概要
「ドラえもん」のTC17巻に収録されているエピソード。アニメ版では、のぶドラ版が「あべこべの星」、わさドラ版では「あべこべ惑星」のタイトルで放映されている。
七夕の日、ドラえもんとのび太がひみつ道具「天球儀」に付属されている宇宙船(わさドラ版では「天球儀」や付属宇宙船の代わりにアニメオリジナルひみつ道具「望遠ミラー」と「UFO型宇宙船」)を使ってあべこべ地球に行くお話。
そこは太陽と月の出入り、犬と猫の概念、そして性別や性格が逆転している世界(性格のすべてが逆、という訳ではない)。ドラえもん・のび太だけでなくジャイアン・スネ夫などの男子キャラクターが女性語を使い、しずか・玉子などの女子キャラクターが男性語に変わるなど、言葉遣いも全て真逆になっている。
原作ではのび子に対して、本物ののび太が憤慨しているところで終了しているが、1992年10月2日と2009年のアニメ版では大幅にエピソードが追加されている。また、アニメ版ではのぶドラ版が「あべこべの星」、わさドラ版では「あべこべ惑星」のタイトルで放映されている。ただしわさドラ版では2020年7月3日にも映像化されているが、そちらでは原作同様にのび太が憤慨した所で話が終わっている。
あべこべ世界の人物
原作・アニメ共に登場
- 野比のび太
通称・のび子。誰もが認める大天才であり誰もが彼女(?)を頼ろうとしているが、自身はちょっとでも馬鹿にされたいらしい。「あべこべ惑星」の存在する確率も計算で割り出していた。ちなみに2億分の4.785%とのこと。
「一度でいいから人からバカにされてみたい」という願望からそれを叶えるためダメな方ののび太と入れ替わってしばらく日常生活を送るが、持ち前の天才的頭脳を授業中に披露して逆に先生から心配されたり、それが癪に触ったジャイアンとスネ夫に殴られそうになると「ありがとう、あたしのことバカにしてくれるのね。さあ殴ってちょうだい!」などと言ったために逆に2人からドン引きされるなど思い通りには行かず、最後にはやはり自分にはこの星は合わないと判断して再びあべこべ世界に帰った。性格は本物ののび太に似ているが、静香ちゃんからの遊びの誘いを断り勉強や手伝いを優先する等、彼よりも真面目であることがわかる。
わさドラ版では別世界の自分と出会って普通に驚いており、のぶドラ版のび子さんに比べると若干スペックは落ちているようだがそれでも最年少でバーベル物理学賞を取れるほどの才能という描写がされ、悪の科学者にその頭脳を狙われて本物ののび太と共に誘拐され悪用されそうになるが、ヘタレな演技をして本物ののび太にコンピュータを操作させるよう仕向け、目論見通りに滅茶苦茶にしたため助かった。
ボーイッシュな出で立ちをしている。本物は頭が良いためこちらは勉強が駄目になっている。
わさドラ版では江戸っ子口調となっており、同時に風呂が嫌いな性格になっている。本物の静香が知ったらドン引きものであろう。
気弱な性格。本物は元から頭が悪いのだが、あべこべ世界でも頭が悪い設定となっており、宿題も忘れている。加えてその性格上、スネ夫にはいじめられている。
わさドラ版では歌が上手い設定となっており、本物ののび太を安心させた。
彼女(?)はあまり性格の変化が見られず頭が良くない。自分より下の立場をいじめる性質もそのまま。違うのはジャイアンとの力関係くらい。
アニメで登場
- ドラえもん
のび子をダメにするためにやってきたネコ型ロボット。
のぶドラ版では白と赤の大きなリボンを付けており、ふてぶてしい性格でどことなくドラミを彷彿とさせる姿をしていたが、わさドラ版では赤いリボンをしておりタレ目かつ口紅もしている。加えてわさドラ版の彼女(?)はおっとりとした性格でネズミが好きで猫とドラ焼きが嫌いとなっている。
スーツ姿を来て会社へ通勤する。声も合わさってなかなかに凛々しい。どことなく男装麗人を思い起こさせる。
玉子の通勤を見送ったり家事を行ったりする。のび子が勉強し過ぎて具合が悪いのではないかとしんぱいしたりしていた。なお、のぶドラ版では「ママに内緒で買っちゃった」と誰得なドレス姿を披露。のぶドラ版ではこのエピソードを最後に初代担当声優の加藤正之氏が病気療養のため降板、次話からは中庸助氏が2代目として引き継いだ。
ドラえもんとは逆に、のぶドラ版では口紅をしておりわさドラ版ではしていない。本物ののび太からは「頭が変になりそうだぁあぁ~~~~っっっ!!!!」と気持ち悪がられた。
わさドラ版のみ登場。本物とは逆にかなりなダメ人間であり、「出木なさすぎ」という異名まで付けられてしまっている。いじめられた際にいつものび子に助けられている。テストを返却された際はあまりの成績の酷さゆえ先生から「踏んづけてやる!」とまで言われた。
余談
大山版は「ドラえもんコレクションスペシャル特大号 秋の1」と「みんなが選んだ心に残るお話30 ~あべこべの星編~」に収録されている。
また、エピローグでは映画『アニマル惑星』の主題歌「天までとどけ」のインスト版が使用されている。
関連タグ
アベコンベ:この道具に限ったことではないが、キャラの性格を逆転させるひみつ道具が多く存在している。