概要
2015年に生まれ、2018年に3歳を迎えた世代。2022年現在7歳。
3歳時の古馬GI勝利数、中央平地GI勝利数、世代総GI勝利数などを更新した。
なお、GⅠに昇格したホープフルステークスを最初に走った世代でもある。
2015年に大種牡馬ステイゴールドが最初の種付け直後に急死しており、その産駒は未勝利で繁殖に上がったため、この世代が事実上のラストクロップと言える世代もなる。
3歳時にマイルCSをステルヴィオが勝つと、ジャパンC、チャンピオンズC、有馬記念、東京大賞典と国内の古馬G1を5連勝、その後も勝ち星を重ね中央平地GⅠ32勝を達成し、史上最多勝利数を更新した。
新型コロナウイルスの影響を受けて海外遠征が中止なった年があるにもかかわらず14世代と並んで史上最多の海外G16勝を挙げている。
地方のG1及びJpn1も13勝しているため、合算するとGⅠ51勝の大台に達している。
JRA平地古馬重賞勝利数も108勝で断トツに多く、海外重賞も8勝で史上1位。合計すると116勝で、これは2位の世代より17勝も多い。
あまり知られていないが短距離のGⅠが充実した現代において2019年に古馬短距離GⅠ単年度全勝をした唯一の世代でもある。また同世代による短距離G17連勝は歴代最高記録。
3歳から活躍した割に世代全体としては息が長く、7歳に入ってからもジャンダルムがスプリンターズSで初のG1を制覇、その他にも中山金杯、東海S、川崎記念、京都記念、阪急杯、オーシャンS、レッドシーフTH、ドバイゴールドCなど多数の重賞を勝利している。
芝2400メートルの世界レコードタイムを大幅に更新し、シンボリルドルフが芝GIを7勝してから34年誰も更新する事が出来なかった、史上初の芝GI8勝を達成し通算9勝した三冠牝馬アーモンドアイが有名なためアーモンドアイ世代とも呼ばれる。
アーモンドアイ以外にも、栄光・凋落・復活・覚醒の末に大阪杯制覇やエリザベス女王杯連覇を成し遂げたGI4勝馬ラッキーライラック、芝砂兼用の短距離逃げ馬で高松宮記念を制したモズスーパーフレア、マイル~中距離で国内外問わず活躍したクロノジェネシスの姉ノームコア等の牝馬が活躍した。
牡馬は牡馬で芝路線では、香港スプリントを父ロードカナロアと初の父子制覇を果たしたダノンスマッシュ、ステイゴールドのラストクロップから出て春秋マイルGⅠ連覇を果たしたインディチャンプ、3000m級の長距離戦線で活躍したフィエールマン、メジロ血統の母系を持ち香港ヴァーズを2度勝ったグローリーヴェイズなどがいる。
しかしクラシックを制した皐月賞馬エポカドーロは古馬GⅠ初戦で鼻出血、その後は腸捻転を発症し開腹手術までして復帰を目指したがついに叶わず引退。
ダービー馬ワグネリアンは喉鳴りや胆石からくる多臓器不全に苦しみ、現役中に亡くなってしまった。
ダートでは3歳時にジャパンダートダービーに勝利し、同年の古馬GⅠを圧倒的な強さで連勝したルヴァンスレーヴ(怪我で早期離脱、全盛期には戻れず引退)、古馬になってからは史上初の東京大賞典4連覇を達成した大井の帝王オメガパフューム、ドバイワールドカップで2年連続馬券圏内に入り獲得賞金10億を突破した驚異の安定感を誇るチュウワウィザードの2頭が大いに目立っている。20-21年にはアルクトスもマイルCS南部杯の連覇を達成した。
また、16年ぶりのJRA女性ジョッキーである藤田菜七子騎手に、初の重賞タイトルとGI挑戦をプレゼントし、海外でも勝利を挙げたコパノキッキングもこの世代である。
この世代でGⅠを勝利したフィエールマン・グローリーヴェイズ・チュウワウィザードの3頭はノーザンファーム空港牧場C1厩舎で共に育成された。いわば僚馬である。特にフィエールマンとグローリーヴェイズと同世代の重賞馬ユーキャンスマイルは同じ鞍で調教をしたこともあったという。
上記の競走馬以外にも
牝馬クラシックで活躍したリリーノーブルやミッキーチャーム、主な勝鞍が2歳未勝利なのに獲得賞金2億越えの「最強の1勝馬」エタリオウ、後のGI馬4頭相手に完勝した伝説の朝日杯勝ち馬ダノンプレミアム、無敗三冠牝馬に勝って睨まれたギベオン、千直番長ライオンボス、ポタジェのライバルサンレイポケット、1つ上の名牝ディアドラと禁断の恋に落ちた巨漢馬ぶーちゃん(池添談)ことブラストワンピース、未出走馬ながらいきなりGII弥生賞に出走し、圧倒的遅さを見せつけ競馬ファンの心にその名を刻んだヘヴィータンクetc…などの面子がおり、たびたびレースを沸かせた。
