なるほど。それにしても、とんでもない物を作ってくれたよ、あんたたちは
機体データ
型式番号 | SX•NFR-01SES |
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所属 | ネオファリア |
開発 | ネオファリア |
生産形態 | 実験機 |
頭頂高 | 21.4m |
本体重量 | 52.6t |
全備重量 | 82.3t |
出力 | 不明(推定値では10,100kW以上) |
装甲材質 | 不明 |
携行武装 | SEジェネレータ式ビームキャノン |
概要
雑誌企画『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』に主役機として登場。
Pixiv上では登場作品と共用の「タイラント・ソード」タグが主に用いられている。
型式番号SX•NFR-01SES。
ネイナ・ラフィット・ファルム博士が提唱・主導した「SE計画」によって、アナハイム・エレクトロニクス第13開発局「ネオファリア」が極秘裏に開発したという「究極的機動兵器」。パイロットを務めたキース・マクレガーの著書『ネオファリアの中で』にて存在が記されている。
その卓越した性能からモビルスーツ(MS)とは見做されず、「ソード」という新たなカテゴリーに分類されている。
ソードである本機の根幹を成す技術として、ファルム博士が基礎理論を構築し、主機として2基が搭載された新型動力機関「SEジェネレータ」がある。
これは一種の重力ジェネレータとも「暫定的空間粒子消失制御システム」とも称される技術で、名称の「SE」は「Subject Effacement」に由来する。極めて高いエネルギー効率による超高出力の発揮を可能としており、その出力は磁場や重力、空間そのものさえ歪めるレベルに達している。
タイラント・ソードをはじめとするソードは、この性質を反磁力・反重力システムとして用いることで「SEドライブ」という新型推進システムの採用を可能としており、「MSの動きがスローモーション以下に見える」と形容される程の、既存のあらゆるMSを凌駕する高機動性を獲得した。タイラント・ソードの場合、機体背面に3基のSEドライブ・スラスターを備えている。
SEドライブ使用時には「SEフィールド」と呼ばれる力場が発生し、これはビーム兵器などの攻撃を軽減するバリアーとしての機能も発揮する。また、反重力システムとしての要素は、SEドライブの高機動性からパイロットを保護すべく、耐Gシステム用の慣性制御フィールドとしても用いられている。
その他、SEジェネレータにはエネルギーの喪失・転移現象の発生という性質もあり、「SEセンサ」や通信システムとして応用されている。
これらの機能は「SEシステム」と総称され、いずれもミノフスキー物理学の延長線上にある技術のようだが、偶然によって発見された部分も多く、SEシステムの全容は解明に至らぬまま終わっている。
また、SEシステムの信頼性も十分ではなく、トラブルに見舞われる可能性もあるなどあくまで実験兵器の域を出てはいない。そのためか、タイラント・ソードには補機として通常の熱核反応ジェネレータも1基搭載されている。
兵器としてのタイラント・ソードの戦術思想はSEシステム由来の高機動性を生かした格闘戦であり、敵MSやモビルアーマー(MA)による捕捉を許さず立ち回るという「当たらなければどうということはない」という言葉を体現するかのような戦闘スタイルを取る。
武装であるSEジェネレータ式ビームキャノン(SEキャノン)もこの戦闘スタイルに合わせた仕様になっており、熱弾数十発を広範囲に向けて連射することで、高速移動中でも敵機に射撃を当てやすいよう考慮されている。
なお、SEキャノンから放たれる熱弾は1発1発がビームライフル並みの高エネルギーを持ち、着弾後に敵機内でエネルギー粒子を拡散させて破壊をもたらすという徹甲榴弾に近い性質を持つ。
また、装甲面では多層成形アクティブ・スペースドアーマーが採用されている。
これらの性能から、ΖΖガンダムのような第4世代MSが相手であれ接敵から数秒で撃破することも可能、とも言われる。
SEジェネレータがもたらす多様な機能に対応するため、操縦システムには通常のフィードバックシステムに加えて暫定的思考制御(サイコミュであるかは不明)が採用されているとともに、パイロット支援用の自己進化型コンピュータも搭載している。
コックピット内のレイアウトも通常のMSとは異なり、専用のパイロットスーツを着用した状態でバイクのようにシートに跨る形で搭乗する。
なお、機体構造そのものは「複合型オープンモノコック・アクティブコンポジット」という既存のモノコック構造の発展型であり、ムーバブルフレームのような新機軸は導入されていない。
原型となったのは一年戦争後に始まった新型MS開発計画のひとつで、宇宙世紀0083年にSE計画が開始された後は、ティターンズ、エゥーゴ、アクシズなどの勢力が相次いで勃興する中でアナハイムが影響力を保持するためのブラフとなる「超兵器」として開発が進められた。宇宙世紀0086年半ばに1機がロールアウトし、地球連邦軍辺境守備艦隊から出向したキース・マクレガー中尉をテストパイロット、旧式艦「スピノソア」を母艦として、旧サイド5近傍宙域でテストが行われた。
