「これで仮面ライダーに邪魔されることもなく、ツタデンマの威力を発揮出来ますぞ‼」
CV/八代駿
概要
『仮面ライダースーパー1』第20話「君の家に!ドグマの電話が今夜鳴る」に登場。
中央電話センターを通じて日本中の電話回線から発狂音波を流して大虐殺を実行する作戦『電話占領作戦』を使命とする蔦と電話の能力を持つ改造人間。
外見は蔦の巻きついたダイヤル式電話機と言ったところ。
カセットゴウモルと並ぶデストロン怪人のカテゴリーの1つである機械合成怪人に近いコンセプトのドグマ怪人で、上記の作戦実行の為に中央電話センターの局長東山からマスターキーを奪い取る為に、彼の1人娘のヒロコを執拗に付け狙う。
体とコードでつながった受話器を鎖分銅のように振り回し武器として用いる(なお普段は頭部に設置されている)。この受話器からは胸のダイヤルを回して火炎を放出して敵を焼き殺す『デンマ火炎』、人間を一瞬のうちに溶かしてしまう『殺人ガス』、そして聞いたものの脳髄を破壊してしまう『発狂音波』を放つ。また受話器からドグマファイターを召喚する能力を持つ(受話器から直接ぐんぐんカットのようにドグマファイターが飛び出すというシュールな絵面である)。
ちなみに怪人の体は一応電話としての機能も兼ね備えており、アジトに設置されている電話に電話を掛けて作戦の状況をメガール将軍へと報告したり、谷に電話を掛けてさり気なく沖一也の状況を聞き出そうとしていた(なおこの際、一也の不在に苛立った谷により「もう死んじまったとでも言え!」と言われたハルミがそのまま伝えてしまった)。
また電話ボックスに変身する他、人間態の姿で暗躍することも可能。
初戦ではスーパー1を発狂音波で苦しめ、変身解除に追い込んだうえでビルから海に突き落とし勝利を収めた。得意気にメガール将軍に報告した後(上記の台詞)、ヒロコを人質に東山局長にマスターキーを渡せと迫る。
マスターキーを受け取った後は悪の組織には珍しく人質を解放したが、その直後、東山局長が一也の変装した偽者であったことが発覚。
当然マスターキーも偽物であり、「謀ったな!」と憤りスーパー1と再戦。
再び発狂音波で攻撃するも、スーパー1がトンネル型遊具に潜りこんだために封じられてしまう。ならばと殺人ガスでトンネルを満たし殺そうとするも脱出され、さらにデンマ火炎も冷熱ハンドの冷凍ガスによって炎を凍らされてしまう。
それでも受話器を振り回し蔦でスーパー1を絡め取るも、逆に蔦を利用した猛攻を受け怯んだ隙に『スーパーライダー月面キック』を食らい、
「もしもし? メガール将軍? もしもし? 残念です!」
と、律儀にも最後の力を振り絞って自身の敗北と作戦の失敗をメガール将軍に報告して力尽き爆散した。
冒頭で警察官を自らが変身した電話ボックスに閉じ込め殺人ガスにより溶かしてしまったが、その後ヒロコがその警察官がどうなったか心配するシーンがある(『殺人』ガスなので殺されてしまい、当然ながら生き返らなかった)。
なお本編のエピローグに、谷モーターショップに頼んだ覚えの無い大量の出前(盛り蕎麦20人前、上寿司50人前、餃子とレバニラ炒め40人前)が送り届けられるという昭和の嫌がらせのようなシーンがある。蕎麦屋が「今日で5回目」とぼやいているため、ツタデンマと同期して偶然悪質な悪戯が頻発していたと思われる。
なお最後は良が盛り蕎麦をひっくり返し頭からかぶってしまい、「最後まで電話に祟られたな」「良が一番の被害者だよ」とみんなの笑い声で終わるというオチであるが、もちろん一番の被害者は蕎麦屋であろう。
余談
名前の由来は「蔦」+「電話」+「魔」。
電話で殺人を行う怪人は数あれど、ライダーシリーズでダイヤル式電話をモチーフにした怪人はこれが最初にして最後であり、家電怪人の多いジンドグマにすら登場しなかったモチーフである。
ダイヤル式電話をモチーフにした怪人はライダーシリーズ以外では他に電話仮面などがいる。