概要
カルバード共和国内で、近年勢力を急速に拡大しているマフィア。一部では結社《身喰らう蛇》との関係を疑う者もいる(実際は結社も危険視し、壊滅のため動くことになる)。
共和国裏社会の最低限の秩序維持の為、共和国随一のシンジケート《黒月》が定めた「常習性の高い薬物や人身売買の禁止」の掟に平然と背き、半グレと言われるチンピラ・猟兵崩れや重犯罪者を雇い入れる等、戦力も増強し始めている。違法薬物で強化さらた構成員は武術の使い手であるヴァン・アークライドが苦戦するなど過去作に以上に強力な戦力を持っている。
裏社会の一線を越えた数々の行為はCIDや遊撃士協会、警察は勿論、《黒月》をはじめ裏社会の組織にも問題視され、内偵の実行等、《アルマータ》に対抗すべく共和国内で各々動きを見せ始めているが、実態が不可解な程に不明なうえ、内偵者が消息を絶つ(大部分が殺害されている)事件も多々起こっている。
勢力を拡大したのは当時若頭であったジェラール・ダンテスが前の総帥が犯したある失策に乗じて粛清、その後自らが総帥となり、自身の抱く信義・「恐怖による支配、そして人間の進化」を元にカルバード共和国、ひいてはゼムリア大陸すべてを恐怖に染め上げることを目的としている。
その武力、危険性はもはやマフィアというよりテロリストと言っても過言ではない。その為、遊撃士協会は許可がない限り、アルマータが関与する案件におけるB級以下の遊撃士の単独行動を禁じている。
幹部も同じくカルバードで中心に動いていた暗殺組織『庭園』からメルキオルを自身の右腕とする幹部に据え、そのつながりで協力者としてオランピアやアリオッチが加入、これに加え独自にスカウトしたヴィオーラとアレクサンドルを幹部に据えている。
ただし、メンバーとしてはジェラール・メルキオルが絶対悪的存在だが、残る幹部・協力者は事情ある悪役的一面がある。
また、アルマータのスポンサーとして大陸最大規模の製菓会社クインシー社と共和国での導力車の大手エトワス社を初めとした、旧王都オラシオンを拠点とする旧貴族の資産家達がおり、アルマータも反移民活動に協力し、更に既存の兵器を凌駕する新兵器開発の資金提供さえも受けていた。
メンバー(ネタバレ注意)
- 総帥
総帥。彼自身は旧カルバード王家直系の一人(旧王族)で、その得物は古代遺物たる王家に伝わる聖魔剣《アペイロン》。これに加えてD∴G教団の幹部司祭という、恐るべき過去があった。
詳細は本人の項を参照。
- 三幹部
得物は古代遺物である短剣と爆弾。
かつての暗殺組織『月光木馬團』の一人で、その後『庭園』の一、『棘』の管理人であったが、ジェラールの招聘によりアルマータ入りし、ジェラールの右腕として暗躍する。性格は卑劣な上殺人に快楽的でかつ対人を蹂躙しながら始末するというサイコキラーである。本編でサブキャラクターが多く惨殺されているが、そのほとんどはメルキオルによるもの。
詳細は本人の項を参照。
得物は短針銃。
かつては大陸中東地方の小領主家令嬢だったが、近隣の市国の勢力拡大に屈して家が没落、豪商に身売りされており、その後豪商を襲ったとある犯罪組織の手中に落ち、ボスの愛人にされたが後にそのボスを追い落として自ら組織を掌握、残忍非道な女頭目としてその名を馳せた。本編開始の2年前にカルバードに進出したところでジェラール率いるアルマータと対立・交戦するも完膚なきまでに自らの組織を潰されたところでジェラールに拾われた。異常なまでの加虐・残虐に加えてヒステリックでもある。
得物は大型手甲。
ノーザンブリア大公国の大公家護衛職を務めた父の子として生まれるが、5歳の時に《塩の杭》事件で大公国が崩壊。その後大公国を離れて自由都市圏にて青年期までを過ごし、その間に父より大公国伝来の自身の得物・大型手甲を用いた軍用格闘術を叩き込まれ、その後も亡命していた大公家に仕えていた。10年前、自治州化したノーザンブリアを支えていた《北の猟兵》の重鎮バレスタイン大佐(サラ・バレスタインの父)の死亡を聞き、大公が「祖国奪還」を命じてこれに同行。旧都ハリアスクの占拠に成功し一時実効支配するも間もなく《北の猟兵》の反撃で完全に包囲され、大公はこれに逆上して見せしめの住民虐殺を命じるが、これに従わんとする父とアレクサンドルとの間で決闘、闘いはアレクサンドルが勝利する。その後《北の猟兵》と共闘し、ついには自らの手で大公を殺害する(表向きは《北の猟兵》に大公は秘密裡に処刑されたと報じられている)。その後はノーザンブリアを離れて各地の猟兵団に加わり、カルバードへと流れ着いたところでジェラールに拾われている。
- 協力者
得物は古代遺物の天使人形《イシュタンティ》。
マフィア《アルマータ》に『庭園』の管理人のひとりメルキオルが関わったことになったため、協力関係となる。
