「立ち上がれ、吠えろ、牙を剥け・・・!」
「人間共が作ったもの全て・・・この世界を破壊するのだ!!」 (第7話)
「光の力を感じる・・・。人間達の笑い声が聴こえる・・・。」
「何故だ・・・!?解き放った黒き獣達は・・・、どうした!!?」 (第29話)
データ
概要
はるか昔のアニマルタウン周辺に生息していたオオカミ(ニホンオオカミ)達の群れのリーダーにして、ニコガーデンに棲んでいたキラリンアニマルやニコアニマル達を黒き獣へと変貌させた本作の事件の黒幕。
今は寂れて朽ちかけている山中の遠吠神社の御神体にその魂が長らく宿っていたようであるが、第1話直前の時点でニコガーデンに闇の波動を放って、住人達を黒き卵に変貌させてアニマルタウンの各地に放った。
卵から孵化したガルガル達がアニマルタウンの人間社会に破壊と混乱をもたらすことを目論んでいたが、わんだふるぷりきゅあの妨害でガルガル達は次々と鎮められた。
業を煮やしたガオウは第29話にて御神体を依代に受肉する形で現世に復活。さらに、眷属であるザクロとトラメの魂を呼び寄せ、狛犬像を依代に受肉させることで現世に復活させる。
ガオウは自分が力を完全に取り戻すにはまだしばらくの時間がかかることをザクロとトラメに語り、それまでは二人がガオガオーンを使役して人間社会に破壊と混乱をもたらすようにと命じた。
人物像
一人称は基本的に「我」だが、第39話のモノローグでは「オレ」を使っておりこちらが素と思われる。
自分達を絶滅に追いやった人間達に激しい憎悪を抱いている。
ガオウの目的は、かつて自分達が住んでいた「この地」に現在のさばっている人間達の社会を破壊することであるようだ。
「この地」は現在のアニマルタウンに該当する場所だが、アニマルタウンの発祥が鏡石の伝説にあることから、この地には古くから動物と人間が共存するコミュニティがあったことが示唆されている。
ガオウは人間全体を恨んでいるが、特に「鏡石のあるこの地の人間」への怨嗟が強いようであり、闇の獣であるガルガルやガオガオーンはアニマルタウン周辺にしか出現していない(ただし、例外としてクレヨンしんちゃんにおけるコラボエピソードにおいて、ガルガルに変貌したとある某豚が別の街で出現したことがある)。
一方で疲れて倒れてしまったこむぎに水を飲ませたり小動物達と仲良く接したりする等、人間以外の動物に対しては優しい一面を見せる事もある。
容姿・能力
ガルガル達と同型のアイマスク(配色は白地に青い目)を装着する和装姿の男性だが、人間への憎悪からか狼の獣人の姿をしている。体色は青。手には炎が閉じ込められたような水晶の宝玉を持っており、これを使って力の行使ができる。掌は人間に近いが指先はオオナマケモノを思わせる程に長く鋭い。
帯は水引のようになっており、結び切りのような形で結ばれている。
結び切りは一度結んだらほどけないことに転じて「これっきり、一度きり、二度とは繰り返してはいけない」などの意味合いが込められており、慶事や見舞いや、なにより弔事等のお悔みで多く使われる。
対するプリキュア達の衣装モチーフに、何度繰り返してもよい贈り物に用いられる蝶結びのリボンが使われているのは皮肉に思える。
正体が判明するまでは目を赤く光らせた狼(あるいは狼男)の影のような姿で描かれていた。
各話エピソード
■第7話
■第11話
■第16話
■第19話
■第23話
- 本拠地が鏡石神社よりもさらに山奥にあるニホンオオカミを祀っていると思わしき遠吠神社であることが仄めかされた。
■第29話
「幾星霜の時が過ぎようと、この怒りは消えぬ…!」
- 今話でその全貌が判明。奥山の奥地に存在するニホンオオカミ達を供養するために建てられたと思わしき「遠吠神社」を拠点としていることが確定した。
- そして、ニコガーデンの創造主が復活した事と、解き放った黒き獣達の破壊活動が進展せず、人間達の悲鳴や慟哭がまるで聞こえてこない事に苛立ち、力を蓄えるまでの間、神社に設置された左右二体の狼像にかつての同胞達の魂を現世に呼び戻し、現状を確かめさせた。
■第30話
- プリキュアとニコについての報告を受け、ニコが背後にいるならば油断はならぬと気を引き締め、改めてトラメとザクロにプリキュア打倒の命を下し、暫しの眠りに就いた。
■第39話
- 約2ヶ月ぶりという長き眠りから目を覚まし、本格的に活動を開始する予定。予告の内容によれば、言葉少なに返事をするオオカミの格好をした不思議な人として登場。そして何故かニホンリスやベニマシコと言った小動物や小鳥達が全く彼を恐れず、沢山近寄ってきて仲良く接している様子が観られた。こむぎ曰く「いろはと同じ」話し、こむぎを探しに来たいろは達がやって来たのだが…?
