「ジャジャ―――ン!!」
「またまたやってきたぜ!!正義の死神 超ゴテンクス様だ―――――――っ!!!」
概要
孫悟天とトランクスがフュージョンという技によって融合した姿。
魔人ブウとの戦いで敗れていった仲間達やあの世に帰らねばならない悟空に代わってブウを倒すべく、悟空とピッコロの指導を受け誕生した。
逆立ったヘアスタイルで、中心が悟天の黒髪、左右がトランクスの青髪という2色の髪色を持つ。衣装はフュージョンを編み出したメタモル星人の民族衣装に変化する。
他の融合戦士同様テンションが高く、生意気かつ自信過剰な性格で調子に乗りやすい。そのため、「悟天とトランクスの悪い部分が表に出ている」と評されることも。
フュージョンの性質上、この姿でいられるのはわずか30分のみ。また融合前に少しでもポーズを間違えると、不完全な肥満体やガリガリな姿になってしまう。
名前は、それぞれの「ゴテン」「トランクス」を合体させたものからきている。
命名の発案者はチチであり、「ゴテンクス」か「トランテン」の二つの候補を挙げたが、本人がゴテンクスと名乗った為ゴテンクスに決定した。
ちなみにトランテンの方も名前に慣れていない頃、ピッコロから呼ばれたこともある。
戦闘力
実力
フュージョンの効果により2人がコンビを組んで戦うよりも圧倒的に高い戦闘力を誇る。
初めて融合が完璧に成功した時点で、その力は「気の嵐」と評されるほどであった。
初めは融合前にそれぞれが超サイヤ人に変身してからではないと超サイヤ人にはなれないとピッコロから予想されていたが、精神と時の部屋での一週間にわたる修行後は、ゴテンクスの状態で超サイヤ人に変身していた。
更にその修行の際、悟空が7年かけてやっとたどり着いた超サイヤ人3にも変身可能となった。
その戦闘力は魔人ブウ(悪)を上回るが、悟空同様エネルギー消費が非常に激しい為、変身持続時間は約5分と非常に短い。また老界王神に潜在能力を解放されたアルティメット悟飯よりは戦闘力は劣るらしい。
ちなみに、ゲーム作品含めて超サイヤ人2のゴテンクスは作中で一度も描写されていない。
主な技
初登場時にはまだ子供だった為、必殺技は子供らしくコミカルでふざけた要素が多い。
- ギャラクティカドーナツ
指で円を描いてリング状の気を作り出し、それを相手に投げつけて締め付ける。劇中でも珍しい拘束技。
ブウに対して使用したが力ずくで破られている。またゴテンクスを吸収したブウ、超(スーパー)の悟飯も使用している。
アニメ『ドラゴンボールZ』では魔人ベジータが悟空との戦いで似たような技を使用しており、こちらは手足にリング状の気をぶつけて拘束するというもの。
- 連続死ね死ねミサイル
両手を何度も突き出すと同時にエネルギー弾を連射する。魔人ブウに大ダメージを与えるがすぐに再生されてしまった。だが攻撃中には反撃を許さず精神的にも大きなダメージを与えた。
- 連続スーパードーナツ
超サイヤ人3の状態で使用。
両手の親指と人差し指を合わせて輪をつくり、そこから気のリングを連続発射して相手を完全に閉じ込める。
- 激突ブウブウバレーボール
上述の連続スーパードーナツでボール状に拘束した相手…というか魔人ブウを文字通りバレーボールのように扱い、最後にスパイクで思い切り地面に叩きつける。なぜかオネエ口調で、しかもトス役も同じ口調をしなければならないが、ツッコんではいけない。
ピッコロがトス役をさせられたが、「オレはやらなくてよかったんじゃないか…?」と後悔していた。
天津飯の排球拳と似ているとファンから指摘される事があるが、『オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』では実際にゴテンクスが天津飯の技と踏まえた上で排球拳を使用している。
- スーパーゴーストカミカゼアタック
口から本人そっくりのオバケのような形をした気の塊を放出する。オバケはちょっとした刺激で大爆発を起こし、その威力はブウにも大ダメージを与える程。
またオバケそれぞれが意思を持っており、会話する事も可能で、作戦会議を行ったり口の中に飛び込めさせたりなど様々な使用方法がある。
ただオバケ同士が接触しても爆発するので注意が必要。
後にゴテンクスを吸収したブウもベジット相手に使用し、「ちょっとでも触れたら爆発するぞ(だから迎撃できないぞ)」と脅すもなんでも無い気弾をぶつけられ撃墜され、全く通用せず、「子供の考えた技だぞ」と笑い飛ばされた。なお、ゴテンクスのオバケは特になにも技を使わなかったが、魔人ブウのオバケはアニメ『ドラゴンボールZ』でかめはめ波や魔閃光を使用していた。
