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平家物語(アニメ)

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へいけものがたり

ここではアスミック・エースとサイエンスSARUによる「平家物語」のアニメ化プロジェクトについて述べる。

800年の時を超える祈りの物語

概要

日本古典文学のひとつである平家物語をテレビアニメで表現しようとするプロジェクト。

京都アニメーション出身だった山田尚子にとっては、退社後で初の監督作品である。

2021年9月15日からフジテレビのネット配信部門であるフジテレビオンデマンドで(先行)配信されている(最終回11話の配信は11月25日から実施)他、2022年1月からフジテレビ系列の基幹局(ただし仙台放送テレビ静岡テレビ新広島を除く)とBSフジ+Ultra枠にて放送された。さらにはNetflixAmazonプライムビデオdアニメストアU-NEXTバンダイチャンネルなどでの配信も行われている。

そして「+Ultra」枠での放送終了後にはテレビ静岡、さくらんぼテレビ高知さんさんテレビ(全てフジテレビ系列局、なおテレビ静岡は基幹局)でも放送された。

全11話。

作風

本作は概ね、本家本筋の平家物語の筋をなぞった作品になっているが、その中でも特に平家側に話の主軸を置いている作品である。

大筋については原作である平家物語の方に詳細が記載されている為割愛するが、平家物語は平家が隆盛する前半と、義経の悲劇を描いた後半に分かれているが、特に後半の主人公である義経を主役に置くことの多い平家物語の作品群の中にあって、本作はあくまでも最初から最後まで平家の人々を主役として描くことに徹している。

その為、単に悪役や傲慢な人間として描かれることの多い平家の人間が、欠点も美点もあり、時に成長し、時に挫折する、多面的な側面を持った人間として描かれている。この点については源氏の人間や、曲者として描かれがちな後白河法皇についても同様で、最初は頼りなかったが、徐々に武家の棟梁として冷酷非情に成長を遂げる頼朝や、平家については敵視しながらも、重盛の血筋の者とは親交を厚くする後白河法皇など、これまで一面的に描かれがちであった登場人物の内面を重点的に描かれている点が特に特徴的と言える。

上述の理由から、本作は軍記物としての物語ではなく、人物描写や人物への感情移入に重きを置いた作品となっており、どのような時代背景や社会構造であっても変わらない人の心の機微や想いを描く事に力を入れている。この為、戦争についても直接的な戦闘、戦術の応酬などの詳細な描写は避け、あくまでも人間社会の悲劇としての一面に絞って描かれている。

ビジュアル面も写実的な描写やCGを取り入れた流行りの路線に乗らず、スタンダードなアニメ表現をベースに、独特な世界観を持った抒情的表現を用いている。

あらすじ

 人の末路を見通す能力を持った少女・びわ。琵琶法師の父と二人で生きていたが、ある日平家の手先である禿の横暴をびわが咎めた際、殺されそうになった彼女を庇い父が死んでしまう。天涯孤独の身の上となったびわだが、ある時びわ同様に人には見えぬ亡霊を視る眼を持った平重盛によりその能力を見出され、彼に庇護される事になる。重盛は平家の棟梁である父・清盛の驕慢を幾度も諌めていたが甲斐は無く、自身の能力で浮かばれぬ魂を見続けてきたこともあり、奢侈に流れる一族の将来と未だ民が苦しむ世間を憂えていた。

 父の仇とも言える彼らにびわは初めこそ反抗していたものの、重盛の妹徳子の優しさに触れ、重盛の息子たちの長男維盛や次男資盛、三男清経などとも親しくなったことで、少しずつ平家にも居場所を見出していく。

 しかし重盛の苦悩は的中し、一門の運命は少しずつ、だが確実に滅びへと向かっていた。びわは平家の人々の栄枯盛衰と激動の時代のうねりを、その“眼”で目撃していくことになる。

スタッフ

原作古川日出男訳「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 平家物語」河出書房新社刊
監督山田尚子
脚本吉田玲子
キャラクター原案高野文子
キャラクターデザイン小島崇史
美術監督久保友孝(でほぎゃらりー)
動画監督今井翔太郎
色彩設計橋本賢
撮影監督出水田和人
編集廣瀬清志
音楽牛尾憲輔
音響監督木村絵理子
音響効果倉橋裕宗(Otonarium)
音楽制作ポニーキャニオン
歴史監修佐多芳彦
琵琶監修後藤幸浩
アニメーション制作サイエンスSARU
製作著作アスミック・エース / フジテレビジョン / bilibili / ポニーキャニオン / サイエンスSARU / 電通 / BSフジ

配役

音楽

オープニング主題歌「光るとき

羊文学。作詞・作曲は塩塚モエカ、編曲は羊文学、F.C.L.S.

