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1/10の花嫁

じゅうぶんのいちのはなよめ

『1/10の花嫁』は、2019年から2021年の間、小学館の漫画配信サイト「サンデーうぇぶり」の夜間限定コンテンツ「夜サンデー」で配信されていた、ゆきの原作の漫画である。
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概要編集

ゆきの原作の漫画。2019年3月15日から2021年7月23日までの間、小学館の漫画配信サイト「サンデーうぇぶり」の夜間限定コンテンツ「夜サンデー」で配信されていた(なお、同サイトでの公開は終了している)。全59話。単行本は全6巻。


書誌情報編集

小学館「夜サンデーコミックス」にて刊行。各巻の情報は以下の通りである。各巻ごと、各話ごとの副題は設定されていない。なお、単行本の電子書籍版は書籍版発売月の1日に配信されている。

巻数ISBNコード発売日収録話
第1巻978-4-09-129425-82019年9月12日第1話~第9話
第2巻978-4-09-129572-92020年1月10日第10話~第19話
第3巻978-4-09-850135-92020年6月12日第20話~第29話
第4巻978-4-09-850343-82020年12月11日第30話~第39話
第5巻978-4-09-850589-02021年5月12日第40話~第49話
第6巻978-4-09-850693-42021年9月10日第50話~最終話(第59話)

あらすじ編集

9年前に起きたある一件がきっかけで人間不信となりアパートの一室で引きこもりの自堕落な生活を送っていた財前竜之介だが、突然自室に現れた美貌のメイド・一条によって実家である財閥家の財前家へ連れられると、そこには竜之介の父で財閥の当主である聡一がいた。


聡一は久しぶりの対面となった息子とへの挨拶もそこそこに、竜之介に9年前に貸した2,000万円の借金を返済するように迫った。竜之介ができないと答えると、一条の口から「体で払ってもらう」として財前財閥の傘下企業でいずれ社長になるために就労してもらうことを告げられたが、竜之介はそれもできないと答えると、部屋の奥の扉が開き、竜之介を支えてゆく花嫁の候補となる10人の女性が現れた。


その中には竜之介の推しアイドルの「ひめたん」こと苺谷ひめがおり、他もまた財前家に負けず劣らずの資産家の令嬢、茶道の家元の跡取り双子姉妹、陽気な日焼け関西弁少女、不思議系妄想ヤンデレ少女など、それぞれ一筋縄ではいかない美女・美少女の面々で、さらに一条が言うにはこの中には竜之介の9年前の一件の元凶である古川奈月も参加している、とのことである。


「この10人の中から、一週間に一人ずつずつ脱落者を出し、最後に残った者を花嫁とする」というルールの下、一条の「そして忌ま忌ましい過去を清算し、新しい人生を歩みましょう。」という言葉から、竜之介にとっては運命の花嫁を探すと同時に奈月の面影探し、10人の候補者にとってはサバイバルレースとなるお見合いパーティーが始まる。


登場人物編集

財前家編集

財前 竜之介(ざいぜん りゅうのすけ)

※メイン画像左下の男性

主人公。25歳。財前財閥の当主である聡一の一人息子。母親を小学校時代に亡くしている。御曹司だったが、9年前に下記の事件のトラウマで人間不信となり、アパートの一室で自身の推しアイドルである「ひめたん」の激似AVを見ながら劣情を催すほどの引きこもり生活をしていた。


小中学校当時は、もし竜之介の身にトラブルが発生した時の賠償リスクから友達づきあいから遠ざけられていた。高校に入学して以降は、友達づきあいもできたが、もっぱら金づるとみられてのものであり、本人もそれを承知のものであった。この時の状況に「金づるくん」と声をかけてきた女生徒がいた。それが古川奈月である。


竜之介は奈月と親交を深め、初めて知った人の愛の優しさに目覚め、ついには奈月と恋人同士になり、奈月の自宅で初夜をともにするまでに至ったものの、その時は緊張のあまり性交できなかった。


ところが、竜之介が頭の中が奈月のことしでいっぱいになり、初デートからの仕切り直し考えていたある日、奈月が母親の手術費用の話を竜之介にしてきたことで、竜之介は聡一に「一生のお願い」として2,000万円の金を無心し、「きっちりお前が返すなら貸してやろう」という条件で融資してもらったが、2,000万円の金を奈月に渡した翌日、奈月は竜之介の前から姿を消してしまい、竜之介は結局奈月も金目当てだったことにショックを受けた。これが竜之介のトラウマとなった事件である。


