概要
猿人が人類へ進化する過程で、現行人類とは別系統の進化を辿った生物。つまり名前通りの「人類の亜種」である。
外見は犬科や猫科に近い姿から、人間に類似した容姿を持つ者など、様々な容姿を持つ者達が確認されており、統一性はあまりない。
ボウケンジャー世界における妖怪、悪魔などの古今東西の様々な異形の怪物達の伝承の元になった存在でもあり、寿命は人間より遥かに長く、劇中の描写から純血種は少なくとも1000年以上は生きると考えられる。
それぞれが特殊な「魂」を持ち、それから引き出す様々な特殊能力や技術などを備えている事が特徴。加えて、倒された際に肉体を棄てる事で、二度と元の大きさに戻れなくなるのと引き換えに巨大化する事も可能(文字通りの捨て身の手段である)。
ただし、その生命力自体はほぼ不死身と言ってもいい程に高く、基本的には肉体を滅ぼされても、アシュの監視者達の「アシュ魂滅術」を行わない限り、完全に死ぬ事はない。
個々の戦闘力も、現代ではアシュへの対抗法がほぼ絶えている事もあって、アシュの監視者ではない者達にはかなりの強敵で、闇のヤイバやボウケンジャーも苦戦するレベル。アシュの事を知る幻のゲッコウも、すぐに部下達に手を出さないように指示を下した程である。
また、人類の有史以前から存在している種である為、アトランティスやゴードム文明等よりも古い文明であるレムリアや、様々な古いプレシャスなど、現代人はおろか数百年を生きているキャラですら知り得ないような知識や技術にも精通している。
種族としては、優しい性格をしていた後述するケイが、同じアシュからも珍しいと評される程に全体的に気性が荒く、非常に好戦的な者達が多い。また、強い優良種意識を持っていて、自分達こそが地球の支配種に相応しいと自認しており、人類の事は下等生物として見下して蔑視する者が大多数を占めている。
生物的にはこれでも人類の一種なので、現行人類との交配も可能だが、このように人類そのものを下等生物として蔑視しているので、人間との間に子を儲けるのはアシュの掟では大罪とされている。
人類とは、こういった選民思想から互いに忌避感を抱き合い、古来から地球の支配者の座を巡って争い続けてきた。
しかし、最終的にはその争いの末に敗れ、大半の者達が「百鬼界」と呼ばれる次元と次元の狭間にある異空間へ追放され、ガイやヒョウガのように追放を免れた極僅かな者達も、アシュを監視する使命を帯びた「監視者」の一族によって追撃され、次々と魂滅させられたり封印された。
その結果、今日では既にアシュは絶滅したと認識されており、サージェス財団ですらアシュの生き残りの実在を確認したのは、劇中のガイ達が始めての事である。上記のゲッコーを始め、アシュの存在を知っている者達も多くが既に絶滅したと思っていた。
劇中では、ガイ達が仲間を解き放つべく、プレシャス「百鬼鏡」を探していた際に、ボウケンジャーとダークシャドウに遭遇・交戦したのが初登場となる。
そして、彼等を追跡していたアシュの監視者の一つ「高丘家」の末裔たる高丘映士も現れる。
アシュのモチーフは、ガオハンターや大連王など『動物がモチーフでかつ精霊的な存在である戦隊ロボ』がモデルであると推測される。この点では恐竜や動物をモチーフにしたジャリュウ一族とはうまく差別化出来ていると言える。
一覧
怒りの鬼神ガイ
声:三宅健太
百鬼界への追放を免れていたアシュの一人。
再びアシュの時代をもたらすべく、仲間達が封じられた百鬼界へ通じるプレシャス「百鬼鏡」を探していた。体色は緑で唐獅子に似ている。言動はエキセントリック気味で残忍。
闘魂(たたかいだましい)という魂を持ち、初顔合わせの時は闇のヤイバをも圧倒する戦闘力を見せ付けた。
固有武器はバズーカだが、肉弾戦が主体である。剛強な肉体と類まれなる闘争本能を誇り、その激しい闘争心と残忍さであらゆる武器を的確に使いこなす。
名前の由来は数の単位・垓。モチーフは『五星戦隊ダイレンジャー』の龍星王。
大いなる獣レイ
声:鈴木千尋
ガイとヒョウガの手によって唯一百鬼界から解放されたアシュ。