エンディング「unified perspective」

agraph feat.ANI(スチャダラパー)。作詞はANI(スチャダラパー)、作曲・編曲はagraph。

各話一覧

話数サブタイトル
1平家にあらざれば人にあらず
2娑婆の栄華は夢のゆめ
3鹿ケ谷の陰謀
4無文の沙汰
5橋合戦
6都遷り
7清盛、死す
8都落ち
9平家流るる
10壇ノ浦
11諸行無常

関連動画

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2022年冬アニメ

  • 犬王…こちらも平家物語を原作としたサイエンスSARUのアニメ映画。同作で監督を担当した湯浅政明が本作の作品解説を行なっていた。
  • 鎌倉殿の13人…本作と同時期に放送開始された大河ドラマ。本作の平清盛の四男・平知盛を演じる木村昴は、同作にて後白河法皇の第三皇子・以仁王を演じている。
  • 幼女戦記…本作と同じく悠木碧早見沙織玄田哲章が出演したアニメ作品。しかも同時期に同じ曜日で再放送されていたりもした。

+Ultra

マブラヴオルタネイティヴ(第1期)(2021年秋)→本作(2023年冬)→エスタブライフ グレイトエスケープ(2022年春)

外部リンク

公式サイト

コメント

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  • 赤い花

    前作の平家物語after話をお読み下さり、ありがとうございました。 今回も、もう1話だけ短い私の資びわ話にお付き合い下さい。 表紙は曼珠沙華ではありますが、本編終盤では、資盛(と思しき人物)が出てくる際に南国の花、ハイビスカスが一瞬映ります。 そのハイビスカスにちなんだ話を書いてみようと今回思った次第です。 さすがにそのまま“ハイビスカス”と表記すると、話が一気に醒めてしまいそうでしたので、少しですが調べてみました。 最近では、日本の南国以外でも目にするようになったこの花ですが、和名やうちなーぐち(琉球語)を調べてみたら、平氏にピッタリの話でした。 恐らく本編においても、“そういう意味”をもって描かれているのだろうと。 なんと言うか、滾るものがありました。 しかもその花の色……平氏の旗と同じ赤色であるが故、本編に相応しいものでした。 そんな衝動にかられた拙作ではありますが、どうぞよろしくお願いします。 今回はびわ視点のお話です。
  • 琵琶の音

    ⚠︎アニメ10話までのネタバレあり  資盛×びわ  嫌な予感がした方はブラウザバック 今季の冬アニメ本当に豊作だらけだと思うんですけど、これマジで別格ですよね。 姉がいつの間にかFODに加入してたので昨日一気見しちゃいました。 最終まで見てから泣きながらpixivで調べたらまだ地上波で2話までしか出てないからかもなんですけど全然無くて絶望しました。 10話ほんとに資びわ回なんです…みんなに早く見てほしい(幻覚強め) まず昔からの有名な文学が原作なので二次創作が作りにくいアニメだってのは承知の上なのですが、原作無視とはいえ原作を愛して作られる二次創作も作品の繋げ方の一つなんじゃ無いかなと思います。まぁ建前なんですけど。 本音としては皆私が見たいから書いてくれ、描いてくれって感じです。台無しですね。 古文はあんまり好きじゃ無かったんですけどこのアニメのせいで平家物語の原作買っちゃいました来週届くの楽しみすぎる…。 徳子と維盛と資盛が特に好きです。 重盛とびわちゃんは殿堂入り。 びわ受け、びわ愛され増えてください お願いします(切実) ⚠︎以下キャプションアニメネタバレあり 「びわには何も出来ない」って台詞が本当に考え抜かれてて最高に好きです。 平曲を後から語り伝える事しか出来ない琵琶は物語の結末を変えることは出来ない。 だけど死者を悼み、その幸せを祈る事はできる。びわちゃんの存在はきっと平家の人達にとって大切なものだったんじゃないかな。 ある人の平家物語の解釈をアニメ化したものを私達がまた解釈できる。本当に繋がっていくんだなって考察して登場人物の台詞を解釈するたびに思います。 私はハピエン厨なんですがこの作品の結末は変えたくないって事で、物語の後とか中間とかで妄想することにしました。…まぁ原作への冒涜としては変わりはないのかも知れませんが。 資盛の「お前の居場所は無い」って文字だけだと冷たい台詞がびわちゃんを思っての言葉だと伝わって来たのでやっぱり岡本さんやばいです。 というか平家物語は全員声優がやばいです。 …語り過ぎましたね。ヲタクの悪い所です。 とりあえず伝えたいことは文学が苦手でもめちゃくちゃ楽しめると思うし作画も声優も演出も最高なので全人類平家物語みてくれ。
  • 時雨 ‐しぐれ‐