モチーフ
彼らのモチーフであるニホンオオカミは、かつて北海道と沖縄県を除く日本全国に生息していた絶滅種である(北海道には同亜種のエゾオオカミが生息していたが、ニホンオオカミと同様に、1900年代前半に絶滅した)。
大型の肉食獣の一種として日本国内の生態系の上位に君臨してバランスを保ち、地域によっては大口真神として古来から篤く信仰されてきたが、1732年には狂犬病に感染したニホンオオカミが人間を襲うようになり、明治時代に入ると人間の生活圏の拡大による森林破壊、さらに牛や馬、鶏などの家畜を襲う害獣として次々と駆除されていった。また、狼信仰のある地域ではニホンオオカミの骨を魔除けなどに用いるために乱獲されるなど、複合的な要因が絡み1900年代の前半に絶滅した(中には高額な報酬や毛皮目当てでオオカミ狩りをする狩猟者もいた)。
他にも明治以降、海外から輸入された犬から感染するウイルス「犬ジステンパー」によって絶滅したという説がある。
ちなみに、現在では、ニホンオオカミの生き残りとも思われる動物の目撃情報が多く寄せられ、生存説が囁かれているが、そのほとんどが野犬やタヌキ、キツネ、アライグマ、ハクビシンの見間違いと考えられている(※特にアライグマは特定外来生物に認定され国内の生態系に悪影響を及ぼしている)。
ニホンオオカミが絶滅した後の日本では、ニホンジカやイノシシといった獲物の数が膨大に増え続け、農作物にも影響が出ている。
また、現在日本国内にはニホンオオカミの剥製が国立科学博物館に2体、東京大学農学部に1体、和歌山県立自然博物館に1体の合計4体が現存している。しかし、どの標本も体格と顔つきがそれぞれ異なり、特に和歌山県の剥製は日本犬の顔つきに似ていると指摘されている。
ちなみに、国立科学博物館に展示されている2体目の剥製は当初ヤマイヌの一種と考えられていたが、2024年にニホンオオカミの剥製と判明した。
前述の通り、シカやイノシシの食害に悩まされている農家の人にとっては嬉しい話だが、外来種が増えれば、生態系が破壊されるのか、逆にオオカミがシカやイノシシを食べてしまったらどうなるのかという死活問題になり兼ねない状況にある。
余談
名前の由来は猛獣の咆哮を現す擬声語「ガオー」+牙持てる者達の王からと思われる。
犬は元々狼を飼い慣らして生まれた存在である。また今回のプリキュアになった動物達は人間に拾われ救われた存在であり、ガオウ達は上記したように人間に疎まれ、絶滅させられた存在である。こむぎとガオウは、ちょうど対の存在と言える。
声優について
演じる大塚剛央氏は本作がプリキュアシリーズ初出演。
過去作の敵首領役はベテラン声優がキャスティングされることが多かったが、大塚氏は1992年生まれの(第29話時点で)31歳と本作のプリキュア声優とほぼ同世代であり(声優としての活動期間でみればメイン声優6名+敵幹部・怪物役3名の計9名全員と比べて後輩)、ガオウよりもさらに上の立場にある黒幕が登場しない場合はふたりはプリキュアSplash☆Starの真の支配者ゴーヤーン役の森川智之氏(当時38歳)を抜いて歴代最年少で敵首領に起用されたことになる。またその場合、敵首領役の声優としては初の平成生まれともなる。
関連タグ
わんだふるぷりきゅあ! わんだふるぷりきゅあ!の登場キャラクター一覧
プリキュアシリーズ歴代首領
カイゼリン・アンダーグ/カイザー・アンダーグ←ガオウ(暫定)→???