概要
『週刊少年サンデー』(小学館)誌上において、2009年21・22合併号より連載中。既刊は34巻。
学園と霊界を舞台とした、死神少年・りんねと霊感少女・桜が織りなす鎮魂譚。作者の高橋留美子は、本作を男性向けの作品であるとしている。
和服姿の主人公と制服姿のヒロインというプロットは前作『犬夜叉』に通ずるが、ハードかつシリアスな内容ではなく、本作ではバトル要素を残しつつ『うる星やつら』や『らんま1/2』のような従来のギャグ&ラブコメディ要素が強い内容に戻っている。
幽霊や怪奇現象、死を扱った作品だが、過去作『人魚の森』『笑う標的』のようなホラー・サスペンスものではなく、明るくコミカルに解決していくハートフルコメディとなっている。作中のギャグは、どちらかといえばシュールな場合が多く、謎を解き明かしていくミステリー調の話もある。
本作では季節ごとの行事は行われるが、作品内の時間は一切経過しないといういわゆるサザエさん方式をとっている。
あらすじ
高校生の少女・真宮桜は、幼い頃に神隠しに遭い、あの世でもこの世でもない境界―輪廻の輪の近くに連れて行かれた過去をもつ。「親切な謎のオバさん」に助けられるも、それ以来、何故か「霊が見える」体質になってしまった。成長するにつれ、「大きくなれば治る」と信じていたものの一向に治る気配はなく、生きた人間と霊魂の区別がつかないほどはっきり見える桜は、その能力を友人たちにも隠し続ける日々を過ごしていた―。
高校に進学した桜は、5月に入っても登校しない隣席のクラスメート・六道りんねのことを気がかりにしていた。ある日、桜は教室でなかば悪霊化したチワワと戦う「羽織姿の少年」を見てしまうが、少年やチワワは桜だけにしか見えていなかった。着れば霊体化して一般人には姿が見えなくなる黄泉の羽織を纏った姿を桜に見られた少年は驚き、どういうことかと問いただす。その少年こそ、六道りんね本人だった。
りんねは現世に彷徨う霊魂たちを導き輪廻の輪に乗せる「死神のような仕事」を人知れず行っていたが、祖父の死後、とある事情で赤貧に喘ぎ、「高校の制服すら買えずに一張羅は中学指定のジャージ」で「死神道具の購入資金に充てる小銭にさえ事欠き」、「老朽化により使われなくなったが『霊障』が原因で取り壊しが見送られている高校の部室棟にこっそり住み着いている」という貧乏な有様だった。なりゆきでりんねに力、もとい小銭を貸して仕事に協力することになった桜は、以来、りんねの仕事と生活をなにかと助けることになる。
りんねは仕事と生活の両立のため、「学校の使われなくなった百葉箱に『お供え』と『お布施』を入れて『依頼』をすると依頼内容が成就する」という伝説を自ら流すものの、肝心の「お供え物とお布施」の部分はイマイチ浸透しなかった。
―かくして、ひょんなことからりんねと関わることになった桜は、この世に未練を残す幽霊たちを輪廻の輪へと送り成仏させるために、彼とともにあの世とこの世を行ったり来たりする忙しい日々を過ごすことになるのであった―。
主な登場人物
主要人物
本作の主人公。赤髪に緋色の瞳を持った、死神と人間による混血の少年。
無愛想でテンションは低めだが、中々の正義漢で義理堅い。
歴代主人公では珍しくクールだが、奥手で純情一途。そして貧乏。
本作のヒロイン。茶髪に紫紺色の瞳を持つ、三つ編みおさげの霊感少女。
心優しく冷静沈着な性格で、何事にも動じない。ある意味最恐。
歴代ヒロインでは珍しい、クールで暴力を振るわない常識人。やや天然。
りんねの契約黒猫。オス。黒猫段位は初段。
忠実で礼儀正しいが、やや腹黒い。初期はやや凶暴な面がみられた。
歴代マスコットでは珍しく主人公・ヒロインともに敬称・敬語で慕う。
りんね・桜をとりまく人物
りんねの祖母。見た目は若いが、100歳以上。
幼少時代、あの世に迷い込んだ桜を救ってくれた死神。
常に笑顔だが、おばあちゃんはおろか、おばさんと呼ぶことさえ許さない。
