「あれが地球だよ、パパ……」
概要
ナメック星での孫悟空との戦いに敗れたフリーザが、サイボーグとして甦った姿。メタルクウラと同じく、各種変身形態とは別として扱われる事が多く、Pixiv内でも個別のタグで登録されている。
作中では以前と同様に『フリーザ』と呼ばれるだけだったが、商品展開される際には差別化のため『メカフリーザ』と表記されることが多い。
なお放送当時のカードダスでは『メカフリーザ』と『サイボーグフリーザ』の両方の表記が使われ、劇場版『激突!!100億パワーの戦士たち』のパンフレットでも『サイボーグフリーザ』と表記されていた。
メカフリーザはドクター・ゲロが作ったわけではないだけで、人造人間とも言えるため、人造人間編最初の敵と考えることも出来る。
復活の経緯
ナメック星での孫悟空との最終決戦にて、フリーザは自らの技を誤って自分に当ててしまったことで左腕と下半身を失い、悟空がトドメとして放った怒りの一撃によって頭部の右半分を吹き飛ばされる。更にそれ以前に自身で決戦の場となったナメック星の中枢を破壊していたために、同惑星の消滅と運命を共にした……と思われたが、奇跡的に文字通り半死半生の状態で宇宙を漂っていた。
同じ頃、偶然にもフリーザの異変を察知した彼の実父であるコルド大王とその部下達によって発見・救出され、本国の惑星へ送還された後に科学者達によって改造手術を施され完全復活を果たした。
アニメ版ではこれら復活の経緯が、フリーザの回想シーンで語られている。
姿と戦闘力など
欠損した左腕と下半身、右半分の頭部は完全な機械で補完されている。それ以外には重大な損傷を負ったと思しき顎部分、及び右胸部分から脇に掛けてはプロテクター等で補強されている(アニメ版の作中において、医療用コンピューターがこれらの部分の損傷度合いを解析している描写がある)。フリーザの最終形態の体型に合わせてパーツが補強されているため第一形態に戻ったらパーツが合わずに死に至ると思われる。
戦闘力に関しては以前の姿からパワーアップを遂げたらしく、コルド大王との共闘で悟空を絶対に倒せると自信を見せており、自分だけでもたぶん倒せると語っていたのだが・・・
最期
悟空への復讐に燃えるフリーザは、意識を取り戻すや否や地球侵攻を宣言し、コルド大王と数名の部下と共に地球へ来襲。辺境の星の大地に降り立つなり、悟空が悔しがるようにと地球人の殺戮を部下に命じる。
そんな彼の前に立ちはだかったのが、謎の少年・トランクスであった。
当初はトランクスの言葉を歯牙にも掛けなかったフリーザであったが、部下が次々と倒されていく現況から、彼がハッタリだけの生半可な実力者ではないと悟る。
しかし、トランクスが宣言通り超サイヤ人に変身した際には、彼の鋭い眼光から「あの目だ……!!」と、悟空の面影を重ねてしまい戦慄が走り、エネルギー波による先制攻撃を仕掛ける。
しかしこれを避けられ、逆にトランクスのエネルギー波による攻撃を受ける。なんとか上空に飛んで避けるも待ち構えていたトランクスによって剣で真っ二つにされてしまう。
挙句バラバラに切り刻まれた後にエネルギー波を浴びせられ完全に消滅させられてしまった。
アニメ版では僅かに戦闘シーンが追加されており、超巨大な気弾(恐らくスーパーノヴァ)でトランクスを押し潰し地球ごと破壊しようとした(ナメック星の件で警戒したのか、じわじわと地中に進むようにゆっくりとした気弾を放っている。いきなり地球を破壊しようとしたわけではない)。しかし結局はトランクスに傷一つ負わせる事が出来なかった。
なおトランクスが訪れなかった次元では、瞬間移動で地球に帰還した悟空によってやはり倒されてしまっている。
死後
原作である漫画では以降の登場は一切なかったが、アニメシリーズではオリジナル展開として、死後のフリーザが描かれている。下記を参照。
ドラゴンボールZ
当然ながら、これまでの悪行により父と共に地獄に落とされる(姿はメカではなく全盛の最終形態に戻っている)。あの世で再会したギニュー特戦隊と、後に同じく地獄に落ちたセルと結託し、地獄の鬼たちを相手に騒動を起こすが、直後に孫悟空と、西の銀河最強の戦士であるパイクーハン(アニメオリジナルキャラクター)がその場に駆けつける。因縁深い悟空との再戦に面々は心を燃やすが、親子そろってパイクーハンに一撃で倒されてしまう。そして仲間共々座敷牢に放り込まれてしまった。始めは悟空が死んだことに喜んでいたが、彼を殺したのがセルだと知ると青筋を浮かべたもの、セルに悪態をつくことなく下手に出ている。フリーザが感情を抑えているというだけで両者の力関係がよくわかるであろう。
