概要
古来より突如現れ、世界中を襲撃する巨大生物。日本は特に出現数が多く、「怪獣大国」の異名を持つ。少なくとも室町時代には既に存在が確認されており、保科家は当時から怪獣を狩る武家の名門として名を馳せていたらしい。
どこからきて、何の目的で破壊活動を行うのかは一切不明であるが、10~15号は9号が人為的に作り出した代物らしい。
現実で言うところの地震や台風のような災害として扱われており、メインで現れる怪獣を本獣といい、続いてそれより小さな余獣と呼ばれる個体が現れることがある。大きさは100m超から人間と同程度、数十cmのものまで様々。ユニ器官と呼ばれる怪獣ごとの特性を発揮する器官を持ち、各怪獣の特性によって「菌類系」「翼竜系」などに分類される。
宗四郎によれば「地底の断層から生じるエネルギーを元に、鉱物や動植物細胞を取り込んで変異した姿ではないか」という説が一般的らしく、実際ほとんどの怪獣が地底怪獣あるいは水棲怪獣とされている(無論、翼竜型などのように例外はある)。
また倒した怪獣の死体を処理する専門業者も存在し、こちらは民間が対応している。
識別怪獣
出現してはすぐに防衛隊が対処してしまうため、よくある「〇〇ゴン」「〇〇キング」のような固有名を付けられることはない。
ただし、あまりにも強大な怪獣や、討伐が難航した怪獣は識別怪獣として「怪獣◯号」というコードネームが付けられる。Ftが9を超えれば即時判断で識別番号が振られることとなる。ただし、怪獣1号出現より前に現れた怪獣は、どれだけ討伐が難航しても識別怪獣とは見做されない(明暦の大怪獣等)。
作中世界における「大怪獣」とは、"エネルギーや戦闘力が高い"怪獣を表す為、体長が小さくても極めて強大な場合は大怪獣と呼称される(単に図体がでかいだけの本獣は「大型怪獣」「巨大怪獣」などと呼ばれる)。
物語開始までに計7体の大怪獣に付けられていたが、怪獣8号こと日比野カフカは防衛隊発足以来初の未討伐個体となった。
フォルティチュード
地震で言うところのマグニチュードのような、怪獣の規模を示す数値のこと。
6.0以上で本獣クラス(ただし強さはピンキリであるため実際5.0以下の場合も多い)、8.0以上で大怪獣として認定される。
めったにいないが9.0以上で識別クラス、9.5以上で特識クラス、怪獣8号の9.8まで到達すると「歴史に残る大怪獣クラス」、といった計測内容での数値で表示され、数値が高いほど「強度」及び脅威度が増していく。
倒された怪獣から得られた素材は、防衛隊の兵器のパーツとして使用される。
作中に登場した怪獣
大怪獣(識別怪獣)
怪獣1号
イメージ映像では複数の目を持つ巨人型の怪獣。
回避不能の攻撃を放つらしく、相手の肉体の電気信号すら見ることが出来た(らしい)。防衛隊最古参の四ノ宮功がわざわざ記録を持ち出していた辺り、相当に古い年代に出現した怪獣であることが窺える。
防衛隊一番隊隊長鳴海弦専用武器のベース。
怪獣2号
1972年に札幌市を壊滅させた恐竜型の巨大怪獣。凄まじい破壊力と、死ぬまで戦意を折らぬ気位の高さで有名。衝撃波の技を用いていたと思われ、防衛隊の炸裂弾のモデルにもなった。
防衛隊長官四ノ宮功の専用武器のベース。
怪獣4号
元防衛隊二番隊隊長四ノ宮ヒカリの専用武器のベース。
イメージ映像ではスカイフィッシュのような姿をしており、その機能から飛行能力を有していたことが示唆されている。
怪獣6号
恐竜型の巨大怪獣。複数の巨大怪獣(本獣)を支配でき「怪獣の王」と称された狂暴・邪悪な怪獣。過去に四ノ宮ヒカリが戦死したのもこの怪獣の仕業。海から現れる様も含めてほぼ間違いなく元ネタはこいつだが、基本火属性(電気属性だった個体もいるが)のあちらに対し、こちらは氷属性だった模様。防衛隊の凍結弾のモデルにもなった。