桜に惚れており、りんねの恋敵。灰をまき散らす為ミホによく殴られる。
魔狭人曰く、除霊能力はりんねより数段ショボイ。でもやるときゃやる。
少しは改心したのか、最近はあまり強引な浄霊はやらない。しかし空気度は増した。
りんねの父。堕魔死神のボスで極悪人。
読み方は「さばと」ではなく、カタカナで「サバト」。これは徹底されている。
超ド級のろくでなし。
桜の近所に引っ越してきた「見える」小学生。
その前世は「伝説の死神乙女」こと死神・六道乙女であり、りんねの母。
魂子に仕える雄の契約黒猫。
- 黒星三世 (CV:未発表)
黒星の孫。
桜の友達。いつも怪奇現象の噂を持ってくる謎の情報通。
大らかな性格だが、十文字に対しては鍋でぶん殴ったりする。
情報通の割に怪奇現象に遭遇するとリカと共にすぐ逃げ出してしまう。
桜の友達。座席の位置が未だに不安定(桜の後ろだったりどっか遠くだったり)。
見た目に反して主要キャラとの絡みではおとなしく目立たない。
ケチという特性も初期の遊園地以外で活かされた事がなく、主要キャラでは最不遇。
- スズキ先生(CV:坪井智浩)
桜たちの学年を受け持っている体育教師。アニメでは担任。
- 姉祭・アネット・瞳
桜たちのクラスの担任。(未熟な)白魔女。前職は占い師。
先祖が死神に貰ったという「のぞき玉」(水晶玉)で未来を予見する。(予見しても大抵は不可避)
りんねに惚れている死神少女。
姉が鯖人にたらしこまれ秘書になってしまったので、鯖人を倒そうとしている。
爆弾を投げるのが癖という恐ろしい女。
鳳の契約黒猫。オス。
戦闘力は高いが気が短い。
黒猫段位は初段。
記死神。冷酷な性格。
コミカルな鈴が登場してからはかなり丸くなった。
ちなみに登場時は中性的だったが、次話でいきなり男らしいデザインとなった。
架印の契約黒猫。メス。見た目はゴスロリ少女。
爪を研いだり生魚をわしわし食べたり、女の子とは思えない行動を取る。
黒猫段位は初段。最近仔猫形態も登場した。
悪魔。りんねを敵視しているが、あまり相手にされていない。
金持ち。バカでギャグ調な時もあるが、所業は中々エグイ。
毎回りんねにリアルにボコられる為、性格が悪い割に同情される。
死神小学校の5年生。白髪で中性的なショタ。大金持ちのお坊ちゃま。
最初は口の悪い超絶やんちゃ坊主だったが、最近はかなり落ち着いた。
ペットに伊勢海老弁当を食べさせるなど、この年にして金銭感覚が凄い事になっている。
翔真の契約黒猫もとい執事。
黒猫段位は6段。
優秀だが相当の銭ゲバ。
ウサギの姉弟。
来兎はレオタード姿の白いウサギ少女で京都弁で喋る。
零不兎は有名な鎌打ち・三日月斎の4代目。腕はいいが頭はあまり良くない。
角が生えた堕魔死神少女。
美人で頭が良いが毒舌。何かと運が悪く、友達がいない。
架印に恋している。
れんげの契約黒猫。雌の老猫。
エリート校・死神一高の男子生徒。
りんねの小学校時代の同級生。りんねに対する執心が異常。
よく友達がいない事をネタにされているが、本作の男性キャラは大体ボッチである。
沫悟の契約黒猫。チャイナ服を着た猫耳長身女性。
優秀かつセクシーな黒猫。
死神一高の女子生徒。
沫悟に片思いをしているが、まともに会話したことはほとんど無い。
鳳の姉で鯖人の秘書。
長らく美人秘書とだけ呼ばれていたが、実は本名が美人。
TVアニメ
概要
2015年4月4日から同年9月19日までNHK・Eテレにて土曜17:30-18:00の時間帯で第1シリーズが放送された。全25話。
また、2016年春から同年9月24日まで同じくNHK・Eテレにて土曜17:30-18:00の時間帯で第2シリーズが放送された。全25話(第1シリーズを含めると通算50話)
2017年春からは第3シリーズが放送されることが決定している。全25話予定。(通算75話)
原作との相違点
大まかな話の流れは原作通りだが、以下に示すような相違点がある。
