ファン=クーロン
ふぁんくーろん
不吉な武闘家
初登場では中華風のパーカーで素顔を隠しており、服の前面にはUNDER(アンダー)のエンブレムと同じ逆さまの不と「八极」の文字が書かれている。
闇競売に乱入したうちの一人で小柄な中国人。素性不明な所が多いながらも、暗殺一家の翁みたいな危ない雰囲気を漂わせている。寡黙な性格に加え、中国語でしか会話出来ない為コミュニケーションを取るのが少し不便。
言語統一後も中国語を用いるため否定者であることは間違いなく、黒競売で主人公達と対戦時には、タチアナの装甲に発徑一つでヒビを入れるほどの戦闘力を発揮している。
古代遺物(アーティファクト)の蒐集を目的とし、既に多くの古代遺物を所持しているようだが…?
正体
「俺を超えたか? 愛弟子(シェン)よ」
正体は主人公勢の武闘家・シェンの師匠にして、彼の妹・メイを殺害した仇そのもの。
シェンがファンに師事していた頃は70代の老人であったが、黒競売の際にリップが入手した古代遺物「ライフ・イズ・ストレンジ」の効果-詳細は下記で記述-によって全盛期の年齢まで若返った。
シェンと再会した当初は顔が隠れていたこともあって、弟子は探し求めていた怨敵(ししょう)と気づけなかった。
プロフィール
誕生日 | 10月1日(📅) |
---|---|
年齢 | 覚えてないが170~180だったか… |
身長 | 知らん(組織調査では165程度) |
体重 | 知らん |
趣味 | 修行 強者を求めての旅 自分が満足する為の弟子育成 古代遺物収集(武具系中心) |
特技 | 技の開発 武の才の目利き |
好物 | 小籠包 酒 |
能力 | UNFADE-不老- |
CV | 森川智之 |
📅出典:2023年8月~9月 アンデラ記念月間【否定者たちの誕生日発表】&アイコン配布 - 公式Ⅹ(前代・Twitter)
容姿
初登場時のフードに隠れていた(今の若い)素顔は、悪意を感じさせる精悍な容貌、額に黒子、末端が二又に別れた眉毛。長髪を三つ編みにしており、額に一房の前髪が垂れ、両方のもみあげから左右対称に一房の髪がはねる。
一世紀以上も鍛錬を続けている覇道から、細身で筋骨隆々な体格をしている。
人物(真)
バトルマニアと呼ばれたシェンを更に上回る極・戦闘狂(ゴアバトルジャンキー)であり、強者との戦いを何よりも楽しみ渇望している。そのためなら、課題(クエスト)が不成功で終末(ラグナロク)が到来しても、それで神と戦うのも良いと-心底楽しみが溢れる不気味な笑みを浮かべながら-考える完全な狂人である。
ファンは「自身の天下無双を証明すべく、強者を育て上げ自分を脅かす程に強くなったら殺す」という外道な趣味を持つ。シェンを弟子にしたのも、妹を殺害したのも、絶望によって強くなった愛弟子(シェン)を殺す為の下準備にすぎなかった。この時、老師匠・ファンを制止しようとしたシェンの兄弟子、ファンの一番弟子だったロウを容赦なく殺害もしている。
また「大切なものを失い、憎しみと絶望を宿すことで強くなれる」という持論を信条にしており、対戦したアンディとシェンにそれを強要し、その為だけに彼らの最愛・風子とムイを殺しにかかる凶行へ全く躊躇は無かった。
上記でも触れたように、UNDER(アンダー)へは古代遺物の情報共有を条件に加入している。主に武具系を蒐集していた中で、重要目標物には「若返り関連の古代遺物」があった。黒競売の案件で入手した古代遺物「ライフ・イズ・ストレンジ」が時間操作の効力を有しており、これの使用が成功した事で彼の目的は一つ達成した。
ちなみに流派はファンが編み出した我流(オリジナル)であり、幼少期のシェンが弟子入りした時点だと流派名は無かった。後に『真八極』と命名した模様。
武の極致を征く者
天下無双を豪語するだけあって、ファンの強さたるや―
- 素手の一撃でタチアナのBM装甲にヒビを入れる(※しかもこの時は、時系列的に老人の肉体である)
- ヴィクトルですら貫いたアンディの螺旋技・紅渦拳(ボルテックスフィスト)を笑顔で受け止める
- 背後から奇襲したムイの攻撃を、不認視(ノールック)の後ろ足蹴りで返り討ちにする
