概要
解説せねばなるまい!ちょうどいいイラストがあったので、『ヤットデタマン』『逆転イッパツマン』『イタダキマン』の三悪を一度に解説するのである !!
ちなみにこの3作は『タイムボカン』から『タイムパトロール隊オタスケマン』までの4作と異なり、善玉ヒーローが男性一人になっていた時期でもある。
ミレンジョ一味
未来世界のナンダーラ王国の王位継承者を決めるために必要という幻の鳥・ジュジャクを追い、ラクダ型のタイムマシン・タイムラクーダで各時代を駆けずり回る。メンバーはミレンジョ姫とその従者のジュリー・コケマツ、アラン・スカドン、そしてミレンジョの弟のコマロ王子(なお、ミレンジョは彼を王位に就けるためにジュジャクを捕まえようとしていた)。掛け声は「ラクーダ!!」。
シリーズで唯一顔の違う三悪として、たびたびネタにされる。特にコケマツにとってはトラウマであり、『タイムボカン王道復古』でコスイネンにそれを指摘され、「小生の一番気にしていることを~!!」と激昂していた。
なお、この「顔が違う」件に関しては『夜ノヤッターマン』の新生ドロンボー、『タイムボカン24』のアクダーマも顔が違うので「唯一」ではなくなった(ヴォルトカッツェとエレパントゥスの両名は、ある意味コケマツとスカドンに近い方である)。
またミレンジョは他の女ボスと違い、スカプラ王朝の姫ということで「わらわ」「~ぞよ」「~じゃ」などの上品な言葉を使い、『ボカンGoGoGo』でもドクロベエに礼儀正しく接するなど、他の女ボスとは一味違う(テンションが上がると結局同じになるが)。あと、やっぱり裸に剝かれる。また、ドンファンファン伯爵という恋人がいたことも他の女ボスと違っていた。
スカドンも「奇人変人コーナー」と、英語交じりの話し方で個性を発揮した。
ラストは、新天地を求めて4人でタイムラクーダで旅立っていった。ドンファンファン伯爵もその後を追っていったので、ミレンジョ姫には幸せになってほしい。
クリーン悪トリオ
タイムマシンを使った輸送及び賃貸サービス会社・シャレコーベリース社の全支社の中で業績最下位のオストアンデル北部支社長のムンムン(チャイナドレスが似合う)、部長のコスイネン、課長のキョカンチンの3人組。名前の由来は野球の打順の3・4・5番打者を表す「クリーンアップトリオ」から。会長コン・コルドーの指令を受け、移動用メカのシャレコーベバギー(後期はシャレコーベダチョウ)と、それをコアにしたレスラーメカ(後期はスポーツメカ)でライバル企業のタイムリース社の社員・放夢ランたちの営業を妨害する。
掛け声は「イエスダー!!」。コケる時の「シビビンシビビンシビビンビーン!!」は、『怪盗きらめきマン』『平成タイムボカン』でも継承された(ただし『きらめきマン』では途中から独自の物に変わる)。平成版『ヤッターマン』でもヤッターマンとドロンボーがたまに使っていた。
後に会長の孫娘のミンミンが加入、ムンムンと共にお色気ギャグを披露してくれた。そしてキザだが有能なオストアンデル西部支社長の隠球四郎とは社内でライバル的な存在(ただし、2人とも終盤で度肝を抜く驚愕の秘密が判明する)。
かなり肝が据わった連中で、コスイネンが仲人を務めた部下の結婚式を、「ウェディングケーキの配達をタイムリース社に依頼した」という理由で邪魔するようにコルドーから指令を受けた際は、「人の道に反する」として指令に背いた(なお、この時はミンミンと球四郎が代わりに任務に就き、イッパツマンと戦っていた)。
また、コスイネンは八奈見乗児キャラの中でも取りわけ有能であり、イッパツマンが粉々になった衝撃の回「シリーズ初!悪が勝つ」では、とどめは球四郎が刺したものの、渾身の発明の瞬間硬化弾でイッパツマンを追い詰めることに成功している。そのためか、他の三悪との共演作品では自信満々ぶりを見せることもある。なお、八奈見キャラで唯一の妻帯者でもある(しかも、妻の東北アンナは顔がムンムンにそっくり)。
『ヤットデタマン』の記述にあるように三悪の顔は「戻された」とされているが、一部にミレンジョ一味の顔の特徴も残されている。
具体的には、たてかべ和也キャラのキョカンチンはその名に反してドワルスキー以前よりやや小柄に、顔も口周りの青々としたヒゲ剃り跡は戻ったものの全体的にいかつさが薄くなっている。加えて元軍人かつ現在も役職的には一番下という設定から関西訛りはあるものの関西弁ではなく、「~であります」など、常に軍人風の丁寧語で話す。性格も粗暴さは薄く実直にも見える。このデザインはトンメンタンにも継承されている。
八奈見乗児キャラのコスイネンは、セコビッチ以前は尖っていた鼻がやや丸っこくなり、先端まで太さが変わらないような感じになっている。こちらもダサイネンにデザインが継承されている。
3人が「もう人間やめて他の物になっちゃおうか…」「人間やってりゃ、そのうちいいこともあるよねぇ…」と屋台で酒を飲みつつ呟く恒例のシーンはサラリーマンの悲哀を感じさせ、見る者の涙を誘う。
ちなみにシャレコーベリース社倒産後にクリーン悪トリオが解散してからは、コスイネンは蕎麦屋を営んでおり、ボヤッキーにも蕎麦打ちを教えたという。
平成版『ヤッターマン』にコスイネンが出演、彼の名ゼリフ「いつか逆転してやるからなっ !!」を叫んだ。前述の鼻の形も再現されている。
余談だが、親玉のコン・コルドーの声優は肝付兼太であり、当時の『ドラえもん』の3人組がレギュラーとして揃ったことになる(しかもここではジャイアンが一番下っ端だったりする)。
二束三文トリオ
またの名を浪人トリオ。有名な学園・オシャカ学園高等部への裏口入学を狙う浪人生活8年目のヤンヤン、ダサイネン、トンメンタンの3人。オタマガ池の妖怪である竜神の娘・竜子ちゃんが姿を変えたデンデンメカとオシャカパズルの力を得た動物が変化した妖怪を使い、オシャカパズルをたてまえトリオから奪い取らんと画策する。
コケるときの「どびぃ~ん!!」、ダサイネンの「全国の予備校生諸君!!」が決めゼリフ。
「あちき」「~でありんす」などの花魁言葉を使う竜子ちゃんが可愛らしく、ダサイネンがデンデンメカのコクピット内のボタンと間違えて、なぜか紛れ込んでいる彼女の胸を押してしまうなど、なんか妙にエロかった。
シリーズとしては三悪がどうこうというより、『イタダキマン』という作品の運命を使ったギャグが多い(詳しくは当該項目を参照)。