スクラッシュドライバー!
潰れる! 流れる! 溢れ出る!
CV:若本規夫
概要
葛城巧が遺したデータの中にあったフルボトルの成分をゼリー状に変換したアイテム「スクラッシュゼリー」による変身を可能にするベルト型変身デバイス。名前は「スクラップ」+「クラッシュ」から。
データを元に桐生戦兎が理論を構築し、データ上ではスクラッシュゼリーと共に完成に至った。しかし、完成したデータは戦兎がドライバー自体の開発を始める前に石動惣一がコピーして盗み出し、そのまま難波重工の手に渡ってしまうこととなった(猿渡一海が所持していたのはこの難波重工製のドライバーである)。
戦兎も第16話で開発に着手し、続く第17話で完成したが、ボトル・ゼリーの成分をフルに使える代償としてネビュラガスの影響をより強く受けてしまうというデメリットがあり、変身するとパンドラボックスの光を浴びた人間と同じように好戦的な気質を剥き出しにされ、変身を続けていくにつれ精神が汚染されてしまい、最終的には変身者諸共戦闘兵器へと変貌してしまうという極めて危険な代物であることが判明した。
実際、これを使用した龍我や一海は戦闘中に普段以上に好戦的な面を露にするようになり、一海に至ってはより強い相手との戦いを渇望するかのような台詞を口にしている(一方で龍我と違って一海は暴走していない)。
また、戦闘中はアドレナリンを過剰に分泌するため精神だけでなく肉体への負担も大きい。これらのデメリットから力と引き換えに使用者から全てを奪っていく最悪のベルトといえる。
こうした問題点から戦兎はスクラッシュドライバーが間違いなく戦争の兵器に使われるであろうと考え、当初戦闘には絶対に使おうとしなかった(葛城=記憶を失う前の自分がスクラッシュドライバーを完成させなかったのもその可能性を考慮していたからだと推測している)。
しかし龍我は第22話で暴走した戦兎を止めたいという思いから力をコントロールすることに成功し、暴走のリスクを克服している。ネビュラガス注入によりパンドラボックスの光の影響から脱した幻徳にしてもその後何度このドライバーで変身しても元の好戦的な彼に戻ることはなかった。
このことからパンドラボックスの光に比べれば精神汚染の程度は弱い(精神力の高い人間なら克服可能なレベル)と思われる。
ボトルの能力と変身者の戦闘力を限界まで引き出す特性故に最終決戦まで使われたベルトである一方、戦兎がローグの強化アイテムを開発した際はわざわざビルドドライバー用のものを試作し、後からスクラッシュドライバー向けに改良しようとするという回りくどい手順を踏んでいたことから、元々強力な代わりに拡張性があまり高くないことが示唆されている(あくまでハザードレベルを上げるための道具という側面も大きいのかもしれない)。
このためスクラッシュドライバーを使っていたライダー全員がさらなる強化フォームへの変身のためにビルドドライバーを使用することになり、ついには後日談『ビルドNEW WORLD 仮面ライダーグリス』において相応の活躍こそすれど、ダウンフォールとの決戦時にスクラッシュドライバー使用者が誰も居ないという事態に陥ってしまった。
このため一部ファンからは「スクラップドライバー」と呼ばれる羽目に。
なお、ローグのみ一度ビルドドライバーを使った後、なんらかの理由でスクラッシュドライバーに戻したことが判明している…というより最終決戦以前にビルドドライバーを使った強化フォームがあったことが明かされており、このフォームから反映された追加特性が後に大きな意味を齎すことになる。
本編での活躍
東都と北都の戦争が激化していき、更には北都三羽ガラスが変身するハードスマッシュまで現れた事でハードスマッシュに対抗するにはスクラッシュドライバーを使うしかないと判断した万丈龍我が持ち出し、ドラゴンスクラッシュゼリーと共に使用し、クローズチャージへの変身を果たした。
しかしスクラッシュドライバーを所持しているのは龍我だけではなく、第16話でブラッドスタークが北都に横流ししたデータで既に北都もスクラッシュドライバーを完成させていた(第19話でそのドライバーの開発者が判明した)。
そのスクラッシュドライバーを使用した戦士・仮面ライダーグリスは第16話で東都に進軍し、第17話でグリスの変身者である猿渡一海が戦兎と龍我の前に姿を現した。さらにその後、第22話で登場した西都の仮面ライダーであるローグもスクラッシュドライバーを身に着けていたことから、西都にも何らかの形で開発技術若しくはデータが流出してしまっている可能性がある。
