想いよ届け!キュアエコー!
CV:能登麻美子
概要
映画『プリキュアオールスターズNewStage』で初登場したプリキュア。変身者は坂上あゆみ。シンボルカラーは白。(→白キュア)
CMや特報には一切登場しておらず、本編を除けばイメージポスターなどのタイトルイラストにしか登場していなかった。
公開直前まで名前も伏せられており、デマ情報なども流れていた。
映画初のオリジナルプリキュア、という肩書きは坂上あゆみ役の能登麻美子へのインタビューで公式によって明記されたものである。
ただしファンの広義で言えば、映画初のオリジナルプリキュアはダークプリキュア5と言えなくもない。
デザインをした人物は、本作における作画監督を務めた青山充(当初は明言されていなかったが、後のインタビューにて青山先生の口から自分のデザインと語られた)。
パートナー妖精と変身アイテムの力を借りずに、ただ純粋な想いの力だけで変身した唯一のプリキュア。このことは「女の子は誰でもプリキュアになれる」という映画NewStageのテーマを体現している。
映画NewStageだけの単独ゲストではなく、その後の映画「プリキュアオールスターズ」シリーズでも断続的に登場している。
ただ、その扱いはとても微妙なものであり、他のTVシリーズのプリキュアと同等に扱われているとは言い難い。特に全員集合のEDダンスでハブられる件については制作側の意図についていろいろな議論がある。詳細は後述。
名前に関しては映画NewStage公開の前年に放映されていた『スイートプリキュア♪』に出てきそうな音楽関連の名前(エコーとは反響、木霊という意味)であるが、別にスイートと何か相関関係があるわけではない。モチーフの一部が前年と被るのはこれまでのプリキュアシリーズでもよくあることである(スイートの前作『ハートキャッチ』にて技名がことごとく音楽用語だったりなど)。
そのデザイン系統や変身アイテムから一時期「スマイルプリキュアの6人目として登場するのではないか?」と噂されていた時期もあった。キュアエコーの変身が解かれた際、『スマイル』で用いていたキュアデコルの一種と思われるエコーキュアデコルなるものが落下してきたためその予想はさらに加速したが、最終的にキュアエコーは『スマイル』本編に一切登場しなかった。
映画本編でエコーキュアデコルが意味なく登場した理由は、ぶっちゃけるとその当時に発売されていた玩具であるキュアデコルシリーズの販促であるというのが結論である。このエコーキュアデコル自体も商品化されており(名称も商品名から)、スマイルパクトの玩具にセットして音と光を楽しめる。しかし音声はエコーの変身音声ではなく、オールスターズ関連の音声である。
容姿
金髪の長い髪を捻りが加えられたツインテールにして、中心に緑のハートが付いたピンクのリボンで結んでいる。
服装は白を基調にピンクのフリルやリボンが加えられたオフショルダーワンピース。胸元にはキュアデコルをかたどった淡いミントグリーンのリボンが付いている。
アームレットやブーツには羽の意匠が施されている他、星とハートの形のイヤリングを付けている。
ASとしては何人目なの? 正式なプリキュアなの?
