※最初に「注意事項」をしっかり読んだ後、以下ネタバレほか閲覧注意。
ポケットモンスター(新無印)を『楽しむ事が可能な方』、この一連の問題は『知っていても特に問題視していない』・『一連の問題や本記事をそこまで共感出来ないという方』はブラウザバックを推奨します。
注意事項
この記事自体がポケットモンスター(アニポケ第7シリーズ)に対して一般枠でのテレビ放送物におけるコンプライアンス違反という社会福祉への侵害の問題を提起する為に作成されたものであり、見方によっては非常に批判的な内容になっています。記事の内容は見方によっては非常に批判的なものになっており、最悪の場合、気分を害する可能性があります。
本記事内容をどう見方で見るかは自分次第です。否定される場合は考証・考察・検証・批判・非難の語句の意味をしっかり、調べて理解した上で行いましょう。また、特定キャラクターや人物への同情心や行きすぎた正義感等から、作品自体や制作スタッフ、作品を好意的に評価するファン、解釈違いに対してのバッシングが一部で見られます。→アンチ
その上、感情的な意見が多すぎる、Webリテラシーを考慮していない等の理由の故に、以下に記載される意見や情報等は、参考にするべきではありません。
よって、きちんとこれらの能力を身につけた上で、判断しましょう。そしてこの記事だけで判断せず、自分でできれば、情報を収集してください。
概要
主にマスターズエイト編における、スケールの大きさに反した過去キャラクターに対する扱いの悪さから生じた大きな反発を指す。
それ以前にもゴウのポケモンに対する倫理観の描写も視聴者の間で反発を生んでいた。
放送前は全シリーズの集大成を謳い期待されていた。しかし、序盤の時点で物語の着地点が分からず、迷走しているという意見が存在していた。
本格的に炎上するようになったのは終盤となるマスターズエイト編からだが、以前から構成の杜撰さが問題視され度々炎上はしていた。
主な問題点
1.もう一人の主人公・ゴウの経験と釣り合わぬ成果
新無印で初期から問題視されていた点。
彼はトレーナーになりたての精神・実力ともに未熟な面が目立つルーキーでありながら、明らかに手に余る数のポケモンをコレクター感覚で採集し集めていくという、実力に見合わないそのスタンスが「鼻に付く」と受け入れられない視聴者が多かった。
ゲーム作品ではポケモンをたくさんゲットするのは当たり前で、むしろゴウのモチーフ元である「ポケモンGO」自体もそういうゲームなのだが、アニメでのポケモンは一つの生物としての側面が強く描写されており、アニメでポケモンを乱獲するのは道具のように扱っている悪役ばかりで、タブー視される考え方が根付いていた為である。(※1)
(※1)ただし初期の無印シリーズではサトシも偶然が重なった結果だがケンタロスを30匹捕獲しており、シゲルも(おそらく調査する為)200匹以上ものポケモンを所持している。
他にもゴウが嫌われている要因として、※以下の理由が挙げられている。(※あくまで否定派から見た問題点と実際の事実、具体的な理由も同時に追記)
- サルノリをロケット団から泥棒、横取りの形でゲット
・実際のストーリーではロケット団に酷い扱いを受けていたサルノリがゴウのポケモンを大事にする姿勢に感銘を受け、互いの了承を得た上のもの。
- サルノリが根本的な原因であったにも拘らず、サトシとピカチュウのせいにした事
・話の流れでゴウのサルノリのテンションが上がり、スティックでピカチュウを叩いた事で驚いたピカチュウが電撃を放出しトラブルが発生した。
- サトシに逆ギレ…絶交発言…俺はまだ許していない発言
・サトシとゴウの間で起こった気持ちのすれ違いの中でゴウが発言した言葉。
- 人によっては空気を読めない、デリカシーがないとも取れる発言や行動が多い
等。
また(あくまで少人数の意見だが)とある海外ユーザー曰く、外国ではゴウは日本以上に嫌われている面もあり、作中で現実世界では自分勝手と評される行動を繰り返しがちだったゴウはあまり評判が良くなかったと述べている。
加えて、具体的な成長が視聴者の中で見えない最中とある話の中で伝説のポケモンを捕まえてしまったことで炎上し、ポケモン側の意志はちゃんと尊重しているというフォローを幾度入れても、彼への反感やヘイトは消えなかった。
ただ、主人公が作中で明確に伝説のポケモンを仲間にするという展開が今まで全くなかった訳ではなく、サトシもサンムーン編で、(設定上、どちらも一般ポケモンのような扱いだが)伝説ポケモンのアーゴヨン、メルメタルを仲間にしている。
