アルトリア顔
あるとりあがお
概説
『Fateシリーズ』の顔であり、第一作『Fate/stay night』のメインヒロインであるセイバーことアルトリア・ペンドラゴンの顔立ちのこと。
該当キャラクター
アルトリア派生
※1 セイバーオルタの派生
※2 謎のヒロインXの派生
※3 獅子王の派生
※4 謎のヒロインX(オルタ)の派生
そっくりさん
ジャンヌ
ジャンヌ・ダルク(Fate) | ジャンヌ・オルタ ※1 |
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ジャンヌ in 終局特異点byけむけむ27 | |
ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ ※2 | レティシア(Fate)※3 |
旅の始まりにbyyomei | |
ジャンヌ・ダルク(水着)※1 | ジャンヌ・オルタ(水着)※2 |
※1 ジャンヌの派生
※2 さらにジャンヌ・オルタの派生
※3 『Fate/Apocrypha』におけるジャンヌの依り代
ネロ・クラウディウス
二人とも先祖がアフロディーテである可能性があるため、アルトリアとネロはよく似ているのかもしれない。詳しくは下記にて。
モルガン
姉妹だから顔が似ていてもおかしくない…と思いきや、マーリン曰く概念受胎を行うための最適の母胎を用意してアルトリアを作ったとのこと。モルガンは異父姉もしくは異母姉の可能性がある。セイバー・オルタ曰く、彼女は自身の母であり姉のようなものらしい。所謂、プロト版女体アルトリア。
増殖の経緯
これは有限会社Notesの代表取締役であり、キャラクターデザインを担当した武内崇社長の完全な趣味。
同人サークルとしてTYPE-MOONを運営していた頃から、武内社長は筋金入りの金髪美人好きで知られており、『Fate/staynight』を「旧Fate」から再構築するにあたって、本来は白馬の王子様な旧セイバーを性転換という魔改造にかけてこの仕上がりにした。
さすがに社長の女房役である脚本の奈須きのこ氏も、「俺のセイバーを女にしやがった」と当初はイラッときてしまったらしい。
加えて、アルトリアのキャラクターデザインを練った時期、武内氏は騎士姫キャラにどっぷりとハマっており、自分の思いの丈をぶつけて生まれたのが、現在のアルトリアのデザインなのだとか。
このとき既に、後にファンさえ“呆れる”という感情を思い起こすほどの社長の「暴走」は始まっていた。
増えるアルトリア顔
シリーズが人気作として成長し、アルトリアも「セイバー」の通称でシリーズの顔役となっていく。
何作かの派生・外伝を発表していく中、新シリーズ『Fate/EXTRA』が製作される。
ここで真っ赤なドレスを着たやや童顔のセイバーらしき少女が登場したことで、また盛り上がりを見せる。
だが、蓋を開けてみるとそれは“暴君ネロ”として知られるローマ皇帝「ネロ・クラウディウス」だと判明。
ファンの誰しもが「またか型月」と、Fateシリーズの“闇”に直面することに……。
これと前後してシリーズのオンラインゲーム化の案が浮上するが、諸々の事情から没となる。
そして、そのメインヒロインとしてアルトリアによく似た紫色をメインカラーとする少女が登場し、一時期は紫セイバーというあだ名も頂戴していた。
後に彼女が“ルーラー「ジャンヌ・ダルク」”として活躍することになったのだが、それはもう少し後になる。
その端っこで、エイプリルフール企画『路地裏さつき』では「増え続けるセイバー顔を抹殺する謎のヒロイン」という、公式自らが増殖問題をネタにしたヒロインXが登場。さらには「結局、セイバーじゃねえか!ぶっとばずぞ武内!」と言わしめた『コハエース』出身の桜セイバーなど、着々とアルトリアと同じ顔が量産されていく。
この頃には「セイバー顔じゃなきゃデザイン描かない!」というブラックジョークが通じるまでに、武内氏の性癖は周知のものとなってしまっていた。