ステイゴールドの事実上のラストクロップ世代なのは前述の通りだが、他のGⅠ馬が軒並み引退した2022年、中央を走る産駒も残り20数頭しかいないにもかかわらずここから妙に存在感を出し始め、Twitterに本馬のアカウントがあるアフリカンゴールド(アフリカンストーリーの半弟)や近親にG1馬を持つステイフーリッシュがそれぞれ初・3年9ヵ月ぶりに重賞を勝利している。
海外
成績面で目立っているのは2019-21年にかけて16連勝を果たし、香港マイル戦線を牽引している豪州産の香港馬ゴールデンシックスティだろう。
欧州ではディープインパクト産駒のフランス調教馬でリアルスティールやラヴズオンリーユーの親戚にあたるスタディオブマンや日本生まれのアイルランド調教馬サクソンウォリアーがおり、ともに種牡馬入りを果たしている。米国では無敗の3冠馬ジャスティファイが出て、古馬との対決を待たずに種牡馬入り。複数の持込馬がセレクトセールで億越えを出した。他には牝馬路線のモノモイガールや短距離路線のフィレンツェファイアなどが活躍。また米国の名牝ミッドナイトビズーは引退後の繁殖セールで8億円超という値段で取引されノーザンファームが輸入することとなった。
勝利したGⅠ
グランプリやマイルは上下の世代(リスグラシュー・グランアレグリア・クロノジェネシス)の台頭後は勝ち星が伸びていない。
GⅠを複数回勝利した競走馬が11頭いる。同一GⅠを二回以上勝ったリピーターが7頭(うち連覇を達成したのは5頭)いる。
2-3歳
全日本2歳優駿 | ルヴァンスレーヴ |
---|---|
朝日杯FS | ダノンプレミアム |
阪神JF | ラッキーライラック |
ホープフルS | タイムフライヤー |
皐月賞 | エポカドーロ |
日本ダービー | ワグネリアン |
菊花賞 | フィエールマン |
桜花賞 | アーモンドアイ |
オークス | アーモンドアイ |
秋華賞 | アーモンドアイ |
NHKマイルC | ケイアイノーテック |
ジャパンダートダービー | ルヴァンスレーヴ |
古馬
距離 | 馬 |
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芝短距離 |
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芝マイル |
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芝中距離 |
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芝長距離 |
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牝馬限定 |
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グランプリ |
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中央ダート |
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地方 |
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海外 |
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代表的な競走馬
(2023年4月現在)
日本馬
GⅠ馬
馬名 | 性別 | 主な勝利レース | 備考(太字は表彰) |
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アーモンドアイ | 牝 | '18桜花賞/'18優駿牝馬/'18秋華賞/'18・'20ジャパンC/'19・'20天皇賞(秋)/'20ヴィクトリアマイル/'19ドバイターフ | '18年度代表馬/'18最優秀3歳牝馬/'20年度代表馬/'20最優秀4歳以上牝馬 |
