具体的には?
どれくらい古いゲームを「レトロ」とするかは、各個人の主観によるところが大きいため、客観的に決めるのは難しい。
この項目では主に家庭用ゲーム機に絞って紹介する。
据え置き型
任天堂系:FC→SFC→(VB)→N64→GC→Wii→WiiU→NSW
セガ系:SG1000→SM3→MD→SS→DC
NEC系:PCE→PCSG→PCFX
ソニー系:PS→PS2→PS3→PS4
MS系:初代→360→One
その他:NG→NGCD(SNK)など
SSやPSが出た時点でFCやSFCがレトロに分類されていた事を基準にして考えると、ほぼ二世代前(ただしSFCはPSやSSとかなりの時期が重なっている)のゲーム機がレトロゲームに分類されている。
この基準ではGC、PS2、DC、XBOX以前のものがレトロゲームに含まれる。
基本的にはソフト交換型ゲームコンソールであるが、それ以前のテニスゲーム、ブロック崩しといった専用ハードの時代も含めてレトロゲームとする事もある。
MSXはホビーパソコンとゲーム機の両方の性質がある為、据え置き型に含めるかレトロPCと区別するかで議論になる事もある。
携帯型
任天堂系:(G&W)→GB→(GBC)→GBA→NDS→3DS
ソニー系:PSP→PSV
その他:GG(セガ)、PCEGT(NEC)、WS→WSC(バンダイ)など
携帯ゲーム機は主力の任天堂に対抗できるハードが近年まで出現しなかったため、据え置き型と比較してバリエーションに乏しいが、セガのゲームギア、SNKのネオジオポケット、バンダイのワンダースワンなどが該当する。ゲーム&ウォッチはカートリッジ交換ができない電子ゲーム機であり、本来はたまごっちやポケットピカチュウなとど同じジャンルで語るべきおもちゃなのだが、任天堂のハード参入の契機となったことから特別に携帯ゲーム機扱いされることがある。
定義
かつての定義
2000年代頃の定義としては、概ねスーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン以前のドット絵黄金時代のゲームをレトロゲームとする定義。「次世代機」と呼ばれるプレイステーションなどの世代はCD-ROMの大容量を活かしたムービーゲームとポリゴンによる3Dゲームが台頭し、質的な変化が大きかったためである。
ハイビジョン普及後の据え置き機において
しかし、2010年代後半にはゲームキューブやPS2も十分にレトロゲー扱いされている。
PS2発売から3年後、地上デジタル放送が日本国内で開始された。すなわちこれはハイビジョン時代の到来を意味し、国内メーカーの据え置きゲーム機に絞ってもPS3以降のゲーム機はWiiを除きハイビジョンでの制作がなされている。2022年現在では「地デジ開始前に発売された」という定義で解釈される場合がある、と考えられる。
解像度を基準とした解釈の場合、PS2世代に加え、上述の通りハイビジョンではなかったWiiもレトロゲームと扱うこともできる。
いずれ4Kや8Kのテレビが当たり前となった日にはPS3やWiiU等HD対応の機種もレトロゲームとして扱われるだろう。
携帯機において
2010年代になると、携帯機でもGBAがレトロゲーム扱いされるようになった。2008年発売のDSiではニンテンドーDSファミリーとして初めてGBA非対応の機種となり、3DSでは初期購入者を対象とした値下げ後の救済措置、「アンバサダープログラム」限定ではあるがバーチャルコンソールにGBAソフトが収録された。この時点で後述のレトロ化の定義に当てはまるであろう。
任天堂の携帯機では新世代機登場後も1~2年程度並行して旧世代機用ソフトを発売、新世代機にも旧世代機用ソフト対応の機能を搭載する流れが3DSまで続いた。この旧世代機向けソフトの発売が終了したタイミングでレトロゲームになったとみることもできる。例えば、2004年発売のGBAソフト、「ポケモンファイアレッド・リーフグリーン」は一世代前のゲームボーイ(※1)用ソフトをリメイクした作品であったが、ゲームボーイ用ソフトは2003年の「ドラえもんのスタディボーイ」を最後に発売されていないため、レトロゲームのリメイクというふうにとらえられる。だがこれは結果論であり、ポケモンホウエン編が第2世代以前のソフトとゲームプログラムの互換性より通信が不可能であったために、このようなリメイク作を発売したというのが開発理由である。
2018年末に3DSで発売された「マリオ&ルイージRPG3!!!DX」も同じく一世代前のDS用ソフトとして発売されたソフトをリメイクしたものであった。こちらも2012年の特命戦隊ゴーバスターズを最後にDS用ソフトが発売されておらず、さらに6年経過したこともあり、DSがレトロ扱いされて納得のいくタイミングでの発売である。
なお、マリオルイージRPG3DXの発売翌年の2019年をもって3DS用ソフトの新作が発売されなくなった。
※1:白黒のみ対応のゲームボーイとゲームボーイカラーは画面表現以外での目立った性能差はないため、同世代扱いとした。
オンライン対応かどうか
ネット接続を前提としていない世代のマシンを、一括してレトロゲームと言う見方もある。バーチャルコンソールやゲームアーカイブスの配信対象になっている世代のソフトは、確実にレトロ化したと見ていい。
いずれにしても現行のゲームも時代が進むとレトロゲームとなる運命である。
なお、テレビ番組『ゲームセンターCX』では、「『発売から20年を経過したハード』用のゲームソフト」をレトロゲームと定義し、攻略対象としている。
レトロゲームソフト復刻にまつわる問題
レトロゲームソフトの復刻に際しては「倒産や解散等で現在はどこが作品の知的財産権を持っているか」「企画書や仕様書やソースコードの存在の有無」が実はネックになる事がある。
一番厄介なのが権利関係。例えばA社から出た「○○」というゲームは「キャラクターの権利もしくはゲーム自体の権利が散逸していた」、「開発者と会社の間で権利関係の譲渡や締結が不明」といった事がままあるからである。
レトロハードの経年劣化の宿命
当然ながら、時が経つにつれて経年劣化の故障は発生する。技術があるならば修理による延命は可能なのだが、問題はディスクドライブといった駆動系。これらの厄介なのは補修部品が既に無い・代替品が余程の事で再生産が無い限り非常に修理は困難となる。CD-ROMドライブやDVDドライブとなるとゲーム機の場合は汎用品では無い為(プロテクト関係等がある為)、ピックアップレンズが故障するとかなり難易度が上がる。また、駆動用のギアの割れとかもあったりしてそれが小型であればあるほど代替品探しも難しくなる。ニコイチまたはサンコイチといった無事な箇所同士を組み合わせ修理もあるが、その分無事な個体は減っていく事となる。
オンラインゲームの問題
特に携帯電話のゲーム(ソーシャルゲーム、スマホゲーム)の大半はサーバに接続しなければ遊べないため、アーカイブス化が困難である。PCや家庭用ゲーム機のネットゲームはオフラインでも遊べるものもあるが、大半はサービスが終了すればプレイできなくなる運命である。
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