半ば、一番の箴言者(進言者)である古参ファンさえ、もう諦めの境地に達しかけていた。
“これはもう、死ななきゃ治らない病気”だと……。
公式もここに来て積極的に自虐ネタにする、いつもの前向きさを発揮し始める。
そしてオンラインゲーム化の際の設定を焼き直し、ジャンヌ・ダルクが活躍する『Fate/Apocrypha』が発表されると、今度はアーサー王の宿敵となったモードレッド卿がアルトリア顔に。
伝承上でもアーサー王の落胤であるので似ていておかしくはないのだが、「ホムンクルス技術によるクローン」というもっともらしい設定もひっ付けて、かなり似せている。
――が、これに関しては設定担当の東出氏とデザイン担当の近衛氏の打ち合わせによる偶然の産物だったらしく、武内氏はノータッチという衝撃の事実が判明した。
また、『氷室の天地』では読者投稿の英霊としてベトナムセイバーこと「黎利」が登場。
アルトリア顔になった理由は伝説が完全にアーサー王のそれであったため。
そしてスマートフォンアプリ『Fate/Grand Order』の配信とともに、社長のエンジンはフルスロットルに。
何せ設定上、「同じ英霊でもサーヴァントとして召喚される際の側面(≒性質)が違えば同一サーヴァントでも複数体存在できる」というものがあるのだ。
つまり、アルトリアの別側面の発掘という大義名分のもとにアルトリア顔の量産が可能になったことを意味する。実際、配信直後からオリジナル・オルタ・リリィの三騎が実装され、クリスマスイベントのサンタオルタさん配布を皮切りに着実に数を増やし続けている(ジャンヌでさえ「ぽこじゃか増えるのはアルトリアさんの特権です」と呆れていた……が、昨今この発言もブーメラン化しつつある)。
そして、Fateシリーズ15周年となる2020年8月、アルトリア・キャスターの実装をもってとうとうアルトリアだけで基本7クラス全制覇を成し遂げた。エクストラクラスもルーラー、フォーリナーを押さえている。
さらに、これをアルトリア顔の括りに拡大すると、アヴェンジャーとアルターエゴ、ビーストまで加わって、ムーンキャンサーとプリテンダーを除いた全クラスを網羅できるまでに。
そして、誰もがようやく気付いた。
“これはもう、死んでも治らない病気”だと……。
こんな状態なので、【敵単体に超強力な〔アルトリア顔〕特効攻撃】というメタい効果を発揮するヒロインXの宝具「無銘勝利剣」は、なんと計31サーヴァント(2022年1月現在)が対象になる始末。
各種特効の中でもかなり広範に効果を及ぼす部類になってしまった。
これにはオカンやおじいちゃんもびっくり。カルデアの食費は大丈夫だろうか……(汗)。
一方、『FGO』以外の作品でもアルトリア顔は着実に増殖中で、小説『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』ではアーサー王縁の一族出身であるアルトリア顔の少女「グレイ」が登場。現代パラレル系のバリエーションを除くと、何気に初の英霊ではない現代人となる。
小説『Fate/strange Fake』に登場する真ライダーは、髪型が似ているだけで顔はアルトリア顔ではないとのこと(2巻あとがきより)。
現在では、ファンも武内氏の性癖に呆れつつ「次はどんなアルトリアが来るのか」と、ちょっと楽しむ余裕が出てきている。
余談
「アルトリアとそっくりな顔立ち」というファン側の主観に寄るネタであるため、その定義は曖昧になりがち。ひとつの目安としては、「『FGO』において"アルトリア顔特性"を持つヒロインXの宝具の特効対象になるサーヴァント」は公式公認のアルトリア顔と言っていい。
また、公式やファンというメタ視点からアルトリア顔扱いされるキャラクターが、必ずしも劇中においてもそうであるとは限らない。アルトリア顔の代表格であるネロやジャンヌにしても、劇中キャラクターから「そっくり」と言及されることはほぼない(たとえば、アルトリアをよく知るガウェインはネロを見ても特別な反応をしていない。逆に、アルトリアとジャンヌをそっくり認定したキャスターだが、これは彼の精神汚染+魂が似ていたからと説明されている)。あくまで、イラスト上でそっくりなだけなのである。
