概要
眼状紋(英語:eyespot)とは、生物が体に持つ、目玉のように見える模様の事である。目玉模様・蛇の目模様と呼ぶこともある。
蝶や蛾などの昆虫に多く見られるが、鳥類や魚類、植物など、様々な分類群に存在する。
どのような意味があるのかは議論が多く、はっきりと定まっていないが、生物種によって様々な意味があると考えられ、次のように挙げられる。
- 自己擬態
- 目の位置を誤認させ、急所である目を狙って攻撃してくる敵からの攻撃をそらせて致命傷を回避する。小さな目玉模様が多い。
- 防御擬態
- 主に天敵に強い別の生物に誤認・警戒させることで襲われにくくなる。例えば隠していた眼状紋を急に展開してヘビやフクロウなど獰猛な大型生物が急に現れたと誤解させ、天敵を驚かせてその隙に逃げる。または眼状紋の数により天敵に仲間が沢山いると誤認させる。大きな眼状紋が多い。
- コミュニケーション
- 同種間に通じるシグナルとして、仲間の呼び寄せや異性への求愛に利用される。
眼状紋を持つ主な生き物
哺乳類
鳥類
爬虫類
など
両生類
など
魚類
- カニハゼ・ホムラハゼ・キンセンハゼなどのハゼ科
- トゲチョウチョウウオ・チョウハン・トノサマダイ・フエヤッコダイなどのチョウチョウウオ科
- ダンダラスズメダイやナガサキスズメダイなどのスズメダイ科の一部の幼魚
- オヤニラミ
- クロホシフエダイ
- シモフリタナバタウオ
- ホンベラ幼魚
- カンムリベラ幼魚
- クロホシイシモチ
- ダイヤモンドパイク
- アイスポットシクリッド
- ハチ(魚)
- マトウダイ
- イエローコリス
- マンダリンフィッシュ
- コケギンポ
- ヨツメトラギス
など
節足動物
昆虫
- アゲハチョウ科の蝶の幼虫(例外あり)
- ツマベニチョウの幼虫
- モルフォチョウ
- メダマチョウ
- フクロウチョウ
- ジャノメチョウ
- ヒカゲチョウ
- クジャクチョウ
- ヒメアカタテハ
- タテハモドキ
- アオタテハモドキ
- ウラナミシジミ
- ウラナミアカシジミ
- ヤママユガ科の成虫
- スズメガ科の幼虫
- イボタガ属
- カイコ・クワコの幼虫
- ハグルマトモエ・オオトモエなどのトモエガ類
- フクラスズメ
- ムクゲコノハ
- シタバガ類
- ベニモンコノハ
- アケビコノハ
- シャチホコガ科の一部の幼虫
- フタツメオオシロヒメシャク
- ヒトツメカギバ
- モモハモグリガ
- オビマイコガ
- アトモンミズメイガ
- オオナミモンマダラハマキ
- コボウハマキモドキ
- シロオビホソハマキモドキ
- クルマバッタ幼虫
- コカマキリ
- ウスバカマキリ
- トガリメニシキカマキリ
- シタベニアヤメカマキリ
- アフリカメダマカマキリ
- メダマカレハカマキリ
- ユカタンビワハゴロモ
- ベッコウハゴロモ
- クロスジホソサジヨコバイ
- シムウゾ
など
鋏角類
など
甲殻類
- シャコの一部
軟体動物
など
その他の動物
不明
植物
不明