また、他の亡者達と共に魔人ブウとの戦いも地獄から観戦しており、悟空が負けるように悪態をついているシーンがある。
劇場版『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』においても再登場。ジャネンバの暴走によりあの世とこの世が繋がれた混乱に乗じて復活を果たす。劇場版を含むこれまで登場した悪役たちを率いるが、偶然再会した孫悟飯(当時、魔人ブウ編ごろ)を見て何者か気づき、「親の因果が子に」と語り始末しようとする。だが実力差は最早圧倒的であり、通常状態の拳一発で倒され、煙のようになって消滅した。同時に他の悪党たちも、彼の消滅で戦意を喪失し逃亡している。
ドラゴンボールGT
ドクター・ゲロ(メカフリーザと異なりコチラは人造人間20号の姿)とドクター・ミューが開発した新17号と現世の17号のシンクロにより、地獄と現世をつなぐトンネルが出現する。
上記の劇場アニメ同様に歴代の悪党たちが次々と現世になだれ込む中で、悟空との再戦を望むフリーザとセルはあえて地獄に留まり、地獄の新17号を止めようとトンネルに飛び込んだ悟空を待ち構え、同時に彼が地獄から脱出する術を奪ってしまう。
既に死人であり戦場もあの世であることから肉体が消滅することもなく、尚且つ究極のドラゴンボールの影響で子供の姿になってしまった悟空になら勝機があると、二人は地獄での修行で体得した新たな技(Z戦士達の技のコピー)を繰り出して奮戦するが、悟空はこれらを軽々といなして翻弄されてしまう。
セルとは、先の『ドラゴンボールZ』においては完全に主導権を握られていたが本作では共闘者としてそれなりに対等(?)な立場を築いており、合体技として「ヘルズバスター」なる技を開眼している。一時は悟空を戦闘不能にするが、結局地獄の武器を逆に利用した悟空によって、セルとともに氷漬けにされて敗北した(後に両名とも解凍されたようで、手足を拘束された状態で檻に入れられ鬼たちに連行されるシーンが描かれている)。
この話ではコメディリリーフを担う役回りとして描かれた。
復活の「F」/ドラゴンボール超
時系列としては原作の魔人ブウ編終了後のストーリーだが、前述のアニメシリーズとは一変し、メカフリーザの姿で登場している。
地獄での扱いも変化しており、「ミノムシのようにつるされ、面白くもなんともない(フリーザからすれば苦痛極まりない)妖精たちの劇を昼夜を問わず見せられ続ける」という罰を受けていたが、現世においてフリーザ軍の残党であるソルベたちが集めたドラゴンボールの力で復活。
復活した際には、トランクスに細切れにされた死亡当時の姿で現世に呼び出されており(そんな状態でも意識ははっきりあった模様)、それをソルベとタゴマが冷凍カプセルを用いて回収し、最新の蘇生装置に入れたことで無事に再生。もとの生身の姿(第一形態)に戻っている。
以降の活躍はフリーザの記事を参照。
従来のアニメでの展開やサイボーグ桃白白と違い、準メインキャラとしての復活を一応は果たしたことになった。
ゲーム内でのメカフリーザ
全ての変身形態を含めた通常のフリーザとは異なり、このメカフリーザは個別キャラクターとして扱われている事がほとんどである。
ゲームによっては各種変身形態から優れた技や性能を折衷しており、特出した強みはないものの扱いやすいバランスタイプのキャラクターとして仕上がっているものが見られる。下記の『超ドラゴンボールZ』のようなキャラクターの体重(重量)が設定されている一部の作品では、機械化によって生身のフリーザより重くなっていたり、防御力が上がっていたりと細かい性能差があるものも。独自の技を持つ作品もあり、いずれも通常のフリーザとは違った楽しみ方が出来るのが魅力。
特に『超ドラゴンボールZ』の家庭版の追加キャラクターとして登場した際には、原作者・鳥山明氏による再デザインが施され、それまでの彼とは一線を画した戦闘スタイルとなっている。基本は通常のフリーザ、または元のメカフリーザを踏襲しているが、その姿は数々の強力な兵器で武装しているというもの。
初期装備として腰にリモート爆弾を携帯、スキル修得で追加される拡散型ミサイルとグレネード弾を発射する二基の砲身それぞれを背中に装備、更に尻尾には五つの対人地雷を装着しているという、マニア心を擽る歩く兵器庫のような姿となっている。
↓上記の完全武装化した姿
