ブラックシャドー(F-ZERO)
ぶらっくしゃどー
『F-ZERO X(N64)』から初登場。シリーズにおける明確な「悪」の存在として設定されたキャラクター。一人称は『X』の時点では「私」だったが、『GX』では「我輩」に変わった。
並外れた冷酷さと残酷さを持ち、全宇宙を牛耳る悪の帝王。その素性の多くは謎に包まれている。「BS団」なる組織を統括しているが、自身の部下を次々とキャプテン・ファルコンに捕えられ何度となく計画の邪魔をされており、彼を抹殺するために「F-ZEROグランプリ」に参戦している。
F-ZERO X
『X』の開催年から数えて3年前のグランプリで起こった大事故において、ファルコンからDNA情報とF-ZEROマシンのエンジンを奪い、DNAからファルコンのクローン体ブラッド・ファルコンと、彼のエンジンを搭載したF-ZEROマシン「ヘルホーク(※)」を作り出した。
※『GX』以降は「ブラッドホーク」に改称。『X』の海外版は最初からこの名前で登場していた。
F-ZERO GX
ストーリーモードのムービー内において、手から発生させた発光体でファルコンを拘束するなど、念動力のような能力を有している描写がある。
また、彼の上司であるデスボーンが登場し、実は中間管理職であったことが判明する。ストーリーではグランプリで再びファルコンに敗れた制裁として、デスボーンにより時空の狭間に封じられてしまう(だが、下記の彼専用のEDムービーがアレであったため、生存しているのではないのかという説がある)。
ちなみに、悪の帝王だが要望があればきっちりサインもくれる。
優勝インタビューではMr.ZEROの事は怯えながらも悪の帝王である自身に最後までインタビューを行ったり、上記のサインを依頼したりなど、その勇気と度胸から手下にならないかと勧めている(真意は不明)。
マシン名 | ブラックブル (BLACK BULL) |
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重量 | 2340kg(重量級) |
性能評価 | ボディA/ブーストE/グリップA |
マシンNo. | 30 |
エンジン | DS020H×4 |
製作 | BS団秘密研究所 |
作中でも一二を争う大型の重量機で、悪役らしく、敵マシンの破壊を前提としたセッティングが為されている(らしい)。
また、重量級でブースト性能が「E」という事で鈍速なイメージを持つかもしれないが、デフォルトでもトップ10に入る上、最高速重視のセッティングにすると1100km/h越え(GX)を果たすなど最高速が高く、直線主体のスピードコースではでは群を抜いて強い。その反面ブースト使用時のエネルギー消費が多い。
『GX』では性能表示の偽りの最筆頭。ブーストは威力重視で実質C並み(回数少ないが)なのはともかく、グリップ「A」なのにE並みに滑りまくり、ドリフト操作で2000km超え可能で、場所によっては4000km以上に達する事さえある。更に、最加速設定にするとスライドターンでの蛇行(通称「ドリドリ」)で一気に2000km以上の速度を叩き出せる。
GBA版『ファルコン伝説』及び『CLIMAX』でも全マシン中最高速ナンバー1だが、ブーストやダッシュプレートによる加速後の減速が大きくされ(『GX』で速かったマシンに対する弱体化措置※)、『ファルコン伝説』はブーストの低さも相まって最遅となった。『CLIMAX』はこの重ハンデを負いながらもスライド性能の高さを買われて最速候補の一角にまで復権した。グリップ力はほぼ額面通りの性能を発揮するが、重量が足を引っ張る為、テクニカルコースでは結局ドリフトを多用する事になる。
※余談だが、スペースアングラーは『X』でのチート一歩手前の性能に対する弱体化を『GX』以降延々と負わされ、3作連続で最弱クラスという理不尽な扱いを受けている。一方、『GX』で速かったワイルドボアは減速の度合いは普通程度に収まっている。
アニメ『ファルコン伝説』
CV:若本規夫
全宇宙に名を轟かす悪の帝王で、悪の軍団「ダークミリオン」のリーダー。一人称はキャプテン・ファルコン同様『X』の「私」。
デザインや性格は原作ゲームとほぼ一致するが、鼻が露出していたり角が長めに描かれたりと若干の差異がある。また、原作以上に様々な能力を有しており、『GX』では上司であるデスボーンや大富豪であるドン・ジーニーも、彼が身を隠すための分身で仮の姿にすぎない。その他、同じくゲームにも登場したゾーダ、バイオ・レックス、オクトマン、ババ…などが彼の部下として設定されている。
表向きはF-ZEROレースの莫大な賞金を世界征服の資金源にする為として部下達をレースに駆り出しているが、実際は敵味方でデットヒートを繰り広げることによって本作のキーアイテムである「リアクターマイト」を成長させ、その増幅したエネルギーで全宇宙を破壊して新たに作り直すことが目的だった。終盤には、後述される2つの姿を使いF-ZERO委員会そのものを掌握していたこと、主人公リュウ・スザクの恋人であるミサキ・ハルカを洗脳し「ミスキラー」へと変貌させていたことも明かされ、彼をおびき出すための人質としていた。
番組終了後のオマケコーナー『バートのF-ZERO教室』では、司会のバート先生から名前が出るたびに苦言を漏らされており、「ツノ男」「でかくて黒くてしいたけみたいな宇宙船に住んでる悪いヤツ」など散々な呼ばれ方をされたり、(妙な挿絵付きで)有ること無いこと言いふらされたり、挙げ句の果てには死亡シーン(結局姿をくらましただけで生きていたが)を繰り返し流して大喜びされたりなど、露骨に嫌われている。このコーナーで誕生日が8月15日である事が明かされ、『CLIMAX』のパイロットプロフィールにも反映された。また、好きな食べ物は「辛いもの」、趣味は「温泉巡り」という割と庶民地味た部分もある(ただ温泉についてはどう見ても溶岩だったが)。
最終回では、ハルカを人質にしてリュウを追い詰めるもキャプテン・ファルコンの妨害、そして皮肉にもリュウを抹殺として自ら生み出したゾーダの一喝で発動したリュウのブーストファイヤー・フル・パワーにより、宇宙を破壊するために作り上げた装置「ダークマター・リアクター」を暴走させられ、エネルギー炉の爆発を回避しようと脱出を図るが、キャプテン・ファルコンの放ったファルコンパンチによって阻まれ、大爆発の中に消えていき、まさに策士策に溺れる結果となった。
ブラックシャドーが変装した2つの姿
アニメ版ではブラッド・ファルコンを全て倒された後、前述の通りブラックシャドーが2人の姿を使い分けて暗躍するようになる。2人の専用マシンは登場せず、その番号もGBA作品で登場するアニメ出身マシンに割り当てられている。
47話ではブラックシャドー、デスボーン、ドン・ジーニーが揃い踏みする場面があるが、どんな方法で実現したのかは明言されていないがゾーダを過去に送り出す力を持つブラックシャドーなら不可能ではなく、これにより3人は別人と認識させた。
姿を変えても、影が前の姿のままになっている欠点があり、50話でキャプテン・ファルコンに看破された事でようやく同一人物であることが確定した。
『GX』のストーリーモードのプロローグの撮影NG集。
失敗を繰り返すデスボーンが申し訳なさそうに何度も彼に謝罪を繰り返す一方で、そのデスボーンが差し出す手を鬱陶しそうに払いのけるなど本編とは真逆の力関係が窺える。
ただし最後のカットでは彼自身が何もない所でずっこけてNGを出してしまい、ばつが悪そうにしていた。