なお、ハザードレベルが4.2の一海とレベルが4.0の龍我は変身できているのに対し、レベル3.9の戦兎は第18話でクローズチャージへの変身を試みたものの変身はできなかった。
後に幻徳が主人公のオリジナルドラマ「ROUGE」のスタークの発言にてスクラッシュドライバーで仮面ライダーに変身するにはハザードレベルが4.0に達していることが条件であることが明らかになっている(戦兎はドラゴンボトルの時点で凄まじい拒絶反応に襲われていたため、変身条件が推測の域を出なかった頃はドラゴンボトルの成分から完成したドラゴンスクラッシュゼリー自体が戦兎を拒絶しているという説もあった)。
使用ライダー
使用法
スクラッシュゼリーを装填スロットにセットしてレンチ型のレバーを下ろしてパックを潰し、中身がドライバーに注入され変身を開始する。変身の際には周りに巨大なビーカーと装置ケミカライドビルダーが出現すると同時に成分の液体が変身者の体を覆ってスーツが形成され、最後に頭部から液体を放出してボディや頭部のパーツ等が出現する。
ローグの場合はボトルの中身が注入された後ビーカーとケミカライドビルダーが出現するまでは同じだが、ワニの口を模した巨大なパーツがビーカーを挟み込むように現れ、噛み砕くかのように割る。
フルボトルをセットしてボトルごとの能力を使用することも可能。
有機物系の装填/必殺技音声は「チャージ(ボトル/クラッシュ)!」、無機物系は「ディスチャージ(ボトル/クラッシュ)!」
レンチを下ろすと「潰れな~い!」という音声が鳴る。
グリスはディスチャージクラッシュ、クローズチャージはチャージクラッシュを主に使う傾向がある。
玩具版
2017年12月27日発売。特撮玩具には珍しい平日の発売である。
本商品に付いてくるドラゴンスクラッシュゼリーとロボットスクラッシュゼリーはドラゴン、ロボットのフルボトルと認識ピンが同じため代用可能。スクラッシュゼリーは商品の仕様上遊び続けると袋にシワが出来るため、中身がスプリングになっているガシャポン版ゼリーを使う手もあり(加減さえ覚えればゼリーにほとんどシワを付けずに遊ぶことも可能ではある)。
なお、認識ピンタイプのベルトでは音声の後付けが出来るように「無音(発光のみ)」のパターンが数種類入っていることも珍しくないが、スクラッシュドライバーにはそれがなく、新しいライダーを登場させることはほぼ不可能。
その拡張性のなさから「玩具に拡張の余地がない=グリスやローグに強化が来てもスクラッシュドライバーは使われない」と察したファンも当時から一定数いた。
余談
完成前に戦兎が秘密基地中に書きなぐっていた数式は流体力学に関するものである(物理学アドバイザーによる監修済み)。内容に関してはこちらを参照。
「ブラァ!」と表記されている部分のベルト音声は実際には「ぶるぁぁぁぁぁ!」で、まさしく強力若本全開仕様。誰が呼んだか「若本ドライバー」。
その強烈さ故に笑いを生みやすいせいか、ビルドドライバー以上にネタSEとしてギャグシーンで流されていた(特にローグが多い)。
若本氏は過去に同アイテムでの変身者の1人である武田航平も出演した『劇場版仮面ライダーキバ 魔界城の王』でアークキバット、レイキバットを演じている。
関連タグ
仮面ライダークローズチャージ 仮面ライダーグリス 仮面ライダーローグ
デルタドライバー:装着者の闘争本能を加速させる特殊機能が存在する、出力が高い代わりに拡張性は低い、変身者の一人はドラゴンの力を持つ、3号ライダー以外に2号ライダーが変身に使用した共通点を持つ。ただし、開発されたのは最初で主人公も変身ができた相違点もある。
ゲネシスドライバー:次世代の変身ベルトで「物語中盤から登場した」「旧世代の変身ベルトよりも強力だが、装着者への悪影響も大きい」「このベルトで変身するライダーは共通の武器を使用する」「セットした変身アイテムを潰すイメージでパワーを引き出す」「2号ライダーと3号ライダーと4号ライダーが使用したが、主人公は使用しなかった」と共通点が多い。
ネオアマゾンズドライバー:物語の途中から登場(こちらはシーズン2)、セットしたアイテムで薬剤を注入して変身、最初から使用されていたベルトより強力なライダーに変身できる代わりに素質ある者しか使えない、ある事情で最後の戦いでは最初のベルトに戻ってしまった共通点がある。因みに使用者の一人はスクラッシュドライバーの使用者の一人が演じた人物の友人である。
ガシャットギアデュアルβ←スクラッシュドライバー→アサルトウルフプログライズキー