2012年春映画『NewStage』の初報では「TVシリーズでおなじみの28人のプリキュアが登場」となっていたのだが、公開直前になって「29人目の全く新しいプリキュア」としてキュアエコーの姿がサプライズとして各所メディアで紹介された。
しかし次年の『NewStage2』(2013年)ではプリキュアオールスターズの一員からは外され、変身せずにほかのプリキュアを応援するモブキャラとして出演する。
だが、更にその翌年の『NewStage3』(2014年)では重要な役どころを持ってプリキュアとして登場。
と思いきや、その次の『春のカーニバル』(2015年)では変身前の姿が回想シーンで出てくるだけというやはりモブキャラとしての扱い。そしてさらにその次の『奇跡の魔法』(2016年)で3回目のプリキュアとしての登場を果たした。
つまり、年によってプリキュアとして扱われたり扱われてなかったりするのである。
正直なところ、『NewStage』の映画限定のゲストなのでこれ以降でてこないと言われた方がまだ理解しやすかったのだが…… 公式サイドがキュアエコーをどのような位置づけで扱っているのかがいまいち掴めず、プリキュアファンの間では議論が絶えない。
そもそも彼女が颯爽登場した『NewStage』の時点でも、EDにおけるオールスターズダンスでは1人だけハブられてしまうなど、この時点からキュアエコーにはどうも「キュアエコーは単なるゲストキャラではなくオールスターズの一員だが、他のTVシリーズプリキュアよりも目立たないようにしなくてはいけない」という配慮が働いている節がある。
プリキュアシリーズには、一度変身者の名前として使用された名称は、それより後の作品では変身者・脇役問わずキャラの名前としては、ほぼ使用されない。
『ハピネスチャージ』の石神りん(『プリキュア5』の夏木りんと同じ名前)のように何年かたったならば名前が被るケースもあるのだが、基本的には避けられている。
それに乗っ取ったうえで、映画『NewStage』からわずか一年後に放送開始された『ドキドキ!プリキュア』に、相田マナの母親として相田あゆみが登場していることに目を向けてもらいたい。いくらなんでも名前解禁が早すぎではないだろうか。他のプリキュアオールスターズたちならこんな扱いはまずされないはずである。このあたりもどうも公式でのキュアエコーの扱いが微妙と言われる所以である。
特徴
まず映像化作品において、他のプリキュアには普通にある「敵と戦う描写」が一切ないことが真っ先にあげられる。
※このように、いかにも戦いそうなシーンも現時点においてはまだない。
自分から攻撃しないというだけの話ではなく、敵からの攻撃を受け止めるという描写すらない。本当に敵キャラからの攻撃さえ受けないのだ。これはエコーがそもそも攻撃を受けるような距離に近づかないためである。
戦う気がないのかと言われそうだが、そもそもキュアエコーとは「暴走するフーちゃんに自分の本当の気持ちを伝える」ことを望んだ坂上あゆみにもたらされた奇跡であり、戦って和解するのではなく、対話を通じて分かりあおうというのがキュアエコーの特徴なのである。
よって、キュアエコーには、どんな相手とでも対話できるという以上の超人的な力は必要とされていない。化け物と対等に戦える強さを描くのはエコーの本質ではないのである。
そして、彼女は不思議な「キメ技」ではなく、説得によってフーちゃんを浄化した。つまりプリキュア恒例の美麗なキメ技のシーンが描かれなかった。
『NewStage』の冒頭でも語られているとおり、プリキュアは伝説の戦士として定義づけられる存在である。近年は「戦士」ではない称号を持つプリキュアも出てきたが、それでも敵と戦うことは変わらない。だから、プリキュアは相手と和解する結末があっても、その過程においては戦わなければならない。「一度ケンカしてから仲直り」がプリキュアの伝統として存在する。
そんな中で、全く戦わず、技も使わず、ただ言葉だけで相手とわかりあったキュアエコーは、ある意味でプリキュアを超越した存在とさえ言える。
だが逆に言うと、『NewStage』以降のオールスターズ映画でエコーを参戦させたとして、平気で敵を殴り倒すキュアエコーなんて絵面を描いてしまうと、『NewStage』のテーマを根底から台無しにしかねない。
つまり、キュアエコーは他のプリキュアオールスターズと肩を並べて激しいバトルをするのが似合わないキャラクターとなってしまっており、公式としても扱いかねているのかも知れない。
その後の扱い
『NewStage2』(2013年)
上述したように、『プリキュアオールスターズNewStage2』ではキュアエコーは一切登場せず、作中でエコーやあゆみのことが言及されるシーンもない。
ただし、変身前の坂上あゆみはモブキャラクターとしてPANPAKAパンに来店しているシーンがあるにはあるので、存在が抹消されたわけではないのだが…
しかし作中で行われたプリキュアパーティ(プリキュア全員を呼んで行うパーティ)にはお呼ばれされていない。
もっとも他の歴代プリキュアのように水晶にされなかったのがせめてもの救いか…。
『NewStage3』(2014年)
2014年3月にNSシリーズ完結作『プリキュアオールスターズNewStage3』が公開されることが決定し、2013年年末にはその公式サイトも設置された。
サイト開設初期の頃の紹介文には
「歴代プリキュア33人に、ハピネスチャージプリキュアの3人を加えた総勢36人のプリキュアはもちろん、NS1のあゆみが登場」
との表現がされていたのだが、プリキュアたちが集合しているイメージボードにもキュアエコーの姿はない。
やはり公式側はキュアエコーを正規のプリキュアと認定していないのではないかとの疑念がさらに強まっていたのだが……。
まさかの再登場!
