人物
CV:堀内賢雄
モーションアクター:吉岡毅志
プラチナブロンドの髪に中性的な風貌をしており、女性に間違えられた事もある(ジョンソン大統領に女性と疑われ股間を触られたことがある)。
リベリア出身で、数少ない白人の家に生まれた。1980年代の少年時にソリダス・スネークにより両親を殺害された。その後、ソリダスの下で兵士として洗脳・教育され、反政府軍の少年兵としてリベリア内戦に参加。6歳で銃を持ち、10歳でスモール・ボーイ・ユニットの小隊長となって、誰よりも多く人を殺した(誕生日にはケーキの蝋燭にみたてた人間をナイフで切り殺したりもしていた)。
その戦果と見事かつ残虐なナイフ捌きから「ジャック・ザ・リッパー」、「白い悪魔」の通称を持っていた。内戦終結後は人権団体に保護されたのち、アメリカに渡る。
しかし、平和な日常に適応できず、過去から目を背けていた事から愛国者達にS3計画の実験体として利用される。
ちなみにコードネームの「雷電」は、旧日本海軍の局地戦闘機・雷電から取られている。さらに本名のジャックはその局地戦闘機を米軍が「ジャック」のコードネームで呼んでいたことに由来するが、小島秀夫監督はインタビュー内で映画「タイタニック」に由来している(恋人の名前、ローズマリーも該当)と発言している。
以前は片仮名表記で「ライデン」となっていたが、9.11以降、ライデンがビンラディンを連想させるとの理由で漢字表記に変更したというエピソードが小島秀夫監督のツイッターで語られている。
作中での活躍
MGS2
2009年に海上除染施設「ビッグ・シェル」が武装集団サンズ・オブ・リバティ(「自由の息子達」の意。アメリカ独立以前の市民組織からの引用)に占拠された際に、大統領を救出すべく新生FOXHOUND隊員として単独潜入する。
当初は「スネーク」の暗号名だったが、サンズ・オブ・リバティの首謀者がソリッド・スネークを名乗っていた為、潜入後に「雷電」へと変更された。
愛国者達に利用された際に私生活のすべてが監視対象におかれ、ナノマシンにより記憶を操作され、自身はFORCE21時代のVR訓練の経験しかなく、実戦は初めてで人を殺害したことがない新兵であるという記憶と存在しないFOXHOUNDの記憶を植え付けられていた。
雷電が選ばれたのもソリダスとの関係がソリッドとビッグボスとの関係に近似しているからであった。
再会したソリダスによる拷問と会話で過去の記憶を徐々に取り戻す。
愛国者達のスパイ、オルガの協力で脱出した後にアーセナルギアへ潜入していたスネークと合流し、ソリダスの野望を食い止めるためにメタルギアRAYに戦いを挑む。
オルガの使っていた高周波ブレードをスネークから渡されるが、リベリア時代でも使ったことは無く、VR訓練も受けていない初めて使う武器を短時間で使いこなし、ブレードで銃弾を弾くなどを行えるようになっていた。
ウィルスの影響で機能不全となったアーセナルギアがニューヨークのフェデラルホールに突入して停止。
フェデラルホール上でソリダスの真意を聞き彼と決着をつけるべく、刀を手にする。
死闘の末、一騎打ちに勝利。その後、スネークの意思を聞き、本物のローズと連れ添って、崩壊したニューヨークの街へと消えていった。
バンドデシネ版ではゲーム以上にソリダスに強い殺意を抱いており、
「これ以上くだらない嘘を言う前にその舌を切り落としてやる!」
「死ねぇー!この人でなしがっ!」
と過激な発言をしていた。
ただこちらではスネークがソリダスと決着をつける展開のためか雷電はソリダスに気絶させられている。
MGS4
サイボーグ化され、全身に強化外骨格を纏った姿で登場。
高周波ブレードとナイフを駆使した接近戦を得意とし、月光複数体を相手に圧倒するほどの凄まじい戦闘能力を発揮する。
その容姿と身体能力による働きはかつてシャドーモセス島で暗躍したサイボーグ忍者を彷彿とさせる。
デモシーンのみの登場で、プレイヤーが操作することはできない。
MGS2の事件後、恋人ローズとともに生活していたが、ソリダス・スネークとの接触からリベリア内戦当時の記憶を思い出したことで現実と仮想の区別が出来ずに錯乱した上、平和な日常に適応できずに生活が荒み、最後には流産で子供を失ったことでローズやその子供は虚構であると思いこみ、姿をくらましてしまう。
ビッグママが率いるレジスタンスと協力し、オルガの娘サニーを救出した後、「ビッグボスの遺体」を取り戻すために活動。(サニー救出時に後にマヴェリック社を立ち上げるボリスと出会って協働している)
しかし、愛国者達に囚われてしまい、エリア51(アメリカ合衆国ネバダ州のグレーム・レイク空軍基地)にて人体強化改造の被験体としてサイボーグ化される。
