ヤンマ・ガスト
やんまがすと
概要
特撮番組『王様戦隊キングオージャー』の登場人物。トンボオージャーに変身する青年。テクノロジーの国「ンコソパ」の国王。
工業大国シュゴッダムの下請け属国扱いだった当時のンコソパの境遇が気に入らず、技術革新による独立独歩を掲げ、パソコン1つでテッペンまで駆け上がったヤンキー国王。
オージャカリバーは腰に帯刀しており、スイッチの操作は帯刀したまま行う。
人物像
国民には「国王」では無く「総長」と呼ばせている。
生まれはスラム街で、自ら「親の顔すら知らない捨て子」だった過去が語られている。そのせいか口が悪く「スカポンタヌキ」「タコメンチ」など、独特な悪口を頻繁に口にする。(まぁ対象年齢を考えると、仮にも王様がヤンキーの常套句である「クソ野郎」とか吐けば、それはそれで抗議が起こるのは間違いない)
短気でケンカっ早いが、ギラを意味もなく大振りな動作のパンチで殴ろうとして失敗するなど、ステゴロ方面では全く喧嘩慣れしていない一面も。しかし、ンコソパではデジタル機器を使った『ンコソパ流の喧嘩』があるため、同様の技術に長けたンコソパの民を纏めて一蹴できる技術を以てメンツを保っている。尚、トンボオージャーに変身すれば普通に戦えているため、武器を使った立ち回りが得意なのだろう(ただし剣技は苦手らしく、銃撃戦を主軸としている)。
ただし、生身のケンカ経験の少なさ=身体能力の低さにも繋がっているのか、敵の策略でリタと肉体が入れ替わった際、リタから「何だこの体(の身体能力のなさ)は……!? へなちょこすぎる……!」と驚愕交じりに指摘された程。同話でカグラギの精神が入ったヒメノが華奢な体ながらも、悠々とダンベルを持ち上げていた事実も鑑みるに、フィジカル面ではチーム内で最弱の可能性が高い。
民については王や国民を超越した「仲間」と定義しており、メンチを切ったり「勝手に付いて来ている」と称したり等「(国民を)守る」意識は薄い代わりに、上記の「タイマン」をフランクに受け付けたり有事には一丸となって立ち向かったりと、常に対等に接する形で彼等を信頼し、自ら背中を見せて民を「導く」形で(この姿勢はギラには当初こそ誤解を招いたが、民衆の圧倒的支持からその考えを変えさせている)国民から熱狂的な支持を得ている。
それもあってか、五国同盟を提唱して他の国の王達を納得させたシュゴッダム国王ラクレス・ハスティーの言動に1人不信感を寄せる用心深さ、そのラクレスの隠された本質や「邪悪の王」を自称するギラが、悪人でない本質を早々に見抜いてみせる鋭い洞察力も併せ持っている。
テクノロジーの国の国王=トップクラスのエンジニアでもあって、オージャカリバーを始めとした王様戦隊の装備の開発(変身講座動画より)や、過去にゴッドクワガタを起動させた実績がある一方、シュゴッドに対しては度々「機械」と断言し道具のように扱いつつも、ゴッドクワガタの起動に「また人類を救って見せろ!」と発破をかける、ヒメノの過去を知って「シュゴッドは機械に過ぎない。だからシュゴッドが悪いのではなく、それを悪用した人間が悪いんだ」と諭すなど、根底では自国の民達と同じように仲間意識を抱いているなどもあり、総じて根は民思いな仁君である。
別世界の戦隊の武器をオージャカリバーと同じ要領でパパっと治している。
上記の通りテクノロジーの国の国王ではあるが、私人としてのヤンマはクラシックなモノを好んでおり、デスクにアンティークな物が散乱していたり、使うノートパソコン(通称「ボロ」)も電子部品が表面に貼り付けられた年季物を使用し、好みの音楽もクラシカル系。
ペタ城には玉座の間に本来の玉座があるものの座らず、専ら私室にあるゲーミングチェアを愛用している。
一方でヒメノ・ランを「ヒメノちゃん」と呼んでデレている様子を見せる等、一昔前のヤンキーよろしく可愛い女の子が好み(あるいはパソコン→ギャルゲー好きのアキバ系?)な描写もある(もっとも、彼女の度を超えた我がまま振りを目の当たりにして以降、ヒメノ個人に対しては「やっぱねェわ……」とドン引きし普通に接している他、些細な小競り合いをするようにもなる)。
またその出生・育ちゆえに礼儀作法には相当疎く、フラピュタル城内の超高級な食堂内で、椅子に膝を立てて直接皿からレインボージュルリラ(をイメージして作られたスープ)を一気飲みした際には、ヒメノに「まあ、汚らわしい」 と引かれていた(しかし、そこまで派手な音を立てて啜ってはいなかった)。
容姿
王……よりヤンキーな容姿であり、髪型も若干だがリーゼントで青のメッシュが掛かっている。瞳も青く、左耳にはイヤリングをしている。
