概要
民間外宇宙技術開発機構『OSTO』(※)が開発した建設および土木作業を目的とした可変型パワードワーカー。開発コードは「PDG-300」。
月面に豊富に存在する「ヘリウム3」をエネルギー源としたプラズマリアクターで稼働し、状況に応じた3つ形態に変形する(マシンマッシグラーの動力源である水素同様宇宙にありふれた物質である)。この手のマシンにしては珍しく自律行動は不可能であり、遠隔操作か直接搭乗して操縦する必要がある。初登場は第1話。
ラビットハッチに転送する様な機能は存在しないため、普段は申し訳経度に隠された状態で天ノ川学園高校の倉庫に置かれている。なぜバレない。
※「Outer Space Technology Organization」の略。
形態
ダイザーモード
全高 | 3.000mm |
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全幅 | 2.310mm |
全長 | 0.840mm |
乾燥重量 | 412kg |
最高出力 | 5000kW×2(馬力換算:約13600馬力) |
最高歩行速度 | 56.9km/h |
通常の人型ロボット形態。起動時に『Power Dizer』のコールが鳴る。
宇宙開発の先端技術が注ぎ込まれているだけあって運動性能は非常に優れており、操縦者次第で人と大差ない軽快な動きが可能。ただし乗りこなすには相応のタフネスが必要であり、当初パイロットを務めていた賢吾は彼自身の身体が弱い点もあり長時間の運転が出来ず、動きもかなり鈍かった。チアで鍛えられた体力を持っている美羽ですら操縦後はダウンしてしまうほどで、アメフト部のキャプテンであり頑丈な体と体力を持つ大文字を以て初めてパワーダイザーを最大限に使いこなせるといえる。
また大文字の卒業に伴い(消去法で)二代目パイロットとして任命されたJKも一応センスはあった様だが流石に大文字程は使いこなせていなかった。タチバナも訓練の形で搭乗したことがあるが、フォーゼに操縦を封じられた。
ポテンシャルが十全に発揮できれば単純な格闘戦ではフォーゼよりも強く、相性がよければ幹部級のゾディアーツでも完全に圧倒するほど。ただしリミットブレイクは不可能なためダイザー単独での撃破は困難らしい(賢吾曰く「パワーダイザーじゃ一時凌ぎ」)。
操縦席はボディの「ダイザーキャビン」に存在。スペースはダイザーの胸部から大腿部付近と少々狭く、搭乗定員は1名のみ。ラビットハッチからの管制を受けながら操作することも可能。顔の様なパーツは「ストリーミングバイザー」と呼ばれるシールドバイザー。内部の操縦者の頭を保護すると同時に操縦や戦闘に必要な情報、戦況や敵の分析データを表示するモニターとしても機能する。頭頂部にある赤いコアユニット「ローミングレシーバー」に中枢システムが搭載されており、外部からの遠隔操作を行う場合もこのレシーバーを介してネットワークに接続する。
プラズマリアクターの「デュアルハイドラジェネレータ」は肩部に1基ずつ、合計2基が搭載されている。 因みに生成するエネルギー量は毎秒1ギガジュールという凄まじいもの。リアクターから生した熱は背後の放熱用ノズル「バギーパイプ」によって外部に排出される。
手に当たる「グラップルフィスト」は毎秒回転数300を超えるモーターを内蔵。人間の手と比較しても遜色のない複雑な動作と、一般的な乗用車を10秒で鉄の塊で変えてしまうほどのパワーを併せ持ち、長いリーチを加えた拳打は強烈な打撃力を生む。巨体を支える脚部「キャストステップ」は内蔵されたプレート型サスペンションとソール部分を覆う衝撃吸収用のシリコンワッパーが機体を安定させ、脚部起動ユニット「ムーバブルシャフト」の油圧式シリンダーとパワーモーターを連動させることで2足歩行は勿論、片足立ちしながらのキックやクラウチングスタートからのショルダータックルと言ったアグレッシブな動作を容易にこなす。
- 連携技
ライダー電光ドリルキック
ドリルモジュールを装備したフォーゼを投げ、電気を纏ったドリルキックで敵を貫く。
ライダー超電磁タックル
フォーゼ マグネットステイツとの連携技。
パワーダイザーがゾディアーツを掴んで拘束し、フォーゼに向かって前進。
対するフォーゼも砲身にエネルギーを収束させながらダイザーに突撃し、挟み撃ちにする。
エレキ、マグネットステイツは構成上ロケットモジュールを使えないため、推力を得るにはこの様な工夫が必要なのである(ファイヤーステイツも同様だが連携技は登場せず)。
ビークルモード
全長 | 3.000mm |
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全幅 | 2.310mm |
全高 | 1.510mm (背面のスロープを含めると2.750mm) |
平地最高時速 | 210km/h |
