概要
本郷猛は、仮面ライダー1971-1973の主人公である。
小説版本郷猛は原作とは違い終戦の年生まれと設定され、26歳と原作より3歳ほど年齢が上がっている(原作では23歳)。
そして、未来永劫ただひとりの【仮面ライダー】。
人物像
父母ともに事故で亡くなった上に浜松事件で怪我を負い、寝たきりになった祖父だけが親代わりになったために病弱な姉に育てられた。そんな姉に苦労をかけまいと勉強からスポーツに至るまで何でも取り組むなど、努力を続けられる卓越した精神力の持ち主。
努力の結果成績優秀でスポーツ万能の秀才になり、そこをショッカーに選ばれ改造人間にされる。
かなり真面目な性格だが、それでいて少年のような屈託のない笑顔の持ち主。【ショッカー】の幹部である【大使】曰く「優秀だがまともすぎる」との事。
ひたすらに「生きる」と言う事に真っ直ぐな人物。そしてひとびとを守る【人間の守護者】。
自身を正義ともヒーローとも言わなかった本郷猛は、まさに【仮面ライダー】という正義のヒーローそのものであろう。
【仮面ライダー】
前述した通り本作では【仮面ライダー】は本郷猛ただひとりなので、【ショッカー】との孤独な戦いを強いられる。
本作の【仮面ライダー】はお馴染みの変身で姿を変える訳ではなく、強化服に身を包み、仮面を被るという『THE FIRST』で採られたような方法を使う(ただし、いきなり強化服が現れてそれを着ている訳ではなく、仮面ライダーG3のように手動で身に付ける方法である)。
主なエネルギー源はベルト横の核電池とタイフーンから取り入れる風力エネルギーのハイブリッド。
マシンは最高時速500キロを誇る【サイクロン】で、普段は市販バイクのホンダCB450に偽装できる(核エネルギーを搭載し、原作同様に壁を登れる)。
また『飛蝗(バッタ)男』にも変身できるが、この姿は本来は必要ないため半飛蝗男の姿となり、仮面と強化服の中で最低限の変身形態を取っている(これはバッタ男の姿を経由して変身する仮面ライダーBLACKと酷似した設定である)。
原作での一文字隼人に当たるハヤトは改造手術の失敗による短い寿命で死ぬが、その際に【仮面ライダー】の名と赤いマフラーを託される(後にとある理由でマフラーを外した)。
戦闘能力がずば抜けて高く、改造人間の力を完全にコントロールしていることから恐ろしいまでの強さをみせる。
原作では徒手空拳か敵から奪った武器で戦うという戦闘スタイルだが、本作ではバルカン砲やハンドガンなど飛び道具も使うのでこの点はショッカーライダーに近い。
マスクには人工衛星とリンクした索敵能力があったものの、こちらは使用不能となっており、代わりにサイクロンを呼び出す際の通信装置やガスマスクなど原作を思わせる機能を使用している。更に投石しただけでも数百m先にいた改造人間を撃破するほどの投擲力も持っている。
とにかくでたらめなほど強く、例を挙げると
・十一体の【蜘蛛男】を五十三秒で撃破。
・重機関銃ブローニングM2で降下する【大蟻男】の急所を正確に狙撃、約四十体を撃ち落とす。更に残りの六十体を残弾と機関銃を鈍器として使い、最終的には徒手空拳で計百体を葬る。
・改造人間を超えた存在としての力を全力で発揮すると、真人類の【アポロ】(言わば本作で最後に戦うラスボス)の動きさえスローモーションに見えるほどの認識能力
など、凄まじい強さをほこっている他、成長速度も異常なほど早い。
科学者の片山によれば、彼を倒せる改造人間はもう存在しないとまで言及された。
これは改造人間としてのスペックだけでなく、本郷の戦闘経験によるところも大きい。
強化服
緑川博士によってS.M.R.(システム・マスクド・ライダーズ)の一環として作られた強化服。
プロトタイプとして零式、一式が存在しており、作中で本郷やハヤトが使っていたのは二式と呼ばれるタイプ(仮面ライダー1号と仮面ライダー2号に相当する)で、一時的にハヤトのものを借り受けるシーンも存在していた。
この他にも様々な用途に合わせた強化服の存在が語られたが、いずれも歴代の昭和ライダーがモデル。
装着者は原作と同じではなく、本郷猛ただ一人である。ただし、サイクロン号がナノマシンで瞬間変身するのとは違って一瞬で別のスーツに切り替わるという芸当は不可能である。
- 三式
二式の純粋な強化型で、二連タイフーンを装備。
元ネタは仮面ライダーV3。
- 四式
小型のタイフーンが装備され、戦況毎に様々な武装に換装できるスーツ。
元ネタはライダーマンだが、ライダーマンとの違いはベルトが風車型である事や武装に電磁ムチやブレードがある点である。
- 五式
宇宙空間や水中での活動を想定し、背中にボンベを備えたスーツ。
元ネタは仮面ライダーXだが、ボンベがあるという点が決定的に異なり、ライドルの有無は不明。
宇宙空間で活動できるという点では仮面ライダースーパー1にも近い。
- 六式
迷彩柄が特徴的な特殊任務用スーツ。
元ネタは仮面ライダーアマゾンだが、カッターの有無は不明。
- 七式
パワーと防御力を格段にアップさせた300kgのスーツ…というよりかはアーマーに近い。
余剰電力を攻撃に使うことで放電が可能。
元ネタは仮面ライダーストロンガー。
余談だが、電波人間タックルこと岬ユリ子は超能力者少女『美咲百合子』として登場している。
- 2009年のスーツ
クラッシャーが自動開閉でき、三連タイフーンを装備している。頭部のデザインは本郷の思い入れによりバッタの意匠が残され、デザインはRXやZOのようなシンプルでシームレスなものとのこと。
サイクロン13という愛機を駆り、2009年の世界を守っている。
名台詞
「おまえたち【ショッカー】と戦う者。おまえたち【ショッカー】の牙からひとびとを守る者。……【仮面ライダー】だ」
「言ったはずだ。覚悟はできた、と。俺は【ショッカー】と戦う。この先、自分が失ったもの想い、嘆く日も来るだろう。だが、それでも俺は【ショッカー】と戦う。平凡な幸せを失ったことが、いまの俺の誇りだ」
「ただ生きたいと願う魂を守る。自分の使命はそれだけだ」
The present day
2009年にも【仮面ライダー】本郷猛と見られる人物が登場しているが、この時の文章は二人称である為に「おまえ」と呼ばれている。
つまり、これには読者にとってこういう受け取り方もできる。
次は、俺たちの番だと。
