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捨て艦の編集履歴

2014-07-15 00:21:41 バージョン

捨て艦

すてかん

『艦隊これくしょん』にて行われている戦法及びそれに使用される艦娘の総称。

概要

2013年8月26日(夏イベント後)のアップデートにより、旗艦大破した状態での出撃・進撃は不可能となり、強制的に母港へと帰還するように変更された。

更に同時に行われた「かばう」システムの実装。

その他、敵対キャラである深海棲艦の装備の性能向上、連撃の仕様変更、相変わらずの羅針盤により起こった戦術・運用でもある。


早い話が弱い艦・低レベルの艦を身代わりにする戦法。

潜水艦を身代わりにする戦法(通称『潜水艦デコイ』)も存在するが、あちらと決定的に違うのは轟沈を前提としている事であり、捨て艦役がHP1で死にかけている状態でも容赦なく進軍させる点が潜水艦デコイとは大きく異なる。


大破状態で進軍し、次の戦闘攻撃が当たるような事があれば当然轟沈するし、仮に運よく生き延びたとしても捨て艦として選ばれるのは大抵不必要な艦なので、解体されるか近代化改修に使われて消滅する(設定上では艤装を外して普通の人間に戻っているだけだが)事が殆どである。

その為、解体や近代化改修によって艦娘としての役割を終えようとも運よく生還できた艦娘はまだいいのだが、それさえ叶わず轟沈した艦娘は絶対に助からない


もうちょっと詳しく

艦これ』における戦闘はボス戦とそれ以外の雑魚戦(道中戦)に大別される。

クエスト(任務)が絡んでいない場合、プレイヤーは基本的にボス戦を目指して艦隊を進めていく事になるが、当然の事ながら後半マップにおいては雑魚戦の敵がどんどん強力になる傾向にある。


『艦これ』では、道中で艦娘が中・大破した場合、無理に進軍すると轟沈の危険性が高まる為、進軍を諦め帰還するのが普通である。

轟沈を回避する事のできる応急修理要員や応急修理女神などの装備もあるが、その種の装備はゲーム内のリワードで入手できる絶対数に限りがあり、多用しようとすれば課金による購入が必要になる。


そうすると、道中の大破率が非常に高い、つまり進軍が難しいマップでは必然的にボス戦までの到達率が低下する事になる。

耐久力の低い駆逐艦のみで戦艦ル級を含んだ敵のガチ編成部隊との戦闘をかいくぐらなければいけない3-2をはじめ、イベント海域など夜戦マス(夜戦では攻撃力計算の関係上ダメージインフレ化し、大破艦が敵味方双方非常に出やすい)などの特殊仕様マスが道中に配置されたマップなど、ボス戦到達率が非常に低くなるよう趣向が凝らされたマップは少なからずある。


『艦これ』では出撃の度合いに関わらず燃料弾薬ボーキサイトなどの資源を消費し、帰還後には艦娘に対してこれらの資源を補給する必要が出てくる。戦闘で艦娘が傷ついた場合はドック入り(入渠)させ、鋼材を消費して修復を行わなければならない。

ボス戦到達率が低いという事はそれだけ出撃回数がかさむという事を意味し、最終的には資源の大量消費に結びつく。


その結果生まれたのが、上記の合成や解体に使われる必要のないLv1の艦娘を艦隊に組み入れ、被害担当艦として進軍させるという用兵法である。

身を挺して旗艦への攻撃を防ぐ「かばう」が発動しやすい輪形陣で進軍し、高レベル旗艦の周りを拾ったばかりや上記の使用予定がない「捨て艦」を囮として攻撃させる事で旗艦を保護し、B判定(戦術的勝利)を狙うというもの。旗艦は絶対に轟沈せず、また大破すると強制的に帰還するというシステムを逆手に取った戦法である。

この戦法は、ボスの艦隊が非常に強力で捨て艦編成の艦隊ではまず勝てないような場合には通用しないが、敵の編成上非常に有効なマップも存在する。

具体的に言えば、ボス艦隊自体はさほど強くはないものの、その道中に遭遇する敵が強すぎるゆえに何度も撤退を強いられてクリアできない…

というマップである。このようなマップでは、前哨戦さえ突破できれば後はさほどきつくはないという事で捨て艦戦法が攻略の上での選択肢に入る事になる。


確かに犠牲をいとわずに強行突破ができる為にボスまでたどり着く確率は単純計算であれば飛躍的に高まるが、このゲームで轟沈するという事は即ち艦娘が死ぬという事であり、このプレイスタイルだと「捨て艦」の名の通り、艦娘を完全に捨て駒扱いしている事になる為、不快感や嫌悪感を示す提督も少なくない。

