モンスター(D&D)
だんじょんずあんどどらごんずのもんすたー
概要
1974年に発表された世界初のRPGである、TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(以下、D&Dと表記)に登場するモンスター。
神話や民間伝承、近現代の小説や映画を元ネタとする様々なモンスターが設定されており、実在の動物や昆虫(それらが変異した存在)も多い。
この記事では『D&D』のオリジナルモンスター、およびそれ以前の元ネタから『D&D』でイメージが確立したモンスターを挙げる。
オリジナルモンスター
※アルファベット順
A
アーラコクラ (Aarakocra)
アボレス (Aboleth)
アケイライ (Achaierai)【類似:アカイライ】
エリアル・サーヴァント (Aerial servant)
アンクヘッグ (Ankheg)
アスカリオン (Ascallion)
アスペリイ (Asperii)
B
ベヒィール / ビーヒア (Behir)【元ネタ:ベーヒアル】
ベラブラ (Belabra)
ベルガラ (Bhaergala)
ブレイ (Bulette)
ブリーワグ (Bullywug)
バーバー (Burbur)
C
キャリオン・クロウラー (Carrion crawler)
ケイヴ・フィッシャー (Cave Fisher)
クロウリング・クロウ (Crawling Claw)
クリムゾン・デス (Crimson Death)
D
ダーケンビースト (Darkenbeast)
デス・ドッグ (Death dog)
デス・ナイト (Death Knight)
デロ(Dero)
ディスプレイサー・ビースト (Displacer beast)【類似:クァール】
ドラコリッチ (Dracolich)【類似:ドラゴンゾンビ】
ドロウ / ダーク・エルフ (Drow / Dark Elf)
ドゥエルガル / グレイ・ドワーフ (Duergar / Gray Dwarf)
E
エターキャップ (Ettercap)
アイウィング (Eyewing)
F
ファイヤーニュート (Firenewt)
G
ガレブ・デュア (Galeb Duhr)
ゼラチナス・キューブ (Gelatinous cube)
ジャイアント・ストライダー (Giant strider)
ノール (Gnoll)
ゴールド・ドラゴン (Gold dragon)
ゴーゴン (Gorgon)
H
ハトリ (Hatori)
ヒューキューヴァ (Heucuva)
ホラックス (Horax)
I
インビジブル・ストーカー (Invisible stalker)
J
ジャッカルワー (Jackalwere)
K
ケンダー (Kender)
ケンク (Kenku)
クオトア (Kuo-toa)
L
リビング・ウェブ (Living web)
ロゥカーサー (Locathah)
ラーカー (Lurker)
M
マエダー (Maedar)
マリリス (Mariliths)
ミーゼル (Meazel)
ミミック (Mimic)
マインド・フレイヤー / イリシッド (Mind flayer / Illithid)
モングレルマン / モングレルフォーク (Mongrelman / Mongrelfolk)
モルコス (Morkoth)
マックドウェラー (Muckdweller)
マッドマン (Mud-man)
マイコニド (Myconid)
O
オブリビアックス (Obliviax)
オスキップ (Osquip)
アティアグ (Otyugh)【類似:オチュー】
P
ペリュトン (Peryton)
ピアサー (Piercer)
スードゥドラゴン (Pseudodragon)
R
ルモアハズ (Remorhaz)
ラウンブスン (Rhaumbusun)
ローパー (Roper)
ロット・グラブ (Rot grub)
ラスト・モンスター (Rust monster)
S
サハギン (sahuagin)
サンドリング (Sandling)
シャンブリング・マウンド (Shambling mound)
スリザリング・トラッカー (Slithering tracker)
ステゴセンティピード (Stegocentipede)
悪臭野牛 (Stench kow)
スタージ (Stirge)
スル (Sull)
スヴァーフネブリン / ディープ・ノーム (Svirfneblin / Deep Gnome)
T
タラスク (Tarrasque)
タスロイ (Tasloi)
テッサルモンスター (Thessalmonster)
スリクリーン / マンティス・ウォリアー (Thri-kreen / Mantis warriors)
トログロダイト (Troglodyte)
U
アンバー・ハルク (Umber hulk)
アンデッド・ビースト (Undead Beast)【類似:アニマルゾンビ】
V
吸血霧 (Vampiric mist)
ヴァージェンズ (Vurgens)
W
ウォーター・ワイアード (Water weird)
ウィミック (Wemic)
ウィクトリン (Wichtlin)
X
Y
イエロー・ムスク・クリーパー (Yellow musk creeper)
ユアンティ (Yuan-ti)
ドラゴン(D&D)
古今東西、多くの幻想物語で重要な役割を担ってきたのがドラゴンという生物(もしくは生物的ななにか)。
