作者のTwitterにて公開され、これをまとめたものがpixiv、ニコニコ静画およびマンガハックにてアップ連載された。マンガハックPerryより電子書籍版単行本が、複数の漫画配信サイトでインディーズ配信されるに至っている。
内容は魔法少女(魔女っ子・変身ヒロイン・バトルヒロイン)もののメタ表現を交えたギャグ漫画。
祖母・母・孫と三代に亘って引き継がれ巻き込まれた魔法少女一族のうち、孫が背負った魔法少女としての戦いを軸に、ジェネレーションギャップに直面しながらも紡がれていく世代の絆を繋いで戦う親子を描く物語。
登場人物
三代家の魔法少女+α
現役であるいつか以外は無理に変身(若返り)しているため変身解除後には身体にリバウンド(壮絶な疲労)が来る。
- 三代いつか(みしろ いつか)/ ミラキュート
- 三代 鏡花(みしろ きょうか)/ エンジェル・ミラー
- いつかの母親。職業は少年漫画家。夢を描きつつも若き日に夢と奇跡に触れまくったせいで、ある意味では夢も希望も枯れちゃってるお方。「女の友情よりも男同士の熱い絆の方が、よっぽどロマン」とは本人の弁。
- 若き日に天使であった前世とその能力に目覚め、どっかのセーラーみたいな魔法少女であるエンジェルミラーに変身し、同じく前世に目覚めた仲間とともに因縁の戦いを勝ち抜いて世界を守り抜いた過去を持つ。娘が戦いに巻き込まれたことを察知し、親として我が子を守るため現役に復帰する。
- ちなみにかつてのチームでのポジション的にはプリンセスではなくお付きの方であり、しかも一番地味なシールダータイプの戦士。個人的には微妙なポジションにモヤりながらも折り合いをつけつつ、しかしそれでも気にしていたりもする。
- コスチューム的には惑星の姫君だが、設定的には愛天使に近い。そしてコケ方が時代がかっている。
- エンジェルミラーとしてのイメージカラーは黄緑系のグリーン。
- 三代 紀乃(みしろ きの)/ ミラーラ・ラミー(魔女っ子ラミーちゃん)
- いつかの祖母、鏡花の母。還暦。
- 若き日に魔法の国から人間界へとやってきた魔女っ子。魔法の国の女王様になるため「人々の願いを叶えて人間界に夢と希望の種を蒔く」という試練を遂行するために、この世界に来ていた。そのために魔法の力を使い多くの人を助けたが、ある事件で大事な人を守るため、魔法の秘匿の禁忌に触れてしまったがゆえに継承者の資格を失って人間界に追放されてしまい、そのまま大事な人と共に人間界で自らが得た愛のために生きていく事を誓ったという過去を持つ。(つまり種族としては人間ではなく魔女であり、鏡花は魔女と人間のハーフで、いつかは魔女のクォーター、という事になる)
- 娘である鏡花の現役時の戦いにおいては、娘とその友達のため、様々なアドバイスやフォローを行っていた。(そのため鏡花は他の仲間たちから「前世や戦いの事を隠さなくていい、理解のある親でうらやましい」と一目置かれていた) そして孫もまた戦いに巻き込まれた事を察知し、再び現役へと復帰する。
- 孫のいつか(ミラキュート)からは魔女っ子姿を「なんか普段着っぽい」と言われてしまうが、ラミーからすれば「今の子が着飾りすぎ」であるようで、そうした世代の意識の変化に対しても思うところがあるようで時に嘆く事もあったりする。
- 現役時は移動に魔法のホウキを使っていたようだが、時代も進んだ現代ではサイクロン掃除機を使い、娘や孫の事件現場急行のための大事な足としても活躍する。
- 魔女っ子としてはオールラウンダーだが、娘や孫のように戦いに特化された能力の持ち主ではないため、露払いなどを務める事も多い。(あと還暦ゆえの衰えの影響もある)
- 魔女っ子ラミーちゃんとしてのパーソナルカラーは赤。
- ヒポポン
- 妖精の世界ミリオネアースからやって来た、おもちゃ会社のコンテンツ開発部に所属する社員。パートナー(という名の金づる)を見出してヒットコンテンツを送り出す事が夢。言う事やる事なす事、つくづくことごとく財団B。
- 恋人がパークル帝国にさらわれた事から、身代金代わりとなる「100枚集めると願いが叶う」お札ミラクルメニーペーパーをミリオネアースから持ち出したが、とある事故からこれを人間界にバラ撒いてしまい、いつかと共に回収をする羽目に陥る。
三代家
- 三代 源大(みしろ げんだい)