悪魔伝説の元になったと言われる程の強者で、体色は虎に酷似しており、腹部に獣の顔、腕には短い爪が付いている。言動はガイとは逆に冷静だが、人間を見下しているその残忍さは何も変わらない。
術魂(じゅつだましい)という魂を持ち、口から吐く霧で人間に幻覚を見せるなどの特殊能力を持つ。
名前の由来は数字の0。モチーフは『五星戦隊ダイレンジャー』のウォンタイガー。
ヒョウガ
声:浜田賢二
ガイと共に百鬼界への追放を免れていたアシュ。
ガイを慕っていて敬称付きで呼び、彼と共に仲間の復活を目指して暗躍していた。体色は黒で豹に似ている。
雷魂(かみなりだましい)という魂を持ち、自在に稲妻を操る事ができる。
モチーフは『五星戦隊ダイレンジャー』のダイムゲン。
ケイ
演:東山麻美
映士の母親で、西のアシュの一族出身。
アシュでは珍しく人間の姿をしており、これまたアシュとしては珍しく争いを好まない優しい性格の持ち主。
かつて、アシュの天敵である監視者の一人の高丘漢人と禁断の恋に落ち、彼との間に映士をもうけるが、その咎で異端者として迫害され、百鬼界とも異なる次元の狭間に魂を永遠に追放されてしまった。
名前の由来は数の単位・京。魂は不明。演者は『電磁戦隊メガレンジャー』のメガピンク。
オウガ
声:矢尾一樹
アシュの部族の一つである西の一族の長。
体色は銀で狼に似ている。ケイとは幼馴染で、ガイやレイとも顔なじみ。武器は巨大な斧。
喰魂(しょくだましい)という魂を持ち、敵の攻撃を喰らって戦闘に転用したり傷を癒す為に植物の生命力を吸収したり、相手の姿を盗んで虚像として戦わせる(「百鬼陽炎映し」)事ができる。
百鬼界への追放を逃れた者の一人で、アシュの監視者に封印される形で現代まで生き残っていた。
モチーフは『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオハンターイビル。
百鬼鏡
本作に登場するプレシャスの一つ。
現代では無数の妖怪が封じ込められた鏡として伝えられているが、その実態はかつてアシュ達を百鬼界に封印する為に作られたもので、百鬼界への通路を作り出せる鏡である。
百鬼界に封じられた数百万の同胞を呼び戻すべく、探していたガイとヒョウガをおびき寄せる為に、ボウケンジャーからかすめ取った映士が餌として利用するが、取り戻そうとしたボウケンジャーの横やりで奪われてしまい、同時に通路の鍵の生贄として間宮菜月が攫われてしまう。
そして、彼女の血を加えた事で通路が繋がりレイが解放される(この時点で既に菜月の正体やその利用価値に気づいていた為、命は取らずに拘束するだけに留めていた)。
続いて数人が出てこようとしたが、それをボウケンジャーが妨害しようとガイ達と混戦した隙を利用し、映士がアシュを封じる自身の錫杖を鏡面に突き立てて、錫杖の術で出口を封じて押し返した結果、鏡は割れて出口は永遠に閉ざされてしまった。
こうして、アシュの種としての復活の道は完全に断たれてしまい(事実上絶滅したも同然と言える)、使用不能となった鏡は利用価値がなくなった為、戦いの後はすんなりとボウケンジャーに引き渡された(既にプレシャスとしての危険性も消えたが、歴史的な物には間違いないのでボウケンジャーは回収した)。
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アヤカシ:3年後に登場する、同じく妖怪伝承のルーツとなった怪人群。
幽魔獣:4年後に登場する敵組織で、こちらも妖怪や怪奇現象、UMAの伝承のルーツとされている怪人群。
バグナラク:17年後に登場する、同じく人間との間に子を授かれば大罪となる種族で、後に人間に似た遺伝子を持っている事からそのルーツが人間である事が判明している。この作品にも映士と同じく人間とその種族の間に誕生したハーフが登場する。
アクマ族:スーパー戦隊と原作者が同じヒーロー作品に登場する種族。こちらも悪魔伝承のルーツとなったが元々は人間だったサイボーグ生命体。同作の主人公はこの一族と人間のハーフと言う映士と共通した要素を持っている。またアシュとは異なり、こちらは地底に住んでいる者達で、物語が進むに連れて穏健派が主流になり始めていった。
柱の男:似たようなポジション。