魔族(スレイヤーズ)
まぞく
『スレイヤーズ』における魔族とはいわゆる精神生命体であり、ドラゴンなどのモンスターや亜人族とはまるっきり別種の存在である。スレイヤーズの世界は「柱」の上に立った宇宙の上に存在しており、その「柱」を支配するのが赤龍神スィーフィード、それに巣食うのが魔王ルビーアイ・シャブラニグドゥである。
シャブラニグドゥは全ての神と魔族の生みの親であるロード・オブ・ナイトメアの四大配下の一人で、スレイヤーズ世界に存在する魔族全てを支配している。
魔族は精神世界と呼ばれる異次元の生まれであり、相手の憎しみ、哀しみ、恐怖などの心を糧に成長する。現実世界に姿を現すと、物理的に肉体は存在する(槍衾にしてバリケードを創れば一瞬動きが止まる、など)ものの、それを物理的エネルギーで傷つけることは不可能となる。物理的エネルギーというのは雷、熱、冷気などといった精霊魔術(後述)も含む概念であり、魔族は特殊なアイテムか白魔法or黒魔法、もしくは超強力な上級精霊魔法を使わねば傷一つ付けることはできない。
魔族たちは生産的な活動よりも破壊を好み、いずれ自分たちも含めた全てを破壊しつくすことを目的としている。そのためか、魔族同士で利害の対立により殺し合いを行うこともしばしば存在する。
人間よりも圧倒的に強大な存在である魔族であるが、精神世界の存在であるために自らの認識によって大きな影響を受けるという弱点がある。彼らにとって取るに足らない存在である人間を相手に本気を出すことは「自分は本気を出さないと人間に勝てない卑小な存在である」と認めることになり、その認識により多大な被害を被るため魔族は人間を相手に本気を出すことができない。このため人間にも魔族に対して戦いを挑める余地が残されている。
その他、決定打とまではいかないが、言葉による揺さぶりなどの精神攻撃も、多少有効な場合もある。
なお、作中では魔族の撃破に対しては「死んだ」と「滅んだ」が使い分けられている。前者は弱体化し物理的世界に顕現できなくなった状態であるが、経時などにより力を取り戻し復活する可能性がある。対して後者は存在が完全に消失した状態であり、人間の概念で言う「死んだ」はこちらが近い。
世界観上魔族と密接な関わりがある概念であるため、魔術についても若干解説する。詳細な世界観については原典を参照されたし。
本世界における「魔術」とは、混沌の言葉(カオスワーズ)と呼ばれる独特の言語を使用して対象となる高次存在に祈りを捧げ、その結果として何らかの効果を引き出す、という機序によって発動する。カテゴリとしては精霊魔術、白魔術、黒魔術の3種類に大別されており、このうち黒魔術は(名のある)魔族を対象としている。
例えば、最も著名な黒魔術である竜破斬の詠唱冒頭には「黄昏よりも昏きもの、血の流れより赤きもの」という一節があるが、これは魔王シャブラニグドゥのことを示している。黒魔術に限らずすべての魔術は、このように対象となる存在への呼びかけが含まれている。
このため、以下の様な制限が存在する。
- 攻撃魔術の場合、対象当人(例えば竜破斬であれば魔王シャブラニグドゥ)に対しては、「お前を倒すのを手伝ってくれ」という馬鹿げた呼びかけをするのに等しいため、基本的には(「対象当人が自らの滅びを望んでいる」など一部の例外を除いて)効果が無い。
- 当たり前であるが、カオスワーズを捧げる相手が存在しない、あるいは既に滅んでいる場合は何も起こらない。作中では魔竜王と冥王が滅んだため、以降は「魔竜烈火咆」や「冥王降魔陣」などは使用できなくなった。
- 魔族は黒魔術を使用できない。他の存在に対して助力を依頼する行為は、直接的に当人の存在を脅かすため。高位魔族であればある程度の精霊魔術程度は使用可能であるが、それもノーダメージという訳には行かず、また精霊魔術を使うよりも自分で攻撃した方が遙かに強力であるため(ゼロスのように自分が人間であるように見せかける必要がある場合などを除いては)実際に使う意味はほとんどない。
なお余談であるが、「黒魔術」が魔族を対象とするのであれば、「白魔術」は神々を対象とするのであろうか、と考える人も多いと思われる。しかしこの世界においては、後述する五大魔族が構築した結界によって神の力が届かないようになっているため、「神の力」を使用した白魔術というものは使用できない。本作中で「白魔術」と呼ばれているものは、治癒や浄化などのそれっぽいものを精霊魔術から分離して扱っているだけで、事実上の精霊魔術である。
この結界は前出の通り作中のある時点で魔竜王・冥王が滅んだことでほころびが発生しており、それ以降は神の力が届くようになっているはずであるため、理論上はその時点以降であれば「本物の」白魔術が使用可能になっているとのことである(「超巨大あとがき」による作者見解)。実際それ以後の時系列ではミルガズィアやアニメ版に登場するフィリアなどが神の力を借りるとされる「神聖魔法」を使用しており、こちらが本来の意味での白魔術に近いのだが、本作における「白魔術」とは区別されている。
原作ではリナも含めてその事実に気づいているものはまだ存在しないが、スレイヤーズTRY以降のアニメ版では結界が解除された認識が広がっているためその限りではないかもしれない。
人間が行使する魔術が発達しているのは結界の中の世界だけであり、結界の外では手品程度のものしか使えないことがTRYや原作第三部で判明している。
魔王
「柱」に巣食う、その宇宙の全魔族を統括する魔族の王。
スレイヤーズ世界の魔族を支配するシャブラニグドゥの他、闇を撒くもの(ダーク・スター)デュグラディグドゥ(同作者の別作品『ロスト・ユニバース』のラスボス)、蒼穹の王(カオティック・ブルー)、白霧(デス・フォッグ)がそれぞれ別の宇宙に巣食っている。
シャブラニグドゥは体を七つに断たれているのもあり、全盛期の実力は出せないらしい。
中位魔族
中位魔族より上になると、常時人間の姿を保つことが出来る。ダメージを受けすぎると、怪物じみた姿となる(本人たちはこのような姿になるのをあまり好まない)。
原作に登場する中級魔族
- カンヅェル
- マゼンダ
- サーディアン
- ファリアール
- ブラドウ
コメント
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弱体化グラウに絡みに行くダルフィンを書きたいな~~~!!!という気持ちが爆発して生まれました。 時間軸としては原作13巻後。同格以上じゃないと弱ってる姿も見せられないとか魔族はままならない生き物ですね! 物質世界にちょっかい出して遊んでたら出した手を引っ込められなくされてぶった切られた覇王様はこちらです。こうして見ると自業自得なんだけどあまりにも哀れすぎるな。 ダルフィンに「同族の負の感情も乙なもの」はわざと言わせました。おらブーメランだぞグラウ!! 多分だけど神坂先生敢えてグラウをひとでなし(人じゃねえけど)に書いてるよねと思ったのでそれに倣って書いてみた。書けてるかしら。7,693文字pixiv小説作品