その後、ビッグママ率いるレジスタンスに救出され、ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー博士の治療を受け、愛国者のナノマシンを抜き取ると共に血液をホワイト・ブラッドと呼ばれる白い人工血液に入れ替えたが、旧式の軍用人工血液であることから一定時間毎に透析を行わないと自家中毒症状を起こすようになった。
その代わりに、人間離れした身体能力と共に多少の出血でも失血死しない身体の獲得に成功。
そして、南米にてリキッド・オセロット暗殺任務を請け負っていたソリッド・スネークの援護に現れる。
南米では月光の集団を撃破し、ヴァンプとの戦いにも辛うじて勝利する。
しかし、大量失血と自家中毒症状により、東欧に居たマッドナー博士の治療を受けることとなる。
続くシャドーモセス島の戦闘ではスネークの危機に駆けつけ、ヴァンプとの因縁に決着を着ける。
しかし、シャドーモセスの地下からの脱出時に自爆型月光の爆発により崩落した瓦礫に片腕をはさまれてしまう。
リキッドとスネークのメタルギアを用いた戦闘の直後に現れたアーセナルギア級巨大戦艦アウターヘイブンの突進からスネークを守るために片腕を切断して瓦礫の下から脱出、片腕を失った状態でアウターヘイブンを押し止め、自分を盾にした。
そこで死亡したかに見えたが、リキッドが退散した後、オタコンに救出され一命は取り留めるが残る片腕も失い、戦線を離れる。
その後、アウターヘイブンに潜入したスネークが中枢直前で危機に陥った際に両腕のない状態で援護に現れ、高周波ブレードを口に咥えて敵兵の一団と渡り合った。
自らに関わるものすべてを虚構と思い込み、唯一の現実といえるスネークに縛られ、自身を省みない無謀な戦い方をしているが、スネークからの説得やヴァンプとの決着により徐々に変化しつつあった。
アウターヘイブンを押し止める際にローズの名前を叫び、走馬灯のようなフラッシュバックを引き起こしてた事から完全に虚構とは思いきれていなかった様子。
『愛国者達』の崩壊後、強化外骨格は除去され、失った両腕も再生された。
しかし、「スネークを救う」という目的は達成され、生きる目的を失った為に無気力で病院で過ごしていた。
失ったと思っていた息子であるジョンは無事に育っており、ローズマリーが連れてきたことで初めて顔を合わせた。
真実を聞かされた後にローズマリーと復縁、ジョンとも心を通わせ、新しい人生を家族と共に生きていくことを決意する。
MGR
平和な生活を歩むにも当時は未発達だった人工皮膚が多く使われた人に似た外観のサイボーグボディは遠目に見る分はともかく近目で見ると違和感が多く、まだサイボーグに対する一般認知が低い情勢もあって一般企業への就職は困難であった。
そこでサニー救出時や愛国者達との戦いで協力関係にあったボリスが設立した民間軍事警備会社(PMSCs)マヴェリック・セキュリティ・コンサルティングIncに誘われ、再び戦場へと戻ることになる。
4で使用したものと似ているが頭部が生身に近い白い強化外骨格(通常作戦用義体)に再び身を包み、新興国での要人警護や国軍の訓練などを請け負っていた。
愛国者達の情報統制が失われたことで世界中に拡散したサイボーグ技術は、既に4の時代に比べて大きく技術更新が為されており、それに伴って雷電の通常作戦用義体も高出力なCTN(カーボンナノチューブ)筋繊維が採用され、透析が必要な人工血液を使う必要がなくなる、食事が可能など、大幅に性能や利便性等が増している。
「一人の悪人を斬ることで多くの人々を救う」という日本における柳生新陰流の剣術家柳生宗矩が唱えた『活人剣』の思想を己の信念としており、ンマニ首相からは雷電のコードネームの意味である稲妻から「ミスター・ライトニングボルト」と呼ばれていた。
ある日、アフリカの新興国でンマニ首相の護衛任務の際にPMCデスペラード・エンフォースメント社のサイボーグや無人機に襲撃される。
襲撃部隊のメタルギアRAYを両断するなど健闘する雷電だったがジェットストリーム・サムに左腕と左目を斬られ完敗、サンダウナーに首相は殺されて任務は失敗してしまう。
その三週間後、デスペラード社があるテロに関与しているという情報を得た雷電は、外見を度外視した禍々しい黒い新型の特殊作戦用義体に換装し、リベンジに向かう。
新型ボディには体内の電力を消費することでブレードの切断力と攻撃速度を一時的に上昇させる斬撃モードと呼ばれる機能が新たに搭載された。
