焔を刻む銀のロザリオ
ほのおをきざむぎんのろざりお
ハーメルンでファルクラム氏が連連していた、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの長編二次小説。正式名称は、「機動戦士ガンダムSEED 焔を刻む銀のロザリオ」。
機動戦士ガンダムSEED Illusionと機動戦士ガンダムSEED Fateの続編にして完結編でもある。
全53話(あとがきも含めて)。
少年は、戦争を勝利に導き、守護者としての役割を全うした。
少女は、翼を失う代わりに、愛を取り戻した。
青年は、少女を守って生きて行く事を誓った。
それぞれが熱い思いを掲げ、全ての力を振り絞って、それぞれの運命を駆け抜けた。
そして今……時代は再び、この男を戦いの場に召喚する。
オリキャラ
- キラ・ヒビキ
傭兵部隊「フォックス・ファング」のリーダーを務める青年。
荒くれ者の傭兵の中では、人当たりが良い性格。
相棒兼恋人のエストを始め、仲間達のことを大切に思っている。
- エスト・リーランド
キラにとって公私に渡るパートナー。
クールで素っ気ない性格をしているが、昔に比べると人付き合いが良くなっている。
- リィス・フェルテス
スカンジナビア王国に雇われた傭兵の1人。
幼い年齢に似合わず、高い戦闘力を誇る。
物心ついた時には戦場で戦っており、感情は希薄。
- ラキヤ・シュナイゼル
元地球連合軍・ファントムペインの少佐でネオ・ロアノークだった頃のムウ・ラ・フラガの部下であった青年。
人当たりがよく、誰にでも優しい性格。
本名は「ラキヤ・ホーク」。ルナマリアとメイリンの義兄である。
- アリス・シュナイゼル
ラキヤの妻。
元ザフト軍ミネルバ隊に所属していた女性パイロットで、明るくボーイッシュな性格。
前作での最終決戦で右腕を失っている。
- バルク・アンダーソン
傭兵斡旋業をやっている老人。
老境になっても尚、矍鑠としている。
キラやエストのことをいたく気に入っており、何かと便宜を図ってくる。
ただしセクハラ好き。
- ユウキ・ミナカミ
オーブ軍少将。
かつては宇宙艦隊第1戦隊を率いていたが、現在は後方勤務についている。
年齢相応に落ち着いた性格。
- ライア・ミナカミ
元はザフト軍の軍人だったが、その後はオーブ軍に帰属した少女。
ユニウス戦役時に足を負傷して除隊、その後、ユウキと結婚した。
かつてはアリスに匹敵する活発な性格だったが、今は穏やかで優しい性格に変化している。
- リリア・クラウディス
オーブ軍特殊部隊「フリューゲル・ヴィント」所属の整備班員であり、新型機設計も担当している。
世話焼きで面倒見の良い性格をしている。
恋人であるシンとは相思相愛の仲。
- イスカ・レア
カガリの秘書を務める女性。
カガリの性格がアクティブであるため、何かと気苦労が絶えない。
- クライアス・アーヴィング
スカンジナビア王国軍のエースパイロット。
誇り高い性格で、パイロットの腕も良い。
そのため、国民にも高い人気を持っている。
- ユーリア・シンセミア
スカンジナビア王国の第1王女。
清楚な外見をしているが、性格はややアクティブ。
- アルフレート・シンセミア
スカンジナビア王国の国王。
カガリやラクスとも親交がある聡明な君主。
娘のユーリアのことは目の中に入れても痛くない程に可愛がっている。
- フィリップ・シンセミア
スカンジナビア王国第1王子。
本来は第2王子だったが、数年前に兄が死亡したため、第1王子に昇格した。
自己顕示欲が強く傲慢な性格。
- ミーシャ・キルキス
ユーリア付きのメイド。
駆け出しだが、ユーリアのことを慕っており、頑張り屋な性格。
- カーディナル
仮面を被った正体不明な男。
- レニ・ス・アクシア
地球連合軍のファントムペインに所属する少女。
無口・無表情で冷静沈着な性格。
コーディネイターを凌駕する高い戦闘能力を誇る。
- ウォルフ・ローガン
ファントムペインのローガン隊隊長。
年齢の高さに比して、非常に高い戦闘力を持っている。常に己を鍛えることを忘れない、武人のような気質。
