宇宙人15+怪獣35
うちゅうじんじゅうごぷらすかいじゅうさんじゅうご
概要
『ウルトラセブン』の終盤、円谷プロの経営が悪化し、赤字が累積したため低予算制作のエピソードが多くなる中、脚本家の上原正三と監督の実相寺昭雄はこのちまちまとした制作体勢に不満を覚え、これまで登場した怪獣や宇宙人を総動員させて暗い雰囲気を破壊しようとダメもとで執筆した脚本がこのエピソードである。ちなみに大勢の怪獣や宇宙人がウルトラ戦士が戦うという内容は、『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説THE MOVIE』でベリアル軍団として実現した。
当然のごとく却下され、予定されていた第43話は「第四惑星の悪夢」となった。
こうしてこのエピソードは闇に葬られる事となったが、2007年に発売された雑誌「フィギュア王No118」実相寺昭雄一周忌特別企画「誰も知らないウルトラセブン」にてオリジナル怪獣のゴードの立体化と共に漫画家の一峰大二が「ゴードの巻」というタイトルで一部ストーリーが異なるが、コミカライズした。
またこのエピソードが『巨獣特捜ジャスピオン』最終回の元ネタになったことが上原氏のインタビューで語られた。
物語中では、ソガ隊員が占星術について繰り返し言及し、さらにノストラダムス(脚本の表記ではノストラデーマス)が今回の事態を予言していたという台詞もある。日本においてノストラダムスの知名度が飛躍的に高まるのは1973年の五島勉氏の著書が出版されてからである。もしこの作品が放映されていれば、ノストラダムスの予言はより早く人口に膾炙していたかも知れない。
あらすじ
ある月の夜。かつてウルトラマンに倒されたはずのバルタン星人が地球に侵入した。
モロボシ・ダンはウルトラセブンに変身。バルタン星人を追跡するが、地球に接近する大量の怪獣、宇宙人を目撃し戦闘に突入。何体かを倒すことはできたが、力尽きてしまう。
その隙に怪獣や宇宙人たちはどんどん地球に侵入。あちらこちらで破壊活動を行う。
これは過去に地球侵略に失敗した15人の宇宙人が、倒された怪獣たち35体を復活させて結成した「宇宙連合軍」だった。
この情報をピグモンから受け取ったウルトラ警備隊は、連合軍の地球侵略を阻止しようとするも、怪獣たちの前には歯が立たず壊滅。
ダンは傷ついた体にムチうちセブンに変身。カプセル怪獣を総動員させて怪獣たちを迎え撃つ。