逆に、イラストで複数人並べて描かれる時は服装や髪型、各々の個性(表情や仕草)で描き分けされる。
ちなみにだが、Fateと同時期に制作された『MELTY BLOOD』の主人公、シオン・エルトナム・アトラシアはセイバーのデザインを作り上げるために試行錯誤した際の余剰パーツを流用してデザインが作られたという制作過程が語られており、デザイン面で言うなれば姉妹関係に当たる存在ともいえる。
その為、よく見るともみ上げだったり後ろ髪の三つ編み、生真面目な顔造形など確かによくよく見ると顔パーツの共通要素が存在したりもしてる。
ある意味、彼女も真のセイバー顔とも言えるだろう。
余談だが、これが縁かどうかは不明だが、エイプリルフールの『路地裏さつきシリーズ』においてシオンのコスプレをしたセイバーの公式絵が拝めたりする。
また、『空想科学読本』第11巻で『Fate/Zero』が紹介された際には(版権の都合で)セイバーらしさは押さえつつも、コレジャナイ感も上手いこと折衷されたセイバーが描かれている。こちらはリボンが赤い。
『Zero』や『staynight』で、ギルガメッシュはエルキドゥに似ているという理由でその面影を重ねてセイバーに一時的に執着していたが、エルキドゥはアルトリア顔ではない。二人は在り方が似ていてその眩しさに執着していただけである。また、宝具の詠唱が似ている点もあるが、何故なのかは現状では明かされていない。
余談の余談
以下はあくまで推測であり公式の設定ではないので注意。
量産アルトリアが社長の「暴走」の結果と思しいのは周知のとおり。
だが、作中世界において【どうしてアルトリア顔が量産されるのか?】ということについて『FGO』で明かされた設定を元に一つの推測が立てられた。
オリュンポス十二神の一柱、女神アフロディーテがネロ・クラウディウスと似た顔※であり、カエサルのマテリアルや、2部5章のカリギュラや秋葉原イベントのアルテミスのセリフにもあるように【ローマ皇帝はアフロディーテの子孫】である。
これを整理すると、
①トロイア王国にアフロディーテと王子アンキセス※との間に生まれたアイネイアスという男がおり、彼はトロイア王女との間に長男を設けていたのだが、戦争敗北によって逃亡。後にオデュッセウスの孫である王女と再婚し、生まれた息子から約十五代後の子孫が初代ローマ皇帝ロムルス。なので、ローマ皇帝はアフロディーテ(アイネイアス)の子孫である。(ローマ神話より)
➁アイネイアスの長男で最後のトロイア王の娘クレウーサーが生んだ長男アスカニウス。その孫ブルータスは国外へ行き、海を渡って名もなき島へたどり着き、そこを自分の名を冠する《ブリテン島》と名付け、初代の島の王《ブリテン王》に即位し、島の娘と婚姻し多数の子を作り、子孫が島中に散らばった。(ブリタニア列王史)
以上から、アルトリアとネロにはアイネイアスという共通の先祖が存在する事が判明し、アルトリア顔とは先祖アフロディーテのDNAが強く発現した状態、例えばサーヴァントになれる程の魔力量を持った等によるものなのではないかという考察が発生した。また、フランス生まれのジャンヌとレティシア、日本の沖田総司などについても、移民や混血を繰り返した結果、アフロディーテの血縁が現代までに世界中へ拡散したと説明できる。
グレイが途中からアルトリア顔になったのも、『後天的にアルトリア顔になる条件を満たし、この顔になった』とも説明ができる。
以上が、余談の余談である。
※:アフロディーテがアルトリア顔であるかは不明。戦闘時も真体と戦うためアルトリア顔特性の有無が確認できない。
※:ローマ神話では王子とあるが、正確には三代前の王の弟の孫である為、王族ないし殿下と呼ばれる事があっても、『王子』と呼ばれる地位では無い。
アルトリア顔の拡散図・バージョン2020(正式名称は【トロイア王家&ローマ帝国の家系図(2020)】)