概要
原作:スパイダーマン
脚本:古橋秀之
作画:別天荒人
連載期間:2023年6月20日~(隔週火曜日更新)
MARVEL監修の下、少年ジャンプ+で展開される新たなスパイダーマンシリーズ。
主人公はドック・オックことドクター・オクトパス。
ストーリー
宿敵スパイダーマンとの戦いの最中、死を覚悟したドクター・オクトパスは自らの人格をバックアップ用のクローンへと転送する。
しかし、転送中に謎の混線が発生。目が覚めると日本の病院で見知らぬ日本人の少女の体に意識が入り込んでしまっていた。
NYで眠る体へ戻る為、本来の持ち主である少女との超越的(SUPERIOR)な共同生活が始まる。
キャラクター
ヘルメットにも例えられるマッシュルームカットの天才物理学者にしてスパイダーマンの敵の一人。詳細は該当ページへ。
バックアップ処理中に生じた混線により、乙葉の体に入り込んでしまい、本体はNYの病院で意識不明のまま。
アームは都内にも設置していた秘密拠点から回収した予備機を通学カバンに仕込んでいる。
なお日本でも名前や装備、経歴やNYでビルから落下し昏睡中であることはネットなどを通じて知られている様子。
奥田宮乙葉(おくたみや おとは)
東京に住んでいる女子中学生で、気が弱く学校ではいじめられていた。ただ本人は、そのお人好しゆえに、いじめられていた事実を無理矢理にポジティブに捉えて「みんなのために自分が果たさなければいけない役割なんだ」として、あえて無抵抗を貫いて受け入れており、その事実はオクトパスを(読者もろともに)苛立たせた。
猫を助けた拍子に転んで後頭部を強打し意識不明に陥り、そこにオクトパスが入り込んでしまう。
身体の主導権はオクトパス側にあるが、彼が作った髪飾り型精神波分波器を介して乙葉との意思疎通と主人格交代を行う。
叔母と生活しているらしく「小さな力でも小さな親切を」という叔母の言葉を大切にしているが、その精神が前述の自らを周囲のサンドバッグに貶めたり、自らの力量を省みずに(誰も望んでない)自己犠牲に突っ走らせたりしている。あえて言うなれば「自己犠牲と性善説の怪物」になりかけている少女とも言える。
元々はメカクレで眼鏡っ娘のロングヘアだったのだが、第2話でドクターのシュミによってぱっつんマッシュルームカット(女の子なので事実上のワカメちゃんカット)にされてしまった。
序盤にてオクトパスと決闘していたが、高所から落下した彼を救助して腰を痛める。
オクトパス本人が入院している病院を時折伺い、その様子を見守るような素振りを見せている。
飛騨遥(ひだ はるか)/サクラスパイダー
第2話より参戦。『デッドプールSAMURAI』からのスピンインで、何らかの原因で異次元から迷い込んでしまう。
スパイダー歴数年のアマチュアと、世への誕生(初登場は2020年12月)を考えれば納得の年季の違いをオクトパス(初登場は1963年7月)に指摘される。
当麻多華(とうま たか)
乙葉の幼馴染。常にファー付きの上着を着ている不良少女。
乙葉のいじめにも加わっているが、その裏で暗躍しており...。
丸児真里加(まるこ まりか)
乙葉の前の席のクラスメート。常にしたり顔で解ったような事を言う、世の中を斜に構えて見ている小太りのギャル。乙葉のお人好しにつけこんで彼女をパシりに使っている。
実は子役養成所に通っていたアイドル志望であった過去があったが、養成所における「養分枠」(所属だけさせて事務所の開催する「お遊戯会」という「実績」で茶を濁し、月謝の名目で金を吸い上げられ、他の子役の養成やプロモーションに使われる人員)である事に早々に気付きドロップアウトしている。自身いわく「見切りは早い方」。
名前の由来は恐らくフリント・マルコ(サンドマンの名前の一つ)。
泥路木デンコ(でいろぎ でんこ)
乙葉の後ろの席のクラスメート。校舎のあちこちに「死ねばイイのでは」と落書きする問題児。乙葉がおとなしい事もあいまって、すぐに手が出る。実のところ周囲に無差別に敵意を振り撒く攻撃的な性質を有している。実はネグレクト家庭の長女で、弟妹を守りたい(が、そのための味方がいない)とする責任感は強い。
名前の由来は恐らくマックス・ディロン(エレクトロの本名)。
倉辺桐香(くらべ きりか)
真里加の幼馴染にして、かつての養成所の同輩にして、タチの悪いストーカー。
かつて養成所にいた頃の「真里加と一緒に子役アイドルになる夢を叶える」という(真里加が既に現実との兼ね合いから放棄している)夢を諦めきれず、子役時代の魔法少女みたいな衣装(もはやサイズが合ってないので嬉しくないヘソ出しのパッツンパッツン状態を呈しており、とても痛々しい)を着て彼女を追い回していた。
素の状態では大人しい内気な美少女なのだが、一旦テンパってスイッチが入ってしまうと、イッた瞳で奇声を上げてハイテンションな変態行動に出る。
名前の由来は恐らくクレイヴン・ザ・ハンター。
別久美波鈴(べっく びばり)
乙葉たちのクラスの担任教師。
教師であるには気弱で事なかれ主義が目立つ人。