お見合いパーティーに参加する前は奈月を憎悪し、お見合いパーティーに参加する女性にも警戒心を持つほどであったが、一条を通じて受け取った10人の中に奈月がいるという内容を込めたお詫びの手紙を読み、奈月への未練を自覚し、必ず見つけ出す決意を持ってお見合いパーティーに臨む。


10人の花嫁候補の色仕掛けを前にしても、奈月のことがあってか「初めては好きな人としたいんだ!!」と応えるほどの貞操感の持ち主である。


財前 聡一(ざいぜん そういち)

竜之介の父で財前財閥の当主。竜之介の人物眼と決断力を鍛える試練としてお見合いを設定した張本人。妻の死亡後に仕事に打ち込むようになり、以降竜之介との親子関係は疎遠になり、9年前の一件以来竜之介が敷居をまたいでいないほどにまでなった。

お見合いパーティーについて一条が竜之介には酷すぎる、と意見した際にも「あいつがどうなろうと構わんよ。」と冷淡な態度を示し、加えて「いかなるピンチにもめげず、周りを欺き、どんな手を使ってでも竜之介の心を摑む。そんな優秀な嫁を見つけられればいい。」と財前家を慮るあまり竜之介の心情を一切酌量しない、聡一が求める花嫁の条件を述べている。


一条(いちじょう)

※容姿については下記の白雪このみの画像の6枚目を参照。

財前家に仕えるメイド。竜之介のサポート役を務め、お見合いパーティーの進行指示ばかりでなく竜之介への叱咤激励もしている。

作中本編では姓名は明かされておらず、竜之介からも「メイドさん」としか呼ばれていないが、第3巻所収のおまけ漫画で自己紹介として「一条」と名乗っている。


花嫁候補編集

この10人が竜之介の花嫁の座を賭けて、(主に色仕掛けで)竜之介にアピールしてゆく。メイン画像の♡に囲まれた10人が該当する。便宜上、10人を前列3人、中列4人、後列3人の順にそれぞれ左から記載する。


前列編集

星谷 うらら(ほしたに うらら)

日焼けした肌と関西弁が特徴の陽気な少女。バストサイズは10人の中では小さい方である。


白雪 このみ(しらゆき このみ)

1/10の花嫁 単行本①巻 発売中

幼少期に父を亡くし、以降、フランクな性格の母・春香(はるか)との母子家庭で育ってきた。聡一にお見合いパーティーの真意を聞き出し、その際竜之介の優しさをや「お金目当てに彼を傷つける人ばかり」と自分自身の無欲さをアピールし、竜之介を支えてゆくことを宣言している。

画像の通り第1巻の単独表紙を飾っており、本編中の行動からもメインヒロインである様子がうかがえる。


如月 凛(きさらぎ りん)

センシティブな作品

黒髪のロングポニーテールで名前通りの凛とした人物。竜之介は言葉やしぐさの端々に奈月の面影を感じ、凛が奈月のなりすましであることを見破ろうとしている。実家は教育ママが仕切る家庭で、少なくとも姉を含む複数の兄弟姉妹がいるが、母親に罵倒されて家出するに至った、いわば毒親の被害者である経歴の持ち主。

ちなみに、10人で唯一、作中乳首を見せなかった人物である。


中列編集

苺谷 ひめ(いちごたに ひめ)

1/10の花嫁 単行本③巻 6/12発売

竜之介が推している国民的アイドルで、「ひめたん」の愛称を持つ。通常は青色のうさ耳リボンを付けている(上記画像の5枚目参照)。

竜之介に語った経歴では、父親は飲んだくれ、母親はひめと弟・妹を置いて出奔、という不幸な身上を持っている。一人称は「ひめ」で、竜之介のことは「竜之介くん」と呼んでいる(一人でいるときは「竜之介」)。

裏の顔は聡一の愛人で、聡一はひめをジョーカーとして竜之介のお見合いに送り込み、もし彼がひめを選ぶようなら人物眼がないものとして竜之介と絶縁することをひめに伝えている。その場合は聡一から褒美をもらえることになっているが、内容に「財前財閥の全て」をおねだりしている。