劇場版『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』では一気に100体のオバケを作り出している。
劇中での活躍
孫悟空が対魔人ブウへの切り札として2人にフュージョンを伝授。
悟空があの世に帰ると代わりにピッコロが指導を行った。当初は悟天とトランクスの息が合わなかったために、1度目は肥満体に、2度目は痩せこけた姿になって失敗。さらに任意での解除方法がわからず再度の合体まで30分待たされると、まったく力も姿も安定しなかったが、3回目でようやく成功させた。
成功後は自信過剰な性格から、ピッコロの忠告を無視し超サイヤ人にならないまま単身魔人ブウ(無邪気)に戦いを挑みに行くが、ボコボコにされて帰ってきている(原作ではその戦いの様子は描かれていないが、アニメではオリジナルシーンとして描かれている)。体力が回復し超サイヤ人の状態でフュージョンを行うと、またしてもブウに戦いを挑みに行くが、ブウの家についた所で時間切れで合体が解けてしまい慌てて逃走する。
その後、魔人ブウ(無邪気)は魔人ブウ(悪)へと姿を変えて神の宮殿まで乗り込んで来る。そのブウを見て今のゴテンクスでは敵わないと判断したピッコロにより、悟天とトランクスは精神と時の部屋に入れられる。ピッコロの時間稼ぎにより約1週間修行した2人はブウが部屋の扉を開けた時には大幅にパワーアップしていた。
ブウとの再戦では序盤は修行中に開発した必殺技で遊び半分に闘ったためには劣勢となるが、まだ奥の手を隠していた。だがピンチを演出するために万策尽きたと頭を抱えたため、ピッコロに精神と時の部屋の出入り口を破壊され「まだ奥の手があったのに!」と責め「だったら遊んでないで出せばよかっただろう!」と正論を返されるなど口論していたが、状況を飲み込み二度と外に出られないと知ったブウは、激昂のあまり大声で次元に穴を開け脱出。ここに至ってゴテンクスも奥の手……超サイヤ人3に変身し、ブウと同様の方法で脱出した。しかし時すでに遅く、宮殿にいた仲間たちはブウにチョコレートに変えられて食べられてしまっていた。
完全に怒ったゴテンクスは終始優勢にバトルを押し進め、トドメをさす直前までいく。だがそこでエネルギーがなくなり通常形態へと戻り、変身も解けてしまう。
その後、界王神界から駆け付けた悟飯に救われるが、一時間後の再戦の際ゴテンクスの力とピッコロの知能に目を付けたブウにより吸収されてしまった。ブウに吸収されてからは30分後ブウの体内で解け、更にその後、わざとブウに吸収された悟空とベジータの手により救われる。だが救出直後で気絶している際に、再び姿を変えた魔人ブウ(純粋)が地球に向けてエネルギー弾を放った為、悟飯やピッコロと共に地球ごと死亡した。最終的にはポルンガの力で蘇り元気玉の作成に協力した。
アニメ版のエンディングでは、悟空と一緒に風呂に入った際にゴテンクスに変身して驚かせるが、お返しに超サイヤ人になった悟空の気迫に圧されてしまっていた。
派生作品での活躍
劇場版『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』
ヒルデガーンとの決戦でゴテンクスとなり互角以上に渡り合う。連続死ね死ねミサイルでヒルデガーンを沈黙させるも、脱皮して強化変身したヒルデガーンには敵わずわずか一撃で気絶し合体も溶けてしまった。
『オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』
フリーザ軍の残党アボとカドとの戦いで彼らが合体したため、それに対抗しゴテンクスとなり超サイヤ人の状態で優勢となった。この時は、他のキャラの技である狼牙風風拳や排球拳も繰り出していた。しかし相手が闇雲に攻撃を始めたことで収拾がつかなくなり、最終的に悟空が一発で相手を黙らせたことで終息した。
このため戦闘はゴテンクス、トドメの一発は悟空という風に分担されて描写された。
『ドラゴンボールGT』
トランクスがレギュラーキャラになったものの、ゴテンクスは未登場。ベビーとの戦いでフュージョンしようとした際にはゴテンクスになったところでベビーには勝てないと悟空に止められた。
『神と神』以降
正式な続編シリーズである『超』では、戦闘規模が神の次元にまで引き上げられているため流石に力量が追いつかず「次世代の戦士を失いたくない」「無茶をしすぎる」「経験が少なすぎる」「子供達を戦いに巻き込みたくない」などの理由から、一応出番はあるもののその数は余り多くはない。