- いつかの父で鏡花の旦那。弱小のニュースサイトを運営している。婿養子であり妻や義母や娘の事情は知らない。
- 現在もニチアサに全力でハマるガチヲタ。1カットを見るだけで誰が作画をしたのかを瞬時に理解するレベル。若き頃は『美少女天使 エンジェル・ラヴィー』(エンジェルミラーが所属していた美少女戦士チームをモチーフにした土曜アニメ)のファンだった。
- ラヴィーファンの頃の推しメンは炎の戦士エンジェルルージュだったが、のちにソフトを引っ張り出してハマり直した後はエンジェルミラーの事をものすごく身近に感じるようになったのだとか。
- 三代 明日駆(みしろ あすか)
- いつかの弟。姉とチャンネルやおやつの主導権争いを繰り広げる生意気盛り。父親のニチアサへの傾倒ぶりも少し恥ずかしく感じている御年頃。
- いつかの祖父 / 番長
- 物語開始時点では故人。いつかの祖父にして鏡花の父、紀乃の夫。
- かつて紀乃(ラミー)が魔法バレの禁忌を冒して命を助けた少年。ラミーの現役時は、町でも指折りの暴れん坊なバンカラ姿の番長少年であったが、同時に困った人を放ってはおけぬ義に厚い性格をしており、その義を通すために自身の安全すら投げ出すような危なっかしいトコロもあり、ラミー的には「生意気でムカつくヤツだけど、危なっかしくてとても見て見ぬふりなんてできないヤツ」といったようなポジションだった。
- ラミーの魔法バレによって町の人々の記憶が魔法界の人々によって改ざんされていった中、記憶消去の魔法を受けたはずなのに、なぜかラミーの事を覚えていて、町を去る彼女に寄り添いついてきた。
- 記憶消去の魔法を受ける際に「魔法が怖くて番長をやれるかよ!」と啖呵を切り、どうせ記憶を失くしてラミーに会うのに、どうするのかと問われれば「(記憶がなくなっても)もう一度ホレ直すに決まってるだろ!」と漢台詞を吐いて侠気を魅せた。
- いつかが時に見せる破天荒な発想や能天気な行動は、間違いなく、この人からの隔世遺伝。
パークル帝国
100枚揃えれば、あらゆる願いが叶うという「ミラクルメニーペーパー」を狙っている組織。そのためにヒポポンの恋人を誘拐し身代金としてペーパーを要求した。しかしヒポポンといつかがとある事情で人間界にペーパーをバラ撒いてしまったため、ミラキュートをはじめとする三代家の魔法少女たちとペーパーの争奪戦を演じる事となった。
- ネガエッグ / ワルメン
- パークル帝国が繰り出す怪物。現地に存在する素体(人工物が望ましい)に、卵型のアイテムである「ネガエッグ」を融合させる事で「ワルメン」と呼ばれる巨大怪物を生み出す。
- ザーキュレー
- ビーシャ
- パークル帝国の幹部。アラビアンな雰囲気を醸し出す美女。中途採用枠でパークル帝国に就職した人物で、組織に参加している目的も「給料が良いから」という打算的なもの。そのため帝国の持ち出している「世界征服」のお題目や、ミラクルメニーペーパーの収集に関しては懐疑的に見ており、幹部として暴れているのも「とりあえず組織内での活動実績を作っておくため」だったりする。
- ダイザボーン
- パークル帝国の幹部。元は帝国の開発部で造られた戦闘用ロボット。そのため思考が単純ですぐに言いくるめられたりする。
- ン・ケイン
- イバリチラス
- パークル帝国の皇帝。通称・イバチラ様。
- 部下(ザーキュレー)に大人買いさせたクローズドパッケージ食玩がダブっていた、という理由で部下を拷問にかけるほどの残虐さを持っている、恐怖の帝王。
- 全並行世界征服のため、自分たちの世界を繁栄させるために「ミラクルメニーペーパー」を求めている……というフレコミだったがビーシャは「その割には皆を暴れさせるだけで目的に対して具体的な作戦を立てない」という疑問点を指摘しており、その真意は誰にも図れない。
- 照井野マイ(てるいの マイ) / ミラキューラ
- ミラキュートに部下たちが押され気味の現状に苛立ったイバリチラスの「少女には少女をぶつけよ」との発案のもと、ン・ケインによって選ばれたイース様枠の子。いつかの同級生。
- もともとはエンジェルミラーも所属した「エンジェル戦士」チームのファンであり、正義の魔法少女になる事を夢見ていた。しかし当然のごとく現実の壁は如何ともしがたく、その夢を諦め「選ばれなかった取り柄ない少女」として、ふさぎ込むように生きていた。