それもあってか、誰よりも積極的に竜之介に(主に性的に)アタックしていったが…


小鳥遊 静音(たかなし しずね)

茶道家元の大雅(たいが)・小春(こはる)夫妻の娘で、次に述べる彩音の双子の姉。静かな性格のメガネっ娘で、髪型はテール部を三つ編みにした紫髪サイドテールくすぐりに強い体質がある。ちなみにバストサイズは静音が彩音より大きい様子が描写されている。なお、作中で眼鏡を外しているコマは幼少期の回想場面以外にない。

本編中に小鳥遊姉妹が双子であることを示す描写はないが、第1巻のあらすじに「刺激的な双子」の文言があり、姉妹で参加しているのが小鳥遊姉妹だけであることから双子であることが確認できる。


小鳥遊 彩音(たかなし あやね)

センシティブな作品

静音の双子の妹だが、姉と違って活発でぶっきらぼうなところがある。髪型は紫髪ツインテール。バストサイズは静音より小さいもののうららほど小さいわけではないが、ひめのバストサイズを羨ましく見ている様子が第4巻のおまけ漫画で描写されている。一人称は自分の名前の「彩音」と呼んでいる。家風や姉への反発から一時期ぐれていて男遊びをしていたこともあり、竜之介とのデートでその時の遊び仲間の男性とばったり会って声をかけられているが、竜之介は彩音の過去も受け止めて自らも引きこもりの過去を告白している。姉と違ってくすぐりに弱い。


湊 千鶴(みなと ちづる)

センシティブな作品

※上記画像の上の栗色の髪の女性

おっとりしたお姉さん肌で、背が高く豊満なボディを持つ世話焼きタイプ。竜之介に気にかけられており、一度お見合いパーティーの途上でドロップアウトするも竜之介により再参加を希望されるほどである。詳細は不明だが、昔は体を売る仕事(おそらく夜職)をしていた、と竜之介に語っている。


後列編集

東雲 瑠璃(しののめ るり)

一見しただけでは引っ込み思案に見える、目が隠れた前髪ツインテールが特徴。行動の端々にドジっ娘であることがうかがえる。実家は別荘を持っていることから財前家や次に述べる麗華の百合園家同様の資産家であることがわかる。


百合園 麗華(ゆりぞの れいか)

センシティブな作品

※上記画像の右上の銀髪の女性

財前家に負けず劣らずの名家、百合園家の令嬢。料理を趣味にする家庭的な面を持つ。お見合いパーティーへの参加は財前財閥と百合園家のお互いの会社のために参加させられただけで早く終わらせたい、と消極的な態度であったが、最初のデートで竜之介の優しさに触れてからは金目当てで近づく者が多い竜之介の心情に共感してこのお見合いパーティーの勝負に挑む。

ひめがジョーカーであることを偶然知っている。


胡桃沢 リリイ(くるみざわ リリイ)

ショートカット肩出しジャージ姿という一見するとボーイッシュで目立たない姿が特徴。一人称は「リリイ」。東雲家や百合園家ほどでないにしろ実家は裕福である様子がうかがえる。容姿と裏腹に妄想癖や独占欲が強く、10人の中でこの点では一二を争うと言っても過言ではない性的な意味での積極性を見せている(ジャージの下はノーブラ)。お見合いパーティー参加を前にフード付きジャージを着た引きこもりの竜之介の写真を見たときから竜之介を「竜くん」と呼び、運命の人と定めているが、ヤンデレ電波系の気が強く会話がかみ合わないほどであり、先の積極性も相まって竜之介をたじろがせている。


その他編集

古川 奈月(ふるかわ なつき)

※メイン画像左上の後ろ向きの女性。容姿については作者のこのツイートを参照(第5巻の裏表紙にも使用されている)。


竜之介が高校生の時の同級生の女子生徒。母子家庭育ち。がさつで男勝りなところがある性格である。竜之介とは上記の通り出会いは最悪なものだったが、その後も竜之介を気にかけ、金目当てだろうと疑う竜之介に「アンタの金なんていらねーよ!」と啖呵を切りつきまとう。そこから竜之介の悪友、親友となり、さらに竜之介が告白して恋人になった。その後アパートの一室にある自宅で竜之介と一夜を過ごすも、上記の通りの顛末となる。