批評地最高時速 | 58km/h |
積載重量 | 0.560t |
Vehicle Modeの音声と共に変形する探査用車両形態。
格闘戦は出来ないが機動力が向上し、六輪駆動で素早く現場に急行する。マシンマッシグラーを乗せて走行も可能。後部のユニット(人型形態だと太ももに当たる部分)に8連装のミサイルポッドを内蔵しており一応攻撃能力も備わっているが、ダイザーモードほど細かい操作を必要としないためか専らアストロスイッチカバンからの遠隔操縦で動かしている。
人型形態から「つの字」の体勢になるように変形し、腕が前輪「フロントグリップ」、足先が中輪「ミドルグリップ」、膝に相当する箇所が後輪「エンドグリップ」を構成する。
この形態独自の機能として、強化マグネット式のワイヤロープを射出する「ワイヤーシューター」と呼ばれるユニットが起動し、材料運搬時に貨物の落下を防げるようになっている(劇中未使用)。
タワーモード
全高 | 3.200mm |
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全幅 | 1.470mm |
奥行 | 2.340mm |
Tower Modeのコールと共に変形する資材運搬用のマスドライバー形態。マシンマッシグラーの発射台になり、フォーゼを打ち上げる。地上で撃破すると周辺に被害を及ぼす危険のある、エネルギーの高まったゾディアーツを上空で撃破するために使用する。前述のミサイル攻撃で事前にゾディアーツを空に打ち上げる事で隙を埋めると同時に空で安全に撃破する事が可能。
演出は印象的だが使用回数は3回(第2・12・14話)と少なく、「ワープドライブ」が可能なコズミックステイツの登場で完全にお役御免となってしまった。
腕を真っすぐ伸ばした、ビークルモードから更に地面に突っ伏した様な体勢。
パワーダイザーの胴体~下半身はこの状態では「プラットフォームベース」と呼ばれる。サスペンション機構により発射線を固定して軌道の偏りを最小限に抑える役割があり、腕部が構成するハンガーポール「ガントリーアンバー」を固定する台座となる。
発射時には重力制御技術を応用したトラクタービームを内部で発生させる発射機構「タワーリングマスドライバー」によりマッシグラーを加速させ、成層圏の近くまで撃ち上げる推進力を生み出す。これにより射出1秒後には時速200kmに到達する。
後方には「エントリーゲート」というスロープが展開するが、大抵勢いよくマッシグラーが飛び乗るためあまり活用されない。
- 発射シーケンス
マシンマッシグラーをタワーモードのダイザーに乗せるとMACHINE SETのコールと共にマッシグラーを固定(ビークルモードでマッシグラーを乗せ、後からタワーモードに変形する事もある)。ハンガーポールが90度稼働して上空を向かせた後、READY 3…2…1…のカウントダウンを行いBLAST OFFの音声とともにマッシグラーを打ち上げる。なおこの方法でマッシグラーで行ける高度は成層圏を超える辺りが限界であり、宇宙空間に行く事はできない。
関連機体
軍事用パワーダイザー
劇場版に登場したパワーダイザー。名称からして戦闘用に開発されたのは確実だが、これが普段使われているパワーダイザーとどのような関係性にあるのかは不明。
キングダイザー
大文字が搭乗・命名した機体。メインカラーは黄色で他と異なり武装を装備していないTV本編版のダイザーと全く同じ容姿をしている。装甲や機動性が高いのだろう。多分。
クイーンダイザー
美羽が搭乗・命名した機体。左腕にガトリング砲を装備している。メインカラーは白でボディやシリンダーの一部が赤くなっている。
JKダイザー
JKが搭乗・命名した機体。両腕に2砲身のガトリング…つまり合計4本のガトリング砲を武装した非常に攻撃的なダイザー。メインカラーが緑で額が黄色い。
製品化
「DXパワーダイザー&マシンマッシグラー」が2011年11月26日一般販売。
アストロスイッチの付属は無し。
余談
- 黄色くて車両型に変形する人型ロボットという事で、どこまでだって行けて誰よりも速く遠く限界が一体どこかまだ見えない、前だけ向いてガムシャラに戦う奴や、トランスフォーマー。名前からグレンダイザーなどを想起する人が一定数いた模様。
- 後半は出番に恵まれなかったが、初期に頻出した事もあり登場回数は14回ほどと比較的多め。ゲーム作品でもそれなりに出番があり、『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』や『ロストヒーローズ2』では必殺技の再現のために召喚されている。
- デザインは「宇宙鉄人キョーダイン」のグランゼルを意識している(なおフォーゼが相方のスカイゼルに似ているのは偶然らしい)。劇場版では同じくグランゼルをルーツとするグランダインと対決している。
- ビークルモードは月面探査車を参考にしている。