「GOD総指令…ご安心ください。作戦は上々。やがて人間どもは笛の力によらずとも、殺人を犯してくれるでしょう!」
CV/ 山下啓介
スーツアクター/岡田勝
概要
普段は街で八百屋を営む人の良い八百吉という名の男性の姿を隠れ蓑として町に潜伏しておいた。元から八百吉が八百屋を経営していてパニックに改造されたか、八百吉を殺して成り代わったかは不明。
笛を吹いてその音色を聴いたものを催眠状態にして自在に操る能力で人間を操り暴徒へと仕立て上げ、日本国民を殺人鬼に変えてしまう『1億総殺人鬼計画』の実行を総司令より言い渡されている。
今のネット社会なら当時よりもっと早いスピードで遂行できてしまいそうな計画である。
その手始めに実験を兼ねてとある町の住人を操り、親を亡くし1人寂しくフルートを吹いていたススム少年の回りで事を起こし、その罪を彼に擦り付けて住人達に彼を殺害させようと企てていた卑劣漢で、実際に笛を目撃したおばさん3人を即座に口封じのために射殺するなど冷酷極まりない。
しかし、計画は偶然現場に立ち寄った神敬介ことXライダーの存在によって破たんし始め、住人達のすぐ近くで笛を使うという油断から神敬介に妨害されたことで、一連の真相を衆目に晒す最悪の結果を招いた。
住人達にバレたため、衆目の前で怪人としての姿を現し、変身したXライダーと戦う。
最期は『クルーザーアタック』を受け青色の液体と化して消滅した。
ただ、暴徒と化した住人がススム少年をただ殺すのではなくリンチにしようと言い出した時、煽るどころかむしろ信じられないというようなリアクションをしており、逃げたススムを追いかける住人に混ざらず「こりゃあ思ってたんと違うぞ…」みたいな顔をしつつ立ち尽くしている。
その後、「(この住人達には)もう使う必要がない」と言っていた笛を取り出し隠れもせずに洗脳をかけるなどしている上、そもそもゴッド総帥からは「住民をけしかけてXを殺せ」と2回も言われている(要するに急かされている)のに全く実行しないなど作戦ミスではなく意図的な作戦放棄にも見える。
さらに、ススムを人質に取って「近寄ったらこの子を殺す」と言いつつも、Xが一切躊躇せずに突っ込んでくるのに殺す素振りはおろか改めて警告もせずに延々いつまでも小脇に抱えて応戦しており、半端な倫理観に目覚めていたと思われる。魔王に襲われて川に逃げ込もうとしても魚にもヤギにもなれなかった半獣神だけに。
能力
パンフルートに似た形状の笛の音色で集団催眠をかける事ができ、この能力を使って住人を殺人鬼に変えることが出来る。
また、頭部の2本の角から人間を消滅させるミサイルを発射して攻撃するほか、笛に仕込まれた毒針を飛ばして敵を攻撃することも可能。
余談
登場した第2話と同時に撮影されたエンディング映像の冒頭にネプチューンと一緒にトンネルから出現しているので、1話に限り本編に先行して登場した事になる。
この話のクライマックスの殺陣は、当時の京王線の工事現場を利用しており高低差もあったため速水亮氏は高所恐怖症だったところを大野剣友会の面々に馬鹿にされたくない一心で我慢したと後年インタビューで語っている。
なお同エピソードでは、敬介が包丁を曲げたのを見たススム少年から「そんなことが出来るのはロボットしかいない」と罵倒されているが、同じ原作者の作品である『人造人間キカイダー』あたりをススム少年が見ていたから…かどうかは不明である。
人間態を演じた佐藤氏は昭和ライダー第1作第71話や第2作第36話でも怪人の人間態を演じていたが、仮面ライダーシリーズの出演はこれが最後となっている。
派生作品
映画『五人ライダー対キングダーク』でも18大怪人軍団の一人として復活を遂げたものの、決戦時に仮面ライダー1号により鉄腕アトラスの小地球で殴られてしまう。その後形勢逆転とばかりに1号ライダーを絞め殺そうとしたが駆け付けたXライダーに妨害され、最後は1号にブン投げられて倒された挙句、上から落下してきたコウモリフランケンの誘爆に巻き込まれ消し飛んだ。
関連項目
カプリコーン・ゾディアーツ(仮面ライダーX):同じく山羊座がモチーフの怪人。しかも、変身者はJK(敬介が名前の由来)の友人である「ゴッド」こと五藤東次郎。
ミエゴン:同じように罪の無い子供が迫害される原因を作った怪獣。しかしこちらは単純にあちこちで被害を出しただけで、迫害自体は一般市民の勘違いによるものである。
山羊仲間
ヤギ怪人 ゴートオルフェノク※ カプリコーンアンデッド ヤギインベス 仮面ライダーレター
※そもそもパニックがモチーフとされている