エコーが「NewStage2」に登場できなかった理由について、上述した以外にも、もう一つある有力な説があった。
それは、キュアエコーが妖精の導きを受けていないプリキュアという点である。
一方、「NewStage2」はプリキュアを支える妖精の物語である。このことが同作でキュアエコーが登場できなかったことと密接につながっているのではないかという考察が初期からされていた。
また、同作の主人公的存在が「いつかプリキュアのパートナーになること」を夢見る二体の妖精エンエンとグレルであることも注目された。「妖精を持たないプリキュア」と「プリキュアを持たない妖精」が二年連続で登場したことについて、ある種の符丁を感じるものもおり、もしもNS2に次回作があれば、あゆみがエンエンとグレルと出会い、プリキュアと妖精の関係が完成するのではないかという妄想でエンエンとグレルをパートナーにしたキュアエコーのイラスト投稿も熱心なファンの間であった。(ええと、フーちゃんはどうなるんだってのは、まあ……)
そしてその願いは、無駄ではなかった。
NS3では、夢の世界で歴代プリキュアが苦戦する中、友達を信じる心に呼ばれたあゆみがこの世界に現れる。そしてグレルとエンエンの2人をパートナーにし、2人と手をつなぐことによって、キュアエコーへと再変身を遂げるのである。
変身アイテムはまさかのキュアデコル。NS1で登場したあのエコーデコルは伏線となったのである。
NSシリーズを見続けたファンにとって最も期待していたシーンが実現したのだった。
余談だが、あゆみが登場した際はNS1公開当時の最新2作『スイート』『スマイル』のピンクプリキュア・キュアメロディとキュアハッピーが特に反応するというファンにとっては中々ニクいワンカットが登場している。
グレルとエンエンは自らが起こした奇跡に驚愕し、ここで「伝説に残らなかった、幻のプリキュアがどこかにいた」という噂を思い出す。そう、キュアエコーは語り部として伝説を残せる妖精たちを持たなかったため、伝説の戦士としての物語を残せなかったという訳だ。ゆえに彼女の存在は、NS1で一緒に戦った戦友たちにしか知られていない。
キュアエコーの「伝説」は今ここから始まるのだ。
伝説の戦士として再誕したエコーは、他のプリキュアたちと同じ権能を持つ。
つまり固有の浄化技も放てるのである。
「世界に響け、みんなの想い!! プリキュア・ハートフルエコー!!」
巨大な光のドームが夢の世界を包み、無数の悪夢獣を浄化していく。
こうしてエコーは歴代プリキュアのピンチを救った。
しかも「戦わないプリキュア」というイメージを壊すことなく。
そう、今回もエコーは格闘どころか派手なアクションさえしなかったのである。
事件解決後、エコーは正式にプリキュア教科書に載ることになった。
(キュアエコーがプリキュア教科書に載っていなかった理由はパートナー妖精がいなかったからだということがここになって明確となった)。
ちなみに本作のオープニング映像はプリキュアたちの日常と全員集合カットを描いただけに思えるが、実は再視聴したとき本編のその後とエピローグの写真撮影であることが気づける仕掛けになっている。そのため実はオープニングをよーく見てみると、最後のシーンにあゆみが登場しているのだ(初見ではわかりにくいだろうが)。
兎にも角にも、こうしてNS3という物語においてはキュアエコーはプリキュアとして正式に認められたのである。
やっぱり、仲間はずれ?