そんな折、母が急病で、その病状が手術をしない場合は余命一年であること告げられたことから、手術代を稼ぐために退学して祖母の家で暮らすことを竜之介に告げた。竜之介が別れたくない一心で聡一に無心して得た2,000万円の金を受け取ったその翌日、竜之介の前から姿を消しており、竜之介にトラウマを植え付けた元凶となった。


くすぐりに弱く、これが最初の脱落者を選定する決め手になっている。


関連画像編集

センシティブな作品

メイン画像(再掲)。4枚目~12枚目は花嫁候補10人のカットとなっている(このみ、リリイ、ひめ、瑠璃、千鶴、麗華、うらら、凛、静音と彩音、の順)。


1/10の花嫁 単行本①巻 発売中

第1巻表紙(再掲)。6枚目に一条の姿がある。


センシティブな作品

第3巻重版出来記念の彩音。


センシティブな作品

凛。


センシティブな作品

第6巻表紙イラスト(再掲)。これの3・4枚目はここで登場していない残りの5人である(同巻の裏表紙に使用されている)。


関連タグ編集

花嫁

ゲッサン:単行本のレーベルは「夜サンデーコミックス」だが、親雑誌としてはこれが相当する。

ハーレム:10人が登場した時点で何もなければこう見えるが…

デスゲーム:死を伴うものではないがこれの要素がある。例えば聡一や一条はゲームマスター、ひめはサブマスターの役割を持っている。


外部リンク編集

作者のpixivユーザーページ

小学館公式サイト内の本作単行本のページ

































※以降、本作『1/10の花嫁』のネタバレ等を含みます。閲覧にはご注意ください。


結末編集

古川奈月について編集

9年前の一件で竜之介の前から姿を消して以来、奈月も竜之介の前に現れることを拒んでいたが、竜之介のお見合いパーティーに際し、その時のことを謝罪したかった意思と顔を変えて10人の中にいることを伝える手紙をしたため、一条を通じて竜之介に渡している。しかし、一条の示唆や奈月の手紙の内容と実態は異なり、奈月は花嫁候補の10人、或いは竜之介をサポートしてきた一条のいずれでもなかった


物語の終盤で竜之介が凛を奈月であると見定めるが、その凛の手引きで連れて行かれた場所は病院「夜山病院」の病室で、そこで見たのは全身をに侵されて余命幾ばくもない姿の奈月だった。


奈月が竜之介から母親の入院費用として2,000万円の大金を騙し取って姿を消したのは事実だが、実は奈月の母親の再婚相手である金城拓哉(かねしろ たくや)の事業資金を工面するために母親がついた嘘で、その2,000万円は金城と母親に巻き上げられた。奈月もまた毒親の被害者となっており、そのことを後悔している。


その後は金を返すためとして路上での売春に手を出し、その過程で家出した凛と知り合い、凛と一緒に生活するようになった(ちなみに、凛には売春を禁じている)。自らの体を傷つけながらも2,000万円の金を工面した奈月だったが、その時は既に病に冒されており、お見合いパーティーの数か月前に返済先である聡一を病室に呼びつけての返済となった。この時、聡一はお見合いパーティーのことを奈月に話し参加を呼びかけるが、病気と「竜之介に会う資格がない」ことを理由に辞退した。このやりとりを陰で聞いていた凛が、奈月を竜之介に再会させたい一心から聡一にお見合いパーティーの参加を志願し、聡一の承諾を受けお見合いに参加した。凛は病院で、竜之介が奈月を忘れていたり憎んでいたりしていた場合はお見合いパーティーから辞退するつもりであったことを告白している(もっとも、実際ひきこもり当時の竜之介は奈月を憎んでもいたが)。


10人の花嫁候補の脱落の経緯編集

最初の脱落者編集

(第1話~第10話)

竜之介が候補者それぞれとの初デートをしていく中で静音とデートをすることになったが、当時静音に反発していた彩音に見られてしまった行きがかりで小鳥遊姉妹と竜之介の3人でラブホテルへ行くことになり、姉妹どちらが竜之介に性的快楽を与えられたかを勝負する流れになった。この時、彩音に性交を迫られそうになった際に、竜之介は上記の「初めては好きな人としたいんだ!!」の叫びで拒もうとしたものの彩音に火を付ける逆効果となったが、性交は静音のくすぐりによって阻止された。竜之介は静音と小鳥遊家の事情について会話をした後、奈月に姉妹がいる可能性を考えて静音に頼んでおそるおそる彼女をくすぐったが、妹と違って平気であった。