とはいえ、ゴウの賛否両論の原因は
・20年近くに渡って少しずつ成長を積み重ねていたサンムーン時代のサトシと異なり具体的な成長が当時ほとんど見られなかった事
・そもそも当時のアニポケにおいて伝説ゲットはタブー視されていた事であり、伝説級ポケモンを所持していたトレーナーもエリートトレーナーやフロンティアブレーン等の上級トレーナーであったため、(言葉は悪いが)アニポケ世界では「未熟者」の括りに入る初心者トレーナーから抜け出し切っていなかったゴウにはふさわしくない、初心者なのにおかしいといったものが多かった。
2.ヒロイン役であるコハルの扱い
本作のヒロインとされている少女コハルは、当初ポケモンにもサトシ達にも興味がなく関わってこないという異例のキャラで、一か月以上登場しない時もあった為、存在意義を見出せないとする視聴者が多かった。実際、担当声優からも「出番が無い」と言われた程。
一方、二年目より相棒のイーブイと出会って以降はその価値観が大きく変わり始め、冷めた性格も明るくなり自ら物語に関わっていくようになる等、ある意味ゴウより真っ当に新米トレーナーとしての道を歩み始め、評判も回復していった。ただ、彼女のテーマであるイーブイの進化先の模索については、打ち切り漫画の如く有耶無耶にされる形で終わってしまっている。
フォローとしては、以下のように考えられる。
1.本作は、元々サトシとゴウの二大主人公である事。
2.登場人物が過去作より、多くなるのでどうしても出しづらかった事。
とはいえ、コハルはメインヒロインという本来アニメ世界においては主人公にも引けを取らない立場のキャラクターだったにもかかわらず出番が異常に少なかったのは事実であり、アニポケに限らずこのような批判や挙がってしまう事は明確な問題点の1つである。
3.ガラル地方チャンピオン・ダンデの過剰な優遇*
マスターズトーナメント編最大の問題点。
アニポケではポケモンWCSの存在により、ガラル最強から世界最強のトレーナーへと昇格したダンデだが、劇中の殆どでは圧倒的なレベル差によるゴリ押しという単調な魅せ方ゆえ、視聴者からは伝わらないとの声があった。
このような書き方でワタル、アラン、カルネなどのチャンピオンクラスの歴代キャラクターに圧勝したせいで視聴者からの印象は最悪で、特にアラン、カルネ戦は両者を冒涜しているとしか思えない試合内容で一部において大炎上した。
ダンデ関係の脚本の杜撰さは目に余るものがあり、それまでの描写・作品で彼にしっかり好感を持てていたファンにも悪い印象が植え付いてしまった。
フォロー可能な点を挙げるとするならば、
1.原作のゲームで彼の師匠の記録である18年間の王座保持記録を破れなかったとは言え、主人公に敗れるまで無敗で長らくチャンピオンは務めた。
2.他の地方であればチャンピオンになれていると噂される、ガラルが誇るトップジムリーダーのキバナにすら10連勝している。
の2点。
ただ、この件の問題の本質はダンデの実力云々の話ではなく、形式上はそれぞれのシリーズのチャンピオンという同じ立場に立つ他地方のキャラクターを上記のように扱った事である。
今作のサトシは集大成を謳っているのに対し、過去の手持ちポケモンを再会して尚使わない。
過去の手持ちポケモンはほぼ必ずリーグで敗北していたにも拘らず、最近ゲットした新無印の手持ちとピカチュウだけでチャンピオンクラスの相手を倒しており、悪い意味でご都合主義且つ酷い主人公補正だと批判されることが多い。
特にハイパークラス後半以降のサトシの躍進の展開には違和感を感じるものが多く、具体的には
・四天王やチャンピオン級のトレーナーと対戦した際、相手側の攻撃が何十回命中してもサトシ側は倒れない
・その上でサトシ側の攻撃は1発から数発当たるだけで相手側が倒れる又は大ダメージを受ける
・マスターズトーナメント直前の段階でジムリーダー級と評価された相手と対戦した際(※2)、勝利しても辛勝、もしくは敗北してしまっているポケモンもいた。
(※2)アニポケでは明確に『チャンピオン>四天王>>ジムリーダー』の実力順でこれまで描写されていた。
等が挙げられる。
肝心の面子もサトシの見せ場をほぼバトル面に集中させた弊害で、日常面における出番や掘り下げが例年より少なかった事も原因の1つであった。
総集編の頻度増加と、制作陣体制の悪化
