概要
「頑張ります!」
「眉間! みぞおち! 絶対死ーぬ!」
『ヒューマンバグ大学』のシリーズ作品『京極の轍(当時京極組の天才・久我虎徹)』に登場するヤクザ。初登場は2021年12月23日付の動画『【漫画】京極組の反逆者...投げナイフの里中。久我が涙の腹裂き。』である。
久我虎徹が所属している武闘派のヤクザ「京極組」の武闘派構成員。組では久我の1つ先輩の組員(久我の初登場時の年齢である23歳から見て、恐らく24~25歳。世代的には先に登場したルーク黒羽根と同期もしくはルークと久我の間か)であり、彼もまた同チャンネルの極道シリーズでは恒例となる武闘派狂人にあたる人物でもある。
久我の語りから見るに、何らかの要因で親族から断絶された立場に居たと思われる。
京極組に加入した後は、当時新入りで有った久我と共に、京極組の教育係・大園銀次の下で極道のイロハを学んでいた。
人物
容姿
先端のみが黄緑色となった青緑の髪の毛を持ち、前髪のみを赤いピンで留めてバックにしたおかっぱの髪型(数年後は若干毛先が跳ねている)をしている。目は赤色であり、新人時代は青いワイシャツと黒いズボン、数年後の服装は赤色のスーツと紺色のワイシャツであり、スーツの中には大量のナイフを隠し持っている。
性格
京極組の下っ端だった頃は、教育係である大園の歓迎に対し、笑顔で「頑張ります!」と言っていた事から、フレッシュで向上心溢れる性格であった事が窺える。
一方で、戦闘の際にはハイテンションな狂人となり、刺す部位の名前を叫びながら相手を投げナイフで串刺しにするという、武闘派狂人極道に負けぬ劣らぬ狂気を発する場面もある。
戦闘力
「投げナイフ精密機械」の異名の通り、天才的な投げナイフの達人。
ナイフ術に関しては株式会社モーリーの投擲の香鈴のように、懐に忍ばせたナイフを複数同時に、気付いた次の瞬間には既に投擲しているほどの速度に加え、それら全てを宣言した場所に寸分の狂いもなく当ててしまう精度を併せ持つ。
不意打ちで放たれれば、銃弾さえかわす反射神経を持つ武闘派極道が正面からでも回避が間に合わないレベルだが、さすがにプロの超人級暗殺者である香鈴とは比べるべくもない程度の腕前でしかなく、尋常ならざるスピードを誇る久我には意図も容易く懐に飛び込まれており、来ると分かっている場面では全く通用しなかった。
活躍
久我が代紋を磨く大園の様子を見ていた際に、彼の回想の中で登場していた。
先述の通り、里中は1年後輩の久我と共に大園の手解きを受けていた様子で有り、仁義を重んじる極道としての活動に意欲を燃やしている様子であった。
その後の里中の動向は不明となっていた。一方、久我の方は夜の街で、偽の京極組代紋を使って金を脅し取っていた半グレ風の男2人を叩きのめした事で、偽物の京極組代紋と組員の名刺が販売されている闇サイトの情報を手に入れていた。
そして久我と裏世界のハッカーの力により、売人たちの正体が半グレ集団「雷奴怨」である事が判明する。代紋を軽んじられた事で怒りに燃える大園と共にカチコミへ向かった久我は、屯していた半グレ達を瞬く間に制圧していったが、そこでまさかの人物と遭遇する事となる。
久我「アンタ やりやがったな」
大園「里中 何でだ! 代紋の大切さあんなに教えただろうが!」
里中「ケッ 今時そんな考え一円にもならねえんだよ」
何と、里中は雷奴怨の一員として、偽の代紋や名刺を売り捌いていたのであった。
代紋を徹底的に侮辱したこの行為に、組を心から愛する大園は当然怒りを露わにし、里中に何故この様な事をしたのかを問い質した。しかし、彼は悪びれずに金の為で有ると答えただけでなく、半ば開き直り同然の形で「バレちまったらどうせ破門だろう! じゃあテメエら殺って半グレでトップはるわ!」等と宣い、大園の喉と鳩尾にナイフを投げ付けた。
教え子の顔を見て一瞬油断してしまった大園は、喉に向かって飛んできたナイフを何とか弾き落とすも、鳩尾に飛んできたナイフを避けきれず、腹を刺されて倒れてしまう。
しかし、組を裏切るのみならず、嘗ての恩師を手に掛けるという正に恩を仇で返す悪行により、久我を完全に怒らせる事となった。
久我「もうテメエはブチ殺す 一瞬で…だ」
里中「久我! 調子に乗ってんじゃねえぞ! テメエより俺の方が上だ!」
恩師を傷付けられ、怒りに燃える久我を前にしても里中は怯まず、逆に雄叫びを挙げながら久我の眉間と心臓にナイフを投げつけようとするが…
久我「欠伸が出るほど遅えんだよ ゲス野郎」
里中「うううわ! は 速!!」
ナイフを投げるよりも速く久我に懐へと潜り込まれ、里中は腹部を一閃されて即死した。
そして、殺したと思っていた大園も、実は腹部にサラシを巻いていた為、大事には至っていなかった。
こうして、仁義を忘れて京極組へと仇なした反逆者は、「偽の代紋で金持ちになる」「久我達を殺して半グレでトップを張る」というどちらの目的も果たせぬまま、呆気無く本物の仁義の持ち主により地獄へと送られたのであった。
考察
半グレでトップを張れるのか?
里中は先述の通り、「テメエら殺って半グレでトップはるわ!」という台詞を発しているが、そもそも仮にあの場で大園と久我を殺せたとしても、京極組良識派の構成員が彼らの死を聞いて黙っているとは思えず、確実に報復に赴く事になるだろう。
大園を不意討ち同然で負傷させた程度の実力でしかない里中では、組内で恐るべき戦闘力を誇る一条康明や近藤新平太が相手では一撃も与えられずに倒されるのが関の山であると思われる。
また、半グレの方だけに目を向けてもモブキャラしか所属していない様な弱小半グレ集団ならば兎も角、裏社会では(里中死後に登場した組織を含めれば)「羅威刃」「戒炎」「裏神」などのマフィアは言うに及ばず、「愛天雄」「比遊怒羅」などの自警団、裏社会の剣豪・雛形慈英率いる半グレ集団「炉鬼」等、武闘派狂人極道も警戒するほどの面子が揃っており、彼らを討ち下してトップに上がるのは至難の業と言える。
加えて言えば、裏社会には京極組と同等の武闘派極道組織である天羽組・獅子王組・天王寺組・神城組・五条組や世界を股に掛ける暗殺組織であるCODE-ELやエルペタス、極道・半グレをも震えさせる死神、そしてメロンパンマンや裏中国拳法の第一人者といった特級の戦闘能力を持つ者がわんさか居る為、里中が何事も無くのし上がるとなるのは厳しい物が有るかも知れない。
関連項目
田代、鉄刀兄弟 - 里中と同じく、京極組構成員から半グレへと堕ちた人物。但し、田代はカチコミの際には、嘗ての恩師に一太刀も浴びせられずに瞬殺され、鉄刀も不仲だった同期に討ち取られた。
投擲の香鈴 - 強化版里中。かつて所属した組織を勝手に離脱して主人公を殺害しようとした点も共通する。
里中義則 - 拷問ソムリエ_伊集院茂夫に登場した彼と同性の外道。