……だが、NS3のエンディングのCGダンスムービーではやっぱりキュアエコーだけいないという何ともいえない扱いを受けてしまった。
ただ、よーく見てみるとダンスはしていないが、壁面モニターに映る一枚絵として一瞬ながらも登場している。DVDかBDをお持ちの人は確認してみよう。
アニメ誌のインタビューでは、小川孝治監督が「どうにかしてエコーも入れられないか」といろいろと各方面を説き伏せてなんとかねじ込んだという裏話が語られている。
そんなわけで、NS3公開以降は胸を張ってプリキュアオールスターズの一員として活躍できるかというと、やはり楽観視できないとこの時点から不安視されていた。
ハピネスチャージプリキュア!では
『NewStage3』公開年にTV放映された『ハピネスチャージプリキュア!』ではプリキュアシリーズ10周年記念として、番組冒頭に歴代プリキュア33人が毎週一人ずつ登場して応援メッセージを届けてくれるという趣向が催されている。→プリキュア10周年おめでとうメッセージ
プリキュアシリーズ放送回数500回記念で特別編が制作されたためその回において特別ゲスト出演があるのではなどと憶測されたが、結局そんなものはなく当日はハピネスチャージ4人が祝辞を述べている。現実は非情である。「TVシリーズのレギュラー戦士ではないプリキュア」という例外を一人でも認めると収拾がつかなくなってしまうであろうから仕方のないところではあるのだが……。
こんなのが見たかったファンも少なくなかったのではないだろうか。
ちなみに演出を手がけたタナカリオンこと田中裕太氏はこっそり絵コンテを切っていたのだが、大人の事情から実現しなかったらしい。無念。
なお、同作第20話の終盤でファントムに敗れて封印されたプリキュアの中にエコーによく似たプリキュアがいた。応援メッセージの代わりにカメオ出演させてもらったのだろうか?⇒偽エコー
『春のカーニバル♪』(2015年)
NS3から一年。
NSシリーズは完結したが映画プリキュアオールスターズ自体は続くことが決定し、2015年春映画として『プリキュアオールスターズ春のカーニバル♪』が発表された。
その映画公式サイトでは、プリキュアオールスターズ初参加は『ハピネスチャージプリキュア!』のキュアフォーチュンと『Go!プリンセスプリキュア』のキュアフローラ・キュアマーメイド・キュアトゥインクルの4人で、プリキュアの総登場人数は40人と告知された。つまり、キュアエコーを除いたカウントである。
(ただNewStage2と同じく、変身前のあゆみだけなら他の歴代映画ゲストキャラクター達と一緒にモブ的な扱いでわずかながら登場はしている)
この時点ではNSシリーズ完結と同時に、ASの一員としてのエコーは本格的に「なかったこと」にされるのではないかと言う懸念もあったのだが……。
『奇跡の魔法』(2016年)
そして翌年、エコーへの光明が見出される。
プリキュアオールスターズ映画8作目となる『プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』が2016年春映画として公開されることが発表されたのだ(3月19日公開)。
そして、そのキービジュアルの中にキュアブラックからキュアスカーレットまでの41名のプリキュアに加えてキュアエコーの姿が確認され、映画への三度目の出演が確定したのである。 (この時点では『魔法つかいプリキュア!』のキャラクターは公表前だったため『魔法つかい』組はビジュアルに描かれていない)
なお、今回はプリキュア映画の20作目にあたりその記念作品という位置付けで公開された。だからこそ映画ゲストキャラのキュアエコーが、プリキュア映画の歴史を表す存在として出演できたのかも知れない。
余談だが映画情報発表当初、『Go!プリンセスプリキュア』の公式サイトのニュース情報ではキービジュアルを載せた上で「ティザービジュアルには、41名のプリキュアたちが勢揃い!」と紹介されていた。…あ、あれ??
