スーツアクター:渡辺淳
CV:檀臣幸
スペック
概要
井坂深紅郎がシルバーメモリの一本であるウェザーのガイアメモリを使用することで変身したドーパント。
体色は白が主体。後頭部に髷、肩と首回りにかけて風神の風袋のようなものがある。
通常のドーパントでは考えられない多彩な攻撃能力を持ち、Wとアクセル、二人の仮面ライダーが同時に攻撃を放っても通用しないほどである。
通常1ユーザー1メモリというガイアメモリの法則を無視した複数のガイアメモリの挿入によって日々肉体を強化している怪物で、その胸には自らの身体を使ってガイアメモリの効果を試験した実験投与のための生体コネクタ痕が無数に刻まれている。
手から高熱を出したり(敵の首を絞めた状態が多い)、冷気を噴き出すことで対象を凍らせる。この凍結攻撃で照井竜の家族を彼以外殺害した。
他にも、電撃を放つ雷雲を呼び、雨を降らせ、霧を発生させ、竜巻を生み出し、虹の光線を発射する。
必殺技を受けそうになった際、蜃気楼に身を隠すことで何度か窮地を脱したこともあった。
さらに、雨を降らせる範囲を限定して相手を水没させたり、対象の周囲に雷雲を発生させ拘束したりもしていた。
他にも自らが精神的に追い込もうとしている少女の前に現れる際に必ず雨を降らせることで相手をより心理的に追い詰めるという効果もあった。
それだけではなく、腰にマウントされた万能チェーン武器「ウェザーマイン」を使用することで強烈な物理攻撃も可能。
井坂本人は自らの貪欲さが、このように多種多様な能力を持ったメモリと惹き合ったのだと推測していた。
T2ウェザー・ドーパント
仮面ライダーW劇場版第2作「AtoZ/運命のガイアメモリ」に登場したウェザー・ドーパント。
風都にばら撒かれたT2ガイアメモリの1つであるT2ウェザーメモリで一般住民が変身した存在。T2ナスカ・ドーパントと共に警官隊を全滅させたが、あくまでも一般人がT2メモリによって無理矢理変身させられて操られていただけなので、完全に暴走状態で、井坂のような能力も発揮できないままアクセルによって簡単に倒されてしまった。
余談
井坂を演じた檀臣幸は生前、「(ウェザー・ドーパントは)とてもカッコいいし、自分自身としても井坂を演じる事ができて、とても嬉しかった」と話しており、ウェザー・ドーパント自体も「一番好きな怪人」と公言していたという。
他のドーパントと比べ、「ただ単に悪い奴」なため、再登場の機会には恵まれており、『バトライド・ウォー』『トラベラーズ戦記』『サモンライド!』などにも当然のように出演している。
『スーパーヒーロー大戦』では大ショッカー大幹部として登場。
また、『スーパーヒーロー大戦GP』ではショッカーの幹部怪人として登場する。まあ、根っからのマッドサイエンティストだし他の平成二期組幹部怪人に比べればまだ納得のいく人選ではある。
最後は「本来の世界ならば」、妹と両親を悪の怪人に殺され復讐の鬼になりかけたこともある赤い仮面ライダー…というどこかで聞いたような設定の男のキックを受けて死ぬという皮肉な末路を遂げた。
マゲや陣羽織風の肩など、裏モチーフには侍が選ばれているがこれは制作当時に放送されたとあるヒーローと戦わせるためだったようだ。(実はWはディケイドの前に放送する構想もあったとか。ディケイドのOPにWを想起させる歌詞が入っているのもそのため。結果的にディケイドがそのヒーローと戦うことになった)
その他、仮面ライダー、ウルトラマン、ガンダムが共演するコンパチヒーローシリーズのRPG「ロストヒーローズ」にも出演。
最初のダンジョンの大ボスというそこそこ重要な役割を与えられ、ネガ電王と共に戦う。
ゲーム自体が全体的に厳しめのバランス調整であるため、序盤のボスながらも結構な強敵で、早くもプレイヤーの壁となって立ちふさがってくる。
……というのはさておき、外部作品でも井坂先生は全く自重しなかった。
冒頭からメタス(コンパチでのガンダム勢はモビルスーツ自体が意思を持っている扱いであり、原作でのパイロットの人格が反映されている)を捕縛して
ウェザー「私の研究はドーパントが専門ですが、MSというのも興味深いですね。素晴らしいフォルムです……さあ、メタス……あなたの身体、よく見せてください。」
メタス「……やめてっ!!」
とかやっていた。(※本当にこれで原文そのままです)
