概要
角川つばさ文庫から刊行されている柳田理科雄の著作。以前『空想科学読本』他で描かれた記事を再編集し、児童向けに描き直したものだが、新ネタも多い。
絵はいつもの近藤ゆたかではなく、1~10巻までは『進撃の巨人空想科学読本』の藤嶋マルが、11巻からはきっかが執筆している。
やたら刊行スペースが速く、ほぼ半年1冊ペースで新刊が出ている。担当編集によれば通常の『空想科学読本』は一向に企画が通らないのに、こっちは出した途端に重版がかかるので、今後もジュニア版の方がメインになる可能性が高いらしい。
特徴
- 本作は子供たちに理科に興味を持ってもらいたいというコンセプトで描かれており、既存のシリーズのように作品の非科学性に突っ込んで笑ったり、「いやあ実に凄いなあ」と丸投げしたりするよりも、作品内で行われている科学事象から理科の勉強となりえる講座を行うことに重点が置かれている。まあ、中には『バレンタインデーに100%チョコを貰う方法』『コナン君事件遭いすぎ問題』『怪獣の弱点適当すぎ説』のような理科より統計に近い旧来のネタも箸休めとして入っていたりするが。
- 表紙や挿絵に柳田氏をモデルとした青年科学者・科学次郎くんが出演している。
- カバーは題材とした作品のメタファーとなるネタが数多く描かれており、いい暇潰しになる。
- 内部は『6』以降の空想科学読本同様、質問に6~10ページ程度でサクサク応えていくスタイルをとっている。各章タイトルは「とっても気になる○○(ジャンル名)の疑問」で統一されているが、中には「意味が分からないのですが」「いくらなんでも無理では?」などふざけたものも多い。
- 中には科学的に考察する事よりも特定の作品を紹介する事に尺を割いている議題も存在する(ウルトラマンエース(第12巻)など)。
- どの本でもまんべんなく話題を取っており、必ずウルトラマンと昔話を一本以上掲載しているという裏ルールがある。
- 児童向けであるのを鑑みて『それいけ!アンパンマン』や『アイカツ!』、『プリキュア』など女児・幼児向けの題材も多いが、大抵一本か二本は柳田氏の「推し」作品が入っており、児童層はまず知らないような昔の作品(例:柔道一直線、ミラーマン、バトルフィーバーJなど)や、『極!!男塾』や『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』、『戦姫絶唱シンフォギア』などの比較的高年齢向けの作品を扱ったりもしている。
- 発行時の時事ネタや発行当時から見て近年の作品(『仮面ライダーゼロワン』や『シン・ウルトラマン』)のネタも数多く取り入れている。
- パロディとしての趣きが強かった挿絵が、より原作を踏まえたものになっている。
本作でのみ扱われている作品の一例
ここではMF版や『空想科学漫画読本』、角川文庫版等に未収録の原稿に関して記述する(以下※は公式HPや電ファミ記事置き場で掲載されている原稿、近藤ゆたかの挿絵あり)。
- 世界各地の民話・童話・伝承など
- 平家物語
- 森は生きている
- くまのプーさん
- 妖怪ウォッチ※
- ハピネスチャージプリキュア!
- 魔法つかいプリキュア!
- キラキラ☆プリキュアアラモード
- アイカツ!
- プリパラ
- マインクラフト※
- ぷよぷよ
- ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし
- ホビット
- ワールドトリガー
- 問題児たちが異世界から来るそうですよ?
- けものフレンズ※
- 手裏剣戦隊ニンニンジャー
- 仮面ライダードライブ
- ウルトラマンオーブ
- 君の名は。※
- 文豪ストレイドッグス
- モンスターストライク
- ラブライブ!
- ポプテピピック※
- あんハピ♪
※ちなみに『ドキドキ!プリキュア』に関しては「剣崎真琴包丁の扱い下手すぎ説」を角川版で検証している。