    珍しく元気がないびわと気遣う重盛(第二話のその後) ※アニメ最終回まで視聴済み
  • 語り継ぐ者に幸あれ

    書いてしまったよ。 (中途半端で終わっていますのでご了承ください。) 本当に最高のアニメでした。 〇滅の刃、〇術廻戦、〇リベ、〇スラ、〇職転生、〇イキューに続く、七回目の衝撃を受けました。 永遠に私の中で生き続ける作品に成ることは間違いないでしょう。 ああ、、、続編が欲しい!(切実な願い) 「犬王」も絶対に見に来ます!
  • 山櫻 ‐やまざくら‐

    花言葉:あなたに微笑む ※アニメ第十話まで視聴済
  • いとおしいひととはいまだ再会せず

    平家物語のびわと重盛の関係にぶわっとなってしまった結果、ふせったで書いていた短文集プラスアルファ。 最初のページ…のちのち外見も大人になったびわが、自分の「いとおしい」は重盛に向かっていたのだと気づいたら妄想。歴史的背景だとか今後の展開だとかと矛盾があると思いますどうか目をつぶってください。 次のページ…年齢が二人とも若くて歳が同じくらいだったら、恋であった可能性もあったかしらと余計なことを考え、書いてしまった現パロ
  • 挿し木の花

    ありつつも君をば待たむうち靡く わが黒髪に霜の置くまでに(磐之媛命(いわのひめのみこと)・万葉集) 作中「成長しない」びわに対する独自解釈を含みます。 (アニメのメタ的には、視点人物としての精霊的な意味合いが強いのでしょうが…) ―――――― アニメ平家物語にしぬほどハマりましたが、地上波勢なので現在でまだ四話しか観れておりません。しにそう。 この作品のおかげで本棚の奥に眠っていた古川氏の「平家物語」を引っ張り出し、有職故実本を読みふけり、日本の中世期テーマ作品をむさぼるようになりました。「逃げ若」面白いっすね…。 (「鎌倉伝の13人」と平家物語を同時期視聴すると情緒が大変です…楽しいね…) 重盛とびわの多層的関係が大好きです。この世で唯一ともいえる対等な「眼」(おなじ視点)の持ち主、主人と従者、庇護者と童、仇と被害者でもあります。びわのいっとう特別なひと、それが重盛ではないかと思うのです。書くのが死ぬほど難しいこの二人。作中 用語の雑さにはお目つぶりください。 平家物語FAが増えますように……重盛とびわの物語が増えますように…なにとぞ……。 【2022/2/19追記】 >マシュマロにてご感想をくれた方々 Twitterにてひっそりお返事させていただきました。 マロ設置したはいいけどコメントいただけることはきっとなかろうと安置していた結果、返信が遅れましたことをお許しください 大変嬉しいです! ありがとうございました。
  • 壇ノ浦前夜