防衛隊内でもこいつの専用兵器はじゃじゃ馬過ぎて誰も適合者が現れず、市川レノが最初の適合者となった。多くの部下を引き連れるカリスマ性故に、適合者は「仲間から信頼されている」事が必要となるらしい。
怪獣8号
本体は超小型怪獣。主人公日比野カフカの口に入り込み、カフカと同化する。
基本的にはカフカが変身する形態であるが、時折超小型怪獣の方の人格がカフカを乗っ取ることもあり…。
本作の宿敵ポジション。キノコのような頭部が特徴。
該当項目参照。
メイン画像下段。体が非常に頑丈。
防衛隊立川基地を翼竜怪獣たちを率いて襲撃する。極めて武人肌であり強者との戦いを好む。
立川基地攻防戦で敗北するも、核のみ捉えられ、好敵手と認めた保科宗四郎と「契約」を結ぶ。
怪獣11号
怪獣9号によって製造された5体の大怪獣の一角。
眼を持たないでっぷりとした小型怪獣で、水を自在に操る。魚食性。
対1号(鳴海)特化型。
過去のデータに頼るという定番死亡フラグを立てたせいで、9号の持つ「四ノ宮長官の記憶」を超えた強さを得た鳴海に討滅される。
怪獣12号
10号に角を生やしたような姿の中型怪獣。いわば試作怪獣である10号の完成型である。
両腕を刃に変えて肉弾戦を敢行する。
対10号(保科)特化型。
怪獣13号
9号によく似た姿の小型怪獣。均整の取れた体つきをしている。
やたらと走る事を好み、その場で足踏みすることで体をパンプアップする。
大泉エリアの第一部隊を強襲し、圧倒的な格闘能力で制圧するも、駆け付けた8号と交戦する。
怪獣14号
巨大なモノリスに無数のデスマスクが付いた、最も非生物的な姿をした巨大怪獣。
ワープ能力を有し、口からはブレスを発射する典型的な移動砲台型の怪獣。
怪獣15号
対4号(キコル)特化型の小型怪獣。普段はキコルを黒っぽくしたような外見の少女に擬態しているが、残忍極まりない性格。
吐息や蹴りの風圧だけでビルを破壊するほどの戦闘力を有する。
体を菌糸に変えることで、大量の人間を一瞬のうちに串刺しにしたり、瓦礫を接着してハンマーにしたり、人間の頭脳に直接干渉することができる。
キコルを「承認欲求の奴隷」と嘲笑うも、実はその認識は自分自身が「父」である9号に抱いていた渇望の裏返しであった。
群発災害で出現した怪獣
パキケファロサウルス型の怪獣(仮称)
墨田区に大量に出現した怪獣。頭突きでビルに穴をあけ、人間を捕食しようとする。
結婚式場を群れで襲撃しようとしたが、鳴海により全滅する。
カマキリ型の怪獣(仮称)
虫人のような外見をしている中型怪獣で、前足の鋭い鎌で敵を切り裂く集団戦法が得意。頭脳が高く、ヘリコプターを投げつけるなどの凶器攻撃も行う。
怪獣10号を纏った保科副隊長の最初の錆となった。
カマドウマ型の怪獣(仮称)
怪獣物のお約束通り東京タワーを襲撃した。
キリン型の怪獣
Ft7.0をマークする中型怪獣。怪獣物のお約束通り国会議事堂を目指して群れで進撃する。口からは光線を発射して暴れたが、4号兵器を会得したキコル1人に全滅。
四腕型の怪獣(仮称)
同時多発災害で6体同時に大泉に出現した超大型怪獣。のっぺりした仮面のような顔をしている。腹部を膨満させて体内温度を上げ、強烈なブレスで町を破壊する。しかしその巨大すぎる鈍重な体が命取りとなり、20km離れた立川基地からミナが発射したケラウノスにより葬られる。
量産型の大怪獣(仮称)
