概要
ウツギ博士の「ピカチュウはすでに進化したポケモンである」というセリフをキャッチコピーに展開された。
「ベイビィポケモン」という名前の由来はカードゲームから。ポケモンカードはルールに進化系統が密接に関わっているため、後付けで進化前が追加された種族への措置としてこの分類が用いられ(なおこの措置は現在廃止されている)カードゲームプレイヤーに定着。その後一部のファンにも広まった。
以上からもわかる通り、公式の名称と言ってもカードゲームの方で使われていただけでほぼ俗称である。そのためこの言い方を把握していないファンも存在するため注意。
現在は、タマゴ未発見で、進化するとタマゴが見つかるグループに変わるポケモンを総称することが多い。
主な特徴としては以下が挙げられる。
- 一般ポケモンだがタマゴを産まず(タマゴグループは「タマゴ未発見」である)、進化することでタマゴが見つかるようになる
- 一部を除き後付けで追加されたポケモン
- 多くの種族で進化条件になつきや時間帯を必要とし、その場合レベルだけ上げてもたねポケモンに進化できない
- 第2、第3世代初出のポケモン達は、ソーナノを除き初登場の作品において野生出現しない(その後の作品では普通に出現することが多い)
- 逆に第4世代以降初出のポケモン達は、リオルを除き初登場の作品において何らかの形で野生で出現する(リオルは同世代の『HGSS』で初めて野生で出現した)
ポケモンの進化系統に広がりを見せたことを評価する動きもある一方で、これらの仕様のため、優秀なステータスを持つ個体を何度も掛け合わせて理想個体を厳選する廃人達にとっては厄介な存在と見られる傾向もある。
そのためか、第3世代以降に新たにベイビィポケモンが設定されたポケモン達はリオルとエレズンを除き育て屋に預けたポケモンのどちらかに特定のお香を持たせることで任意的にベイビィポケモンを孵化させる手法(何も持たせずタマゴを産ませた場合は1進化目が産まれる)に変わっている。
さらにベイビィポケモンと一進化ポケモンとで覚えるタマゴ技が異なる上にベイビィポケモン限定のレベル技もあるため、ベイビィポケモンを孵す意義は意外にあった。
だが第6世代以降「おこう」を持たせてしまうと「あかいいと」と「かわらずのいし」のどちらかを持たせられないというとんでもない弊害が待ち受けている。
救済策として第7世代からすごいとっくんが登場。レベルを100まで育てたポケモンに限り、個体値を31相当まで引き上げることができる。
このすごいとっくんは見かけ上の個体値を引き上げるだけで、めざパのタイプ自体は変わらない。
このため、最低でも性格や隠れ特性、めざパさえ粘れば個体値は大きく妥協できるようになった。
また、第6世代のXYでは野生で出現するベイビィポケモンは何と3Vが保証されているほか、ORASでは各地の草むらなどで図鑑サーチを使い3V以上、一定確率で隠れ特性、予めタマゴ技を1つ覚えている個体を入手できるようになった。
そのため進化は手間がかかるが、うまく育ててやればシナリオや後の厳選でも役に立つだろう。
廃人の厳選にも図鑑埋めにも優しくない仕様のためか、第5~7世代の間は新規追加がなかった。
(第7世代のベベノムを含める説もあるが、あちらは準伝説であり、進化前進化後を問わずタマゴが作れないためどうあがいても定義がズレる)
第8世代でようやくエレズンが追加される。進化後のストリンダーの出現場所がレイドバトルに限られており、エレズンの方がくさむらに出るためベイビィっぽさは薄いが、進化しないとタマゴ未発見である、分類が「あかごポケモン」であるなどベイビィポケモンであることはしっかり強調されている。
また、第8世代ではポケモンの覚える技に大きな変化があった関係で、ソーナンスなど一部のポケモンはこれまでベイビィポケモンの育成を通じてのみ覚えられた技を自力で習得するようになった。
これは上記(ベイビィポケモンにエレズン加入)とは逆に、ベイビィポケモンへの逆風と言えるかもしれない。なぜならソーナンス等の進化形の厳選を行う際、ベイビィポケモンに一切頼らなくてよくなり、廃人にとってはそうした一部のベイビィポケモンの存在意義が図鑑埋めぐらいしか無くなってしまったからである。
断っておくと、第2世代のベイビィポケモンやリオル、エレズンなどアイテムを持たせるか否かに関係なく生まれてくるベイビィポケモンはまだ多数おり、仕様変更があろうとなかろうとルカリオの孵化厳選の際にリオルを見ることになる点は変わりない。
さらに言えば第3・4世代の、仕様変更の影響を受けたベイビィポケモンについても一部はワイルドエリア等で野生出現しており、ファンでなくともその姿を拝む機会はまだまだある。
余談
一時期話題になったポケモン金銀の没ポケモンの中にはニャースの進化前、トサキントの進化前、パラスの進化前などを含む、実際に発売されたものを大きく上回る数のベイビィポケモンがいたことがわかっている。
前述のように、ベイビィポケモンは厳選行為の妨げとなると見られる傾向もあるため廃人たちからはお蔵入りを「英断」とも称される一方で、(それらが本当に金銀の没ポケモンであったならば)実際に作品中で見てみたかったという意見も見られる。
ベイビィポケモン一覧
第2世代
ベイビィポケモン | 進化形 | 進化方法 |
---|---|---|
ピチュー | ピカチュウ | なつき進化 |
ピィ | ピッピ | なつき進化 |
ププリン | プリン | なつき進化 |
トゲピー | トゲチック | なつき進化 |
バルキー | サワムラー | レベル20(攻撃>防御) |
〃 | エビワラー | レベル20(攻撃<防御) |
〃 | カポエラー | レベル20(攻撃=防御) |
ムチュール | ルージュラ | レベル30 |
エレキッド | エレブー | レベル30 |
ブビィ | ブーバー | レベル30 |
第3世代
ベイビィポケモン | 進化形 | タマゴでの入手方法 | 進化方法 |
---|---|---|---|
ルリリ | マリル | 親のどちらかに「うしおのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | なつき進化 |
ソーナノ | ソーナンス | 親のどちらかに「のんきのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | レベル15 |
第4世代
ベイビィポケモン | 進化形 | タマゴでの入手方法 | 進化方法 |
---|---|---|---|
スボミー | ロゼリア | 親のどちらかに「おはなのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | なつき進化(4:00~19:59) |
リーシャン | チリーン | 親のどちらかに「きよめのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | なつき進化(20:00~3:59) |
ウソハチ | ウソッキー | 親のどちらかに「がんせきおこう」を持たせてタマゴを産ませる | 「ものまね」を覚えた状態でレベルアップ |
マネネ | バリヤード | 親のどちらかに「あやしいおこう」を持たせてタマゴを産ませる | 「ものまね」を覚えた状態でレベルアップ |
ピンプク | ラッキー | 親のどちらかに「こううんのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | 「まんまるいし」を持たせた状態でレベルアップ(4:00~19:59) |
リオル | ルカリオ | - | なつき進化(4:00~19:59) |
ゴンベ | カビゴン | 親のどちらかに「まんぷくおこう」を持たせてタマゴを産ませる | なつき進化 |
タマンタ | マンタイン | 親のどちらかに「さざなみのおこう」を持たせてタマゴを産ませる | 手持ちにテッポウオを入れた状態でレベルアップ |