・過激な描写の緩和
高橋先生の作品恒例の暴力的な描写や過激な発言は、Eテレ放送枠かつゴールデンタイム放送というためか一部規制されている。但し登場人物が不利益を被った際に相手に行うげんこつとキックの描写はそのままである。規制が入った例は、
・六文の「生徒を血祭りにあげる」の台詞→「生徒を脅かす」に変更(3話)
・ゲストキャラの桜に対する「誰、そのブスな女?」という台詞の削除(27話)
・老婆の霊が悪事を働いた翔真を叱るシーンで原作にあった体罰の描写が削除(32話)
など。
また実際に行うと信用を失う恐れがある行為(鯖人の連帯保証人のシーン)や危険な行為についてはナレーションで注意が入る。
・台詞の変更
上の補足として、全体的にキャラクターの印象が原作より一回り良くなるように細かい台詞の変更がなされている。
・桜…架印戦(18話)でりんねを救出しに向かった一行が蔵に閉じ込められた際に架印に対して放った台詞が閉じ込められた自分の身を案ずるものから、りんねの命を奪わないでという旨に変更。(自分が危険な状況にさらされてもりんねを心配するという印象がより強くなっている。)
・六文…りんねとの契約に至った経緯が、悪霊の急襲で窮地に立たされたりんねと桜を守り抜き感謝されたからというものに変更。彼の献身的な面がわかる。
・朧…鳳と衝突しながらも彼女のことを認めている台詞が追加(「鳳さまがそう簡単にやられるわけがねえだろ!」)(26話)原作の該当シーンはあくまで彼女との戦いに決着をつけようと怒りのみに燃えているものだった。
・翔真…自らの過ちで地獄に送りかけてしまった霊たちから叱りを受けるシーンで原作は反抗的な態度だったのがアニメ版では反省している様子が伺える描写に変更。
ちなみに27話テニスコート回のパロディシーンの翼や30話のゲストキャラであるラン子のようにネタ路線に走ってしまった人物もいる。
放送について
50話時点ではアニメオリジナルのみのストーリーは一切放送されていない。第1シリーズ開始時点で原作連載開始から6年以上経過していてストックに余裕があり、なおかつ半年ごとに休止をはさむ形態だからと思われる。
また、第2シリーズでは25話で2-3話構成の回があり、おもに原作1話完結回の映像化の時に使用された。
製作スタッフ
原作 | 高橋留美子 |
---|---|
監督 | 菅原静貴 |
シリーズ構成 | 横手美智子 |
キャラクターデザイン | たむらかずひこ |
音楽 | 本間昭光 |
アニメーション制作 | ブレインズ・ベース |
制作 | NHKエンタープライズ |
制作・著作 | NHK / 小学館集英社プロダクション |
OPテーマ
1.「桜花爛漫」
作詞・作曲 - 首藤義勝 / 編曲 - KEYTALK & NARASAKI / 歌 - KEYTALK
2.「裏の裏」
作詞 - 大胡田なつき / 作曲 - 成田ハネダ / 編曲・歌 - パスピエ
3.「Melody」
作詞 - 安田尊行 / 作曲 - MANYO / 編曲 - ミライショウ / 歌 - Pile
4.「アイニー」
作詞・作曲 - 尾崎世界観 / 編曲・歌 - クリープハイプ
EDテーマ
エンディングアニメーションに登場するキャラクターは、そのキャラが初登場した回に合わせて少しずつ増えていく。
1.「トキノワ」
作詞 - 大胡田なつき / 作曲 - 成田ハネダ / 編曲 - パスピエ / 歌 - パスピエ
2.「ふたつの世界」
作詞・作曲 - 岸田繁 / 編曲・歌 - くるり
3.「話をしよう」
作詞・作曲 - 松尾レミ / 編曲・歌 - GLIM SPANKY
4.「Beautiful Life」
作詞・作曲 - 原田茂幸 / 編曲・歌 - Shiggy Jr.
関連イラスト
関連動画
サンデーCM劇場
キャスト
TVアニメ・PV
関連タグ
週刊少年サンデー 高橋留美子 るーみっく るーみっくわーるど