- 現実に対して前向きないつかに対しては、その能天気ぶりから「真剣に物事を考えていない」と捉えており、鬱陶しく思っている。
- そしてミラキュートの登場により「自分は選ばれない凡人」である事を再確認して、さらに現実を深く憎むようになり、そのまま、その憧れが反転して生じた憎しみをミラキュートたちに向けるようになってしまった。いわば魔法少女(夢を叶える生き方)が生み出す影ともいえる存在。
- ン・ケインに見出され、パークル帝国によって力を与えられた結果「悪のミラキュート」とも言うべき戦士ミラキューラへと変身し、自らの日常のストレスを晴らすとともにミラキュートを誘き寄せて殺すため暴れ狂う。
- 元々、魔法少女のファンゆえの妄想力が手伝って、戦士としての機転も実力も出力も、あからさまにミラキュートよりも格上。
- ゲゲ
- マイのパートナーとなる妖精候補。魔法少女のお供となるために養成所に入るなどして努力を重ねてきたが、その養成所はレッスン生から金を取るだけ取って最後には心を折って挫折させる事だけを目的とした場所であったため、自身の真摯な情熱と夢をアッサリと踏みにじられた上で挫折に至っていた。
- ヤケクソで迷い込んだ人間界で現実に絶望するマイと出会い静かに生きていきたいと願うようになるが、マイがン・ケインに見出された事で彼女に付き従う「闇の妖精」として行動する羽目に陥る。
かつての魔法少女たち
- イーエス
- かつてラミーと魔法の国の女王の座を争った、お嬢様系ライバル。人間界でラミーと同じ試練を受け、彼女と「人の夢を叶える」事を競った。ラミーの試練脱落により、魔法の国の女王となり、魔法の国の法制改革に力を注いだが、寄る年波には勝てずに引退した。
- 現代では人間界で地道な修行をする魔女がめっきりと減った上、エンジェルミラーやミラキュートのような美少女戦士やバトルヒロイン、あるいはアイドル変身の少女たちが業界を席捲した事により、後継者不足に悩まされ「人間界の少女たちもすっかり不純になってしまった」と嘆きまくる日々を送る。
- 魔法の国の法制改革により、ラミーが家族と共に魔法の国に帰れるように取り計らったが、ラミーの両親の死には間に合わせる事ができず、他ならぬラミーから「向こうの家族がいないなら帰っても仕方がない」と拒まれる。
- 実は密かに番長に思いを寄せていた。そしてラミー追放時、番長の記憶消去を行った魔女自身でもある。しかし番長の侠気、ラミーへのライバルとしてかつ親友としての思い、それらの葛藤を抱えた結果として自らの魔法をカムフラージュし、記憶消去魔法に見せかけた弱い攻撃魔法を番長に放つことで、彼のラミーへの想いと、これからひとりぼっちになるかもしれなかったラミーを、その孤独から守っていた。
- 最終決戦では「人間界が荒らされては魔法界もただではすまない」との大義名分を引っ提げ、魔法の国の「魔法守秘原理派」の反対を振り切り、敵の軍勢に多勢に無勢で追い込まれたラミーのピンチに駆けつけ、現役時にはついぞ見せなかったラミーとの共闘を行った。
- 天羽つばさ(あまはね つばさ)/ エンジェル・ラヴィー
- かつて地上の愛を守り世界を救った美少女戦士チーム「エンジェル戦士」のリーダー。
- 悪食の食いしん坊。ムードメーカーのアホの子。まあ、ぶっちゃけ某美少女戦士に例えたならばプリンセスポジションの子。
- 現在は前世の運命の恋人であった天使と結ばれ、自身も天使として天界に住んでいる。
- 蝶野マリ(ちょうの まり)/ エンジェル・ルージュ
- 芦川 忍(あしかわ しのぶ)/ エンジェル・シューズ
- エンジェル戦士チームのサブオフェンサーを担当した(もと)サッカー少女。エネルギー弾を用いた追跡型蹴撃攻撃「シューズ・シューティング・シュート」を持つ。
- 現在は女子サッカーの指導者として海外で活躍している。
- 甘崎 あまみ(かんざきあまみ)/ エンジェル・スイート
- エンジェル戦士チームのサブディフェンサーを担当したパティシエ少女。クリームやメレンゲのような力場を用いた拘束攻撃を得意とする。スイートの繰り出す拘束クリームは可燃性であるため「スイートのクリームで拘束→ルージュの発火能力で爆発」というのがチーム現役時の必勝パターンのひとつであった。
- 現在はオーナーパティシエとして店を持ち、店の運営からレシピ開発に菓子製造と、忙しい日々を送っている。