概要
山形県庄内地方南部の都市及び自治体。2005年の平成の大合併により人口や面積は大幅に増え、新潟県(村上市)と県境を接するようになった。
市街地中心には鶴ヶ岡城(旧・大宝寺城)があり、かつてはその周辺を主に鶴岡藩(庄内藩)の城下町として栄えていた。江戸時代には江戸幕府が始まった頃から、酒井忠勝の転封により譜代大名の酒井家によって治められた。幕末の戊辰戦争では奥羽越列藩同盟に加わって旧幕府軍として官軍相手に善戦するも、敗れていく同盟藩の状況を鑑みて降伏。廃藩置県で消滅し、一時は「鶴岡県」が設置されたが1年ほどで山形県に編入され、1889年に西田川郡鶴岡町ができ、1924年に旧・鶴岡市が発足した。
市内にはクラゲの育成と展示で有名な加茂水族館、街の歴史と文化財を展示する致道博物館、修験道の聖地である羽黒山や月山の出羽三山などが有名。また、温海温泉郷(最寄りのJRの駅はひらがな混じりの「あつみ温泉」駅)も同市に所在する。
致道博物館にはオンラインゲーム「刀剣乱舞」で擬人化されたキャラのモデルとなった短刀・信濃藤四郎を所蔵している。現館長の酒井忠久氏は元大名家・酒井家の子孫であり、日本美術刀剣保存協会会長でもある。
この地の生まれである小説家・藤沢周平の作品群に登場する架空の藩・海坂藩はこの地域がモデルで、映像化された作品では現地で撮影されたものも多い。
また、映画監督の本多猪四郎、お笑い芸人のウド鈴木、満州事変を起こした陸軍中将の石原莞爾、戊辰戦争で奮戦した酒井了恒なども出身者である。