「家族が欲しい…友達が欲しい…なんの変哲もない普通の暮らしが欲しい……。でも…それより何より…消えたくない…!ただ生きていたい…!」
「世界なんて知らない。わたしが背負えるのなんてせいぜい二人…弱虫の妹と──とらわれのお姫様よ !! 」
「頑張りなさい! お姉ちゃんが見守ってるからね!」
プロフィール
※本来の誕生日はさらに8ヶ月前の11月20日で、本編のイリヤと同じ。なので、本来はイリヤたちより一学年上。
概要
『プリズマ☆イリヤ』第二部『ツヴァイ!』で初登場。クラスカードによって乱れた地脈を調整する際の事故で、イリヤから分離する形で現界した。
見た目はイリヤと瓜二つだが、アーチャーのクラスカードを触媒にしているためか、肌は褐色で髪の色はピンク色が混じった白髪になっている。
戦闘時の服装は、赤い外套や黒いプロテクター等アーチャーの面影はあるものの、全体的に露出度が高い。作者のひろやまひろし氏曰く、『割れたハート(=トランプのスートで『聖杯』を意味する記号)』をイメージしているとの事。
本人曰く自分も「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」らしいが、紛らわしいので遠坂凛が「肌が黒いからクロ」と名付け、そこから自分でもじって「クロエ・フォン・アインツベルン」と名乗っている。普段は「クロエ(Chloe)」ではなく「クロ」と呼ばれることが多い。
初めはイリヤとの成り代わりを目論み、命を狙っていたが、紆余曲折あって和解し家族として共に過ごしている。
性格
『Fate/staynight』でのイリヤに近い、狡猾でアグレッシブな小悪魔的性格の持ち主。猫が苦手だったり、危機的状況の際には冷徹な判断を下したりと、SNイリヤの要素を多く受け継いでいる。
ただ、現界の為に必要な魔力を主にキスで集めているのもあって、言動の端々がエロイ。
しかも、アニメ版だとさらにパワーアップしている。
イリヤの事は皮肉で「お姉ちゃん」と呼んだ事もあったが「実際には生まれた(=意識として存在していた)のは自分の方が先だった」として「自分の方が姉だ」と主張している。
イリヤの方は前述の皮肉の事もあり認めてはいないが、イリヤが厳しい決断が下せなかった時には発破をかけて決断を促し、時に自らその決断を踏んでイリヤを後押しするなど、実際に「姉」らしい行動を何度も行っている。
正体
元々は両親が封印していたイリヤの小聖杯としての機能と人格で、長い年月と地脈およびカレイドステッキの魔力など、様々な影響によって顕現した存在。
本来はイリヤの危機において一時的に人格が交代して彼女の安全を保持するための安全装置。
簡単に言うと、『stay night』のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンになるはずだったものを衛宮夫婦が人工的に改造したもの。
つまり、第1期のセイバー戦や『ツヴァイ!』冒頭においてイリヤ(アーチャー)を動かしていたのは彼女であり、アニメ版ではこの間だけ瞳の色が彼女と同じ金色に変化している。
イリヤが『聖杯の器』なのに対して、彼女は『聖杯の中身』そのものなので願望機としての力を持っていたが、彼女の『生きたい』という願いを叶えたため消失。かわりに魔力切れで消滅寸前だった彼女は生き延びることに成功し、争っていたイリヤとも和解した。
能力
生まれる前から調整され続け、生後数ヵ月で言葉を理解し、あらゆる知識を与えられている。そのためわずか10歳で優れた洞察力を持ち、英霊の「現象」でしかない「クラスカード」との戦闘経験しかないイリヤたち4人を、途中までひとりで手玉に取ってみせた。
魔術の知識だけなら「聖杯戦争」についても知っているので、魔術師である凛やルヴィアよりも上。
『エミヤの解析(眼)』による術式や霊装の解析にも長けているので、魔術的施錠や拘束がほぼ通じず、抑止力のために凛が施した「痛覚共有の呪い」もその気になればいつでも解けた。
戦闘ではエミヤの能力である投影魔術を行使し、『干将・莫耶』による剣術や宝具を矢として用いた弓術を使用する。矢に用いるのは主に『偽・偽・螺旋剣(カラドボルグⅢ)』で、オリジナルの劣化品だが、真名を解放すれば空間を切り裂きあらゆるものを貫通するほどの威力があるため、必殺技として多用されている。
盾代わりに『熾天覆う七つの円環』を用いるが、展開する花弁はオリジナルが7枚なのに対して、彼女は4枚までが限界となっている。
星の聖剣も投影可能だが、「偽物(出来損ない)」の「偽物(ハリボテ)」しか造れないため、真名の解放はできない。
小聖杯の力を利用した小規模な転移魔術も行使でき、小聖杯の力を失って以降も白兵戦で多用している。
なお、彼女は依り代となった英霊の真名を知らない。ただその英霊が培った戦闘技術のみを継承しているため、秘奥である固有結界は使用した事が無い。
