概要
初代『ドラゴンクエスト』から登場しているモンスター。
「キメラ」という名前だが、ライオンとヤギが合体したようなあの怪獣ではなく、ヘビのようなボディとハゲワシの頭を持つ変な魔物。
後々のシリーズでは元からこのような姿をした怪鳥として扱われている事が多いが、初期の作品では「魔法でヘビと鳥を合体させた」とされており、『ドラゴンクエストⅣ』の発売時期と近い小説『ドラゴンクエスト モンスター物語』にはあくましんかんの外法で、ヘルコンドルとキングコブラから合成されたという設定の物語が書かれている(発売時期が近いだけで、『ドラゴンクエストⅣ』に彼らは登場しないが)。
ちなみにキマイラそのものがモチーフとなったモンスターは『ドラゴンクエストⅨ』の「キマイラロード」系が初であった。
まだRPGが一般的では無かった時代の初代TVCMでは、不思議な姿が目を引くと主役を張っていた(ドット絵が表示され、「キメラ」とキャプションが出るのみの攻めた内容)。
キメラのつばさ
シリーズお馴染みのアイテムで、使うと「最後に立ち寄った町」か「行ったことのある町」に移動できる。ポケモンでいう「テレポート」。
キメラの羽そのものというよりはそれを素材とした装飾品みたいな見た目をしており、雷で死んだキメラの羽根を使っているらしい。その割にはモンスターのキメラが登場しない作品でも平然と登場しているし、使いきりの上に結構安価で売られている……。
「安定供給が可能なほど都合よく落雷でキメラが死に、なおかつそんな死骸から羽根が採れるのか?」という疑問点が生じてしまうが、『ドラゴンクエストⅢ』を原作とした小説ではこの点を反省したのかかなりの貴重品として描写されている。また当初ベギラマは雷の呪文とされていた(普通のギラは周囲に火炎を巻き起こす設定)ため、使うとベギラマの効果を発揮する「いかずちのつえ」などを駆使して乱獲しているというネタも散見された。
なおギラ系は後に「火炎を巻き起こす」呪文として統合されたが、雷を繰り出す呪文はデイン系が引き継ぎ(モンスターズでは光で包み込んで浄化するように攻撃)、亜流として「地獄の雷」を繰り出すドルマ系も登場。呪文にこだわらなければ「いなずま」とか「ジゴスパーク」、「いなずまぎり(らいじんぎり)」なんてのもある。
彼らの明日はどっちだ。
仲間として
ナンバリングタイトルでは『ドラゴンクエストⅤ』と『ドラゴンクエストⅧ』で仲間にする事が可能になった。
タイトルによって強さに差異はあるが、「ブレス系」の技や「ベホイミ」以降の回復魔法を習得し、素早さの数値が伸びやすい点が共通する。
『モンスターズシリーズ』『テリーのワンダーランド』では鳥系×植物系の基本配合で生まれる。基本配合組の中でもレベル20までの成長率は屈指であり、成長速度も極めて高いため、攻略要員として役立つ。の「スカラ」「ホイミ」「ラリホー」がどれも優秀なことから、基本配合の花形として広く認知されていた。ジョーカー以降は味方の状態異常を回復する魔法や特技を習得しやすいスキル「いじょうかいふく」を持つ。
特にジョーカー2無印では自然系代表で「最強化」ができる種族であったことから、能力が高いSランク以上の上級モンスター相手でも互角以上にやりあえるポテンシャルを秘めていた。
『スライムもりもりドラゴンクエスト』では、しっぽ団の一員として登場。しっぽ団最強の部隊『赤しっぽ』の構成員であり、夜になって制限時間内に町を戻らないと、こいつらに襲われてゲームオーバーになる。まともに戦えるのは裏ダンジョンのみ。
2からは夜でも探索できるため、登場しなくなった。
なお『ドラゴンクエストⅥ』のみ、頭部がニワトリのような形状をしているキメイラという変種が登場している。長らく出番の無かったモンスターだが、ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズでキメラ系3体が合体した「ウルトラキメイラ」が初登場し、『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』でも共演を果たしている。
キメラ系のモンスター
- メイジキメラ
名前の通り魔法を使ってくるが、登場作品ごとに使用魔法は異なる。なお『ドラゴンクエストⅦ』ではアニメーションの関係からか魔法は使ってこない。
- スターキメラ
能力的にはドラゴンと同等のモンスターで、「ほのお」と「ベホイミ」の使い手。ただし、『ドラゴンクエストⅢ』には登場しない。
『ドラゴンクエストⅨ』の図鑑説明によると、老いたにじくじゃくは自ら火山に身を投じ、コイツに転生するらしい。
- メタルキメラ
リメイク版の『ドラゴンクエストⅢ』に登場する、高い守備力を持つモンスター。
メタルというだけあり経験値が高く魔法耐性も高いがデイン系には弱い。完全にメタル化していない辺り所謂セミメタルモンスターとも言える(他にはドラゴスライム系の「ドラゴメタル」がいる)。
なお、それ以外の出演はモバイル版モンスターバトルロードしかないのでかなり影が薄い。一応、過去にメタリックモンスターズギャラリーでの商品化をされた事はある。
- ムーンキメラ
『ドラゴンクエストⅩ』から登場した転生モンスター。多数の最上位魔法とブレスを使ってくる難敵。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズでは『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』から登場するが、スターキメラがいない都合で普通のキメラの転生種になっており、キメラを倒せば倒すほど出現率が増す。
入手すると「月光魔鳥ハンター」の称号を得られ、連勤カギのキーワードにすると「Sランクモンスターが報酬になる」カギを作れる。SSランクが欲しいなら、「ワイヤーマン」を探すこと。
ただしムーンキメラ(月影)やワイヤーマン(鉄条)のカギは最大でも60%程度と期待値が低めなのが欠点。
- ムーン
『スライムもりもりドラゴンクエスト』に登場したスターキメラ。しっぽ団最強の部隊『赤しっぽ』のリーダー。裏ダンジョンのボスとして戦うようになる。
かつてデスピサロと戦った事があるらしい。
- キメーラLv35
『ドラゴンクエストⅤ』における青年期前半の山場「デモンズタワー」で戦う中ボス。キメラではなく「キメーラ」。
多くの戦いに勝利し、空の王者となったキメラ族の強者らしく、キメーラという名前も「人々が畏怖の念を込めてそう呼ぶ」そうな。キメラ本種が出る「死の火山」のエリアレベル(23くらい)をキメラ族自体のレベルとした場合、レベルが12も高いコイツは驚異的な猛者といえる。
SFC版ではメイジキメラのカラーだが、DS版以降はニワトリ頭になった。
「かえんのいき」や「ベギラマ」、「ヒャダルコ」でガンガン攻撃したり、「ベホイミ」で回復したりとかなりの強敵で、DS版ではたまに2回行動するようになってさらにパワーアップ。調子が良ければ上役のジャミより強いという声すらある。
しかしステータス・耐性が下がり、ルカニの防御ダウンがほぼ確実に効き、攻撃呪文もよく通るため攻めに回れれば崩しやすい。どうしても苦戦するならおどる宝石を仲間にしておくと良い。
名前にレベル(Lv)が表示されている点が、ウィザードリィⅠに登場するレベル7ファイターetc.っぽい。
- キメラ船
『スライムもりもりドラゴンクエスト3』に登場する船。
低確率で発生する不穏な空気が流れるエリアに現れる強敵である。