『神と神』および『超』の破壊神ビルス編では、彼の暴走を止めるために合体して戦いを挑むものの、軽くあしらわれて敗北する。劇場版では超サイヤ人の状態で尻を何回もはたかれ、アニメ版ではノーマル状態でしっぺ連打とデコピンにより壁に激突と、どちらもボロ負け同然の結果だった。
漫画版では超サイヤ人3に変身しているが、こちらでも敗北している(いくら怒っていてもガキ相手にパンチやキック、気弾といった暴力と言える攻撃を仕掛けない程度の分別はついていたらしい)。
劇場版『復活の「F」』では出番はなかったものの、『超』ではフリーザ復活編に登場。
復活したフリーザとの戦いで超サイヤ人になった状態でタゴマの股間めがけて頭突きをして乱入する。そのままフリーザをおちょくり、相手にしようとしていた所で合体が解けてしまい後ろへ下がった。
ちなみに、この時フリーザは合体が解けたトランクスを見てかつて自分を殺したトランクスのことを思い出している。
破壊神シャンパ編の破壊神選抜格闘試合ではフュージョンがルール違反のため出場できなかった。試合終了後には代表選手の1人であったモナカの宇宙船に紛れ込みポトフ星において、超人水にまつわる騒動に巻き込まれる。その際助けに来たベジータの力を取り込んだ超人水により生まれた複製ベジータと戦うが、彼が通常状態にもかかわらず超サイヤ人3の攻撃が全く通用せず敗北し分離した。
『スーパーヒーロー』では、最終決戦の際に成長した2人でフュージョンするものの、失敗してデブの状態になってしまう。そのまま突進するものの敵には軽くぶっ飛ばされて出番終了……
と思いきや、ぶっとんだゴテンクスを18号→ガンマ2号→ガンマ1号がボールのようにラリーし、その勢いのまま弱点の頭部に突撃。
これまで全くの無傷だった敵の頭部にヒビを入れるという意外な活躍を挙げた。
作品のラストでは、舞空術で飛び回るパンの視点から、再びフュージョンを行う2人の様子が描かれた。完了する前に視点が移ったため結果は描かれていないものの、指がキチンと揃っていた為成功したと思われる。
スーパードラゴンボールヒーローズアバターズ!!
3巻にて肥満体形のゴテンクスと似た容姿の「シンプー」が登場。見た目はスーパーゴーストカミカゼアタックのオバケであるが、悪役のためか人相がかなり悪くなっている。
主人公たちをオバケ屋敷まで引き寄せ、内部に引き込むと念動力で振り回して痛めつけようとした。しかし主人公のビータには舞空術よろしく楽しまれてしまったため失敗。そこでSDBHで対決して打ち負かすことで悔しがらせようとする。
配下のオバケ(触れると自爆する)にアバターカードを奪わせるなど卑劣手段を講じたが敗北。配下たちに慰められ、感動して抱き着くも自爆されて諸共に昇天した。
余談
声について
ゴテンクスの声は悟天の声優である野沢雅子とトランクスの声優である草尾毅が同時に喋りあてている。この合体したキャラクターの声を元の2人の声優が声をあてるという例は、後にゴジータやベジットを初めとした同作品の多くの合体キャラに適用されるようになる。
メタネタ
原作では、合体のシーンでコピーを多用したため、クリリンや作者が「さっきから作者は ずいぶんラクをしていないか?」「このページの原稿料タダでいいですかホントに……」とメタ発言をしていた。
青年ゴテンクス
前述の通り『ドラゴンボールGT』では出番がなかったゴテンクスだが、後にゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』で青年の姿となった悟天とトランクスがフュージョンした「ゴテンクス:青年期」が登場している。青年の姿になった事で以前より身長が伸びた他、新たに黒いインナーや茶色い手袋を着用している。
ゴテンクス:ゼノ
こちらはトランクス:ゼノと孫悟天:ゼノがフュージョンした姿。ドラゴンボールヒーローズのみ登場。青年期の方との違いは、ズボンが黒であること、剣を背負っていること(ただし、使用するのは超ユニット技時のみ)。ちなみにトランクス:ゼノは未来側の方なので悟天の存在は知らない、悟天とは親友ではないはずだが、フュージョンに対しては「2人で練習した」と語っている。
EXゴテンクス
こちらは『ドラゴンボールフュージョンズ』に登場する、メタモリングを用いたEXフュージョンでフュージョンした姿。性格はほぼ同じだが、容姿は異なっている。
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