グリプス戦役勃発後、アナハイムと連邦軍が行なった政治的駆け引きの一環として、パプティマス・シロッコがジュピトリスで編成した「木星師団」への攻撃に投入され、シロッコが駆るメッサーラ・ディノファウスト・ジュピターと交戦。メッサーラのエンジン・ポッドを破壊するが、機体が限界に達したために戦闘中止を余儀なくされ、実験機としての不完全さを露呈することになった。
その後、後述するアグレスへ改修されている。
タイラント・ソード改“アグレス”
型式番号SX・NFR-01SES。
『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』に登場。
実戦に向けた実用機としてタイラント・ソードを改修した仕様変更機で、信頼性と武装面の性能向上が図られている。
信頼性を高めるべくSEジェネレータが改良型に換装されるとともに、メインジェネレータにかかる負荷を軽減するため、フィールドスタビライザーとしても機能する計2基の可動式サブジェネレータが背面両脇に増設されている。
また、従来は推進と防御に用いられていたSEドライブに大規模破壊兵器としての機能が追加されており、SEフィールドの発生ベクトルを前方へ向けて集中することで、重力や磁場の歪み、さらには空間の崩壊といったSEジェネレータの性質そのものを攻撃に用いることができるようになった。腕部付近から放たれるこの攻撃は「光の剣」とも例えられ、一個艦隊を殲滅することも可能と言われる。
その他の武装面では、頭部左側面にビームライフルを改造したガンポッド形式のビームランチャーが、機体上部に接近戦用のビームガンが追加されている他、Ζガンダム向けに開発されていたものを転用したシールドを携行する。シールドの裏面にはビームサーベルも装備されている。
アグレスへの改修に伴い、SE計画の目標のひとつであった「有機的統合及び機能を持つ兵器システムの確立」を実現するための能力も与えられている。
これは、アグレス1機から複数の無人ソードをコントロールする「SEウェポン・システム」という形で具体化されており、アグレスのパイロットには思考制御によるこのシステムの管制も求められるため、機械へのコミュニケート能力を突出させたニュータイプの亜種または変種「ネクスト・ワン」である必要がある。マクレガーがタイラント・ソードのパイロットに選ばれたのも、ネクスト・ワン能力の潜在的保有者であったためである。
計画では直掩のスレイヴ・ソード2機、前衛のパシケファロ・ソード3機、後方支援機であるアパト・ソード2機、情報収集用のイクチオン・ソード1機をアグレスから管制する予定であり、計9機のソードからなるこの1ユニットで地球圏の全MSに比類する戦力を発揮できると見積もられていた。
しかし、実際にはスレイヴ・ソード以外の随伴機は完成せず、作中では2機のスレイヴ・ソードと1機のネモ・ソード改プロト3をコントロールするに止まっている。
改修が完了した後、木星師団を撃破するべくジュピトリス率いる艦隊を再攻撃。ジュピトリスに損傷を与えるとともに、コントロール下のスレイヴ・ソードと連携して戦艦2隻、ロンバルディア級などの巡洋艦7隻を撃沈し、メッサーラ・ディノファウスト・アルファ2機を撃墜する。
続いて、戦力を再編しつつ戦線を離脱しようとするジュピトリスに対してSEドライブによる攻撃を行い、展開していたメッサーラ・ディノファウスト・アルファ84機を一撃で撃墜。ジュピトリスの一部ユニットも破壊した。
ジュピトリスは戦線からの離脱にこそ成功するが、この戦闘で自前の戦力を擦り減らされたシロッコはティターンズと手を組むことを余儀なくされている。
その後、発揮されたアグレスの性能が強大かつ危険すぎ、もはや本来の開発目的であるブラフとして機能しない域に達していると判断されたため、SE計画は中止となりネオファリアも解体された。
残されたアグレスも一般に知られることのないまま極秘裏に処分されたが、開発において培われた技術はΖ計画をはじめとする後のMS開発に活用されているという。
立体化
2023年現在、バンダイおよびBANDAI SPIRITSによる製品化はなされていない。
2014年には、イベント限定品としてボークスから1/144スケールのレジンキットが発売された。なお、製品名は単に「タイラント・ソード」となっているが、実際の仕様はアグレスのものである。
関連イラスト
関連タグ
スレイヴ・ソード - タイラント・ソードに続くソード2号機。
ディジェSE-R - タイラント・ソードをはじめとするSE計画機由来の技術が使用されているとも言われる機体。
ターンA ユニコーンガンダム ELSクアンタ - ガンダムシリーズ内での最強議論が行われる時、これらの機体とともにタイラント・ソードの名前が挙がることがある。
ハーフガンダム ハーフゼータ - タイラント・ソードと同様に、「実在するかは不明だが、後年に発表されたパイロットの著書に存在が記されている」という設定の機体。
ガンダム開発計画 - SE計画と同様、アナハイムによって推進され、諸般の事情によって一般に公開されぬまま葬り去られた機動兵器開発計画。
マン・マシーン - ソードと同様、MSの上位に位置付けられる人型機動兵器のカテゴリー。
ベルゼルガ・テスタロッサ - 小説『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場するアーマードトルーパー(AT)。メカデザイナーがタイラント・ソードと同じで、ベースとなった作品の作風に似合わない超高性能機である点も共通している。