同じく終盤は、上記内容の薄っぺらさから、描写と尺が明らかに不足していることが指摘されていた。加えて新世代の発売が迫り、放送できる残り話数が限られているにも拘らず、総集編の放送頻度が目に見えて増加していった。
放送当初はCOVID-19の制限などによる影響が大きかった時期であり、それが原因ではないかという擁護も存在する。一方で、尺不足との意見が目立ち始めた終盤では既に政府が制限緩和に方針転換しており、理由付けとしては薄いと見られるとの批判も存在する。しかし、アニメの制作は約1年前から始まっており、その頃はまだコロナ第5波が来ていたため、的外れである。
製作陣のやる気のなさはSNSでも見られ、作画監督のわっぱが「そんなに総集編嫌なら、過去話数でも見てあの日の感動を思い出しに行けば良い」というツイートを投稿し、更に炎上した。
ただし、こちらに関しては擁護できる点としては以下の理由が挙げられる。
1.当時は、帝国データバンクによると、アニメ製作企業の赤字が過去最高の四割を記録し、企業間の格差も露呈するほど酷かった。
2.作業量が増大した場合でも賃金は上がらず、労働量と給与のバランスは極めて不健全な状態となるケースが増えたなど制作企業の労働環境が悪化していた。
3.新型コロナウイルスの流行により、さらに上記の環境が悪化。
※ただし、上記のことを踏まえても、作画監督のわっぱの発言は正論ではあるが、適切ではなかったとも見て取れる。本人もSNSで自分達スタッフのことももう少し考えてほしいと言いつつも、同時に発言については謝ってもいる。
全地方舞台による弊害
これは視聴者によっては意見が分かれるが、全地方舞台や一話完結にすることにより中途半端で内容が薄い感じになるため、視聴者の中には従来のように最初からガラル地方だけを舞台にした物語を作ればいいのではという声も存在した。
一方で、旅路線を廃止し、一話完結にしたことにより無駄な尺稼ぎが減り、一話一話の質が上がったとの声も存在した。
結果としてガラル出身の人物とポケモンの一部がまともに登場・活躍できておらず、モブを除けば一度も出ていないものが多かった。
また、毎回、出先のゲストポケモンに焦点にあたる一方でサトシやゴウの手持ちポケモンのメイン回や掘り下げ描写が従来のシリーズと比べて極端に少なく、中にはゲットor進化後初の単独メイン回で即進化、という事例も見られた(ヒバニー、ジメレオンなど)。
ポケモンに限った話ではないが「歴代が登場する集大成作品・記念作品」は、キャラクターや要素の詰め込みすぎで個々の印象や活躍が薄くなるという悪習がついて回り、新無印もその轍を踏む形になってしまったのは否めない。
ちなみに新シリーズも同様になると思われるため、パルデア出身の人物とポケモンも同様になるのではないかと心配されている。
総括
これらの影響からアニポケシリーズ屈指の低評価作品となっており、他のレビューサイトでも断トツの低評価。と思いきや海外大手レビューサイト「MyAnimeList」では2位という高順位である。
(ただしこのスコアだけで判断されている為、より正確にするなら年齢層等他のデータも比較をするべきではあるが...)
参考:XYZ7.72点、新無印7.57点、無印&XY7.37点、ダイパ7.26点、AG7.11点、サンムーン6.87点、ベストウィッシュ6.41点
また放送当時に同じ長寿作品である名探偵コナンやONE PIECEなどが、映画のヒットや展開が最終章に突入したり、NARUTOもアニメ放送20周年を迎えるなど世間的にも大きな盛り上がりを見せたことから、新無印が槍玉に挙げられることも少なくなかった。
同時に不評時の息切れ感や、実質サトシがほぼポケモンマスターに近い地位となった事で、「サトシ引退説」も今まで以上に囁かれ始める。
そして新作が発表されても新シリーズの発表が一切無いまま、一月経った2022年12月16日。
翌年3月までの最終章をもって、サトシを主人公にしたシリーズを本当に終わらせる事が発表され、その歴史に幕を閉じる結果となった。
ただし、終わったのはあくまでサトシの物語であり、ポケモンのTVアニメ自体は新たな舞台や主人公達のもと新生されている。
公式には「カメラを切り替えて」と仄めかされたこのリセットが、やるべき事をやりきった末の大団円か、これ以上続けるのに限界が来た末の逃避か、どちらと都合よく捉えるかはあなた次第だが、できればファンなら暖かい目で見てやってほしいと願うばかりである。