識別怪獣たちが妥当された後に9号が送り込んだ後詰部隊。いずれも巨人型で、全ての個体がFt8の大怪獣。顔を某悪魔超人のような形状に変化させ、光弾を発射する。
その他
1657年に江戸に出現したと言われる怪獣。古文書によれば土竜67型に近い外見。
当時はまだ刀剣や石火矢・火縄銃など原始的な武器しか無かったため、歴史上最も多くの死者を出した怪獣とされる。
エリマキトカゲ型の怪獣(仮称)
小説版の回想で登場。保科副隊長が第3部隊配属となるきっかけを作った怪獣。
数年前に青梅市に出現した爬虫類系怪獣。本獣は体高30mほど。きわめて獰猛な肉食獣であり、胃液を吐いて弱らせた生物を捕食する習性を有し、余獣含めて人間を十数名食い殺している。
群発災害時にもこいつの大型個体と思しき群れが兵庫県姫路市に出現した。
フィリノソマ
冒頭で横浜市に出現した四足歩行型の怪獣。名称はアニメ版で判明した。
柳田理科雄氏の考察曰く「100mを超える体長」であったが、出てきて1ページで亜白ミナの砲撃で瞬殺。図体の割にフォルティチュードが6とそこまで甚大ではないのは、こういう単にでかいだけで動きも遅く火も光線も吐かないタイプの怪獣はミナのような高火力型には弱く被害が甚大になる前に駆除できるからではないか……と推察する読者もいる。
その後、余獣として後述のトリコネフィラを複数体引き連れていたことが判明し、そのうちの一体は怪獣8号となったカフカの最初の犠牲となる。
ちなみにアニメ版ではデザインが僅かに描き直された他、何故かフォルティチュードが原作の6から3.5に大幅に弱体化している。
全長は60mと再設定され、興奮すると顔周りのトゲが青く発光することが明らかとなった。
トリコネフィラ
上述のフィリノソマに伴って出現した余獣。名称はアニメ版で判明した。
蜘蛛の胴体から甲殻に覆われた人間の腕と顔が生えたような外見の蜘蛛型怪獣。全長10m。結構キモい。
作中では地中から2体出現し、最初の個体はフィリノソマの解体作業をしていたカフカとレノに襲いかかり重傷を負わせるも、寸前で駆けつけたミナによって全身を蜂の巣にされあえなく轟沈。
住宅街に現れた2体目は、家を破壊し中の母娘を食い殺そうとするも、8号の察知能力で駆けつけたカフカに寸前で妨害される。
その後、怪獣として初めて本気を出したカフカにワンパンされ、怪獣となったカフカの最初の犠牲となった。
牛鬼型の怪獣(仮称)
物語開始の1年前、八王子市に出現した怪獣。16人の犠牲者を出したが、防衛隊に捕獲され、演習場で飼育されていた。
巨大なツノと目のない巨大な口だけに見える頭部が特徴の怪獣。引き連れている幼体と見られる余獣にはツノは生えていない。
頭部には本来エネルギー弾を放つためのユニ器官が備わっているが、訓練では安全のために切除されている。目にあたる部位が退化して存在しない代わりに聴覚が発達しているため、不意の爆音に弱い。
防衛隊選抜二次試験で受験者たちにより全滅に追い込まれたが、怪獣9号によりゾンビ化されて暴れ回る。
原作では比較的シンプルな見た目をしているものの、アニメ化の際にパワーアップ前後のデザインが大幅に手直しされた。
また、原作では首元に大きく抉れたような傷跡があるが、これはパワーアップ後も再生しておらず作中でも一切の言及が無いので詳細不明。
菌類系怪獣
相模原市に出現した怪獣。本獣のサイズは150m。凄まじい生命力により余獣からも自己増殖可能。カフカら第3分隊新入りの初任務の相手。
甲殻類系怪獣
小説版に登場。
伊勢原市に出現した蟹型の怪獣。全身が強固な甲殻に包まれ、巨大な鋏で攻撃する。背中のユニ器官から水飴状の粘液を分泌し、土砂やコンクリートなどを体に纏う習性があるので、ただでさえ頑丈な装甲が更に強化されている。
