概要
朝鮮語では 김치볶음(キムチ炒め)とか돼지고기 김치볶음(豚肉キムチ炒め)などという。
豚肉のコクと旨味、キムチの持つニンニクや野菜の風味が加熱によって変化して引き立ち、さながら焼き餃子のような香りを醸しだし、酸味や辛味も混ざった旨いおかずになる。
キムチを使ったレシピとしてポピュラーなもののひとつであり、簡単さとおいしさを併せ持つナイスな奴である。
豚肉のスライスは適当に焼くだけでもジャポニカ米のおかずとして非常に優秀であるが、同じように白米に合うキムチを合わせれば鬼に金棒なのだ。
味付けとしてのキムチは優秀な材料なのだが、主張が強すぎてなんでもキムチ味が主役になってしまうので、やや組み合わせる先を選ぶ。
その点、豚肉とキムチならお互いの相性がとてもいいので理想的なペアである。
調理法
この料理の良さは、その簡単さにある。
フライパンに少し油を引いて、キムチと豚肉を突っ込んで火を通せば出来上がり。
包丁すら必要なく、シンプルで雑に作った最低レベルのやつですら既に美味い。
材料もそう高くない。
しかし、追求しようとすれば意外と奥が深い。
言ってみれば卵かけご飯みたいなものだ。
ズボラだけど白米を美味く食いたい……と思ってるデブがいたらキムチと豚肉を買いに行こう!
もちろん、好みで材料を追加してもよく、玉ねぎ、ニラ、もやし、長ネギ、ナス、ニンジン、ジャガイモ、トマト、キャベツ、ブロッコリー、ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、シイタケ……。要は何でもありである。
調味料もごま油、辣油、醤油、味噌、砂糖、塩胡椒、ピーナッツバター、めんつゆ、みりん、出汁、しょうが、にんにく、酒、コチュジャン、オイスターソースなど色々な組み合わせでも美味しい。
焼く前の肉を少し粉で覆ったり、仕上げに青ネギや海苔を散らしたり、卵黄を乗せたり、サンチュを添えてもグッドである。
作るときのコツ
大事なのは出来るだけ韓国製のキムチ、或いは熟成キムチと表記されたキムチを使うことである。
乳酸発酵のコクやうまみは豚キムチの重要な要素であるが、日本製キムチの中にはちゃんと発酵過程を経ていないキムチっぽい味の浅漬けがキムチと称して販売されている(これはキムチに限らず現在はスーパー等で売られているたくあん漬けや梅干など日本の伝統的漬物も大半が浅漬けに置き換わって発酵・熟成していない)ため、乳酸菌由来の美味しさが得られない場合がある。
浅漬けのキムチ(仮)で作っても別に不味くはないし罰が当たるわけではないのだが、不都合がなければなるべく発酵させたリアルキムチを選ぶべきである。
また、豚キムチを作るときにはキムチはあまりケチらず豚肉と重量比で8割-10割になるくらい入れるのがお薦め。
市販のキムチは塩加減がさまざまなため、仕上げる前に味見をして、最後にちょうど良くなるように調整すること。
一口目でしっかり塩が効いて美味しいと感じるくらいだと全部食べた時に濃くなってしまうため、一口目で僅かに少ないかな?と感じるくらいなら足さなくても十分である。感じにくいが、熟成キムチそのものに結構な塩分が含まれていることもある。
応用
鍋料理の豚キムチも美味い。
焼きそばや焼うどんに使っても美味い。
また、家庭で作るのは難しいがラーメン屋などでは豚キムチラーメンも今ではポピュラーなラインアップとしてよく見られる。
カップラーメンにも豚キムチ味の商品が存在する。特に、エースコックのスーパーカップ(1.5倍)豚キムチは廉価なカップ麺の定番商品として有名である。
最後に
豚キムチはいいぞ
関連動画
関連タグ
日高屋:商品名は「バクダン炒め」
エースコック:豚キムチのカップラーメンを発売している(関連動画)。コンビニ限定パッケージも発売。