戦闘力特化のため自己修復機能が体内ナノマシン以外無いが、切断した敵サイボーグや無人機から自己修復ユニットと体液中のMCFC(燃料電池)の電解質を奪い吸収する機能がある。
MCFC吸収機能は専用の高周波ブレードに搭載されており、サイボーグのCNT(カーボンナノチューブ)筋繊維を切断するだけで内部を循環している体液からMCFC用電解質を吸収できる。
また、自己修復ユニットを敵の切断面から掴み出して握り潰し、ユニットから漏れ出た補修用ナノペーストを手のひらから吸収することで、体内の修復用ナノマシンにより即時に自己修復を行うことが可能。
上記2つの吸収機能について同僚から吸血鬼のようだと言われたが、ヴァンプとの一件もあって吸血鬼という単語に対するイメージが悪いのか、不快そうなリアクションをしている。
左目は修理が間に合わず、代替品の眼帯状の複眼イメージセンサを用いているが、代わりとして故障しやすい可動部品もなく眼球以上の広い視界を得ている。
高周波ブレードを介して無人機のAIへのハッキングも可能であり、劇中ではスライダーやMQ-320のコントロールを奪っている。
デスペラード社のサイボーグをめぐる陰謀に立ち向かう中、再び相見えたサムから「キレイ事を並べながらも、結局やっていることは人斬り」であることを指摘された上、感情抑制機能で抑えられているサイボーグ兵達の恐怖や痛み、心の叫びを聞かされたことで動揺し、自身の戦う理由を見失いかけてしまう。
しかしモンスーンに『虐殺と殺戮のミーム』を説かれたことで、自分の心の弱さを認め、自身の痛覚抑制を解除することで封印していた「ジャック・ザ・リッパー」の本性(通称リッパーモード)を覚醒させ殺人剣を手にする。
自分の中にある人斬りを楽しんでいる自分を捨てきれないと悟った雷電はそれを受け入れ、その上で自分のような人間を増やさないために戦いの渦に入っていくのだった。
マヴェリック社の仕事が忙しいため、ニュージーランドに住まわせているローズやジョンには頻繁に会えないでいるが家族関係は良好らしく(雷電曰く、「安全は保証されている」)無線で子煩悩ぶりやノロケ話を披露することも。
またジャック・ザ・リッパーに覚醒して残虐性を取り戻した後も、彼本来の優しさや弱者を守るという志は変わっておらず、平時には以前のようにジョークを言ったりしている。
事件終結後、特殊作戦用義体は社に返納し、雷電は自身の闘争を続けていくが、その手にある剣は活人剣と殺人剣、どちらかは不明。
その姿は自身を法として悪を斬っていたサムのようだった。
MGSVGZ
Xbox360/XboxOne版の特別ミッションであるジャメヴ・ミッションでは主人公を務める(2014/5/1配信のパッチによりPS3/PS4でのプレイも可能となった)。
強化外骨格に身を包み奪われる肉体を持たない雷電は兵士にまぎれたスナッチャー(ボディスナッチャー)を排除し、海兵隊員を無力化するためにキューバの米軍基地へと降下する。
高周波ブレードを使わず、スネーク同様に銃火器やCQCによる戦闘を行う。
スネークと比較するとジャンプアクションの飛距離が長く、落下ダメージもない。スネークのダッシュよりも移動速度が速いニンジャランが可能で、ニンジャラン中にぶつかった敵を気絶させられる。
なお、セリフはホールドアップや尋問などのアクション時のみで、音声もスネークの声にエフェクトをかけただけ。
理由は不明だが、報酬としてスネーク集めたXOFのパッチを要求した。
MGSVTPP
本編となるTPPではある厳しい条件をクリアするとGZでの姿が強化外骨格スーツとして開発可能になり、開発するとプレイヤーが装備できる。
主な仕様はGZと同様である。
なお下位互換にはサイボーグ忍者の強化外骨格も存在する。
METAL GEAR SURVIVE
マルチプレイにおけるイベント邂逅「2014」(2018年7月31日~8月14日)にて実装されたアクセサリースーツとしてMGS4における雷電のスキンが登場。
イベントミッションにて報酬として得られるBP(バトルポイント)を消費し、購入することで装備できる。必要ポイントは5000BP。
尚、男性アバター専用であり、所謂「見た目装備」なので特殊能力や声の変化等はない。また、常にバイザーを閉じている状態でかつてのMGO2のように装備によって展開したりするギミック等もない。
スーパーボンバーマンR
なんと爆風吹き荒れるボンバーマンの世界に参戦。刀は何故かアイスの棒みたいになっている。
MGS2に爆弾魔がいたが、まさか雷電がボンバーマンに出てくるとは誰も思ってはいなかっただろう。
人物像