- フリード・ランスター
地球連合軍少佐。戦艦ガブリエル艦長。
怜悧冷徹な戦略家であり、味方の犠牲よりも敵に与えた損害が大きければ、それで良いと考えている。
- ルーミア・イリン
地球軍ローガン隊所属のパイロット。
トライ・トリッカーズのリーダー格。
溌剌とした性格で、高機動戦闘が得意。
- ブリジット・ハーマン
気の良い性格で取っ付き易い性格。
トライ・トリッカーズのムードメーカーで、砲撃戦が得意。
- シノブ・リーカ
トライ・トリッカーズのメンバー。
ストイックな性格で、取っ付きにくい反面、ふとしたことで面倒見のいい面を見せる。
接近戦が得意。
- ロベルト・グラン
地球連合軍に所属するスナイパーの男。
陽気な性格で、誰とでも気さくに話せる。
ウォルフのことも「ダンナ」と呼ぶ。
- ジークラス・フェスト
元ザフト軍兵士で宇宙戦闘の名手。
現在は傭兵という立場にあり、カーディナルの指揮下で共和連合と戦っている。
好戦的な性格。
- メリッサ・ストライド
ザフト軍時代からジークラスにつき互い、彼の副官を務める女性。
猪突しがちなジークラスに対し、冷静沈着な性格。
- ダークナイト
ファントムペイン所属で、謎の仮面で顔を隠した全身黒ずくめの男。
ダークナイトというのも、本人が名乗ったわけではなく、周囲がそう呼んでいるだけ。
一切の経歴は不明。
原作キャラ
オーブ連合首長国の最後の代表首長。
現在は、オーブ共和国の外務大臣を務める。
キラの双子の「きょうだい」であり、エストにとっては姉のような存在。
アスランと婚約中。
元ザフト軍特務隊FAITH所属の青年。キラとは親友同士。
メサイア攻防戦の最終盤で、デュランダル前議長から「ラクスやカガリの力になって欲しい」という遺言を聞いたため、現在はザフト軍を除隊し、オーブへの帰属手続きを行っている。
カガリと婚約中。
オーブ軍特殊部隊「フリューゲル・ヴィント」に所属する青年。
ユニウス戦役を終結に導いた英雄の1人であり、「オーブの守護者」と呼ばれている。
キラやエストとは旧知の青年。
現在は、スカンジナビア王国に所属する技術士官。
キラがいつも機体を酷使するため、気苦労が絶えない。
現プラント最高評議会議長。
ふんわりとした性格とは裏腹に、共和連合を指導して地球連合軍と戦い続ける女傑。
ザフト軍所属のエースパイロット。
その高い戦闘技術と独自のカリスマ性により、軍の内外に高い人気を持つ。
ザフト軍の総司令官を務める男で、キラにとっては「父親」のような存在。
飄々としてとらえどころの無い性格は相変わらず。
プラント国防委員会役員を務める青年。
堅物で一本気の通った性格は相変わらずで、ラクスを始め、多くの人間から信頼を得ている。
だが、それ故に気苦労も多いらしい。
戦艦ビリーブの艦長。
かつては、有能だが、何処か頼りない雰囲気を持っていたが、いくつもの修羅場を潜り抜けたことで歴戦の艦長として、落ち着いた風格と判断力を持つようになった。
戦艦ビリーブのオペレーターを務める少女。
一見すると大人しい雰囲気を持つが、ここぞとい言う時には芯の強さを見せる。
オーブ
- ライキリⅢ型
ユニウス戦役中に「ムラサメ」をベースに開発されたライキリを、戦後にオーブ軍主力として正式採用した機体。
ライキリの弱点だった稼働時間の不足は、ザフト軍のデュートリオンビーム技術を得たことで解消され、充分な稼働時間を確保するに至っている。
しかし約3年に渡ってオーブの空を守り続けてきたライキリだが、各国が最新鋭機の戦線投入を進める中で、マイナーチェンジにも限界が出始め、新たな機体の開発が急がれている。
※キラ専用ライキリ
キラ・ヒビキの高い戦闘能力に対応させるため、駆動系をギリギリまで高め、さらにインパルス砲を取り外し、火力よりも機動力を重視している。
ただし、それらの改造の結果、整備性はすこぶる悪くなっている。
- エルウィング
オーブ軍がザフトからライセンスを取得して開発したデスティニー級機動兵器。言わばオーブ製デスティニー。翼の色が、デスティニーの赤から青に変更されている。ユニウス戦役時、フェイトのパイロットとして活躍したシン・アスカだが、彼の妹であるマユ・アスカが除隊した後、代わりのオペレーターが見つからなかった。