W視聴者からは「(外部作品でも)相変わらずの変態で安心した」と評判。
ヒーローとの決戦では仮面ライダーネガ電王と組んで襲いかかって来たが、アクセルトライアルの力を得たアクセルにトドメを刺された(シリーズでも珍しいサブキャラがボスにトドメを刺す展開であり、強化形態に変身するイベントでもある)。
続く『2』では冒頭で中ボスとして登場するが、所謂DLCで使える三大ヒーローの体験クエストを兼ねたチュートリアル戦なのであっさり倒す事が出来る。
ウインド・キューブではT2版が出現し、ウルトラ少年を襲撃したが、ヒーロー達の攻撃でT2ウェザーメモリを残してあっさりと撃沈する(本作にはナスカ・ドーパントが登場していない)。ウインド・キューブで通常エンカウントするのもこのT2版であり、総括すると前作と比べて幹部怪人というより、再生怪人としての毛色が強い。
シティウォーズでは敵エネミーとして登場。クロスオーバーゲームならではの絡みが特徴で、イベントストーリーでは「アマゾン細胞」の急激な温度変化にも耐える強さに目を付け、その力を宿すガイアメモリを作ろうと企む。結局、メモリは未完成に終わるが、それでもアマゾンアルファ一体が相手なら、一方的に戦局を有利に進めるほどの戦闘力を誇る。
危険度は本編以上で、人間を殺さない主義であるアマゾンアルファでさえ、同じ研究者である為か、企みを看過出来ずネオとニューオメガと共同戦線を張ったほど。
風都探偵
※これより先は単行本13巻収録のネタバレになります。未読の人は注意!
「これはこれは…最期の瞬間にあなたに言った通りになりましたねえ。『先に地獄で待っている』…と!」
「感動的な再会じゃないですか。非常に嬉しいですよ。照井竜…!」
第117話「gが死へ招く7/地獄の炎」では、スクリーム・ドーパントとの決戦で致命傷(おそらく心肺停止状態)を負った照井が見た、死後の世界のような光景の中で井坂共々登場。
これが現実か、あるいは虫の息の照井が見た幻だったのかは明らかにされていないが、もし現実だった場合、彼は死に際の捨て台詞通り、本当に地獄の亡者となって律儀に照井を待っていたことになる。
臨戦体制をとる照井の身体を診察し、「まだここに来る時ではない」と判断。残念がりつつも、その場でウェザーにメモリを使うそぶりを見せず変身、即座に照井にAEDよろしく落雷による一撃を浴びせた。
「私以外の快楽殺人者にたやすく敗れてほしくない。治療をしておきましたよ。お大事に。」
「いずれまた戦いましょう……。あなたが風都の全ての敵を倒し、真の修羅として完成したその時に!」
この一撃を食らった直後、意識を取り戻した照井は辛くもスクリームの撃破に成功したのだが、流石に脇腹に穴が開くほどの重傷(普通の人間ならとっくに死んでいるのが当たり前の状態)だったため、入院(亜樹子の監視付き)を余儀なくされた。
この時照井が復活できた理由について、フィリップは「雷の一撃で蘇生できたのは、致命傷を食らう直前にアクセルがエンジンブレードのエレクトリックによる電撃を自分にかけていたから(つまりはAEDのようなもので、奇しくも生前の自分が目を付けていたメモリの過剰適合者を救う際に取った方法と同じである)」とし、照井が見た死後の世界の様な光景、および死んだはずの井坂についても「死後の世界が実在するかどうかは、地球の本棚でもわからない」と述べた。
※地球に蓄積される記憶はあくまで地球が存在する空間に存在する事象のみであり(現に異空間に存在する裏風都およびそれを管理する万灯雪侍らの経歴等は蓄積されない)、ガイアメモリにも使用される「ヘル(地獄)」などの死後の世界をモチーフとした記憶も、結局は死後の世界を思い描いた生者のイメージの積み重ねでしかないため。
また上記の言動から、自身の事を「快楽殺人者」と自虐しているあたり自分の罪を自覚し少しは数えてたり、照井を自身の好敵手と捉えていることがうかがえる。
関連イラスト
関連タグ
アルコール・ドーパント:『風都探偵』に登場したシルバーメモリ製のドーパントでこちらも危険性のある代物。また、第8話でシルバーメモリと明かしたイメージで登場している。
マッドネス・ウェザー:狂った天候繋がりの敵キャラクター。
ウェザー・リポート:天候を操る能力、およびそれを持つキャラクター。