麗華は消極的な参加動機から最初の脱落者を自分にするよう言ったが、竜之介の不器用な優しさに触れ、またその立場に共感した彼女は打って変わって自身を花嫁として選ぶように竜之介に言っている。また、選定の前日に千鶴と会話したときに、竜之介と奈月の経緯を聞いた千鶴は自分が奈月でないことを竜之介に告白し、竜之介を応援する目的で自分を選ぶように伝えている。


そして最初の選定の日に10人が広間に呼び集められ、そこで竜之介が選んだのは静音であった(1人目)。くすぐりに強い静音と自分が奈月でないことを告白した千鶴の二人が奈月でないとわかった竜之介だが、千鶴は選べない、としてのものであった。


グループ脱落選抜編集

(第11話~第18話)

この時残った9人はABの2グループに分けられ、竜之介は3日間で各グループから1名ずつ脱落者を選出するように指示された。グループ分けは以下の通り。

  • Aグループ:このみ、凛、瑠璃、リリイ
  • Bグループ:うらら、ひめ、彩音、千鶴、麗華

Aグループは瑠璃が竜之介とグループ4名で東雲家の別荘へドライブに行くことになったものの、その別荘で車が故障し2日は帰れない状況に追い込まれた。そんな中、瑠璃が睡眠薬入りのお茶を竜之介に飲ませて、昏睡した竜之介の上に裸身で跨がってそれを撮影して既成事実をでっち上げようとした矢先に、部屋に乱入した凛によって阻止されてた。凛は瑠璃が運転士に車が故障したことにするように伝える場面を偶然目撃しており、それを不審に思って尾行した結果、瑠璃の工作を目撃している。これで瑠璃は金目当ての参加であったことを自白し、辞退している(2人目)。瑠璃の引っ込み思案なドジっ娘も演技であり、そのことも凛に見破られている。


Bグループはうららがスクール水着、ひめはアイドル衣装、彩音はメイド服、千鶴はバニー服、麗華がセーラー服を着て、勝者が竜之介との1日デートをする勝負に出た。このとき竜之介は、セーラー服にカーディガンをした姿の麗華に奈月の面影を見いだして麗華を選んだが(カーディガンは一条のサービス)、当の麗華は自分が奈月でないことを告白し、その上で竜之介を手に入れることを宣言し、性交にこそ至らなかったが一夜を共にしたものの、竜之介は脱落者に麗華を選ぼうとしたが、麗華の「れい」まで口にしたところでうららが割り込み、祖母の具合が悪くなったことを理由に辞退を申し出ている(3人目)。


2人デート編集

(第19話~第24話)

グループ脱落選抜で脱落者が決定した直後、一条が竜之介に1日に一人会ってもうらうよう指示をした。この時点では脱落の条件は示されなかったが、追ってそこから2名の脱落者選出を指示されている。


竜之介は奈月に会いたい一心から、確実に奈月でない者(くすぐりに強い静音、奈月でないことを自ら告白した麗華)を選出しているが、この時点で奈月と千鶴の間で心が揺れ動いている。その様子を見た一条は、過去も大切だが、それよりも前に進むことがだと思う、と竜之介を諭している。


一方、このみは聡一にお見合いパーティーを始めた理由を問い、聡一の回答から竜之介を射止める決意をするに至っている。


リリイ、ひめ、彩音と続けてデートをした竜之介は、次の番の凛とのデートでは凛の勧めで室内で映画のビデオを見ることになったが、そこで竜之介は彼がかつて奈月と一緒に見に行く約束をした純愛ものの作品を選んでいる。この時の凛の表情や横顔から、竜之介は凛の正体が奈月であるかもしれないと思うようになった。


3人デート編集

(第25話~第31話)

ここで更にルールが変更された。今度は千鶴・麗華との3人デートで、どちらか一方を脱落させるというものである。この時、おそらく竜之介は自分を脱落させるであろうことを察した麗華は、竜之介にこれまで伏せられたジョーカーの存在を口にし、(ジョーカーがひめであることを目撃して知っているのにもかかわらず)それが千鶴であることを告げた。一方の千鶴も自身がジョーカーであり金目当ての参加であることを竜之介に自白したが、いずれも嘘であり、本当は麗華が脱落するのを見るのが辛かったための方便であることを麗華に語っている。これを以て千鶴は脱落となった(4人目)。