それを受けてオーブ軍は、フェイトに代わる新型機として、ザフトから提供されたデスティニー級機動兵器の設計図を基に、単座の機体として開発した。
デュアル・リンクシステムは使えなくなったが、フェイトを上回る機動性と、遠近の武装を併せ持っているため、実質的な戦闘力の低下は無いに等しい。
開発には、シンの恋人であるリリア・クラウディスが主任を務めた。
- シロガネ
オーブ軍が次期主力機動兵器開発計画の一環として建造した機体。
設計のベースはアカツキと同じフレームを使用しているが、コンセプトはフリーダムに近いものがあり、高機動砲撃戦を主眼にしている。
ヤタノカガミ装甲を持ち、ビーム攻撃に対して高い防御力を誇る。
エスト・リーランドがパイロットを務める。
- シシオウ
オーブ軍がムラサメ、ライキリに続いて実戦配備を進めている新型可変モビルスーツ。
高速性能重視だったライキリに対し、再びムラサメ同様の機動性重視型に設計を変更、更に変形機構も簡略化されている。
あらゆる面でライキリを凌駕する性能を与えられ、オーブの新たる空の守りとして期待されている。
※コガラス
特殊作戦用のシシオウ。
機体は漆黒に塗られており、各機体はパイロット好みにチューニングされている。
主にフリューゲル・ヴィントを中心に配備されている。
- 信濃
大和型戦艦の3番艦。
近代戦に対応した戦術を構築するために、モビルスーツ搭載や運用能力が大幅に強化されている。
その代償として、第1主砲塔は撤去され余剰分を機体格納庫に改装されている。
これにより、対艦砲撃能力は若干低下したものの、正規空母に匹敵する艦載機運用能力を持つに至っている。
スカンジナビア王国
- ライトニングフリーダム
(地上戦闘用)
戦局打開を目指し、スカンジナビア王国軍がザフト軍に開発を依頼し発注したフリーダム級機動兵器。
地球軍のように地上でもドラグーンを使えるようにするのではなく、宇宙用と地上用で武装を付け替え、その状況において最適且つ高度な戦闘力を実現した。
大気圏内戦闘用の装備では、ウィングバインダーの空力を活かした高い機動性に加えて、11門から成る高い火力を誇る。
C.E.77年時点で最強の機動兵器である事は間違いなく、単機で戦局を逆転する事も不可能ではない。
スカンジナビア最強の騎士であるクライアス・アーウィングが操る。
(宇宙戦闘用)
背部の武装をウィングバインダーからドラグーンのプラットホームに換装したライトニングフリーダム。
主武装であるフィフスドラグーン機動兵装ウィングは、翼1枚につき大型砲1門、小型砲4門を搭載し計5門。
12枚合計で60門の砲撃が可能。
これにフリーダム本体の砲撃力が加わると、合計67連装フルバーストという比類ない高火力を実現した。
ザフト
- 量産型デスティニー
ザフトがユニウス戦役時に計画していた特殊部隊「コンクルーダーズ」用に量産したデスティニーのうちの1機。
正式な実戦配備前に戦争が終結してしまった為、量産計画も見直しされてしまい、辛うじて建造された1機も、長く倉庫の奥に死蔵されていた。
アリス・リアノンやハイネ・ヴェステンフルスが搭乗したオリジナルのデスティニーに比べると、武装は簡略化され、残像機能、VPS装甲もオミットされているが、それでも効果的なコストダウンには繋がらず、当初の予定では10機程度の量産しか行われない予定だった。
紆余曲折の末にキラ・ヒビキの手に渡る。
- ゲルググ・ヴェステージ
ザフトが戦線に投入を始めている、新型の量産型機動兵器。
高い機動力と戦闘能力を誇り、各種のウィザード、シルエットを装備可能となっている。
- ビリーブ
ザフト軍が建造した、エターナル級戦艦。
エターナルの欠点だった大気圏内航行能力を付加、更に武装も大幅に強化した事で対艦戦闘能力も向上。同時に新型の艦船用エンジンも多数搭載した事で、事実上、エターナルと同等の航行速度を維持している。
アーサー・トラインが艦長を務める。
地球連合軍