程なくして文章が42名に直されたので、単純にキュアエコーを人数カウントするのを忘れていただけのようだ。
一見不遇さを匂わせるエピソードだが、キュアエコーのためにわざわざ人数表記を直したというのは、これまでの歴史を省みるに実は快挙であり、初報で勘定の中に入ったというのはなにげに初めて。
なお、本編では歴代のラスボスに苦戦し戦意を喪失していた新人のキュアマジカルを説得して立ち直らせたりしており存在感のある役所となっている。
敵に吹き飛ばされたキュアマジカルを受け止めて安全地帯に避難させたりと今までよりも派手なアクションをしているのも特徴。しかしながら、敵と戦わないというスタイルは今回も厳守されている。
エンディングでは
とはいえ、今回もエンディングのCGダンスムービーで各チームが総出演した時はやっぱりキュアエコーだけはハブられていた。
しかし、最終パートで各チームのプリキュア達が歌詞のコールに合わせ一箇所に集まっていくという演出の時に、なんと最後の最後にステージ袖からサプライズ的にエコーが登場したのである。
そしてそのままオールスターズのセンターに入ってEDが終わるという、これまでのエコーの扱いからすると感無量の瞬間であった。
2017年以降
キュアエコーは『みんなで歌う♪奇跡の魔法!』を最後に映画出演はしておらず、15周年記念映画『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』ではプリキュアとしてもモブキャラとしても一切登場しておらず、20周年記念映画『プリキュアオールスターズF』にも登場しない見込みである。
ただし、オールスターズメモリーズでは救済処置として、この映画のプロモーションである『HUGっと!プリキュア』第36〜37話の歴代プリキュアが登場する大型クロスオーバー回の37話終盤でワンカットの声なしではあったもののキュアエコーが登場をしている。
また、映画のパンフレットでも「映画のみに登場するプリキュア」としてキュアモフルンと共に紹介されている。
プリキュアの映画作品は製作委員会方式をとっているため、TVシリーズとは権利関係が異なる。キュアエコーはこの条項に定められた期間を過ぎ、テレビシリーズの主著作権者であるABCアニメーションと東映アニメーションへの版権移管が完了したのではないかとする説もあり、このため、キュアエコーは今後、記念企画では映画ではなくTVスペシャルでの登場も考えられる。ただ、同じく映画限定のプリキュアで映画公開から権利的にはそこまで経っていないキュアモフルンが同話に登場しているので元から出せた可能性もある(脚だけしか映らなかったが権利的な問題ではなくあくまで演出らしい。詳細はキュアモフルンで)。
玩具と関連商品での立ち位置
当初は
キュアエコーは映画だけでなく、玩具の扱いでも苦難の年月が長かった。
映画NS1と同時期に発売された「キュアデコレクション プリキュアオールスターズNS」でほかのオールスターズのチームのデコルと一緒にエコーキュアデコルが入っているが、これをパクトにセットしてもなんと全部同じ音声(「GO!GO!プリキュアオールスターズ!!」)なので、キュアエコーの決めセリフなど聞けないというガッカリ仕様。
また、プリキュアオールスターズ展開が進んでいる人形玩具「キュアドール」「プリコーデドール」にキュアエコーはラインナップされていない。
かなりの枚数がある「プリキュア データカードダス」でさえ一度も登場したことがない。同じ映画オリジナルキャラでは、マシュマロさえ(マナのオマケ的扱いとはいえ)カードに登場したことがあるというのに……。
プリキュアオールスターズを用いた独自のコミカライズを長年続けている『プリキュアまんがえほん』でも、キュアエコーは全く登場しない。
当然、プリキュアポータルサイト『プリキュアガーデン』の集合絵にも描かれていない。
明確にキュアエコーが登場していると言えるものについては、ネタの宝庫と言われた伝説の玩具「プリートフォン」の二世代目にあたるドキドキプラス(台詞もちゃんと変わっている)と、エコーが活躍したNS1とNS3の公開時のみに発売されていたセイカのぬりえ、NS1公開時の前売り券特典としてローソンのみで配布された『プリキュアまんがえほん映画特別版』のみである。
まったくもって徹底したハブられっぷりだが、身も蓋もないことを言えば、初期のキュアエコーは劇場版のゲストキャラであり、しかも「変身」したプリキュアとしての姿も劇中極僅かしか出番がない。
よって、商品として一定以上の利益が出る可能性が著しく低く見積もられる存在であり、玩具の為に原型や金型を起こすだけの商業的価値がないと考えられていたのである。
また、前述したプリキュアの映画はTV版とは権利関係が異なることがエコーの商品展開の障害になっているという説もある。