作品タイトルにその名を冠する『D&D』はドラゴン族について多くの独自設定を持ち、後代に影響を及ぼしている。
例えばその身体を覆う鱗の色で、そのドラゴンの形質・性質・能力等を文字通り「色分け」する慣例は『D&D』で確立され、現在でも多くの作品に受け継がれている。
『D&D』のドラゴン族は魔法生物であり、爬虫類やその祖先とは別物である。
高い知能を持ち、ドラコニックという独自の言語の他、他種族の言語も操ることができる。
ドラコニック語は魔法の呪文を操るうえで他の言語より有利に作用し、また呪文を用いずに発動する種族ごとの特殊な能力を持つ。
アスゴラスの子供たち
アスゴラス(Asgorath)は『D&D』の舞台となる多元宇宙(multiverse)を創造したとされており、善悪を問わず多くの種族から「世界の形成者(The World Shaper)」として崇拝されている。
必要に応じて巨大なドラゴンの姿を以て顕現することはあるものの、その本質は物理的な宇宙の外側にあり、眷属であるドラゴン族にとってさえ理解を超えるものであるらしい。
現在ドラゴン族の中核を担う三柱の龍神たち(バハムート、ティアマト、ヌル)の父親(もしくは母親)がアスゴラスとされているが、これらの神々の関係が生物的な意味での血縁関係と同じものであるかはわからない。
三柱の龍神たちのうち、『バハムート』と『ティアマト』についてはそれぞれの記事を参照。
ヌル(Null)は「無」という意味で、おそらくは「名されざる存在」というニュアンスを含むと同時に、この神への崇拝や忠誠は自然に「否定される」扱いとなる。
異称として「失われしものの守護者(the Guardian of the Lost)」たるクロネプシス(Chronepsis)、および「略奪者(the Reaver)」たるファルズレ(Faluzure)が用いられるが、逆に別個の存在であるクロネプシスとファルズレがともにヌルと呼ばれているとする説もある。
ヌルは端的に言えば「死」の概念を司る神であり、「怨念」と「不滅の憎悪」を支配する悪神である。一方で、命を失ったドラゴン族の魂をドラゴンエイリー(Dragon Eyrie)へ導き、「何者にも脅かされない永遠の安寧」を齎す存在でもあるため、あらゆる種類のドラゴン族から一定の崇拝を得ている。
その姿は「竜の形をした暗黒の空間」であり、生あるものが接触すれば即死は免れないとされる。
かつては妹であるティアマトと同盟関係にあったが、現在では互いに(バハムートに対する以上の)憎悪を抱き合っているらしい。
その他の龍神たち
ドラゴンエイリーは霜に覆われ雲に包まれた巨山として存在する世界であり、全ての龍神たちの故郷である。
ドラコニックパンテオン(Draconic pantheon)に名を連ねる龍神は上述のアスゴラスと三柱の他に、
- 富と財宝を司る女神アスティラボール(Astilabor)
- 火災と破壊・新生を司るガリクス(Garyx)
- ユーモアと創造力、歓喜を司る女神ハラール(Hlal)
- 魔法を司る女神ケレスカ(Kereska)
- バハムートの意志の代行者クジャタ(Kuyutha)
- 公正と正義を司るレンディス(Lendys)
- 神秘と超常現象を司るサルディオール(Sardior)
- 慈悲と癒しを司る女神タマラ(Tamara)
- 貪欲と利己を司るタスク(Task)
- 種族としてのドラゴンの形質を司るゾルクアン(Zorquan)
等が知られている。
メタリックドラゴン(Metallic dragon)
龍神バハムートが率いる善のドラゴン族。
クロマチックドラゴン(Chromatic dragon)
邪竜ティアマトが率いる悪のドラゴン族。
『レッド・ドラゴン』『ブラック・ドラゴン(別名スカル・ドラゴン)』『ブルー・ドラゴン(別名ストーム・ドラゴン)』『グリーン・ドラゴン』『ホワイト・ドラゴン(別名アイス・ドラゴン)』『イエロー・ドラゴン』については各記事を参照。
ジェムドラゴン(Gem dragon)
善悪の戦いからは距離を置く、排他的で内向的なドラゴン族。
境界ドラゴン(Planar dragon)
"planar" は「面・平面」を意味するが、『D&D』では多元宇宙を構成する様々な「界」を "planes" としている。
通常の生物が属する「物質界(Prime Material plane)」とは別の界に移り住んだクロマチックドラゴンが、その環境に適応した結果生まれたのが境界ドラゴンである。
- フロストフォージドワイアーム、デスマスクドラゴン(アビス)
- バトルドラゴン、パクトドラゴン(アストラル海)
- ブレイズワイアーム、ドラゴンイール、テンペストドラゴン、パイロクラスティックドラゴン(エレメンタルカオス)
- フェアリードラゴン、ミラージュドラゴン、レッチドラゴン(フェイワイルド)
- ブライトドラゴン、シャドウドラゴン(シャドウフェル)
これ以外にも多種多様な境界ドラゴンが確認されている。
オリエンタルドラゴン(Oriental dragon)
東方世界カラトゥール(Kara-Tur)で崇拝されているドラゴン族。現地語に因んだ「ルン・ドラゴン(Lung dragon)」の表記も用いられる。
ドラコニックパンテオンとは異なる「天の帝国(Celestial Empire)」という神界に属しており、 "Chiang lung" "Li lung" "Lung wang" "Pan lung" "Shen lung" "T'ien lung" "Tun mi lung" "Yu lung" の八種が知られている。