この件で竜之介が落ち込むのも束の間、今度はこのみとリリイに対し同様に3人デートでいずれかを脱落させる指示が下った。どこへ行くか迷った竜之介とこのみに対しリリイはアダルトショップを指さし、店内で竜之介を挑発している。出た後に昼食の場面でリリイが竜之介に「あーん」で食べさせる奉仕をする一方、このみは竜之介をトイレに引き入れ、先のアダルトショップで買った道具を使用している。その後、遊園地の観覧車にリリイ、このみの順でそれぞれと竜之介が二人で乗ることになったが、リリイの番では前記のこのみと試遊の後に竜之介とこのみが二人で出てきたことからプレイ内容を詰問し、竜之介に性交を迫った。竜之介が性交させられそうになった時に観覧車が一周して未遂に終わったが、リリイは「ゆるさない」という書き置きを残して逃亡し、脱落者と判定された(5人目)。


互選投票編集

(第32話~第34話)

千鶴とリリイが脱落して残りが半分の5名になった直後、竜之介とこのみが一緒に財前家に戻ってきたところで、二人と残った4人が一条により財前家の一室に呼び集められた。一条から新たな落第者選出方法として、この時から24時間後に竜之介を含む6名で互選投票を行い、最多得票者の1名を脱落させるという指示が下された。24時間内でひめは竜之介へ偵察を兼ねた夜這いをおこなった。また、麗華によるひめへの工作と前記2名による彩音への工作でこのみに投票するよう依頼したことから、麗華にはこのみに票が集まるように仕向けられたように見えた。ところが、結果は麗華3票、このみ2票、凛1票であり、麗華本人は打ちのめされ、彩音も驚いている。


麗華の票読みが誤った原因は、ひめにとっては自身がジョーカーであることを知っている危険人物である麗華を脱落させるために、投票先をこのみから麗華に変更したことである(ひめは前記の夜這いの時に竜之介が麗華に投票するつもりであることを知っていた)。過去にうららと千鶴によって二度救われたが三度目で遂に脱落が決定した麗華は、最後にウェディングドレスに着替え、本気で竜之介を愛していたことを告白し、悔し涙を流しつつ竜之介にキスをして、竜之介の幸せを願って別れの挨拶をした(6人目)。

ちなみにこの時、凛はひめに投票工作を持ちかけられたものの、関心がないとして断っている。


竜之介、遂に編集

(第35話~第36話)

麗華の脱落にショックを受けていたのは麗華や彩音だけでなかった。互選投票で麗華に票を入れた竜之介もショックを受けていた。落ち込んでいる竜之介を見かねた彩音は、彼女の行きつけのバーへ連れだし、二人で酒を飲んだ。竜之介はバーのマスターに彩音を幸せにするように言われ、さらにおごり酒にされた上に、二人は「素敵な夜を過ごしてくださいね。」と送り出された。


ほろ酔い気分の二人はその勢いでラブホテルに泊まり、そこで竜之介は童貞を喪失した。


以前に彩音に性交を迫られたときの「初めては好きな人としたいんだ!!」もどこへやらであるが、双方合意の上だからヨシ!

…もっとも、翌朝酔いから醒めた彩音は「昨日のはなかったコトにしよ。」と竜之介に言っているが。


ジョーカー編集

(第37話~第39話)

財前家に朝帰りした二人だが、竜之介に待っていたのは帰宅早々抱きついてきたひめによる「明日の昼までに次の脱落者を一人選ぶ」という指示の伝言だった。


そこでひめの提案の元、4人から選ばれた者が竜之介と過ごす、という内容のくじ引きを行い、くじを引いた竜之介によって選ばれたひめが二人きりで過ごすことになった(実際は袋の中にはひめの名が書かれたくじが4枚あらかじめ入っており、他の3人が自分の名を書いたものはひめがポケットの中にねじ込んでいる)。


二人きりになったひめと竜之介だが、ひめからのアプローチは竜之介を手錠で拘束し「お仕置き」としてあらゆる方法で竜之介に性的快楽を与えるというものであった。竜之介はひめからの執拗な攻撃に放心状態となったが、彼女が最後に聡一の名を口にしたことから疑念を持ち、一条に調査をしてもらった上で翌日にはひめを呼びつけて本当のジョーカーであることを見破ったことを宣言して脱落させた(7人目)。


