄車両。

概要

踊る大捜査線のスピンオフ映画『交渉人真下正義』(2005年5月7日公開)に登場する架空の地下鉄車両。

一般の乗客が乗車できない開発中の試験車両

2004年12月24日(クリスマスイブ)に、この車両が何者かによって乗っ取られ、東京の地下鉄を暴走する。

車両データ

『東京トランスポーテーションレールウェイ(TTR)』が保有する試験車両。

運転台が両側にある流線形の1両編成。

乗務員扉の他、明かり取り窓が2つあるのみで窓が少なく電気機関車のような側面をしている。

屋根にはシングルアーム式と翼型を合体させたような特殊なパンタグラフを車両中央部に装備するほか、集電靴(シュー)を備えた台車を履き、第三軌条方式にも対応する。また、蓄電池(バッテリー)を搭載し、停電時や非電化区間も走行可能。

フリーゲージトレインで、狭軌路線と標準軌路線の直通運転も可能。軌間を変更する際は、一旦停車後、自車に搭載したジャッキで車体を持ち上げて行う。

このため、同鉄道会社が保有する全路線を走行出来る。

(※)実在するフリーゲージトレインは、車軸をスライドさせる専用の線路を通過することで軌間を変えるシステムで、ジャッキアップして軌間を変更する車両は存在しない。なお、架線/第三軌条直通列車は、ヨーロッパを走るユーロスターなどで採用例がある。バッテリーで走る車両は、後年になって実用された。

ジャッキアップ形式で車輪を交換する車両は軌陸車で見られる。

車両デザイン

車両はくすんだシルバーで、無塗装のアルミ合金製車体を思わせる。

前述のように両運転台車で、車体前面は南海電鉄50000系ラピートに似た流線型,ラピートとは違い、密着連結器が剥き出しでついている。

車両正面にはヘッドライトが17個付いている。光は白色でHID灯と思われる。

このほか、テールライトが2つ点いているうえ、用途不明(通過標識灯?)の2灯が両側に付いている。

フロントガラス中央部にザクのようなモノアイのカメラが付いているが、元からついているものか、犯人が取り付けたものかは不明。カメラ自体は車体側面にも取り付けられているがこちらは何かが光っている描写はない。

ガイドブックによると、東京メトロ6000系山万1000形のような一般的な電車のようなデザインも検討されたが、インパクトが無いという理由で没になった。

デザインモチーフは前述の南海ラピートのほか南満州鉄道パシナ型蒸気機関車。ガイドブックには裏モチーフとして生物的なデザインも取り入れたとも書かれている。

形式名はJRで採用されている「運転台つき動力車」を意味する「クモ」と、地下鉄の路線図を蜘蛛の巣に見立て、そこを動き回る蜘蛛にちなんだもの。E4-600の意味は不明。

仮にJRと同じ形式符号の場合クモの後に設備を意味する記号がつくため、クモE4-600のような試験車両は「クモヤ」となる。参考までに、東京メトロならびに前身の営団地下鉄では、旅客営業を行う制御電動車の形式称号にJRと同様のクモハを用いている。

Eは現実ではJR東日本所属車両を意味し、E4は新幹線電車である。

劇中での動き

ネタバレ注意!

  • 2004年12月24日、何者かにより、運転台に不審な機械を取り付けられ、遠隔操作によって車両を乗っ取られ、車両基地を出発する。
  • 16時すぎ、TTR東陽線東陽町駅に停車。後続列車の保安装置が誤作動し、停車中のクモE4-600に追突しそうになる。その後クモE4-600は同駅を発車(ちなみに、駅員が停車中に私物の携帯電話で乗務員扉より運転席を撮影していた。)
  • 16時45分頃、東陽線九段下駅付近にて、先行列車を煽り運転。そのまま早稲田駅まで走行し、東陽線から姿を消す。(脇線を通り、桜田門線東池袋駅方面へ移動]])
  • 18時前、桜田門線九段下駅(ホームドア設置前)を通過。特殊部隊(SAT)が狙撃のため待機するが、高速で通過したため、遠心力で車体がホームに接触し、火花を散らしたため、狙撃は中止となった。
  • 18時半前後、銀座一丁目駅付近で脇線に転線、軌間を切り替え、渋谷線に乗り入れ、日本橋室町駅まで走行し、再び脇線で軌間を切り替え、九段下線に乗り入れる。その後、神保町駅付近で姿を消す。
  • 19時20分頃、建設中の地下鉄14号線新宿三丁目駅にて、特殊部隊(SAT)の狙撃を受け損傷し、そのまま停車する。

※ 脇線とは本作に登場する架空の用語で、地下鉄線同士を結ぶ非営業路線。現実では「短絡線」や「連絡線」などと呼ばれるもの。

現実における連絡線は銀座線丸ノ内線赤坂見附駅付近や、千代田線霞ヶ関駅有楽町線桜田門駅付近などにあるが、劇中ほど多くはない。

余談

  • 車両は存在せず、前頭部の原寸大モックアップ鉄道模型を使用して撮影された。駅での撮影は、保線用のトロッコを使用し、別に撮影したモックアップや模型を合成した。
  • 公開当時プラレールチョロQがグッズとして発売され、劇中にも登場している。
    • 2007年から東京メトロ各線の車両もラインナップに入っているため、所有していれば実現しなかった東京メトロの車両と並べることも可能。
    • 蛇足だが、劇中に登場した神戸市営地下鉄5000形の玩具は、過去にスルッとKANSAIから発売されており、これもプラレールの線路を走行できるため、所有していれば劇中のシーンを再現することが可能。
    • チョロQなら、過去にタルガより発売されていた浴玩(入浴剤が同封された玩具)「東京地下鉄物語」を所有していれば、東京メトロの車両と一緒に遊ぶことが可能。
  • 通常の路線よりトンネル断面の小さい渋谷線を走行可能な車両であるにも拘らず、通常サイズの車両が走る桜田門線のホームに接触したり、東京の地下を走り回る車両を本来は圏外のはずの地上の携帯電話から遠隔操作していたりと現実的にはおかしな部分もあるが、気にしてはいけない。
  • 劇場版公開に合わせて、荷台にクモE4-600を再現した宣伝トラックも登場した。

関連イラスト

※ なお劇中でもクモE4-600の走行に大はしゃぎする駅員が登場している。

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