- ウィンダムV
地球連合軍が開発したウィンダムのマイナーチェンジバージョン。
元々、量産機としては高い性能を持ち、またストライカーパックを装着することで戦力の底上げが容易なウィンダムは多くの派生機を生みだした。
このV型はセンサーを強化して索敵能力を高めたタイプである。新型機の実戦配備が進んでいるが、まだまだ一線級の機体として前線を担っている。
※エスト専用ウィンダムⅢ
エスト・リーランドが自分専用にチューンナップしたウィンダム。
武装等に変化は無いが、駆動系やOSの最適化がなされている。
- グロリアス
ウィンダムの後継機として、地球軍が前線に配備を進めている量産機。
各種ストライカーパックを搭載する事であらゆる戦況への対応が可能。
その性能は、ユニウス戦役時のザフト軍の最新鋭機・インパルスにすら匹敵すると言われている。
※エスト専用グロリアス
バルク・アンダーソンの仲介でエスト・リーランドが手に入れたグロリアス。
駆動系や推進系はエストの好みに調整されている。
各種ストライカーパックの内、何もない時は、エストは全レンジに対応可能なノワールストライカーを好んで装備する場合が多い。
- ヴァニシング
地球連合軍の新たなフラッグシップ機として開発された機体。
ニュートロンジャマーキャンセラーと核エンジンを合わせた動力を持つ。
バスターの系列を受け継いで開発された機体だが「高機動と高火力の高い次元での融合」を目指したため、むしろフリーダムのコンセプトに近い機体となった。
パイロットは、ウォルフ・ローガン。
- サイクロン
地球軍が開発したシルフィード級機動兵器。
ストーム同様、砲撃と接近戦双方が可能となる複合銃剣ダインスレイブを主武装としている。
大気圏内でも使用可能なガンバレル4基を装備し、火力も充分に強化がされている。
また、ビームシールドの正式採用により、大幅な軽量化にも成功している。
パイロットは、レニ・ス・アクシア。
- イントルーダー/イラストリアス/インヴィジブル
三位一体戦術を主目的として地球軍が開発したストライク級機動兵器。
イントルーダーは高機動、イラストリアスは接近戦、インヴィジブルは砲撃戦を想定して、それぞれ武装とOS調整がされている。
トライ・トリッカーズの機体として猛威を振るう。
パイロットは、ルーミア・イリン(イントルーダー)、シノブ・リーカ(イラストリアス)、ブリジット・ハーマン(インヴィジブル)
- グラヴィティ
イージスの流れを汲む、地球連合軍の可変型モビルスーツにして、ニュートロンジャマーキャンセラー搭載機。
砲撃力、接近戦能力、双方において高い性能を誇り、更にモビルアーマー形態になる事で機動力もかなり高い。主に宇宙空間で運用を想定して設計された。
パイロットは、ジークラス・フェスト。
- ハウリング
ブリッツの流れを組むニュートロンジャマーキャンセラー搭載機。
トリケロスを簡略化した複合防盾フェンリルを装備する。
一見、同世代の機体に比べて武装面で劣っているように見せるが、残像、分身、ステルスと言ったあらゆるミラージュコロイドを用いた戦術を使いこなすことがで出来ため、見た目のスペックを遥かに超える性能を発揮する。
パイロットは、メリッサ・ストライド。
- ジェノサイド
地球連合軍が開発した、新型のデストロイ級機動兵器。
その巨体は通常のモビルスーツより、全高で倍以上、質量は10倍近くに達する。
デストロイの欠点であった機動力は、大型のホバーエンジンを搭載することで解消、更に無駄に近かった可変機構もオミットされている。
原型機のデストロイはエクステンデット1人で操縦していたが、エクステンデット開発は半ば凍結に近い形になっているため、通常の兵士が操縦している。
そのため、動かすにはパイロット、コマンダー、ガンナー、オペレーターの4人が必要となる。
- ガブリエル
地球連合軍がユニウス戦役後、主力宇宙艦隊再建の一環として設計、建造したミカエル級戦艦の3番艦。
アークエンジェル級の流れを汲む大型戦艦であり、火力の増大、搭載機数の増加が行われている
艦長は、フリード・ランスター。