ラッキーライラック | 牝 | '17阪神JF/'19・'20エリザベス女王杯/'20大阪杯 | '17最優秀2歳牝馬/オルフェーヴル産駒初のGⅠ勝利 |
ブラストワンピース | 牡 | '18有馬記念 | |
フィエールマン | 牡 | '18菊花賞/'19・'20天皇賞(春) | 天皇賞(春)は2元号制覇 |
インディチャンプ | 牡 | '19安田記念/'19マイルCS | '19最優秀短距離馬 |
ダノンスマッシュ | 牡 | '20香港スプリント/'21高松宮記念 | |
ノームコア | 牝 | '19ヴィクトリアマイル/'20香港C | ヴィクトリアマイルレコード |
ルヴァンスレーヴ | 牡 | '17全日本2歳優駿/'18ジャパンダートダービー/'18マイルCS南部杯/'18チャンピオンズC | '18最優秀ダートホース |
オメガパフューム | 牡 | '18~'21東京大賞典(4連覇)/'19帝王賞 | |
チュウワウィザード | 牡 | '19JBCクラシック/'20・'22川崎記念/'20チャンピオンズC | '20最優秀ダートホース |
アルクトス | 牡 | '20・'21マイルCS南部杯 | |
タワーオブロンドン | 牡 | '19スプリンターズS | |
モズスーパーフレア(USA) | 牝 | '20高松宮記念 | |
ワグネリアン | 牡 | '18日本ダービー | |
グローリーヴェイズ | 牡 | '19・'21香港ヴァーズ | |
エポカドーロ | 牡 | '18皐月賞 | |
ステルヴィオ | 牡 | '18マイルCS | |
ミスターメロディ(USA) | 牡 | '19高松宮記念 | |
タイムフライヤー(川崎)(※現役) | 牡 | '17ホープフルステークス | |
ダノンプレミアム | 牡 | '17朝日杯FS | |
ジャンダルム(USA) | 牡 | '22スプリンターズS | |
メールドグラース | 牡 | '19コーフィールドC(豪) | |
ケイアイノーテック | 牡 | '18NHKマイルC |
重賞馬
馬名 | 性別 | 主な勝利レース | 備考 |
---|---|---|---|
ステイフーリッシュ | 牡 | 京都新聞杯/レッドシーターフH(沙)/ドバイゴールドC | |
ダイアトニック | 牡 | スワンステークス/阪神カップ | |
ヒロシゲゴールド | 牡 | 北海道スプリントカップ | |
リュウノユキナ(※現役) | 牡 | 東京スプリント/クラスターカップ | |
アフリカンゴールド(※現役) | セン | 京都記念 | |
マイネルファンロン(※現役) | 牡 | 新潟記念 | |
エアアルマス(川崎)(※現役) | 牡 | 東海ステークス |
海外馬
馬・出身国 | 性別 | 調教地域 | 主なレース | 備考 |
---|---|---|---|---|
ゴールデンシックスティ(AUS) | セン | 香港マイルなど多数 | 2019-21年にかけ16連勝 | |
サクソンウォリアー(JPN) | 牡 | IRE | 英2000ギニー | ディープインパクト産駒 |
スタディオブマン(IRE) | 牡 | FRA | ジョッケクルブ賞(仏ダービー) | ディープインパクト産駒/近親にリアルスティール・ラヴズオンリーユー |
ジャスティファイ(USA) | 牡 | USA | ケンタッキーダービー/プリークネスS/ベルモントS | 無敗で三冠達成 |
ロアリングライオン | 牡 | GB | エクリプスSなど | 2018年の欧州年度代表馬 |
メンデルスゾーン(USA) | 牡 | IRE | BCジュベナイルターフ | |
モノモイガール(USA) | 牝 | USA | BCディスタフなど | |
フィレンツェファイア(USA) | 牡 | USA | シャンペンS | |
ミッドナイトビズー(USA) | 牝 | USA | サンタアニタオークスなどGⅠ5勝 | 輸入予定 |