    壇ノ浦の戦い前夜のお話。
  • 在るもの。残るもの。

    初めての二次創作です。 びわに「日出処の天子」の厩戸王子の台詞、「人は仏になどなれぬ。」を言わせたくて書きました。
  • 雪晴 ‐ゆきばれ‐

    妹から見た兄とその拾い子 ※アニメ最終回まで視聴済み
  • 千波を貴方と

    敦盛くんと清経くんの転生if。 この二人が好きでした…来世があるのなら幸せになって……。 アニメ視聴前から所々のエピソードは知っていたのですが、「敦盛の最期」を内容は覚えつつ、それが誰の話だったのかを忘れて視聴していたのであの回では叫びました。 そして翌日に勢いで原作の平家物語を借りました。読む時間作るぞ…! 2022年4月26日 修正
  • 鎌倉殿の13人VS平家物語(アニメ)

    vsダークライ あけましておめでとうございます(遅 新春といえば時代劇。冬休みといえばVSシリーズ。祈りを込めて語り継ぐ者とこの世の怒りと呪いを全て抱えて地獄へ持っていく者との究極決戦(アルティメットバトル)をお楽しみください。本年もよろしくお願いいたします。 びわの未来を見る目が左右逆になっていたので修正しました。
  • 奄美にて

    Twitterで個々に上げた奄美資びわをまとめました。
  • 夢渡 ‐ゆめわたり‐

    初めて夢で言葉を交わす二人(最終回のその後) ※大人びわ(現実では視力を失っている設定) ※アニメ最終回まで視聴済み
  • 翡翠を君の手のひらに

    前回の「壇ノ浦にて」の続きになります。
  • 流れ着いた先で

    アニメ『平家物語』は凄い作品でした。 どうにかして、あの物語のその後を書いてみたくなり、資盛とびわの話を書いてみました。 放映が終わりやや経ってしまったので、特にネタバレ云々は書かないようにします。 未見の方は、是非ともご覧下さい。 史実ではいわゆる源平合戦と呼ばれる治承・寿永の乱の最後の戦、壇ノ浦の戦いにおいて平氏が滅亡しますが、全国各地に“平家落人の郷”と呼ばれる場所があります。 物語のラストで、びわと仲良く喧嘩していた平重盛の次男資盛と思しき漁師が『祇園総社の鐘の声……』と呟く様子が見られます。 その資盛も落人として生きた話があります。 もう少し近場の海だったら良かったのですが、その逸話が残されている島は、奄美大島。 びわにそこまで行かせるのは、少々難儀でしたが、配流地として近い島が使われていたり、『日本霊異記』等でも古代から現在で言う日本全域を巡る商人がいたので、島の名前はぼかしましたが、そう言った船に頼って寄港した地で演奏しながら地道に稼ぎながら、この島に辿り着いた事にしました。 和洋問わず時代物の話を書くのは今回は初めてなので、描写の甘さはあります。 地元民として生きる“のすけ”という男の視点で始まります。どうぞご覧下さい。 ※表紙は妻の卯月かりんが書いて下さいました。ありがとうございます!!
  • ハマってしまったアニメがあるので聞いてくれ。

    追記:3月27日 びわ役の悠木碧様。お誕生日おめでとうございます。 本当に悠木碧様の声優としてのご活躍は素晴らしいもので、アニメファンの一人としていつも応援しております。これからも、頑張ってください!
  • 待人 ‐まちびと‐

    留守番中の子供たち(そして父、帰る) ※アニメ第九話まで視聴済
  • 白螺鈿の道

    世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平) ―――― アニメ平家物語全話視聴済。6話「都遣り」を下敷きとしています。 6話を見てからずっと「このびわの微笑みと維盛への声で一本書けるな……アニメの演出最高か……?」と悶えていたのですが、いざ出来上がってみると妄想200%な仕上がりになりました。 個人的に含みを持たせた部分はいろいろありますが、ご容赦いただき、薄目でご覧ください…。 重盛を亡くして以降びわは急激に大人になりますが(その筆頭が6話の微笑と言えましょう)、その見た目故わざと子どもらしく振舞うこともあるのかな……と考えたりしました。見目が童なのでみな気を緩めたり気遣ったりしながら割と好きに喋るけれど、彼女の中身はだいぶ大人なので、いろいろ考えているんじゃないかと思うのですよね。 維盛とびわ、ずっと穏やかに水遊びを楽しんでいてほしかったな…ウッ…。 ささやかながら、ひとつの祈りの物語として、お楽しみいただければ幸いです。
  • 奇襲

    屋島の戦いでの資盛とびわのお話。 アニメ平家物語の10話後半が舞台となっています。

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