作中や設定で描かれるように、幼い頃から過酷な環境で育ち、更に自身に振りかかる様々な残酷な現実が彼の心と体を蝕んでいった。
MGS2時代で受けたVR訓練や実戦を通して、兵士として高い技術と判断能力を持ち、MGS4以降ではサイボーグ化したことで、並の人間やサイボーグ、更には無人機すら凌駕する身体能力を得たが、幼少期のトラウマと、それによって築き上げられてしまった歪んだ人格と葛藤する描写が多い。
そのため、シリーズを通して「兵士としては非常に優秀だが、一旦動揺すると精神面が脆く不安定になる」という人物として描かれている。
余談
MGS2ではカツラ疑惑がある。
ある人物から疑われている程度だが、ステルス迷彩を装備した際に髪の毛が透明にならなかったり(スネークはバンダナ以外は透明化されている)、プラント編やMGRでは実際に装備としてウィッグ(カツラ。弾薬が無限になったり、ゲージが減らなくなるといった効果があるスペシャルアイテム。装備すると髪色も変わる)があることから余計に疑われている。
MGS3に登場したライコフと容姿は瓜二つであれの大きさも全く同じだが、関係は不明。ちなみに「あれ」のサイズは雷電の場合は拘束状態において見廻りに来た天狗兵が「あれ」を目の当たりにして「負けた・・・」とがっくりとして呟かれているあたりなかなかのモノの持ち主とみられる。
また、意外にもメタルギアシリーズでは珍しく一時的に全裸で動き回る事のできるキャラクターでもあり、全裸状態がポリゴンモデルとしてあるのも唯一。すっぽんぽんになったのはMGS1でのスネーク(ブリーフィング会話時)に次いで二人目。
全裸で動きまわる事を余儀なくされた際は両手もしくは片手で股間を隠して行動する為、アクションは制限され、武器も装備もないまま敵のいる所をかいくぐっていく必要があり、色々な意味で危険。
ゲーム中のデモでのカメラ視点では上手い具合に股間が隠れる為、彼の「あれ」はどうなっているのか気になるところであるが、スペシャルディスクである「ザ・ドキュメント・オブ・メタルギアソリッド2」でデモ鑑賞を自由に再生できるモードにおいて、拷問シーンでカメラ視点を自由に変えて鑑賞できる機能を使うと、ゲーム中では決して見る事のできなかった彼の「あれ」の部分を拝む事ができるのである。
ぶっちゃけた話、全裸モデルでの彼の肝心の「あれ」は作られていない事が判明する。まぁ、当然であるが・・・。
サイボーグ忍者化した際、強化外骨格にTOKUGAWAのロゴがある。また、MGS4に雷電からの通信時には映像ではなく同社のロゴが表示される。
これは元々ポリスノーツに登場した日系企業「トクガワグループ」が元ネタ。
ただし、MGS2でもビッグシェルの内部の配管や機器にもある為、メタルギアシリーズでも存在する企業だと思われる。
ホワイトブラッドもポリスノーツにあった技術である。
恋人のローズマリーは極度の味音痴であり、雷電にローズの手料理よりレーション(軍用食糧、一般的にかなり不味いとされる)の方が美味しいと言わしめた。MGRでは、義体の味覚センサーのON/OFF機能を重宝しているとの発言もある。
また、MGS3Sのシークレットシアター「メタルギアライデン スネークイレイザー」(雷電が主役の座を手に入れるため、過去にタイムスリップしビッグボスの暗殺を試みるという内容)ではこれでもかというぐらいひどい目に遭っており、具体的には
- 降下してきたネイキッド・スネークに蹴り飛ばされてしまう。
- オセロットとキスをしてしまう。
- ライコフと勘違いされヴォルギンにアッー!なことをされてしまう。
- タイムスリップ後に傷を見せるべく服をはだけたザ・ボスの胸に突っ込みかけてボスにビンタされる。
- ドラム缶内で拷問されていたグラーニンとともに空高く飛ばされる。(その後普通にドラム缶を被りながら歩いて立ち去る)
- ライコフに変装していたスネークの身代わりにヴォルギンにタコ殴りにされる。(スネークはその隙に逃亡)
- 兵士達に踏まれた挙句にシャゴホッドに轢かれる。
- ビッグボスの授賞式後にザンジバーランドへタイムスリップし、(ソリッド)スネークを殺そうとしたがビッグボスに撃たれる。
などである。まさに公式が病気。
また、MGRでアームストロング上院議員を、ポケットモンスターサン&ムーンでオーキド校長等を担当していた石塚運昇の死後、オーキド校長役の後任が誰になるかと注目されていたが雷電役の堀内賢雄が抜擢されることとなった。MGRでアームストロング議員は雷電に向かって「お前は…もう一人の…俺だ…」と最期の言葉を残しているがまさか作品を越えてこのような形で現実のものになろうとは誰が想像していただろうか。