不特定多数のプレイヤーが集まるようなコミュニティや動画サイト等で迂闊に捨て艦の話題や動画を投稿すると争いの種となる可能性もあるので、要注意。


なお、この戦法を使ったクリア報告も次々上がっているが、轟沈で判定勝ちが取れるのはゲームシステム上二隻までが限界。三隻以上沈めると後の敵を壊滅させても戦術的敗北(C)判定になり、轟沈艦が四隻以上に達すると例え敵艦を全滅に追い込んでも強制的に敗北(D or E)判定となってしまう。


ただし、イベント海域などの戦力ゲージの存在するマップでは、敗北確定でもゲージを削れる可能性はあるにはある。

尤も、最終的にゲージを破壊するにはターゲット(基本的に旗艦)を撃沈する必要がある為、轟沈艦多数の死に体同然に近い艦隊でターゲットを仕留めるのは決して容易ではないのだが。

それに、(運に左右される面もあるが)ゲージ削りの効率も全体的に悪化する為、実際の出撃回数は多少の差はあれど普通に行く場合と同じか、運が悪いとそれを上回る回数が必要になる事さえある。


ゲージの絡まない単純クリアならば、削りの効率が多少悪かろうがB判定(戦術的勝利)さえ取れればそれでいいのだが、イベント海域や通常海域の後半などで見られる「ゲージの破壊」が条件の海域の場合、ゲージを破壊するには最終的にターゲットとなる旗艦そのものを沈めなければならない為、捨て艦を混ぜるにしてもある程度本気の編成でなければ、イベントの序盤海域ならばともかくそれ以降では簡単には倒す事はできない。

更に主力艦が道中で中・大破したり、羅針盤に弾かれる事まで考慮すると、最終的な資源消費や所要時間は一概に断定はできないがどちらも大差なし、場合によっては捨て艦戦法の方が効率の悪さからかえって高くつく事になる場合もありうる。


少なくとも、通常海域は素早くクリアする必要はなく、イベントクリア報酬も今現在は何か月か待てば出にくくはあるが普通に入手可能になるパターンばかりだったため、報酬目当てに無理にクリアに漕ぎ着ける必要性は今のところは低い。


下記のように運営も「できることならやらないで欲しい」と発言していることから、できることならほかの戦法をとるか、練度を高めて盤石の布陣で挑んでほしい。

捨て艦として消えていく艦娘達も、電脳の海の存在とはいえ命ある存在であるのだから。


捨て艦の現状と、二次創作における捨て艦

かねてより艦娘をあくまで「ゲームの駒」として割り切って考えていた提督の間で使われていた戦法であったが、2013年秋のイベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」を機に、決してそうではない提督の間でも多用される事となった。

(「捨て艦」をインターネット検索にかけると、2013年11月付の記事がトップに多数出るのはその為)

その理由としては、次のようなケースが考えられている。


  • 攻略報酬が全艦中でも飛び抜けた高性能を持つ「武蔵」であったこと
  • かつ、イベント報酬以外では武蔵が今後手に入らない可能性があったこと(当時は同型艦の大和も正規実装の予定がわからず、また初期ランキング報酬でありながら未だに実装されない震電改などの先例もあった)
  • 夜戦マス中心のマップで、Lv1の捨て艦でもそれなりに活躍が見込めたこと(レベルに関わりなく当たれば即大破するので)
  • 旗艦にダメージを与えるだけで戦力ゲージを削れる仕様だったこと(撃沈や勝利が必須ではなく、ボスに到達するだけでも十分だった)
  • イベント期間が短く(後に延長された)、手段を選ぶ余裕がなかったこと

これらの事情が重なった結果、「この機を逃せばもう二度と武蔵は手に入らない(かもしれない)ならば、やむなし」と焦った提督が捨て艦戦法を採用し、それに対して反感を示す提督も多く現れ、物議を醸す事となった。

また、後述するようにかつての史実における惨状をなぞるような捨て艦戦法は、二次創作においても(特にシリアス方面で)大きな影響をもたらした。「捨て艦」でのpixiv検索結果において2013年11月-12月に投稿が集中しているのはその為。またこうした捨て艦を題材とした二次創作においては金剛型が重要な役どころで登場することが多い(戦艦娘では唯一金剛型のみが当該海域に出撃できたため、金剛型×2・捨て艦×4の編成が多用された)。さらに言えば、二次創作では捨て艦役としてといった第六駆逐隊の面々が登場することも多い(第六駆逐隊(暁型)は人気の割に入手しやすいということもある。ちなみに史実では秋イベントのモチーフとなった第三次ソロモン海戦で、比叡霧島の護衛として第六駆逐隊(修理中のを除く)も参加し、第一夜戦で轟沈し、雷が大破している)。