- 武術の達人へ成長した愛弟子・シェンを単独で圧倒する
- アンディの否定能力にある弱点を見抜き、一瞬で-能力対象外な攻撃となる-両腕を脱臼させ機能不全にする
- リボルバーの弾丸を足指でキャッチする
- アンディの至近距離技・橈骨骨杭(レディウスボーンパイル)による不意打ちも普通に躱す
といった常人離れした絶技の例が絶えない。下記の使用技も併せて、作中世界において埒外(チート)な武力を有している。
ファンと初対戦であったアンディは、彼の異常な戦闘力を否定能力の類だと疑うほどだったが、これらは超常能力でなくファンが数百年も磨き続けている純粋な我流武術・身体技能である。
否定能力
「それまで…老いずに待つとしよう」
UNFADE-不老-
自己対象 強制発動型
自己の「老化」を否定する。
発現(移行)した時点から一切老いなくなる否定能力。アンディの否定能力「UNDEAD-不死-」と似通っているが、彼と異なり死にはする(つまり不死の下位互換にあたる否定者)。
ファンの事例だと、彼に「UNFADE-不老-」が移ったのは70代の頃。彼は体の衰えを言い訳にせず修行する日々へ限界を感じ、若さに嫉妬を抱いていた時期だったと回顧している。
老衰も否定する理屈から、本編におけるファンの実年齢はなんと170歳前後。因みに男性主人公・アンディの人格が生まれたのは155年前なので、ヴィクトルと■ュ■■を除けば最高齢の人物となる。
初登場時点では老人の姿だったが、上下の記述で触れる経緯「古代遺物:ライフ・イズ・ストレンジの効力」により、150年ほど若返る事が出来て、20歳代である全盛期の容姿に戻った。
使用技
捌廻山靠(はっかいざんこう)
鉄山靠を発展させた必殺技(背中の体当り)。詳しくはシェン=シアンの項目にて。
弧撲(こぼく)
両腕で相手の体を軽く押すような動作から人ふたりを吹き飛ばす程の勁を放つ。
直撃したアンディは、自身の不死再生によって衝撃を自己へ留めて、背負っていた風子の直撃を防衛したものの、衣服を破るほどの内部破壊という殺傷力を身に受けた。
またファンの技は、この技に限らず踏み込みによって地面が割れるほどの高威力も発揮する。
絶招歩砲(ぜっしょうほほう)
中程度の距離を踏み込みで詰め、その勢いのままに側拳(崩拳)で突く技。
直撃したアンディは、容易く胴をぶち抜く破壊力を身に受けた。
随心鉄桿 龍炎武(ずいしんてっかん りゅうえんぶ)
武装・所持
ファンは古代遺物蒐集をしているだけあって複数の古代遺物を武装・所持している事から、更に戦闘力が向上している。単騎であれば作中世界の実力者たちでトップクラスに入る。
また本項では便宜に、ファンが使用した古代遺物も記述する。
随心鉄桿(ずいしんてっかん)
内部に鎖の通った六角棒型の古代遺物(ぶき)。伸縮する他、壱から肆までの4形態に変形する機能がある。
壱が棍、弐は双節棍(ヌンチャク)、参は三節棍といった感じに可変する。各形態にそれぞれ奥義が存在するらしいが、ファンは肆の形態のみ扱いこなせなかったらしい。
作中では、壱・棍の奥義と思われる「龍炎武」を使用。龍を模った熱エネルギーを纏った棍の投擲で、大人二人の腹を貫通する凄まじい一撃。よく視ると随心鉄桿の各パーツが離れて浮いている外観が確認できる。
ファンが打倒された後、一時はシェンの武器として使用された。
因みに「随心鉄桿」という名前は、西遊記において孫悟空のもつ如意金箍棒と互角の性能を持つ、偽の悟空の武具「随心鉄桿兵」が由来だと思われる。
死亡遊戯(しぼうゆうぎ)
数珠型の古代遺物。死亡遊戯の装着者が殺した相手を数珠の中に封じ、キョンシーとして復活させ使役することが出来る。キョンシーは痛覚を持たず、死亡遊戯の所持者が命令しない限り動くことが出来ない。
ファンはUNDER加入より前からこの古代遺物を所持していた。自身が殺した一番弟子や他流派の達人を数珠に封印(ゲット)していた。
ファンと応戦していた風子に奪取された後、ムイの手へ渡る。
黒斗雲(こくとうん)
金斗雲と対をなす黒雲型の古代遺物。使用者を乗せて空を飛ぶ黒雲だが、乗れる条件などは詳細不明。