例えばNSシリーズでの「エコーだけEDダンスに参加できなかった」という扱い。プリキュアシリーズにおいてCGダンスはただのオマケではなく、むしろ独立した商材として重視されており、EDのCGダンスだけを集めたDVD/ブルーレイも発売されている程。つまり映画公開終了後も定期的に商材として利用していくことを前提に作られているため……というわけだ。
こういった背景からか、キュアエコーは関連商品展開においても不遇の時代が長かったのだが……。
その後
とはいえ、全く展開がないわけではない。2015年には商品化希望アンケートでの上位入りを受けてプレミアムバンダイよりS.H.Figuartsシリーズにてキュアエコー初の立体物商品が実現している。交換用表情パーツにはNewStage3で披露した浄化技「プリキュア・ハートフルエコー」のイメージを再現できる「叫び顔」も付属。「ガチで戦ってるところも見てみたかった」というプリキュア武闘派の願いもアクションフィギュアという形でなら叶ったことだろう。
2016年3月に公開された『奇跡の魔法!』におけるクリアファイルなどの関連商品にはキュアエコーの新規イラストはなかったものの、4月になってスリーシックスティが発売する「プリキュア全員デカストラップ」「プリキュア全員アクリルスタンド」でプリンセスプリキュアのフルメンバー4人(キュアフローラ、キュアマーメイド、キュアトゥインクル、キュアスカーレット)および魔法つかいプリキュアのキュアミラクル、キュアマジカルと一緒にキュアエコーのデカストラップ&アクリルスタンドが発売されることになった。その後同絵柄のフルカラープリントTシャツも発売されている。
プリキュアグッズ専門店『プリキュアプリティストア』にはプリキュアどころか歴代の三幹部やレジーナ、満と薫などにまで限定グッズが売られているのに、キュアエコーはない状態だった。
潮目が変わったのは2016年2月に行われた缶バッジシリーズ「トゥインクル缶バッジ」の登場キャラ選出総選挙を行ったことで、上記プリキュアーツの時の再来とばかりにここでも選出され、同年8月に発売された第5弾にグレル・エンエンと共に描かれたキュアエコーの缶バッジが発売された。
さらに2017年2月には上北ふたごのイラストを用いた缶バッジ第1弾でもレア扱いとしてラインナップの中に入っている。
また上述の『HUGっと!プリキュア』第37話において1カットながらの顔出し登場したことにより先述の通り版権の移行あるいは使用条件の緩和が行われたと思われ、新たなエコーのグッズが登場する可能性もある。そしてその期待通り、2019年4月にはプリティストアのアイドルシリーズ第2期最後の企画においてあゆみとしてアイドルプリキュアの仲間入りを果たすこととなった。変身前のあゆみとしてはこれが初のグッズ化となる。
登場から10周年となる2022年1月、プリティストアの「プリティピックアップフェア」第10弾にピックアップされ、缶バッジ・ポストカード・アクリルスタンドの発売が決定された。
現状は「潤沢ではなくとも、多少は供給もある」といったところだろうか。
Pixivでの扱い
公式からの扱いが実際どうあれ、プリキュアファンからはれっきとしたプリキュアの一人として見なされており、固定ファンも少なからず獲得している。イラストや漫画も定期的に投稿されており、プリキュアオールスターズと括った集合イラストでも、忘れられずに描かれていることも多い。
映画のゲストキャラクターとしては投稿数も健闘しているが、上記のような微妙な扱いから、そこをネタにした作品も少なくない。
二次創作小説では書き手によって差異はあれど、どのプリキュアにも属していないことを利用してオールスター作品の主人公的な扱いだったり、エコーのデマ情報が広まった時に「キュアディケイド」とあだ名されてしまったことから『仮面ライダーディケイド』や『海賊戦隊ゴーカイジャー』などの他のヒーローと絡んだりすることが多い。
また作中ではキュアエコーへの変身に関っていなかったフーちゃんも、妖精役および戦闘フォロー役として活躍することもある。
ただ、他のプリキュアに二段変身するような場面は見られない(技を応用する場面は見られるが)ため、どちらかといえばプリキュア版「アカレッド」、あるいは「ウルトラマンメビウス」や「ゼロ」、「∀ガンダム」のような扱いになることも多い模様。
関連タグ
キュアユニオン…キュアエコーの偽バレ
ダークプリキュア5 キュアアンジェ…映画限定プリキュアの先輩
キュアモフルン、キュアシュプリーム…彼女の後輩候補。ただしキュアモフルンは玩具化に恵まれているので立ち位置はエコーより改善されているという説も。エコーの冷遇があってこその配慮だとしたら、その苦難にも意味があったのかもしれない。