画像は本作の主要人物である神楽由麻。
システム・概要
当時稼働していたデータカードダス『究極対戦!!デジモンバトルターミナル』のモデリングを流用した作品。
銀河のような進化図が特徴的な「ギャラクティカエボリューション・システム」やコマンドがデジモンたちの好感度に影響する「エモーショナルコマンドシステム」(好感度が低すぎるとコマンドが偏ってしまう)という独自のシステムが存在し、前者のシステムによってアグモン達は本編とは異なるデジモンに進化する事が出来、デジソウルチャージというコマンドを使えばバトル中に他のデジモンに進化できる(同じ世代のデジモンに変化するという事もありうる)。
とはいえ、同時期に販売されたデジモンストーリー同様に実装されていないデジモンも多く、チグハグな進化ルートも多数見られる(例:グレイモン系は一通りいるのになぜかメタルグレイモンはいないなど)が、ペックモンが愛情のデジメンタルでプテラノモンに進化するなどの面白い進化ルートを辿る個体もいる(実はこの手の正規進化とは別の「デジメンタルアップ」は旧カードゲームでも度々採用されてきた進化方式であった)。
これらのシステムは作中で起こった異変の影響とされている。
必殺技もフルボイスで発動するものの、本編とは違うデジモンに進化するとボイスは付かなくなってしまう。
旧シリーズのデジモンも多数登場し、ファンサービスとして過去作を思わせる解説やネタが登場しているが、基本的には『アドベンチャー』関連のネタが多い(ゴツモンは準レギュラーであるにもかかわらず、アドベンチャー寄りの解説をされている。エテモンに至っては一人称が「アチキ」であり、専用BGMまである)。
シナリオは漫画デジモンネクストの原作者でもある浜崎達也が担当。
テーマは「七つの大罪」であり、それぞれに対応した七大魔王が総登場するが、ゲームシステムの都合上、究極体よりも弱い世代で倒せてしまったり、公式設定を意識した設定が作中で登場しても、わざわざその設定を出す必要性がなかったりする事もある(例えば、弱いデジモンなら死んでしまうとされるベルフェモンの雄叫びを直撃を受けてアグモンたちが死なないなど)。
ゲーム独自のシナリオであるため、本編の設定(序盤から中盤あたり)のベースをしているものの、内容はオリジナルである(トーマが七大魔王に詳しかったり、大が湯島をおっちゃんと呼んでいない、黒崎が競馬にハマっているなどの本編に還元されない設定も多い)。
よって、ベルフェモンの扱いなど本編とは噛み合わない展開も存在し、本作で登場するプレイヤーキャラクターである由麻と小三郎は本編には一切登場しない。
こちらでも敵デジモンは倒すとデジタマに還る設定は健在。
なお、海外ではデジモンワールドシリーズに数えられており、題名は「デジモンワールド・データスクアッド」となっている。
ロードが長く、戦闘システムがあまりにもキャラクター本位であるなどの点から評価は芳しくはない・・・らしい。
ストーリー
デジモンの凶暴化事件を調査する為にデジタルワールドにダイブした大門大は船舶を沈めていたティロモンを撃破後に謎のデジモンデーモンに遭遇し、大敗を喫する。
同時期に連続児童失踪事件が発生し、DATSメンバーはデジモンと関係があると見て捜査を開始するが…。
登場人物
オリジナルキャラクター
主要キャラクター
神楽由麻(かぐら ゆま)
CV:沢城みゆき
連続児童失踪事件の被害者の一人で司の妹。かわいい。
多忙な兄への愛や友達を求める心を利用され、愛欲の魔王リリスモンの依り代とされてしまうが、DATSメンバーに救出され、以降は彼らに手を貸す。
友達を求める情念から中性的な性格のレナモン(CV:千葉進歩)を呼び寄せ、クラスメイトから「化け物」と呼ばれてしまうが、レナモンはそんな由麻を思いやっており、二人の仲は良好。デジヴァイスicは持っていない為、レナモンは気合いで進化する。
のちに沢城氏は『デジモンゴーストゲーム』にてガンマモンを演じた。
桂小三郎(かつら こさぶろう)
CV:吉野裕行
DATSの行く先々で妨害を行う謎の私立探偵でとある人物に依頼されて魔王型デジモンのコードキーを集めている。アドベンチャーの個体と同じ進化ルートを辿るピヨモン(CV:吉田小南美)がパートナーであり、コマネチをポーズでヨシノをからかうなど一見するとただの軽薄なヤツに見えるが、彼なりに正義感も持っているようで、後半ではDATSに協力する。
どこからか入手した緑色のデジヴァイスicを持っている(おそらくは黒幕に与えられたものだと思われる)。
準キャラクター
神楽司(かぐら つかさ)
CV:うえだゆうじ
DATSの新任技術者でダークエリアの研究を進めており、七つの大罪のコードキーの収集を依頼する。トーマの大学時代の先輩でもある。
実は一連の事件の黒幕であり(小三郎の雇い主でもある)、自分を遥かに上回る才能を持つトーマを超える事を目標に妹だけでなく、無関係の人々を巻き込んでルーチェモンを復活させた。紫色のデジヴァイスicを所有し、ルーチェモンを操ったが、叛逆したルーチェモンにコードキーに変えられてしまう。事件解決後は元の姿に戻った。
実は、ダークエリアの研究が捗った事も彼の虚栄心が暴走したのもルーチェモンの干渉があった為であり、本来はそこまで悪人ではないと思われる。
新田正貴(にった まさき)
CV:千葉一伸
DATS隊員でヨシノの先輩。正義感に厚い人物であったが、パートナーデジモンで人を傷つけてしまった罪悪感から、行方不明となっていた。紫色のデジヴァイスを持っている。
のちにデジタルワールドに迷い込んだ際にデジモン犯罪を憎む「忿怒」がダークエリアのデーモンと同調し、融合してしまった為に現実世界への帰還手段を失っていた所を黒幕に利用されていた事が判明する。
本来の姿に戻れたが、融合していた時間が長すぎた為に娘の前で消滅してしまう。
パートナーデジモンの詳細は不明。
新田真奈美(にった まなみ)
CV:沖佳苗
正貴の娘で、いつまでも帰らない父を遊ぶ約束をしていた公園で待ち続けていた。
漸く父に再会するものの、直後に父は死亡してしまい、その願いは永遠に叶えられなくなってしまう。
おそらく本作最大の被害者。
沖氏はのちに『デジモンクロスウォーズ』にて天野ユウを演じた。
七大魔王
詳細は各項目を参照のこと。
CV:千葉一伸
CV:上別府仁資
CV:渡辺英雄
CV:甲斐田ゆき
CV:渡辺英雄
CV:上別府仁資
CV:関俊彦
余談
湯島のカメモンの究極体であるジャンボガメモンが登場する『セイバーズ』シリーズでは稀有な作品である。一方で黒崎と白川のパートナーであるチェスモン系は全員登場しない。これに関しては玩具版の『デジヴァイスバースト』や『デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト』まで待たねばならない。
それと本編とはパラレルワールドである。