映画を見てから読むと、面白さ10倍だぜっ。(巻頭の作者コメント)
概要
『コミックボンボン』掲載のコミカライズ『機動戦士ガンダムF91』のこと。作者は井上大助。はじけて!ザックや学習まんが・人間のからだシリーズの人であり決して哀戦士を作曲した井上大輔ではない。
全5話で、単行本はボンボンコミックスの他コンビニ本で出ているほか、大都社から出た『機動戦士ガンダム0080』(著:池原しげと)に併録された。
ボンボン漫画版の例に漏れずだいぶ映画と内容が違うが、30年後の電子レンジに入れられたダイナマイトとは異なり、ちゃんと映画を見た上で意図的に変更されているので、話の大まかなあらすじはあまり映画と差はない。
ただし映画を全5話に収める都合上、ビルギットやアンナマリー、マイッツァー、レズリーパパなどは丸ごとカットされ、宇宙貴族主義に関しても全く掘り下げていない。また、作者がMSをあまり描き慣れていなかったのか、MSの小型化に関しても殆ど触れられておらず、旧世代の大型ジェガンタイプとF91他新世代MSがほぼ同じ大きさで描かれている。
あらすじ
宇宙世紀0123、西暦でいう所の2168年(※現在、宇宙世紀元年は公式においては不明とされている)。
平和を享受していたスペースコロニー「フロンティアⅣ」に、突如として謎の軍団クロスボーン・バンガードが電光石火の勢いで襲撃を掛けてきた。ガールフレンドのセシリーをミスコンに出して賭け金をガッポガッポしていた(※)少年・シーブックは、現れたクロスボーン軍から逃げ惑う内に、多くの友人を失い、更にはコロニーを守る側の地球連邦軍の腐敗を目の当たりにする。そんな中、セシリーはクロスボーン軍に攫われてしまい、シーブックは激高する。
…のだがうまい飯を食ってすぐ落ち着きを取り戻したシーブックは、乗り込んだ戦艦スペース・アーク内にあるMSがあることを知らされる。その機体は、シーブックの夢の中に無断で登場していた(とシーブック本人が言っている)、かつて自由と平和の護り手とされた伝説のMSに酷似した「ガンダムF91」であった。
※一応映画及び小説版でも(ここまで露骨に大喜びはしていないが)やっております。
主な登場人物
地球連邦軍
「どっしぇ~っ! アーサーが死んじまってるよ!」
我等が主人公にして本作が伝説扱いされる原因の9割を作っている人物。
見本の名を持つ原作の優等生ぶりはどこへやら、70年代初頭のロボットアニメから異世界転移してきたかというほどの熱血漢で、お調子者かつ短気で能天気。なんというかF91というかドラグナーに乗ってそうな男。
後にパン屋になることで有名だが、本作時点では沢庵の漬かり具合にシビれたり、おにぎりの具に舌鼓を打ったりと米食派のようである。
原作より早い段階でセシリーにゾッコンであり、彼女が攫われた際には錯乱して大暴れし、飯を食った後もセシリーの名が出た途端に泣きはらし、再会した時には心底大喜びしていた。感情を制御できん人間そのもの。
とはいえ家族思いで正義感が強い事に関しては原作と変わらない。
「F91のフェイスカバーが開いた!?」
ご存知ヒロイン。クズ親父(なお血がつながってない方のクズ親父は出番がほぼ無い)のせいで攫われたり味方になったり忙しい人。
原作同様に超が付くほどの美人。その美しさは上記のシーブックが「まぁセシリーちゃんたら、ポ」と鼻の下を伸ばすほど。
「フンガじゃないでしょお兄ちゃん」
シーブックの大事な妹。彼女に語り掛けるシーンで「お母ちゃん」と言っていたので、本作のシーブックの母親への呼称は全てのシーンで「お母ちゃん」に統一されている。
「なんてこったシーブック…おめぇは本当にニュータイプじゃねぇかよ…!」
ある意味このマンガで一番得をした人。
本作ではホワイトアークの艦長であり、原作ほどイヤな所はなくシーブックと漫才を繰り広げるおもろいオッサン。
クロスボーン・バンガード
「バグを使え! コロニー4千万市民を皆殺しだ!!」
ご存知鉄仮面。児童誌設定なのもあってか嫁さんに逃げられた設定は無く、それ故に単にシラフで虐殺を好き好んで行うとんでもないド外道にされている。特にバグがコロニーを襲うシーンはガンダムシリーズの漫画版でも屈指のスプラッタ描写であり、読む際には注意が必要。映画版以上の狂気を見せ、娘からは物の怪とまで呼ばれた。
「ベラ・ロナ様! そやつをぶっ飛ばしてください!!」
感情を制御できない人間。
ちなみに本作とか『機動戦士クロスボーン・ガンダム』とかの影響で勘違いしがちだが、実は映画本編ではF91と直接交戦していない。
シーブック大先生の素晴らしき迷言集
「超スーパーすげぇどすばい…」…『機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト』でオウムのハロにネタにされている。
「ワハハききてーか よーしよーく覚えてろよ ガンダムフォーミュラー91どァーッ!!」
「バ…バカスピード違反だっちゅーの…」
「けんどもこんどはドテッ腹ねーーッ!!」
「静かにしろってのトゲゾーくんってば これから射撃大会の始まりなんだから」
「うぬらめが八つ裂きだーーっ!!」
「そったらーてめー念仏唱えろーッ!!」
「ぬかったーッ! 野郎ーーッ!」…なんかこれはキンケドゥ時代なら言いそうな気もする。
「だいじょーV!」
…上記の台詞全てが故・辻谷耕史氏のボイスで脳内再現できるようになれば君も立派なボンボン版F91ファンだ。
登場メカニック
2分でわかるボンボン版F91
余談
『スーパーロボット大戦』(HDリメイク版)ではこのマンガを反映してかF91が敵に対して「このド外道が!」と発言している。
関連イラスト
関連項目
ボンボン版Vガンダム:これより更にアレなコミカライズ
シルエットフォーミュラ91:本作の連載終了後、上記Vの作者が漫画版を掲載している。
機動戦士クロスボーン・ガンダム:多分後日談
ゲームオーバーだド外道ーッ!:本作を象徴する台詞