イリヤの魔力と記憶の一部が『クラスカード(アーチャー)』を媒体に現界している(=マスターのいないサーヴァントのような)状態なので、魔術を使わなくても生活しているだけで魔力を消費する。そのため小まめな魔力供給が必要となっており、専ら他人の10倍も効率が良いイリヤが被害者(笑)となっている(イリヤの次に効率が良いのが美遊らしい)。
関連人物
もうひとりの自分であり弱虫な妹(暫定)。
「姉取り合戦」には正式な決着がついていないが、今のところ荒っぽいながらも面倒見が良く、精神的余裕も決断力もあるクロの方が圧勝している(FGOでは幕間の物語で家族想いのイリヤを認めて一度だけ「お姉ちゃん」と呼んだこともあった)。
※詳細→イリヤ姉妹
最初はイリヤを巡って敵対関係にあった……といっても美遊が一方的に敵視・警戒していただけで、『もう一人のイリヤ』であるクロはイリヤの親友である美遊のことを初めから悪く思っていなかった。性格が正反対なのでたまに意見がぶつかるときもあるが(板挟みで被害をくらうのは主にイリヤ)、今では大事な友達のひとり。
両親。小聖杯としての記憶があるため、両親が何と戦い何を選んだのか理解している。
イリヤから分離してすぐは、封印されて当たり前の生活もさせてもらえなかったことに怒りを抱いていたが、その後家族として迎え入れられて共に暮らすようになり解消した。
クロはアイリのことは「ママ」、切嗣のことは「パパ」と呼んでいる。
お兄ちゃん。大好きなので隙あらば寝床に忍び込むなど、猛アタックを仕掛けている。
※詳細→衛宮兄妹
並行世界で「英雄王・ギルガメッシュ」のクラスカードを使役するアンジェリカ・エインズワースとの戦いに、同じ力を持つもの同士として共闘する。
その後の昔語りで英霊の正体がエミヤであることを教えられ、更に起源弾を託された。
「クラスカード」の製作者にして聖杯戦争のルールマスター。クロの外郭となっている「アーチャーのクラスカード」も、元は彼が作った屑カード。クラスカードを作ることも消すことも自在にできるので、クロにとっては天敵とも言える存在。
外部作品での活躍
超時空! トラぶる花札大作戦
ストーリーでは、1期アニメ放送前だったせいか彼女1人だけ白黒&機械音になっていて、この状態の解消を聖杯温泉に願うべく行動する。
Fate/GrandOrder
『プリズマ☆イリヤ』とのコラボイベント「魔法少女紀行_〜プリズマ・コーズ〜」にて、クリア報酬の配布サーヴァントとして登場。
クラスはアーチャー、レアリティは☆4。霊基再臨用の素材は、お兄ちゃんから誕生日プレゼントに渡された「ハートのブレスレット」。
本来はイリヤたちの後をこっそりつけていたのだが、その過程でイリヤたちの並行宇宙移動に巻き込まれ、しかもイリヤたちより前の時間軸に飛ばされてしまう。
その頃はコーズの世界も戦争の真っ最中であり、魔力供給源を失ったクロはひっそりと隠れるしか無かった。そこでコーズのラスボスである「ファースト・レディ」と偶然接触。肉体を提供するかわりに魔力を提供してもらうという契約を一時的に結ぶ。その結果、本イベントのラスボスは彼女の姿を取ることになった。
イベントクリア後はカルデアマスターの事を気に入り、帰還時の余剰魔力でこっそりと分身体を作り出してカルデアに送り込むことに成功。元々サーヴァント寄りのクロエならではのやり方ではあったが、これにてカルデアライフを満喫することになった。
ちなみにカルデアでは十分な魔力供給がされているはずだが、「キス」による魔力回収も遊びやおやつ感覚でしている様子。特に好みは可愛いキャスターらしい(でも結局、最後にはイリヤのところに戻る)。
クロいわく「ごはんはおやつ!!(完全論破)」らしい。
幕間の物語ではこの魔力回収に主人公とマシュがつきあわされ、カルデア内で『通りキス魔出没注意』という騒ぎになってしまう。マシュは最後までクロの蛮行を阻止しようとするが結局止められず諦め、逆にクロは普段から主人公に魔力供給してもらっているかのようなことを匂わせ、マシュをからかっていた(もちろん事実無根)。
イリヤの幕間の物語では、イリヤの宝具の火力アップのために女神七柱を連れ『イリヤを強化し(ボコり)隊』を結成、特訓を終えてダルさで寝てしまったイリヤを部屋に連れて帰るまで世話をするなど、「お姉ちゃん」らしさを見せつけた。
一部サーヴァント達のオタク趣味には理解を示し、ダメな大人たちを側で見ているのは楽しいと言っている。
また、登場済みの衛宮一家のサーヴァントには全て特殊会話が用意されている。
ステータス
筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|
D | C | B | C | C | C |
保有スキル
対魔力(C) | 魔術への耐性。第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 |
---|---|
単独行動(B) | マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。Bランクならマスターを失っても2日間は現界可能。魔力を生成出来ずともある程度行動可能であるのは、このスキルの恩恵だろう。 |