クラスで厄介者扱いである多華、真里加、デンコへの対応を乙葉に押し付けている。
実は若い頃、オクトパスの熱烈な信望者であった過去があり(二の腕にそのための刺青まで入ってる)その思想を広めるため「ビバリン」のネームで動画配信者をやってた過去があった。が、当時のオクトパスが自らの死を目前とした恐怖と焦りから選民思想丸出しの雑な人類間引き計画なんぞを発動してしまった事で見事にオクトパスから梯子を外された事となり「犯罪者の仲間」として社会から排斥された、ある意味では自業自得とはいえ苛烈な過去を持っている。もちろん本人的にはとっても黒歴史。
ちなみに「ビバリン」は現在も死亡説が触れ回られると共に、美波鈴にとっては、あからさまなデジタルタトゥーと化しており、気弱な事なかれ主義となってしまったのは、この過去を隠すためのものでもあった。そのため開き直る(素が出る)と生来のオラつきが顕在化して勢い付いて(傍目)強くなる。
名前の由来は恐らくクエンティン・ベック(ミステリオの本名)。
アナ・マリア2.0
緊急システムインターフェイス、オリジナルは「スーペリア・スパイダーマン」シリーズで活躍したアナのコピーAIとされる。
多華の協力者である、もう一人のオクトパス。
※原典とは違う”スパイダーマンのクローン人間によりすぐれた因子を組み込んだ強化クローン体”
乙葉は「(オットー)博士とスパイダーマンの子供みたいな?」と評したが、ドクターは即座に否定している。
ドクターいわく「自分が置き去りにしたヒーローへの憧れと夢の残骸(ぶっちゃけ黒歴史)」であり「誰かを救うというヒーローの(上辺の)在り方に固執するがあまり、自縄自縛の果てに誰も救えず守れもしない、未熟なオクトパス」「スーペリアを名乗ろうとも、その本質はスーペリアには程遠い」存在という。
もちろん現在のドクターと理念が相容れるはずもなく、元は同一人物ながらも度々敵対することに。
…だが、後述の3人目のオクトパス「デッド・オック」の出現により、不本意ながら両者は手を組むことになる。そして「デッド・オック」の気を引くために自ら、かなり解像度の高い「道化」の「モノマネ」を披露して「デッド・オック」を煽りまくる(そしてサクラスパイダーが、そのギャップに仰天する)羽目になった。
マクシーン・デンジャー
アクロス社の開発本部長。企業買収を駆使して多華の父が開発した新世代ドローンシステムを「借金のカタ」として「表向きは合法的に」奪った女で、多華の父と乙葉の叔父、両名の事故死のそもそもの原因となった人物のひとり。
彼女が奪ったドローンシステムはアクロス社によって軍事技術へと(開発者の望まぬ形に)転用され「ヴァルチャー・ドローンズ・システム」となった。
多華の復讐による襲撃をヴァルチャーシステムのデモンストレーションの場にしようとネットワークを繋げていたが、乙葉の乱入に手こずり切り札として奥の手の制御システムを稼働させたが、それがデッド・オックの覚醒に繋がってしまう。そのためシステムと支部を何も知らない一般社員ごと破棄消却して雲隠れしてしまった。
またアクロス社は彼女にとっては、あくまでもフロント(カモフラージュ)の存在に過ぎず、実はより"大胆な商売"をしているという。アクロス社支部の破棄消却と雲隠れはデッド・オックにソレを知られてしまったがゆえの事でもある。
デッド・オック
オクトパスが10数年前に一度死亡し、後にクローン再生した後に残った抜殻に宿る人格の残滓。
もともとアクロス社に拾われてヴァルチャー・ドローンズ・システムを操るための意思の無い生体CPU(MPU)として使われていたが、アクロス社に挑む多華と彼女を取り戻したい乙葉の乱入、そして乙葉と多華がその中で見せたコンビネーションがスパイダー戦法を思わせるものであった事からオクトパスの妄念を甦らせて完全覚醒しアクロス社のシステムを掌握してしまった。
かつて世界を滅ぼしかけた頃の人格であり、乗っ取ったシステムで人類の99.9992%を死滅させる「最終計画」を発動しようと企んでいる。
関連タグ
ドクオクがスパイダーマンの体に入り込んだ際に名乗っていたスパイダーマン。
本作の導入との類似性が高いスパイダーマンシリーズの誌名でもあり、またドクオクの日本の隠れ家にあった神経スキャナーがパーカー・インダストリーズ製とのことなので、本作はこのシリーズの後の話(ピーターの体を乗っ取っていたドクオクがその時期に立ち上げた会社のため)ということになる。
スパイダーマンを代表する名言の一つであり、スパイダーマンの原動力となっている言葉。
乙葉の叔母の「小さな力でも小さな親切を」はこれのオマージュと思われる。
同じくジャンプ+で連載されていたMERVEL作品。
堀越耕平描き下ろしによる本物のオールマイトとの共演も果たしており、その縁か本作にサクラスパイダーが参戦している。
同じくMARVEL監修で連載された日本のスパイダーマンシリーズ。
脚本、作画の二人がタッグを組んだ僕のヒーローアカデミアの公式スピンオフ作品。