作中の様子から、悪意を有した者が使用できる古代遺物と推察される。
ライフ・イズ・ストレンジ
小球型の機械時計みたいな古代遺物。機能は対象の時間を早めるか巻き戻せれる時間操作。だが代償として、使用者は用途の10倍も時間変化を受ける。例えば5年の早送りor巻き戻しをすれば、使用者は50歳の若化or老化が発生する。
作中では、UNDER(アンダー)のリップが死に瀕した際に使用された。当時は老人だったファンが、彼を蘇生する用途で「ライフ・イズ・ストレンジ」が使われた。なおリップが15年も時間を巻き戻され子どもになったのは、古代遺物の制約などではなくただファン自身が150年若返りたかったからなのは想像に難くない。
因みに不老であるファンならば、使用者の若化が有効でも、老化は否定能力で否定されると推察される。使いようでは他者への老化を単純攻撃手段として不代償(ノーデメリット)で発揮できるだろう。
ファンの不真実
上記で述べたように、人間性は壊滅的なファン=クーロン。自身の天下無双を証明するため、悪道へ進むことも厭わない残虐性を有している。
だが物語が進み、ファンの動向・言動を注視すると、強くなる動機を逃さない単純さや武の純粋さや強き者でいる矜持など、顕著は不道徳(ワル)からは不真実(ウソ)のような武闘者(グラップラー)である一面が垣間視える。
これらはファンが主人公たちに敗北した後の様子から視られ―
- 物語の幕間(原作漫画8巻)にて、紆余曲折でムイのキョンシーになったシェンの尋問を受ける拘束者・ファンが、対話の合間で「武器が腐るから」と、キョンシーのシェンへ六角棒の古代遺物「随心鉄桿」を譲渡している。
- 世界へUMAゴーストが追加され、魂の活用領域が拡大した世界観になった時期。まだUNION(ユニオン)の檻房で収監中だったファンは、敵味方の情勢に無関係で、更なる強さを得る好機と捉え魂(幽体)の感覚を習得に努め、多大な自己強化を経ていた。
そして特に印象的な、武に繋がる縁から老成していった不真実(きもち)をファンの関係者が-本作の読者が-感じる一幕がある。
(原作漫画8巻における)台湾で全ての戦いが決着した束の間。空には戦果となる大量の花火が揚がる一時、金斗雲に乗って空に佇むシェンとムイ、そしてキョンシーのシェンに担がれたボロボロの敗北者・ファン=クーロン。
かつてシェンの兄弟子と実妹を殺し、先刻にはシェン自身をも殺した男。しかし、悪辣不道な男とまるで家族の実感があった真実(きもち)、それを怨敵である師匠・ファンへ確かめたかったシェン=シアン。
「アンタは どう思ってたんだい?」
死者(キョンシー)となった愛弟子の問いに老師匠は―
「バカが お前は…俺が強くなるための糧だぞ それ以上でも以下でもない」
先刻までの武闘家が真面に答えるとは思えない真実(きもち)を述べ、
「俺は一度だって お前たちを 家族などと思った事はない」
武の畢竟を目指していた男は不同感であると語りながら、不可解にも一筋の涙-否応なしに漏れたような感情-を流す。
ファン=クーロンは、新たな不真実の否定者-視認対象の真実(ほんとう)を真逆にする瞳術-に視つめれられながら、誠実に天下無双を目指す弟子の言葉を否定した。
愛弟子たちを家族だと思っていたのなら、有縁者(たいせつ)を手にかけるファンはどのような心境だったのだろうか。彼の持論「大切なものを失う絶望が人を強くする」は自分自身にも当てはまっていたのだろうか。
言葉は反転し不可解(わからず)なことばかり。
だが確かなことは、ファンにとってシェンはただの糧ではなかったのである。
「そっか それが不真実(しんじつ)なんだね」
死者(キョンシー)は、額の札に重なって、死んでも枯れる事のない一筋の涙を流していた。
pixivでは
名前(ファーストネーム)の『ファン』だけならば英語の直訳である関連の作品が多く該当する。
そのためpixivにイラストを投稿・タグ付けするならば、本記事の『ファン=クーロン』や『ファン(アンデラ)』を使用したり、関連タグとして『アンデッドアンラック』や『アンデラ』など合わせて適用(タギング)することが絞り込み検索を助ける。