服装は青のレザージャケットに黒のタンクトップ、グレーのボンタン(両太腿部に無数のコードが仕込まれている)で素足にサンダルを履いている。城内では短ラン丈の作業着ジャケットを着用することもある。第8話では決闘裁判に赴くギラを鼓舞するため特攻服姿でエールを送った。
首元にヘッドセットを掛けている辺り、ハイテク、インテリ要素も感じさせる。
- 2年後
物語後半にあたる第二部以降はリーゼントのメッシュが金髪になっており、レザージャケットが新調されている。また33話ではレザージャケットがデニムに変わった私服姿を見せている。
活躍
冒頭でバグナラクの復活を懸念したラクレス主導による五大国の同盟を結ぶためにシュゴッダムに赴いたが、キングオージャーの操縦権を主張するラクレスの物言いに納得がいかず、「予言とやらを口実にして力を独占してぇだけ」と不満を述べて同盟の締結を拒否。
その不満もとい懸念は見事に的中しており、ラクレスはバグナラクをも利用して、ンコソパを始めとした各国を完全に侵略する大義名分と力を狙っていた。
更に目的の為に平然と国民を犠牲にする姿勢もヤンマ(と他の国王達)とは相容れない為、トコトン相性が悪い仲と言える。
その後バグナラクに応戦する中、自身はゴッドクワガタの起動を図るも上手く行かなかった(故に第1話では初期メンバーで唯一変身しなかった)が、クワガタオージャーに変身したギラによりゴッドクワガタは覚醒し、キングオージャーによってバグナラクは退けられた。
初のメイン回。
シュゴッドやオージャカリバーの仕様を知り尽くしていたヤンマはこの事態を本来「あり得ない」ことといち早く見抜くとともに、シュゴッダム──ひいてはラクレスに真正面から喧嘩を売った彼の姿勢と態度を気に入ったのか、自ら手助けした上に自国へ半ば強引に連れ帰る。(ギラが入城セキュリティシステムに引っかかっている所を手助けしている場面があり、正体にここでうっすら気付いていたのでは…と推測されている)
そこで国力の差を笠に着て謝罪と服従を要求し始めたラクレスの通達を受け、運悪くバグナラクの警告を兼ねた見せしめの破壊を同時に受けてしまった事で国民中から反感を買ってしまい、一度は皆の為にと屈しかけたが、国交断絶覚悟でそれらを突っぱね、自らの国や王としての姿を示してみせた。
その姿に文字通り感涙した国民達は再びのバグナラク侵攻に一致団結してヤンマに協力、ボダルジームを倒す事に成功した。だが、その直後ギラと2人揃ってゴッドカマキリにイシャバーナへと連れさらわれてしまう。
当初ヒメノを「ちゃん」付けし露骨に鼻の下を伸ばしたヤンキーにあるまじき態度でギラを困惑させた……が、彼女の破天荒な我がまま振りに正気を取り戻すと「なんであんな我がまま女が王様やれてんだか…」と心底呆れ果て、ギラにも事ある後に「帰るぞ」と促す。(この時点で彼はまだ国際指名手配であり、帰る国など無いに等しかったため、自国に連れ帰って当分の面倒を見る気だったのかもしれない)
その後バグナラクがイシャバーナに侵攻すると、ヒメノなりの女王としての心情と在り方を知ってからはそれなりに認めるようになり、共にフンジームを倒した。
ところがその直後三大守護神の一体・ゴッドカブトが現れラクレスが来た事に驚愕(搭乗者の正体はまだ視聴者しか知らない)。攻撃から逃げ出すべくヒメノを巻き込んでゴッドクワガタに乗り逃走する。
ゴッドカブトの迎撃を受けトウフに墜落。ちゃっかり助かっていたヒメノと共にはぐれてしまったギラを探すべくタキタテ城へ向かう。
そこでカグラギと別行動を取っていたギラと合流するも、今度は述べる口上そっちのけでヒメノと豆腐鍋をつつき合い、焦れた彼の訴えを聞いて渋々協力。
そこで再びゴッドカブトの攻撃を受けるが、ギラが搭乗者の正体を見破って飛ばした激にカグラギが心打たれ、ゴッドカブトもまたギラの熱い思いを受けたゴッドクワガタの一撃によって正気に戻った事で現れたバグナラクとタニジームを倒す。
ギラはカグラギがしでかした事を許すものの、ヤンマは一連の行動を含め全てが彼の手のひらの上で転がされていたのではないかと訝しみ疑念の目を向ける……するとそこへカグラギから国家侵略の通報を受けたリタ・カニスカが現れ、ギラを逮捕してしまう。
前話でギラが裁判のためゴッカンに連行された事で一時帰国。
リタによる事情聴取では彼に手を貸した事を問い詰められるも、「アイツが勝手にオージャカリバーのAAA生体認証を突破した(=オレは関係ない)」と何処吹く風を貫き、そういう理由だから自分は減罪対象になるかと問いかけた矢先、突然のリタの絶叫にビックリしてコーラを吹き出してしまう。