他者だけでなく、自分すら無機質な“物”として見ているようで、その言動からは一切の感情を読み取ることができないが、実際は天使人形の恐るべき真相があった。
詳細は本人の項を参照。
得物は斧槍。
鈍い輝きを放つ厚手の甲冑に身を包み、得物である斧槍を軽々と振るう。
かつては大陸東部で野盗や猟兵を幾度も皆殺しにしていた狂戦士で、その実力から庭園にスカウトされた逸話がある。庭園では「錆の庭園」の管理人を務めるが、その後オランピア同様、アルマータの協力者となる。現在はアルマータの最強の武者として暗躍しており、あらゆる国や組織の部隊を壊滅しては目撃者さえ一人も出さない徹底ぶりから《姿無き災厄(インビジブルテンペスト)》と呼ばれる。そして彼もまた大きな過去があった。
詳細は本人の項を参照。
黎の軌跡
黎の軌跡本編での悪行としては《ゲネシス》を用いてアイーダ率いる猟兵部隊を襲い、屍鬼化させて襲わせるほか、煌都ラングポートで半グレの後ろ盾として悪事を行わせ、サルバッド映画祭において踊り子を操り、バーゼル理科大学のデイビッド・キャラハン教授を背後より支援して反応兵器を作らせた上で始末ひいてはAI化させ、その反応兵器をクレイユ村にて発動させ、村ひとつ姿かたち残さず消滅させるに至る。
さらには謝肉祭を旧都オラシオンで執り行い、共和国政府にも脅威を与えるがこれに集った勢力のうち、アークライド解決事務所によってヴィオーラ、アレクサンドル、オランピアは選択肢により死亡、あるいは捕縛され、アリオッチと総帥ジェラールもまた解決事務所所長・ヴァン・アークライドによって討ち取られて表向きでは壊滅した。
しかし、その右腕メルキオルがジェラールの指示もあったのか謝肉祭終結に乗じて逃亡、12月の首都イーディスの革命記念祭において首都を汎魔(パンデモニウム)化させると共にアリオッチとジェラールも不死者として復活(ヴィオーラ、アレクサンドル、オランピアは死亡の場合は不死者として復活、捕縛の場合は気が付けばゲネシスタワー内にいたと述べる)。戦いは首都に顕現したゲネシスタワーでの決着まで終わらなかった。汎魔化された首都でも、後述の因縁ある者たちは共闘している。最終的に再びアークライド解決事務所の面々に討ち取られ、アリオッチは消滅、メルキオルとジェラールも今度こそ死亡・消滅しアルマータは真に壊滅した。(また、謝肉祭時の選択による上記の3名は死亡した場合は消滅、捕縛の場合は再度その場に気絶して生存している)
因縁ある者
アークライド解決事務所
ヴァン・アークライド - 過去教団に拉致されたときにジェラールと因縁がある。
アニエス・クローデル - 自らが追うオクト=ゲネシスの大部分をアルマータが所持・悪用された。
フェリ・アルファイド・アーロン・ウェイ- フェリは恩人アイーダ、アーロンは地元の仲間をアルマータ幹部に殺された因縁がある。
カトル・サリシオン - 恩師デビッド・キャラハンがアルマータに利用され、肉体的に殺害・AI化された挙句、キャラハンが辿り着いた反応兵器を完成させられ、悪用された因縁がある。
ジュディス・ランスター - サルバッド映画祭でアルマータに悪行をやられた被害者のひとり。
リゼット・トワイニング - バーゼルにてカトルとの最初の共闘時にメルキオル、オランピアによって負傷し、義手義足も破壊されるほどの被害を受けた。また、本来の所属先・マルドゥック社の名代のひとり。
ベルガルド・ゼーマン - 上記7人の協力者的存在で、自ら「切り札」的存在と述べる。
遊撃士協会
エレイン・オークレール - 前述の通り父が癒着・資金協力者関係にあったことを突き止める。また、過去に総帥ジェラールとも交戦、取り逃がした悔いもあった。
ジン・ヴァセック・フィー・クラウゼル - エレインの協力者的役割。
七耀教会
セリス・オルテシア・リオン・バルタザール - 危険視するのは勿論のこと、アルマータ幹部が得物とする古代遺物回収の任務もあった。
アシュラッド - 上記のセリス、リオンとは別の系列で、こちらは外法認定したアルマータ幹部と前述の通りその協力者であったエドモン・オークレールを抹殺する任務があった。
身喰らう蛇
エルロイ・ハーウッド ルクレツィア・イスレ - メルキオルの古巣仲間(ただし彼の異常さを感じたのか結社には連れて行かなかった。)。アルマータの危険度から古巣の「庭園」もろとも壊滅を決断する。
ヴァルター・クロン - ここではエルロイの協力者的存在。第2章ではクレイユ村までメルキオルを追っていた。
斑鳩
シズナ・レム・ミスルギ - 同郷の者であったアリオッチと因縁がある。
クロガネ - シズナの協力者。
その他
ディンゴ・ブラッド - かつてジェラールとは情報屋としての協力者だった。
関連項目
ゼクトアームズ - アルマータ幹部に武器提供・高速飛行艇を提供したカルバードの新興兵器企業。『Ⅱ』ではその技師が登場して悪行を行っていた。