ひめは前記の通り聡一の愛人で、お見合いには「選ばれた際には財前財閥の全てを貰う」という約束で参加しているため、ひめは積極的に色仕掛けを行い、また直接の性交「以外の」性交渉を竜之介に仕掛けていった一方、自らの敗退の危機に際しては奸計を用いてでも勝ち残りを図る行動に出ており、ジョーカーにふさわしいものであったが、最後は竜之介に身バレした後で現れた聡一に平手打ちをされた上で、脱落時点で用済みとして追放された。


敗者復活編集

(第40話)

ひめと聡一との顛末の中、竜之介は聡一にお見合いパーティーの完遂と借金の返済を宣言した上で、一つのお願いをした。それは竜之介が気になっていたが偽りのジョーカーとして脱落した千鶴をお見合いパーティーに復帰させるというものであった。竜之介は千鶴が住むアパートの一室を訪ねて復帰を懇願したが、上記の3人デートで麗華に話した経緯、さらに竜之介と結ばれたときに起こることが想定される辛いことの重圧に耐えられないであろうことを竜之介に話し、千鶴と竜之介は結ばれない運命だと告げて断った。


最後に竜之介の頼みで一夜を共にしたが、千鶴はこの時「違う立場で出会いたかった」と告白している。


お宅訪問編集

センシティブな作品

(第41話~第46話)

千鶴の敗者復活がなくなった時点で残りは上記画像の第5巻表紙絵になっているこのみ、凛、彩音の3人だけとなった。千鶴との一夜から戻った竜之介に、前記の3人とそれぞれ2日間過ごし、その際に相手の実家を訪問するという指示が下った。


最初に選ばれたのは彩音で、訪れた小鳥遊家では静音と再会をしている。この後竜之介と彩音は小鳥遊邸の客間に用意された二つの枕が置かれた一組の布団の中で改めて性交した。翌日はアイドルフェスに行き、来年も一緒に行こうと約束した後、財前家に戻って再び性交している。


次に選ばれたのはこのみで、白雪家を訪れた後は二人で制服を着用しての学校デートをした。この時、竜之介は奈月とのことを思いだしながらも、告白してきたこのみに家族のことや奈月のことを話し、これにこのみは「私は何があっても竜之介さんから離れません!」と応えている。


奈月との再会編集

(第47話~第51話)

最後になった凛だが、この時点で竜之介は凛の正体が奈月であることを推測していた。手紙に書かれた真相を聞き出すため、竜之介がかつて奈月と遊んでいた公園に凛を呼び出して、凛が奈月である前提で話し出した。凛は「私が奈月…さんだったらどうするの? 私を選んでくれるの?」と問いかけたが、竜之介はこれに対し、誰を選ぶか決めていないが奈月を忘れたことはなかった、と話し、続けて「奈月は大事な人だからこの先ずっと忘れたくないんだ。」と揺れる気持ちを正直に打ち明けた。これを受けて、凛は「あの時のこと、全部話すわ」と上記の真相を語った。


そしてこの言葉を信じるか否かを問いかけを行い「奈月の言葉なら俺は信じるよ」と返した竜之介と「一緒に行きたい場所がある」と二人で向かった先は凛の実家でなく、上記の通り「夜山病院」の病室であった(もっとも、凛の家庭事情から実家への訪問はできなかっただろうが)。状況を理解できない竜之介は凛を「奈月」と呼んだが、凛の答えは「私は奈月じゃない。」だった。竜之介はその言葉に戸惑い、そして凛が見せた奈月の姿に驚愕した。


9年越しの再会を果たした奈月は竜之介に謝罪し、竜之介は悲願成就の抱擁をした。二人は奈月の最後のわがままとして海でのデートをし、その後に一夜を共にしてようやく性交に至った。この時、奈月は竜之介に「幸せになってね、竜之介。」と声をかけている。そこから病院へ帰って竜之介との再会を約束した。


奈月に竜之介との再会を感謝された凛は、そこでお見合いパーティーを辞退した(8人目)。


最後の脱落者編集

(第52話~第57話)

