概要
フルタイトルは、『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』。
1993年2月24日に放送された『ドラゴンボールZ』のテレビスペシャル。
未来からやってきて悟空に薬を渡したトランクス(所謂未来トランクス)が、なぜ過去に飛ぶに至ったかを描くストーリーである。
原作となった漫画『ドラゴンボール』の番外編読切『TRUNKS THE STORY─たった一人の戦士─』をベースに、多少アレンジ・オリジナル要素を含んだ内容となっている。
ピッコロやベジータと言った主要キャラが次々亡くなる等、暗い作風になっており、全てのメディア作品の中で唯一、敵に勝利するシーンが1度もない。悟飯を演じた野沢雅子も悟飯が殺されるシーンで「非常に悔しい思いをした」と語っている。また、トランクスを演じた草尾毅は印象に残った話に本作品を上げている。
放送から20年が過ぎた2013年2月24日にはニコニコ動画で20周年企画として本編に関するイラストのスライドショーが投稿された。
世界観・あらすじ
トランクスが過去への介入を行う前の本来の世界線が舞台になっており、原作では台詞のみだった悟空の病死や仲間たちの戦死が実際に描かれた。
エイジ764。メカフリーザとコルド大王を打ち破った孫悟空だったが2年後のエイジ766において、悟空は不治の病であるウイルス性の心臓病で命を落とす。
それから1年後のエイジ767。人造人間17号と人造人間18号が出現し、これを迎え撃とうとしたピッコロ、ベジータ、ヤムチャ、クリリン、天津飯、餃子といったZ戦士たちは力及ばずに戦死し、ピッコロが死んだためにドラゴンボールも消滅する。
こうして、世界は破壊魔と化した人造人間に蹂躙されていき、13年後のエイジ780には地球の人口は半分まで減っていた。青年に成長した孫悟飯はただ1人で人造人間と戦い、その姿に憧れたトランクスも悟飯に弟子入り。残された2人の超戦士は人造人間という絶望に反抗する…
おもな登場人物
22歳。未来悟飯の項目を参照。
戦いの日々を送っていたため、傷跡が多く、一人称が「オレ」になるなどやや荒っぽい性格になっている。
13歳。未来トランクスの項目も参照。
事実上の主人公。人造人間に対し怒りを募らせ、悟飯に弟子入りする。
47歳。タイムマシンを完成させる。
突然目覚めた人造人間。都市を次々に滅ぼし、破壊と殺戮の雨を降らせる。わずか13年で地球人口を半分まで殺し尽くした。生身の人間を見下している。
なお生みの親であるドクター・ゲロは既に彼らに殺されている。
その後のトランクス(ネタバレ注意)
トランクスは悟空に心臓病の薬を届けるために過去に飛び、悟空は病魔から解放されるが、『ドラゴンボール』世界では過去を改変しても並行世界が生まれるだけで歴史は変わらないため、トランクスが未来に帰った後も悟空たちは死んだままになっている。
セル(完全体)との戦いを終えたトランクスは未来に辿り着き、未だ暴れ回っていた人造人間姉弟を破壊した。
トランクスが過去に来たセルと遭遇せず、17・18号の設計図を発見し、それを元に作られた強制自爆装置を起動させることで二人を撃破する歴史では、17号たちを撃破した報告のために過去に飛ぼうとタイムマシンに乗り込んだトランクスをセル(第一形態)が殺してしまう。
しかし過去に来たセルと遭遇したことで、そのことを知っていたトランクスは万全の態勢で迎えうち、逆にセル(第一形態)を返り討ちにする。
こうして未来にはひと時の平和が訪れ、トランクスは荒廃した地球で、復興のために尽力するのだった。（余談になるがトランクスがセルを返り討ちにしたことでもう一つ、セルが過去に干渉しない…わかりやすく言うと本編の話からセルの要素だけが消えた時間軸が生まれる。）
なお、『ドラゴンボール超』ではその後の魔人ブウ編についても言及された。界王神などの犠牲もあったとはいえ、バビディ一味もしっかりと倒していたようだ。因みに未来ブウ編はゲームカカロットで詳細が描かれている。
ところが、その後再び惨劇が幕を開ける…。
後付設定
ピッコロが死亡する直前にどさくさ紛れでピラフ一味が若返りの願いをしれっと叶えていたことがジャンプフェスタの特典漫画(超の単行本2巻収録)で判明。そして願いが叶った直後にピッコロ死亡＝神様死亡によりドラゴンボールの力で事態を好転できる可能性は絶えてしまった。
もっとも若返りの願いに積極的であったのはピラフのみであり、若返りにマイは「え？」、シュウは『怪物出現のうわさ』から願った内容について疑問視している。その後、若返ったマイは。
また、ヤジロベーもカリン様の最後の仙豆でギリギリ生き残っていたことが『ドラゴンボール超』で判明した。ただ、ヤジロベーの言い方から、カリン様は死亡している可能性が高いと思われる。
ちなみに『TRUNKS THE STORY─たった一人の戦士─』ではトランクスはすでに超サイヤ人に覚醒していたが、『超』ではTVスペシャルと同じ展開で超サイヤ人となっている。
外部コンテンツ
Dragon Ball Z: Light of Hope 2 & 3 (New Live Action Film) *RE-UPLOAD*
Dragon Ball Z: Light of Hope - Pilot
二次創作などにおいて
凄惨なエピソード故か二次小説や動画では、未来悟飯が強くなって17号たちを撃破したり、または別世界へ飛んだり、出会わないはずの未来悟飯とビーデルが出会いパンが誕生する話等を描くファンも多い。
2007年にPSPで発売された『真武道会2』でも、未来世界のその後を描いたストーリーモードは救いのある結末になっている。
関連タグ
吸血鬼ピー:『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する南方の吸血鬼。野沢雅子が目玉おやじを演じた第6期での登場エピソードでは、小さい田舎から爆発的に吸血鬼を増やし一月もしないうちに世界を滅ぼすという本作の人造人間17・18号に匹敵する危険度を見せていて、このエピソードでの目玉おやじは未来悟飯を、ねこ娘は未来トランクスを連想させる立ち回りとなっている。