ちなみに、この時捨て艦戦法に踏み切った提督達の中には後に「勝ったはずなのに違う涙が出てきた」、「海域クリアした日の夜に夢で轟沈した艦娘達の怨嗟の声を聞いた」という凄まじい報告をしてきたものもいたらしい。


なお、その直後のイベントである12月のミニイベント「迎撃!霧の艦隊」以降、敵戦力ゲージの時間回復がなくなりイベント期間全体を使ってじっくり腰を据えての攻略が可能になった代わりに、敵旗艦を毎回撃沈しなければ戦力ゲージを削ることができない(毎回の出撃において一定の戦力が必要になり、捨て艦を含む編成では火力不足に陥りやすい)仕様が多く採用された事や、武蔵のようなレアリティの高い超高性能艦が報酬とならなくなった事で、2013年秋イベントほどに捨て艦が多用されるような事態はなくなった。

とはいえ、駆逐艦のみの編成を要求される3-2をはじめとして今なお捨て艦戦法が有用な海域が存在する事は確かである。


ちなみに、運営鎮守府としてはプレイスタイルに制約を加える事はないが、心情的にはやって欲しくはない、という立場であるらしい(「Febri」20号31Pより)。


あまり捨て艦戦法を多用しすぎると対策としてイベント海域出撃の際に艦娘のレベルに下限の制限が加えられたり、捨て艦編成で進軍すると問答無用で羅針盤に弾き飛ばされるといった措置が施される可能性もなきにしもあらず。


史実の捨て艦について

捨て艦戦法は『艦これ』のみならず、史実の日本海軍もこの戦法を使用していた。そう、かの有名なレイテ沖海戦である。(最終形態の千歳千代田瑞鶴瑞鳳迷彩衣装は同海戦における各艦のカラーリングを再現したもの)

敗北に次ぐ敗北で既に艦載機もそれを運用するパイロットも満足に残っていなかった彼女達は敵の艦隊を釣り上げる為の囮としてレイテに赴いた。

結果、釣り上げそのものには成功したものの、生還など到底望むべくもない状況の前に壊滅状態に陥った。しかも不運な事に、連絡不備などが重なって予定されていた本隊の攻撃が出来ず、結果として囮艦隊による捨て身の攻撃は水泡に帰してしまった。

ちなみにこのような兵を使い捨てる戦術は、何も日本軍のみが行っていたわけではない。かのアメリカ軍も、ヨーロッパ戦線ではドイツ軍パンターティーガーよりも絶望的に性能の劣るM4戦車を大量投入しての物量作戦による犠牲の上に勝利を築き上げたのだ。

M4とティーガーの性能差がどれほどかと言うと、「ティーガー1両を撃破するのに10両のM4が必要になる」とまで言われた程、である。しかし、この現場の悲鳴も軍上層部の「ドイツがティーガーを1両生産する間に、アメリカはM4を11両生産できる」という冷酷な合理主義によって握り潰された。

後にティーガーに対抗できるM26パーシング重戦車も開発されたが、実戦投入されたのは最早ドイツは降伏寸前であり、戦うべき相手がほとんど存在しないという状況であった。

ただし、アメリカ軍としては戦車とは歩兵支援の為の戦闘車両であり、敵戦車に対抗する役目はM18M36といった駆逐戦車戦闘爆撃機P-47や重砲による砲撃に担わせるというドクトリンであった事に留意しなければならない。

更に言えば、日本軍はそのM4にすら歯がたたないチハを少数しか投入できずに一方的になぶり殺しにされていたのだが(これは当時の日本の工業力が艦船航空機を生産するのに手一杯だった事と、主戦場が海戦と島々だった為使う機会が艦船、航空機と比較して圧倒的に少なかったという理由もある)。

そして、ソ連軍も装甲兵員輸送車の数が不足していた事から、歩兵を戦車の車外に乗せて歩兵部隊と戦車部隊の機動力を同一にする「タンクデサント」戦術を多用していた。

勿論、戦車の車外に乗せられた歩兵は装甲や防弾版にも護られていない為、敵の榴弾を喰らおうものならいとも簡単に戦死してしまう。疲労で手すりを掴み切れずに戦車から振り落とされて、後続する戦車に轢き殺されてしまう歩兵も数多くいた。

証言によれば、「タンクデサントの歩兵の寿命は平均2〜3週間程度」とまで言われるほどの犠牲を出していたという。つまり、旧ソ連軍の戦死者の何割かはこれが絡んだ死者という事だろう。多民族国家で西欧的人権意識の低いソ連では兵士とはとても安い代物であり、「兵士は畑で採れる」とまで称されていたほどであった。(現代の軍事教本では、本来守る対象である歩兵を逆に危険の矢面に立たせるこの戦術は「絶対にやってはいけない悪手」の代表として記載されている。)



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