競走馬についてはディープインパクトを参照。
概要
当初は1951年に公開された「地球最後の日」等を叩き台にパラマウント映画で構想が進められたが、途中で活動休止状態となっていた。一方ドリームワークスサイドでもスティーヴン・スピルバーグ監督のもと別のSF作品を基にした映画化が進められると、スピルバーグとパラマウント映画側のプロデューサーが面識があったことから途中でこの2作品が統合され、脚本が書かれることになった。なお、スピルバーグは他作品のスケジュールが逼迫したため途中で監督を降板(総指揮として残る)。監督はミミ・レダーに代わり、撮影と制作が進められ、1998年5月に全米公開され、翌6月には日本でも公開されている。
『アルマゲドン』との関連性について
『ディープ・インパクト』の公開から2ヶ月後に設定が酷似した『アルマゲドン』が公開されたが、実はどちらも同じ企画を基にしており、その企画から複数の脚本が書かれ、さらに別々の制作会社がそれぞれ採用した脚本をもとに制作を行ない公開している。
このようなことはアメリカでは日常茶飯事で、たとえば1997年に公開された『ダンテズ・ピーク』と『ボルケーノ』は火山が大噴火して街が溶岩に飲み込まれる作品で、1998年に公開された『アンツ』と『バグズ・ライフ』はどちらも蟻の擬人化、さらに2004年に公開された『デイ・アフター・トゥモロー』と『サイレント・ワールド』は気象異常で気温が下がって氷河期状態になるなど同じ時期に設定が被っている作品が多くみられ、結論からすれば「(アメリカの映画制作のシステム上では)よくあること」である。
日本でそのシステムを知らない者が両方を見たらパクリ疑惑で騒ぎになりそうであるが、日本でも『天空の城ラピュタ』と『ふしぎの海のナディア』と『七つの海のティコ』が元々同じ企画からの派生であるなど類似例はある。
興行面では『アルマゲドン』に及ばない結果となった(尤も『アルマゲドン』は倍近い製作費をかけている)が、こちらも好成績を収めた。宇宙空間を中心にキャラクターを前面に押した結果ストーリーや映画の内容で酷評を受けがちな『アルマゲドン』に対し、こちらは地球を中心に人間関係や実際に隕石落下を回避できないとしたら人々はどうするのか、というリアリティに重きを置いた内容であることから双方を視聴したうえで、こちらのほうがいいという評価をする者が多い。
あらすじ
天文部に所属する高校生リオ・ビーダーマンは天体観測中に未確認の隕石を発見。そのデータを受け取った天文台のウルフ博士は地球に衝突するという結果を弾き出すが、その報告を行う前に事故死してしまう。
1年後、TVキャスターのジェニーは元財務局長官の辞任理由が不倫スキャンダルということを突き止め取材を行なう過程で、アメリカ大統領トム・ベックが接触してきたことにより、政府がそれ以上の何かを隠していることを察知する。
その後、大統領が行った緊急会見で1年前にリオ・ビーダーマンとウルフ博士が発見した隕石の衝突が近づいていることが明かされる。それを回避するため、宇宙船に核兵器を搭載して隕石を破壊する米露共同の「メサイア計画」が動き出す。
登場人物
リオ・ビーダーマン(イライジャ・ウッド)
隕石の第一発見者。緊急会見を機に時の人となる一方で、ガールフレンドのサラとその家族を救うため奔走する。
ジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)
女性TVキャスター。元財務局長官の不倫を取材していたが、政府に連行され大統領から直々に事の真相を聞かされる。父母は離婚しており、再婚した父を許せなかった。
トム・ベック(モーガン・フリーマン)
アメリカ合衆国大統領。隕石衝突という人類存亡の危機に迫られる一方、取材していたジェニーに事の真相を知らせる。
スパージョン・タナー(ロバート・デュヴァル)
アポロ計画にも参加していたベテランパイロット。「メサイア計画」の搭乗員に抜擢されるが、過去の人と他の若手パイロットからやっかまれる。
サラ・ホッチナー(リーリー・ソビエスキー)
リオのガールフレンド。リオと家族関係になれば避難シェルターの対象者に選ばれるためリオと結婚するが、サラの父母が対象外となったため自身も地上に残ることを決心する。
関連項目
金丸義信:彼の必殺技「ディープ・インパクト」は本作を基にしている。