豊かすぎと稔りすぎの象徴
ゆたかすぎとみのりすぎのしょうちょう
「原因はよく分からないけど、神霊っぽいものが私に集まってきたので、神様力をパワーアップしてみたわ。これで外来神と山の妖怪の争いを制することだって……お、おいもの神様~!?ふふっ。その不届き千万、私は許しましょう。……でも稲田姫様は許すかなァ!?」
東方ロストワードのストーリー『第1回 新・月都万象展!』に登場する山の神々が騒ぎすぎる世界の秋穣子。
この穣子のいる世界では、「東方風神録」で本来解決されるはずだった山の神々が騒ぐ異変が長期化した容疑者とされている。
だが、穣子にとっても異変の長期化は本意ではないらしい。
廃業間近な上にやる気の無い博麗神社も新参でいまいち信用ならない守矢神社も、信仰のことを考えもすらしない妖怪たちも、みんな頼りにならない!と判断した穣子は、「八百万の神々として立ち上がるしかない!」と異変に介入しているとのこと。
さらに異変が解決されないまま『第二次月面戦争』が間近に迫り、博麗の巫女が神降ろしの修行を始めていてもおかしくない時期に差し掛かっている。
神降ろしは月の都から分霊を召喚するような側面もあり、穣子はそのせいで霊的なトラブルを起こし、習合・混同を繰り返して大きな力を得た可能性があるとされている。
同性をも魅了する非常に美しい容姿・雰囲気の持ち主で、該当シナリオではこの穣子があまりにも美しすぎるらしく、アリスが穣子の美貌に魅入られて暴走してしまった結果、作中での事件のきっかけとなった。
通常の穣子より足首の所まで髪が伸び、大人びた姿となっている。
帽子の裏側が西行寺幽々子の帽子のようにヴェール状になっており、左側にもブドウが追加されているのが特徴的で、それ以外は通常の穣子と変わらない服装になっている。
全体の立ち絵では原作のような(両方左足の)裸足ではなく、足に樹木の根が巻きついているのが特徴。
また、巫女がよく使用する「神楽鈴」を手に持っている。
実装形態 | EXフェス限定 |
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式 | 技巧式 |
気質 | 秋日和 |
拡散 | 馬頭観音の怒り |
集中 | 荼枳尼天の祟り |
スペカ1 | 秋符『秋の空と乙女の心』 |
スペカ2 | 豊作『穀物神の約束』 |
ラスワ | 『豊かさ受け持ち稲荷なう山』 |
スペルカードは全て全体攻撃となっており、紅夢の魔女同様、周回プレイに適した性能となっている。
気質は『秋日和』。秋らしく爽やかに晴れた天気のこと。
小ネタ
ショットの「馬頭観音の怒り」「荼枳尼天の祟り」の馬頭観音と荼枳尼天は、それぞれ五穀豊穣のご利益があるとされる、もしくはされていた神たちである。
馬頭観音(馬頭観世音菩薩)は、観世音菩薩の化身の一つで、頭上に馬の頭を載せた仏像。
穏やかな顔が多い観音としては珍しく憤怒の形をとっていて、民間信仰においては馬の守護仏としても祀られている。
荼吉尼天(ダーキニー)は日本では稲荷信仰と習合され、稲荷権現、飯綱権現と同一視されるようになった経緯がある。
稲荷神に関連付けられて「稲の神」とされることも。
スペルカードは東方風神録からの採用。L1の穣子と同じだが、演出面の技術の進歩によって差別化されている。
また、秋符「秋の空と乙女の心」は秋符「オータムスカイ」、豊作「穀物神の約束」は豊符「オヲトシハーベスター」の強化版でもある。
ラストワード「豊かさ受け持ち稲荷なう山」の弾幕は、東方風神録の八坂神奈子の神穀「ディバイニングクロップ」、洩矢諏訪子の蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」、東方地霊殿の東風谷早苗の神徳「五穀豊穣ライスシャワー」、バレットフィリア達の闇市場の秋穣子の秋符「五穀豊穣波」が元ネタ。
バレット名は豊穣や食物の神々の名前が記されている。
テキストでも「妖怪の山の神々に集う豊穣の神々の権現の弾幕」とされていて、ラストワードの名前も「受け」がトヨウケビメ、「稲荷なう」がお稲荷様と神々の名前から取っているようにも見える。
名前 | 詳細 |
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「イナダヒメの山」 | イナダヒメ(稲田姫)は日本神話の女神・クシナダヒメ(奇稲田姫・櫛名田比売)の別称。須佐之男(すさのお)の妻。スサノオのヤマタノオロチ退治の物語に登場し、稲田の神として信仰されている。また、秋穣子のテーマ曲は「稲田姫様に叱られるから」である。 |
「トヨウケビメの山」 | 豊受姫または豊受大神。日本神話に登場する、食物・穀物を司る女神。イザナミのおしっこから生まれた和久産巣日神(ワクムスビ)の子供(埴安神袿姫の直接的な姪にあたる)。後に、稲荷神と習合し同一視されるようになる。現在では伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)で祀られている。 |
「オオゲツヒメの山」 | 大宜都比売神・大気都比売神。日本神話の女神で、古事記では食物の女神として登場する。「大いなる食物の女神」という意味で名付けられた。スサノオに殺された後、死体から稲や粟などが生まれ、それらをカミムスビが回収させたことが、地上の世界に穀物がもたらされたきっかけであるとされている。 |
「ワカウカノメの山」 | 若宇加能売命。別称・大物忌神。水の神でもあり食物の神でもある。トヨウケビメの分身、または倉稲魂神(宇迦之御魂神)と同一神とされ、廣瀬大社の祭神にもなっている。 |
「ミケツの山」 | ミケツカミ(御食津神・御饌津神)。食事を司る神。後述のウカノミタマの別称。日本神話の食物を司る神の総称として「大御饌津神」という言葉もあり、前述のトヨウケビメやオオゲツヒメなどを指す。 |
「ウカノミタマの山」 | 別名・ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神・古事記での名称)、ウカノミタマノミコト(倉稲魂命・日本書紀での名称)。伏見稲荷大社の主祭神でもある。古事記ではスサノオとカムオオイチヒメ(神大市比売)との、日本書紀ではイザナギとイザナミの間に生まれたとされている。特に日本書紀版だと飢えている時に「食物の神として生む」という意思によって生まれている。ちなみに「諏訪氏系図」では建御名方神と八坂刀売神との子である、八杵命の子とされる(つまり八坂神奈子の孫である)。 |