心眼(偽)(B) | 所謂「第六感」「虫の知らせ」と呼ばれる、天性の才能による危険予知。彼女の場合、クラスカードの英霊が持っていたスキル「心眼(真)」を間借りする事でこのスキルを得ているが、由来を知らないため変化している。 |
投影魔術(B) | グラデーション・エア。道具をイメージで数分だけ複製する魔術。ただし、元となった英霊が使っていたのは、一般的なそれとは少し性質が異なる。この「何度も贋作を用意できる」特性も引き継いでおり、投影した宝具を破壊・爆発させる事で瞬発的な威力向上を行うことも可能。 |
キス魔(B→B++) | 図らずもマスター不在で現界してしまったサーヴァントのような存在であるクロは、常に魔力を欲している。そこで契約を伴わない手っ取り早い手段として、粘膜接触による魔力供給を採用。隙あらばキスシーンをねじ込み、お茶の間を凍りつかせる褐色の小悪魔となった。「でも、あくまで医療行為なんだから勘違いしないでよねっ」とは本人の弁。なるほど。 |
宝具
鶴翼三連(かくよくさんれん)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:2~10
- 最大捕捉:1人
──山を抜き、水を割り、なお墜ちることなきその両翼…。鶴翼三連 !! ──
とある英霊が振るった絶技。
互いに引き合う性質を持つ夫婦剣を三対投影し、投擲と斬撃を重ね当てる必中不可避のコンビネーション。
更にクロは敵の背後への転移をも組み合わせるため、心眼をもってしても見切ることは困難だろう。
これを打ち破るには全方位への防護か、損傷を無視した術者本体への特攻しかない。
詳細は該当記事を参照。
キャラクター性能
実装時点で☆4アーチャーとして最高レベルの攻撃力ATK:9,845を誇る攻撃型。
その反動でHPは低く、礼装なしで11,000を超すにはフォウくんや聖杯転臨が必須になる。
カードバランスは《Quick:2/Arts:2/Buster:1》とアーチャーの定型。
しかしArtsが6Hitするという、最多クラスの多段Arts攻撃を有し、反対にQuick・Extra AttackのNP獲得量が並以下という、クセの強いカード性能をしている。
そのため「QAA→EX」でBraveチェインを狙ったほうが、Qカード二枚よりもスター生産が捗る(+αでNPも多めに獲得できる)。
ちなみにExでちゃんと弓を使って攻撃する。
スキルは、1ターン回避状態+3ターンCT威力UPを付与する「心眼(偽)(B)」、1ターンQuick・Arts・Buster三種のカード全ての性能をUPさせる「投影魔術(B)」、NP獲得+3ターンスター発生UPを付与する「キス魔(B)」と、当然ながら元となった英霊に似た自己強化特化の構成。
通常攻撃の性能やカードバランスの違いも然ることながら、あちらは彼女の実装後に「義兄の意地を見せる」と言わんばかりの超強化が施されたため、運用論はおおきく異なる。
こちらは「キス魔」でのNPチャージによる瞬発力が売りであり、配布サーヴァントなのもあって育成の手間が少ないのも利点となる。
宝具は「鶴翼三連」。Arts属性なので、Arts&Braveチェインが組めれば、クリティカル次第では即座にNPを100%以上貯めて宝具連打も狙える。
弱点は☆4サーヴァントでも下位となる最大HP。
一応、「心眼(偽)」があるので危機回避能力は持っているものの、長時間の戦闘にはあまり向いていない。イベントや高難易度クエストでは、外付けバフで対策されるケースも少なくないため、あくまで場に居座るための御守りくらいの認識でいいだろう。
その分、宝具が単体でも短時間チャージ可能なので、弱点が付けるセイバー・バーサーカークラスのボス戦では頼りになる。
これらの要素からライダー金時と並んで配布☆4.5サーヴァントの一角に数えられ、☆5アーチャーの少ないor☆5単体攻撃宝具のアーチャーがいないマスターからは貴重な火力源として重宝される。
中盤でステータスが伸び悩むタイプなので、ある程度一気に育て上げないと推奨レベル帯によっては基礎スペックの不足で思わぬ苦戦を強いられてしまう。
また、スキルを1つMAXにするには蛮神の心臓が8個必要になる点にも注意が必要である。
余談であるが、8月25日で追加された幕間の物語で『キス魔』の強化が行われた。
追加された効果は【味方全体のイリヤの強化成功率アップ】というものである。
…名前を出している時点でもう何も言うまい。
ちなみに、別世界のイリヤを依り代とした疑似サーヴァント・シトナイも効果対象に含まれる。
対象キャラが現状3名しかいなが、両者とも確率強化のスキルを持つため、そういった意味では効果が腐ることはない。一方で成功率アップの効果自体はそれほど高くはないのでオマケ程度に割り切っても構わない。
関連イラスト
関連タグ
キャスター(Fate/EXTRA)、ブーディカ(Fate)、シュヴァリエ・デオン(Fate)、玲瓏館美沙夜