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1259233
『舞空闘劇』では、通常シナリオであれば原作通りに、IFストーリーでは悟空に勝利するも重傷を負ったためにサイボーグ化されるが、こちらは後に地球を侵略しドラゴンボールで念願の不老不死の願いを叶えると同時に生身の肉体に戻った。
一方でドクター・ゲロシナリオのみ、フリーザのクローンとして登場する(つまり、本物はナメック星消滅の時に死んでいると思われる)。
また、ギニューのシナリオでは悟空に殺害される前にギニューが回収しているため、そのままの姿で復活を遂げる。これまで尽くした礼としてギニューには「ドラゴンボールの願いをひとつ叶える権利」を与えるなど太っ腹だったが、「ふたつしか願いを叶えられない」ことを知らなかったためフリーザの分がなくなってしまった。逆上したあまり我を見失ったフリーザを落ち着かせるため、ギニューは復活させた特戦隊と共にフリーザに戦いを挑む。
そして『舞空烈戦』でのストーリーモードでのトランクス戦では、通常は原作同様にトランクスによって倒されてしまうが、一方で実力差を危惧して一時撤退するIFストーリーが発生した場合は、その後にパワーアップを果たしてなんとトランクスに勝利、更に前作と同様に地球のドラゴンボールを使い不老不死を手にしてしまう(こちらでは不老不死を得た以降もサイボーグ化したままになっている)。
ファミコンソフト『烈戦人造人間』では、トランクスより先にZ戦士たちと交戦。こちらの攻撃が一切当たらないという負け戦闘であるが、トランクスが参戦すると立場が逆になり、イベント戦闘で倒される。
なお、フリーザは本作冒頭でも最終形態で悟空と戦うが、この時もフリーザの攻撃は当たらないという勝ち確定の戦闘であるため、普通にフリーザと戦える場面は一切無い。
PlayStation2の『ドラゴンボールZ』シリーズでは、スキル「フリーザの宇宙船」をセットしていると、体力が0になったときに一度だけ体力・気力を全回復しメカフリーザとして復活する。
フリーザとメカフリーザが別キャラとなっていない珍しい例でもある。
主な固有技
- 非情の一撃
アニメ版における戦意喪失した部下を処刑した技で、右の手刀で身体を背後から刺し貫いた。ゲーム作品『レイジングブラスト2』ではヒット後に演出へ移行する突進攻撃系の技で、相手の眼前まで急接近した後に背後へ高速移動し、直後に手刀で刺し貫くものとなっている。
- デスブラスター
同じくアニメ版で使用。気円斬に似た構えから気を溜めて放つエネルギー波。『レイジングブラスト2』で実装されており、放った際のモーションは最終形態フルパワー状態で悟空に使ったエネルギー波(技名は「デスキャノン」や「オレに殺されるべきなんだ!」など)に似ている。ゲーム中ではフリーザの代表的な技「デスビーム」より弾速は遅いが、「かめはめ波」などと同じ波動系の飛び道具に分類されており、同系統の飛び道具との撃ち合いに持ち込め、更に弾き返し不可の特性を持つ利点がある。
- スーパーノヴァ(※後述の特殊演出により、ここでは固有技として扱う)
元々はフリーザ第一形態が惑星ベジータを破壊する際に放ったオレンジ色の巨大な光球だが、兄のクウラ及びその派生型のメタルクウラも使っている。
アニメ版でのメカフリーザは、トランクスを地球諸共に消し去ろうと使っている。界王様の見立てでは、ナメック星の中枢を破壊した際のエネルギー弾(技名は主に「この星を消す!」「デスボール」他)の十倍のエネルギーがあるらしいが、トランクスに片手で受け止められている。直後に気功弾を撃ち込み爆発させるが、これでもトランクスは全くの無傷であった。
ゲーム作品の『Sparking!_METEOR』では、そのまま巨大な光球を投げつけるシンプルな技。一方で『レイジングブラスト2』ではアニメ版の演出や配色(こちらは従来に比べ黒みが掛かっている)を意識した再現がされており、光球がヒットすると演出へ移行し、受け止めて耐えている相手に対し「綺麗な花火になりなさい!」の台詞と共に、スーパーノヴァの光球に気功弾を撃ち込み起爆させダメージを与えるものとなっている。
その他
近年では『ドラゴンボール改 デスクトップフィギュアコレクション』において、同じく両断された時の姿が名刺立てとして採用されている。
関連イラスト
関連タグ
- メカフリーザと同じ死に方をした他作品キャラクター:サイコロステーキ先輩