基礎データ
全国図鑑 | No.576 |
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イッシュ図鑑第1版 | No.082 |
イッシュ図鑑第2版 | No.138 |
英語名 | Gothitelle |
ぶんるい | てんたいポケモン |
タイプ | エスパー |
たかさ | 1.5m |
おもさ | 44.0kg |
とくせい | おみとおし / かちき(第6世代~) / かげふみ(隠れ特性) |
進化
ゴチム → ゴチミル (Lv.32) → ゴチルゼル(Lv.41)
イッシュの進化系統の中では公開が最も早く、イッシュポケモン全体でも最速の部類に入っている。
当初はPV中に映るのみで名前も明かされず、「ゴスロリタワー(仮)」なんて呼ばれ方をしていた事も。
アニメでもいきなりゴチルゼルからの登場となった。
概要
ゴチミルの進化形。初登場は同じく第5世代。
見るからにゴスロリをモチーフにしているポケモンで、名前の由来は恐らく「ゴシック(Gothic・「ゴチック」とも)+マドモアゼル(Madmoiselle・お嬢さん)」と思われる。
ゴチミルの頃のミニスカートを着たような風貌は、全身が長いティアードスカートになったかのような黒い円錐台が積み重なった独特なスタイルに変わり、名前の通りお嬢様のような雰囲気になっている。
進化前から持つ白いリボン状の器官はゴチミルの頃の6つから5つに減ったが、こちらは代わりに手首に裾のような部分が付いている。
髪のような部分はゴスロリのイメージに基づいてか、ツインドリルをデフォルメしたような、各段が直接頭から放射状に広がる構造になっている。
頭頂部のリボンと合わせてカニのようだと言われることも。
進化に伴い分類名が「てんたいポケモン」に変わり、図鑑の説明には星やサイコパワーにまつわる記述が増えた。
『ブラック』ではサイコパワーで周囲の空間が歪み遠くの星空が映るというもの、『ホワイト』では占星術で未来予知を行い、トレーナーの寿命も見えるというゴチム時代を彷彿とさせるものとなっている。
また、『BW2』では「トレーナーの寿命を知ると叫び悲しむ」という一面も加えられた。
ちなみに技としての「みらいよち」もしっかり覚えられる。
さらに『ソード』では膨大なサイコパワーを手にしながらも戦いは好まない気質が、『シールド』では人々の寿命を占う能力について「ゴチルゼルに自分の最期を見せられた悪人はその日を最後に行方を絶った。」という恐ろしい側面が解説されている。
鳴き声は、流れ星の効果音のようなシャンシャン音が混ざる特徴的なもの。
ゲーム中の特徴
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|
70 | 55 | 95 | 95 | 110 | 65 |
見た目では専らサーナイトと対比されているゴチルゼルであるが、本来対になるポケモンはランクルスである。当初はゴチルゼルが『ブラック』、ランクルスが『ホワイト』にしか出現しなかった。
ランクルスもまた単エスパータイプであったため、対戦ではよく3種まとめて比較された。
タマゴグループは見た目通りの「人型」で、♂♀比率も1:3と♀の方が多くなっている。
ステータス的にはサーナイトの「すばやさ」や「とくこう」を削って「ぼうぎょ」に回したような配分となっており、この手のポケモンとしては珍しく物理耐久が高い。
とは言え、ゴチミル時代からの伸びがあまり良くなく、基本的に使わない「こうげき」を低く抑えている事を差し引いても合計値でサーナイトを下回っており、進化が遅い事のメリットが無くなってしまっている。
一方のランクルスは「HP」がかなり高く、結果的にゴチルゼルと変わらない耐久性を発揮できた事から、この特徴はさほど注目されなかった。
特性は設定にぴったりな「おみとおし」であるものの、対戦で使える場面はそう多くなく、特に攻防共に優秀な効果を発揮するランクルスには大きな差を付けられてしまった。
「すばやさ」も非常に中途半端な値で止まってしまっており、猛威を振るうキノガッサより遅くなった事がエスパータイプとして非常に痛く、開き直って「トリックルーム」を展開するには下から数えた方が圧倒的に早いランクルスに後れを取ると、こちらも有用な使い道は見出されなかった。
習得技も能力と噛み合わない「ローキック」や「がんせきふうじ」がある程度で差別化には繋がらず、むしろあくタイプやはがねタイプへの対抗手段となる「きあいだま」を覚えられない事が他2種と比べて不安視された。
しかし、『BW2』に入って「かげふみ」のゴチミルが実装された事で状況は一変する。
「初の能動的に動ける『かげふみ』持ち」という唯一無二の個性を獲得した事で対戦での需要が急増し、一気に研究が進んだ。シングルバトルでは「なまけ」アイアントとの、トリプルバトルでは「ほろびのうた」使用者とのコンボも開拓され、それぞれ対策必須の凶悪なハメ性能を発揮した。
また、技教えによって「じゅうりょく」や「トリック」等のサポート技を多く追加してもおり、既存の「おみとおし」型も偵察兼場作り要員として一定の地位を確立していった。
ただし、「かげふみ」型は♂しか解禁されなかったことから個体数が限られ、遺伝技を持つ事もできなかったため、この時点ではまだ能力を十分に発揮できていなかった。
絵面としても地味で陰湿な部類の戦術であったためか、実装の経緯が同じ「かそく」バシャーモ等に比べると環境への影響は軽微なものに留まっている。
第6世代に入ると、特性周りの設定見直しによって「かげふみ」が一般化し、技の遺伝も可能になった。
ところが、この世代ではあくタイプやゴーストタイプが大躍進しており、特にゴチルゼルはよりアグレッシブに動く「かげふみ」持ちとしてメガゲンガーが登場した事により大きな痛手を受けてしまう。
ライバルだったサーナイトはフェアリータイプとメガシンカを得て逆風に立ち向かえる数少ないエスパーに成長しており、そうした強化から外れたゴチルゼルの存在感は再び薄れていった。
新たな特性としてアタッカー向けの「かちき」も追加されたが、このような環境では活かせる機会に恵まれず、考察は進まなかった。
確実に強化は進んでいるはずなのだが、それが元からのゴチルゼルファン以外には中々伝わっていかない今日この頃である。
第7世代ではトリプルバトルが対戦ルールに設定されず、活躍の場そのものが狭まってしまった。一応USUM期の全国ダブルでは、「かげふみ」でみずポケモンをキャッチしてお供のカプ・コケコで叩くコンビがある程度流行していた。
8世代では「ねこだまし」を獲得したこともあって、ポケモンホーム解禁前のダブルでバンギラスをアタッカーに据えたコンビで使われることがあった。禁止級伝説解禁シングルでは、相手がカイオーガ対策にラッキーをぶつける場合、それをキャッチして時間切れの時点でHP優位を保った状態になるように「ねむる」「めいそう」などで調整し、TODで勝つという使い方がされる。
余談だが、ゴチルゼル系統は第6世代まで遺伝でのみ「あくのはどう」を習得し、技教えや技マシンには対応していなかったが、第7世代になって漸く技マシンにも対応した。
外伝の『ポケモン+ノブナガの野望』では、ゴチミルからの継続でガラシャのベストパートナーに指定されている。ただし、技が「みらいよち」固定で、これが本編にも増して癖が強い(この技で倒してもブショーが勧誘できない!)ことから、ある意味こいつ以上に外れと言われる。
主な使用トレーナー
ラン:ジムリーダー(ホウエン) PWT(本気モード)