「ススッ…あっススッ…スッポ~ンジ! あっ、優しく擦ってやる、ぜぃ!」
「ウォッシャー!地球人よ、俺の泡でツルッツルに滑りまくれぃ!」
登場話数:バクアゲ39「悲鳴の星」
データ
全高/193cm(ギャーソリン大暴走体/45.7m)
重量/249kg(ギャーソリン大暴走体/590.6t)
エンジン/ハードタイプのスポンジ
スピード/泡立ち最速
カスタム/ダブルスクラブ
ナンバー/5454
ファーストラウンド(コース/市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、ハードタイプのスポンジに込められた燃えるウォッシャー魂をイグニッションし、地球に納車されたパワーアップ苦魔獣。
素体へ泡まみれの大小異なる多種多彩なスポンジが積み上げられた様な外装を纏ったシンプルでコミカルな姿をしており、赤いスポンジを主にした大口の怪物風に組み合わせた獅子舞の様な頭部が特徴的。歯を表現した黄色いスポンジが置かれた口部分からは泡が涎のイメージで溢れている他、頭上にある棘や燃える双眸もメラニンフォーム風の柔らかい質感に見える。
他にも首周りには小さくカラフルなスポンジで作られた、大口を模したパーツが数珠繋ぎで二段に巻き付けられている。そして両腕には持ち手スティック付きスポンジを蟹のハサミに見立てたガントレット・『ダブルスクラブ』を装備している。
全体的には某海外アニメに登場する主役の海綿、あるいは蟹のキャラクターにも見える外見になった。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「5454」。
ダブルスクラブを優しく擦って大量の泡を走らせ、摩擦力を失わせ滑らせる能力を持つ。これで地球人の足元の踏ん張りを効かなくしてスリップさせ、立つ事も出来なくする等といった混乱でギャーソリンを発生、ハイウェイ空間を介してハシリヤン本家へと納入する。
この泡は相手を滑らせるだけでなく、手に泡を付着させる事で武器等を滑りで持ち難くする芸当も可能。
ただし、この苦魔獣の納車に係わったハシリヤン大番頭・グランツ・リスクにとってはこうしたギャーソリンを発生させる手段は二の次で、真骨頂は「全身に泡を行き渡らせたスポンジグルマーが相手にのしかかり、その体内へ吸収する」という恐ろしい能力。吸収自体を防ぐ事は出来ず、吸収されなかった装備が泡塗れになって残る光景は強烈で仲間が減ってしまうのも含め敵に強い混乱とプレッシャーを与える、1対他数に強い苦魔獣とも言える。
なお、吸収された人物はスポンジグルマーを強く絞れば開放出来るが、絞る為には非常に強いパワーを長時間加え続ける必要がある様で、等身大サイズで吸収攻撃を繰り出されるとほぼ対抗手段が無い。しかし泡に包まれても浸食される前に洗い流せば、内部から破る事も可能な模様。
更に吸収能力を用いて敵の攻撃を受け止め体内で減衰・無効化も可能らしいが、許容量は大して多くない。
「スッポ~ンジ!」や「ウォッシャー!」が口癖の、泡だけに滑らかな口調で喋り、泡で滑る人々の混乱を見て楽しむ綺麗好きな愉快犯。軽い調子だがグランツの命令には忠実で、根の性分は冷徹な様子。
本編での動向
アジト内で呑気に眠りこけていたサンシーターの元に、グランツが直々に来訪し接触。
簡単な挨拶を済ませた上で「マッドレックスに可愛がられていた部下にして、歴代隊長が倒れてもなお地球で戦っていた者達」と気に掛けられていたとも思わせる激励の言葉を掛けてサンシーターをやる気にさせ、ハシリヤンイグニッションキーとスポンジを与えてイグニッションを促し、誕生させた。
納車後は市街地で、地球人を泡で滑らせてギャーソリンを捻出しつつブンブンジャーを待ち構える。一足先に現れた錠も泡でスリップさせカーリングのストーンの如く滑走させ「滑っております。こちら、高得点が期待出来ます」と試合の実況アナウンスごっこでおちょくるも、先斗が高速移動で泡を散らして錠達をスリップ地獄から解放。
更に大也・射士郎・未来も現れ交戦態勢へ。サンシーターはいつもの様に後詰めをスポンジグルマーに押し付け逃げようとするも、そこでデコトラーデが「もうじきワルイド・スピンドー様が地球に現れる」と口を滑らせた事でブンブンジャーに動揺が走るも、相手のペースは狂わず5対1で翻弄されたのでダブルスクラブからの泡を相手の手元に浴びせ、武器を滑らせての取り落としでペースを崩してからの巻き返しを図る。
一足遅れて現れた玄蕃が「雪でも泡でも、滑る時にはチェーン規制だ」とタイヤチェーンを調達して仲間に着用させようとしたが、案の定玄蕃も手元へ泡を浴びせられ手からチェーンが滑って大慌て。