奈月との再会を果たした竜之介が聡一に呼び出された。奈月と再会したことや2,000万円が返済されていることから、そこでお見合いパーティーの中止という選択もあることを告げるが、竜之介はここでやめたら奈月や脱落者の8人に失礼だとして改めて完遂を宣言した。


この時点で花嫁をこのみ、彩音のどちらにするか決めていた竜之介だったが、一条に山奥の別荘で3人と一緒に過ごしてそこから決めるよう言われ、二人と別荘で過ごすことになった。最初に一夜を過ごしたこのみは最後に脱落者となるのは自分だろうという直感から竜之介に思い出作りとして性交を迫り成功するが、それを見ていた彩音が辞退を告げた。ここでこのみの勝利が決まるだろうと言う状況だったが、それにショックを受けた竜之介は彩音の行きつけのバーへ急ぎ、そこで彩音を見つけると「1日だけ俺に彩音さんの時間をください!」と言い残して、彩音に「明日11時に迎えに行く」旨のショートメッセージを残して去った。


彩音が今更と思いながらも翌日、一条に連れられてある場所へ向かったがそこはチャペルであり、そこにはスーツを着た竜之介がいた。


竜之介はまず彩音にこのみとの性交の経緯を謝罪し、そこから彩音に愛の告白をし、更に彩音の前に跪いてプロポーズをした。これを受け、彩音はこのみの件のショックがあっても竜之介を嫌いになれないでいた自分自身に嫌気がさしながらも、絶対に浮気をしないことを竜之介に誓わせてプロポーズを受け入れ、結ばれた。


これでこのみは自動的に最後の脱落者となった(9人目)。


その後の動向編集

竜之介と奈月、10人の候補者の動向については、第58話と最終話で4年後の話として以下のように語られている。


竜之介はサラリーマンとなって彩音とともにマンション暮らしをしており、さなという名の娘を儲けている。お見合いパーティーを通じて修復していた小鳥遊家の姉妹仲もそのままで、さなに「しーちゃん」と呼ばれている静音は姪であるさなを甘やかしている。


千鶴と麗華は毎週二人で会う仲になっている。うららは祖母と民宿を営んでおり、千鶴に呼ばれて千鶴と麗華(この3人は上記の通り麗華と彼女の脱落の危機を救った2人の組み合わせである)の待ち合わせに参加して、そこで雑誌記事で女優となったひめのIT社長との熱愛記事を二人に見せている。


リリイは次のお見合い相手を紹介されているが、相変わらずの服装と妄想のままである。また瑠璃もお見合い候補をいろいろ提示されているが片っ端からダメ出ししており不平不満を漏らしている。


病院での一夜の後、竜之介と再び会うことを約束した奈月だったが、結局彼女はお見合いパーティーの3年後に帰らぬ人となり、海辺の墓所に葬られた。その奈月の墓参りをした凛は先に花束が墓前に置かれているのを見て「私にも顔くらい見せなさいよ、竜之介さん。」と愚痴をこぼしている。


このみは援助交際に精を出し、その相手に「あと一歩で社長夫人になれた」「あいつ騙されなかったな」とこぼしている。10人の候補者のうち、瑠璃とジョーカーのひめが財前家の財産目当てでの参加であることがここまでで明らかになっているが、最後に脱落し、誰よりも竜之介に親身だったこのみがよりによって3人目の財産目当ての参加者であることが最終話の最後の場面で示されるというちゃぶ台返しになっている(聡一の求める花嫁の条件に最も合致していたのが実はこのみである、という見方もできるが)。


評価と余談編集

pixiv上での作品数は少なく、ほぼ作者本人によるものである(実際、本項の画像は全て作者のものである)。


また、その表題ゆえ、連載配信開始当初から電子書籍販売サイトのレビューコメントなどで、連載開始当時アニメ第1期が放映されており、連載期間中にアニメ第2期が放映された、倍の表題でヒロインの数が半分の作品を引き合いに出しての評価が散見される(主に否定的評価で)。


ちなみに作者は、本作終了の翌年2022年から「夜サンデー」での次回作にあたる『BAR Flowers』(2023年連載配信終了)と並行して『月刊ドラゴンエイジ』に『今世は五縁がありますように!』を連載しているが…


表題に「五」を含んでおり、表題通りヒロイン数が本作の半分で、ロゴにはどこかで見たような五色のアクセントが入っている。どういうことなの…

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