そしてギラへの判決立ち会いの為にシオカラを連れてゴッカンに招集され、リタから「ギラはシュゴッダム国王の弟であり、彼がやった一連の行動は王族としての責務を全うしただけのため『無罪』だ」 と言い渡されると、ラクレスに一泡吹かせられたのとまるでこうなる事が分かっていたかのようにほくそ笑み、再びゴッカンに現れたバグナラクを前にした五国同盟の再結託宣言には「オレ同盟から外された気ィすんだけど…」と言いつつも嬉しそうであった。
(その直後カグラギの「こうなる事をずっと信じてました」発言にはヒメノとギラと一緒に「嘘つけ!💢」と怒鳴っていた)
ギラの身柄と引き換えにバグナラクが5王国に仕掛けた罠をどうするかの緊急招集がかかる中一人彼のもとに現れ、コーカサスカブト城に向かう中バグナラクに捕まれば三大守護神を含めたシュゴット全てが彼処の手に渡り一巻の終わりであることと、オニイサマであるラクレスの味方という名の傀儡道具になるつもりかどちらだと問いかけると、「どっちにも付かない!!」という言葉と城に着くや否や真正面ら切りかかろうとした姿勢(しかもそれを防いだカグラギとリタに「止めんなよ」と煽り返している)に再びほくそ笑む。さらにギラが暴露したラクレスの「民は道具」発言と、チキュー全土の危機的状況にもかかわらず同盟を一方的に破棄した上に他の国の支配を目的とした戦争を仕掛ける宣言には露骨に顔を顰め、他の国王と共に完全に失望・見切るに至る。
だが、戦闘に必要なのシュゴッド起動の力をラクレスに切られてしまう。
ギラとジェラミーを除く4国王と共に、なんとゴッカンの牢獄に投獄されているという衝撃的なところから始まった。
なお彼の罪は、「天上天下唯我独尊」というウルトラPCなるものを開発していた中で、チキュー全土の電力を無断で独占した(ハッキングでもしたのだろうか)という全世界電力独占罪によるもの(例を挙げるならば、ゴッカンだったら電機製の暖房器具が使えず、それで病院に行っても医療器具が使えない、というものである)。
トウフなら革命もの、ラクレスが健在なら侵攻の大義名分ものの大事件だが、ラクレスやバグナラクの脅威が去ったことでハメを外し過ぎてしまったと推測される。
- 第28話
「無罪だ。帰って良いぞぉ〜」
胡乱のゴーマの術により、リタと肉体を入れ換えられてしまう。劇中ではヤンマの肉体に入れられたリタにゴッカン送りにされたンコソパ国民を国に送り返していた(事情を知らないモルフォーニャにはまた過労でおかしくなってるとドン引きを超えて心配されていた)。変身するのもパピヨンオージャーだったが、精神がヤンマなので武器の使い方やファイトスタイルもトンボオージャーと同様になっている。
また、この時にリタの秘密も握ったようで、ヤンマの肉体に入ったリタにちびもっふんを無言で渡している。
- 第35話
別宇宙の戦隊と共にデーボス軍を倒してコーカサスでチキューに戻りダグデドに5王国がダグデド達の手で陥落した事を知ると、1度情報確認のためにンコソパに戻って見るとそこには、ひたすら自分達の喧嘩道具とも言える電子機器を壊してる三賢者達で顔面パンチを喰らい狭間の国へ行きジェラミー、ギラ、カグラギに合流。シュゴッタムの王から逃げてギラ達に付いてきたドゥーガから王様戦隊がチキューを離れてる半年の間にヒルビルがンコソパ国民の持つヘッドホンを通じて洗脳して無駄な血を流すことなくたった1晩でンコソパが陥落した事を聞きその目的もンコソパの持つ情報網が狙いであることを知る。それと同時期に耳栓でヒルビルの支配を間逃れてたシオカラから連絡を聞きヒルビルの真の狙いがンコソパのネットワークの生命線でヤンマがいつも持ってる『てっぺんコンピューター』であることを知る。国を奪還するために小細工無しでジェラミー達と共に真正面から殴り込みにかかるとてっぺんコンピューターを取りだして住民達のデバイスをハッキングして気絶させるとヒルビルが現れる。殴りかかったカグラギを静止するも国のためなら自分すらも騙すことの出来るカグラギに洗脳ができないことを知るとヒルビルに味方したサナギムの相手をギラ達に任せてヒルビル倒すために王鎧武装してオージャシューターによる遠距離攻撃でヒルビルの洗脳を封じるも逃げられてしまい、ヒルビルに洗脳されたシオカラの命と国の生命線であるてっぺんコンピューターのどっちを取るかの二択を迫られる。
嘘発見器の電撃で自分の命を削る覚悟でヒルビルの洗脳に抵抗し続けるシオカラを見て彼を守るために断腸の思いでオージャカリバーを抜いててっぺんコンピューターを壊した。その覚悟を嘲笑うヒルビルを背にギラ達に済まないと謝るもギラからはヤンマはなんにも悪くないと国の生命線を断ち切る覚悟で自分の側近を守ったヤンマの覚悟を尊重し4人だけでヒルビルは勝てないと悟りそのまま撤退しかつてのンコソパに戻った様を見て国を取り戻してもう1度再建し直す事を誓った。