この隙に玄蕃へ突進し、それを止めようとしたブンブルーを泡塗れにした上で吸収。「綺麗になったアワ~♪ ウオッシャー!」と言いながらスポンジグルマーが立った跡には、ブルーのブンブンスーツが泡塗れで残ったショッキングな光景があった。そしてその勢いのまま、ブンオレンジ⇒ブンピンク&ブンブラック⇒ブンバイオレットの順で続けざまに吸収した。
グランツ「作戦通りだな、苦魔獣よ…。 リスク排除、見事である」
「はは~っ、大番頭様…。 ススッ…」(脇に下がる)
こうしてブンレッド=大也1人となったタイミングで、グランツが介入し一旦待機を命じられる。
グランツがスポンジグルマーを納車させた主な目的は、ブンブンジャーのリーダーである大也とスピンドーが邂逅する場の露払いであり、スピンドーを不意打ちする危険のある他のブンブンジャーをスポンジグルマーに吸収させる方法で目的を達したのであった。
直後、満を持して現れたスピンドーが大也へ余裕綽々の演説と宣戦布告を済ませ、悠然と場を去ったタイミングでグランツはスポンジグルマーの待機命令を解除。グランツの攻撃によりブンブンチェンジャーが壊され、生身のまま痛め付けられた大也へのトドメをスポンジグルマーは刺そうとする。
調「ブンブンジャーを、返しなさい!!」
「あ、な、なんか出ちゃう、スッポ~ン!?」
しかし泡立てている動作の隙に、ブンブンスーツ無しではブンブンカーに乗れない警告をされながらも無理を押した調に運転されたブンブンワゴンが乱入。衝突で打ち上げられた所をバクアゲハンドで掴まれて強く長く絞られ、吸収したブンブンジャー5人を排出された結果、5人は普段の私服姿にメットだけ被った状態のマスクオフならぬスーツオフの状態、正にタイヤ人間な姿で復活。
そしてブンブンより預かった予備のチェンジャーを調は大也へ届け、無理をして倒れた彼女を先斗が連れて避難するタイミングで絞られていた所より何とか抜け出すも、残る5人がチャンピオンブンブンジャーとなったので対抗して泡を纏いながらの横回転により暴走洗車ブラシと化して突撃。しかしブンブンハンドルガンモードの銃撃とブンブンチェンジアックスのインファイトで止められた挙句、チャンピオンブンレッドがメインになってのバクアゲチャンピオンドライブが発動。慌てて出した泡で身を包むも銃撃で綺麗に吹き払われた上でロッドモードの一刺しで貫かれて斬り払われ、「ウオッ、シャァァァッ!!」と叫んで敗北した。
直後、スピンドーを生で見て感激のあまり気絶していたヤルカーが目覚めてハイウェイ光線を照射、「この星の、全~部、ウオッシュ~♪」と言いながらギャーソリン大暴走体となってビル街に再出現。
繰り出されたブンブンジャーロボチャンピオンレオレスキューカスタムに対し、「洗車だ、ウオッシュ~!」と言いながら大量の泡を浴びせ、包まれた所に飛び込んで吸収したと思いきや、相手は泡の中でバクアゲラダーの放水を行う『ブンブンシャワー』で泡を濯ぎ、内部から脱出。
「ブンブンシャワー、洗車完了ッ! シャワわせ☆」とのギャグに「わ~、ピカピカ~!」とボケ返ししている内に、相手が発動したバクアゲチャンピオン・ブンブンゴールインを吸収して凌ごうとするが、あえなく威力が許容量を上回り「バブルだけに、はじけましたぁ〜〜!!」と言い残して内側から爆散。物理的に弾けフィニッシュした。
ブンブン「見てるか、スピンドー! 俺はここにいる!!」
余談
- ナンバーはスポンジを擦る音であるゴシゴシ(ゴ:5、シ:4×2)の語呂合わせ。
- これまで掃除機など様々な掃除用具モチーフは多くいたが、主に水仕事に使うスポンジをモチーフにした怪人は初。
- CVを担当する阿部氏は前作『王様戦隊キングオージャー』のバエジーム及びキンバエジーム役以来のスーパー戦隊シリーズへの出演となる。
- 東映公式サイトによれば島本先生こだわりのモチーフとあるが、これは島本氏がモップやスポンジなどを販売している清掃業務会社であるダスキンのフランチャイズチェーンの経営者も兼ねている為だと思われる。
- ちなみに、1時間前の番組でも泡で攻撃する蟹の怪物が登場している他、30分前の番組でも蟹モチーフの怪人が登場している。これにより、放送日のニチアサキッズタイムは連続して蟹の意匠を持った怪物が登場した事になった。
関連タグ
ソウジキグルマー:同じ掃除用具をモチーフにした苦魔獣でブンブンワゴンのバクアゲハンドに挟まれた点も同じ。演者はスポンジが主人公のアニメで主人公の親友を演じている。