魚類系怪獣
小説版に登場。冒頭で小型のものが死体として登場したほか、第4章で河口湖に大量に出現した。死体は予想通り物凄く臭い。
基本的には水棲だが、成長すると四肢を生やし上陸して暴れる。
本獣はクジラさえも丸のみにしそうなサイズで、テッポウウオのように口から数万tに及ぶ鉄砲水を噴射する。
河口湖の主
上記の魚類系怪獣が必死で逃げ回っていた河口湖の真のボス。上記の魚類系はいわば外来種であり、休眠中に縄張りを荒らしていた為目覚めた。肺魚とタコを合わせたような外見で、全長は50mほど。頭部から強力なエネルギー波を放つ。
翼竜系怪獣
飛行タイプの怪獣。大きさは中型レベルだが、口から火炎放射するなど戦闘力が高く、トカゲ型怪獣以上のフォルティチュードを有する。年間10度ほど出現しており、だいたいは単独行動を行う。前面が非常に頑丈で通常弾が通用しないが、背面は軽量化の為に装甲が薄い。
作中では怪獣10号に率いられる形で無数の本獣が出現し、立川基地を襲撃した。
水陸両生恐竜型怪獣(仮称)
ゴ●ラに似た形状の巨大怪獣。海から侵攻してくる。
作中では川崎沖から上陸しようとしたが、防衛隊に阻まれ、鳴海により瞬殺された。
他にも怪獣6号が率いていた本獣の中にこれに似たタイプが複数体確認できる。
スカイフィッシュ型の怪獣(仮称)
怪獣6号が率いていた本獣の中にこれに似たタイプが複数体確認できる。
飛行する事が可能な長い体の巨大怪獣。
蟻型怪獣
地底怪獣の一種。口から強力な蟻酸を吐く。
怪獣9号によりコロニーが乗っ取られ、品川区の地底を掘り進んで大陥没を形成し地上に侵攻した。
土竜67型
松本市に1967年から5年に1度のペースで出現し続けている大型~超大型の怪獣。全長は約100mほどで、モグラとトカゲを足し合わせたような体形の爬虫類型。外見の似た多くの余獣を引き連れている。
主な攻撃手段は口からのブレス。
第4部隊配属となり、6号兵器を拝領したレノの初陣の相手となる。
恐らく元ネタは1965年から5年半続いた松代群発地震
ちなみに明暦の大怪獣と識別怪獣を除くと原作で
偽キコル(仮称)
9号が15号の訓練のために作り出した「キコルの記憶」を元に作り出した分身。性能テストとしてまだ幼体だった頃の15号にぶつけられ、あっけなく殺されてしまう。
要は立ち位置的にはエースロボットとかロボットスーパー1のそれ。
フォルティチュード比較
計測値 | 対象 | 備考 |
---|---|---|
2.6 | 例年の年間出現怪獣の平均値 | |
4.8 | 物語開始時点での年間出現怪獣の平均値 | |
5.7 | 10号(首だけ) | |
6 | トカゲ型怪獣 | |
6.2 | 甲殻類系怪獣 | |
6.2~6.4 | 翼竜型怪獣 | |
6.4 | 牛鬼型怪獣(復活後)、土竜67型 | 宗四郎曰く「一個中隊レベル」 |
6.5 | 魚類系怪獣本獣 | |
7.0 | キリン型怪獣 | |
7.1 | 河口湖の主 | |
7.2 | 水陸両生恐竜型怪獣 | |
8.0 | 量産型大怪獣 | 「大怪獣」のボーダーライン |
8.3 | 10号(初登場時) | 問答無用で「大怪獣」認定となる |
8.5 | 9号(β、γ) | |
9.0 | 10号(巨大化)、11号、12号、13号、14号、15号 | |
9.2 | 13号(巨大化) | |
9.6 | 6号 | |
9.8 | 8号(牛鬼型怪獣及び怪獣爆弾との交戦時) | 宗四郎曰く「歴史に残る大怪獣」 |